念能力者の英雄譚   作:煽りイカ

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ヒソカ出して大丈夫だろうか…………


第26話

「ヒソカ、知り合いか?」

「僕の最愛の人さ♥️」

「黙れよクソが」

 

 つーかなんでここにいるの? 

 召喚されたとしか思えない。

 

「ヒソカ、もしかしてお前も勇者か?」

「うん、見てよ♠️」

 

 ナイフ? あっ、手裏剣に変わった。

 

「成る程、投擲具か」

「ハジメは斧かい?」

「ザッツライト、まさか同じ世界に呼ばれたとは奇遇だな」

「運命って奴かな♦️」

「嫌な縁だなホント」

 

 よくトランプ投げてるし、それが理由で選ばれたのか? 

 味方…………だよな。

 戦ってるときに襲ってこないよね後ろからとか。

 

「で、お前は何者だ? コイツと仲が良いようだか?」

「どこが?」

 

 仲良く見えたの? まあ少し仲良くしてたけどさ。

 

「お初にお目にかかる。斧の勇者の山川ハジメだ。専属はゼルトブル、メルロマルクの波を手伝いに来たからヨロシク」

「……四聖勇者の他にも勇者がいるのか?」

「七星勇者って言うんだけど知らないのか? 杖の勇者にはもう会ってるのに?」

 

 そう言えばこの世界の常識とか知らないのでしたね。1ヶ月経てば普通に調べると思うんだけど。

 ヒソカから聞かなかったのか? 

 

「あ、あの!」

「あ? 何だ?」

「サインくださいでござる!」

「は?」

 

 シルフィがサインを尚文にねだる。

 そう言えば出発前に色紙とペンを用意してた。確か盾の勇者のファンとかローナと話していた。

 

 斧の勇者のファンも結構いるらしく、冒険者に多いらしい。

 歴代の斧の勇者は優れた傭兵に多いとか。

 

「……別にいいぞ「ん? そこにいるのは尚文じゃねえか?」チッ」

 

 来たよ、バカ勇者の一角が。

 女好きの槍の勇者、北村元康だ。

 

「お前も波に備えて来たのか?」

 

 目付きがなんともいやらしい。蔑むような視線で尚文を上から下まで一瞥する。

 他人をバカにしてるけど、自分がバカだとは気づいていないとか本当に滑稽な野郎だな。

 

「なんだお前、まだその程度の装備で戦っているのか?」

 

 後ろのアバズレのせいでこうなってんだよ。

 早く気づいて愛の狩人になってくれない? 後ろの赤豚をバーストランスXをしてくれ。焼豚プリーズ! 

 

「ナオフミ様? こちらの方は……?」

「…………」

 

 あ、嫌なのか立ち去ろうとした。

 わかる。関わると疲れそうだ。

 

「チッ」

「あ、元康さんと……尚文さんと……」

 

 あー3バカの一角にまた会っちゃった。

 バカに構わないのが本当は楽。

 

 ほらほらヒソカも3バカには興味がなさそうだ。

 ……ウチのパーティーの奴等をジロジロ見てるけど。止めて、ターゲットにしないで。

 

「…………」

 

 ほら~剣の勇者が来たじゃないか。

 3バカ揃ったじゃないか。

 

「あの……」

「サイン……」

「誰だその子ら。すっごく可愛いな」

「…………」

 

 シルフィが嫌悪感を抱いている顔だ。

 真実も知ってるし、盾の勇者をバカにした態度取ればそうなる。

 

「始めましてお嬢さん。俺は異世界から召喚されし四人の勇者の一人、北村元康と言います。以後お見知りおきを」

「は、はぁ……勇者様だったのですか」

 

 ラフタリアさんの目が踊ってるよ。

 

「あなたの名前はなんでしょう?」

「えっと……ら、ラフタリアです。よろしくお願いします」

 

 ローナは元康を養豚場の豚を見る目である。

 ヒソカは眼中に無いらしい。今キラークイーンを見てる。

 

「アナタは本日、どのようなご用件でここに? アナタのような人が物騒な鎧と剣を持っているなんてどうしたというのです?」

「それは私がナオフミ様と一緒に戦うからです」

「尚文と!? ダメダメ!! あんな奴と一緒にいたら」

 

 尚文がキレて元康につっかかる。

 シルフィも事情をしってるからキレそうだ。

 

「……なんだよ本当の事だろ。ハッ、お前が波で出来ることは、せいぜい自分の命を守りながら俺の活躍を見守るくらいだよ!」

 

 こっちも腹立つと言いたいところだが、これから酷い目に会うのはそっちだし、まもなくするとゲームの知識が牙を向くだろう。本当に滑稽だ。

 

「お前、こんな可愛い子を何処で勧誘したんだよ」

「貴様に話す必要は無い」

「てっきり一人で参戦すると思っていたのに……ラフタリアお嬢さんの優しさに甘えているんだな」

「勝手に妄想してろ」

 

 ヒソカが俺のケツを見てる。なんで? 

 

「おや? その色紙は?」

「…………盾の勇者様にサイン貰おうかと」

「ダメダメ!! こんなクズに憧れちゃダメだ!! 貸して!!」

 

 おい……色紙をぶんだくったぞ。

 それでペンでサインを書く。『北村元康』と。

 空気読めよバカ。

 

「はい、どうぞ」

「…………」ビリッ!! 

「は? なんでクボハァァ!!?」

 

 槍の勇者のサインを破り、アッパーカットを顎にぶちかます。

 

 ナイスパンチだシルフィ! ヒソカも感心しているって顔してるぜ! 

 

 うっわ空中できりもみ回転してる。

 エンジェルビーツってアニメのテスト回を何故か思い出す。あのアニメの野球回も好きなんだ。

 

「モトヤス様ァァァァァ! 亜人風情が何するのよ!!」

「アンタらは何様のつもりですか? 女王が帰って来たら覚悟した方がいいですよ」

「この下民が!!」

「下民? 私達の事?」

「はぁ? アンタら以外に誰がいるのよ!?」

「ほぉ~」

 

 あーあ、ゼルトブルの勇者とフォーブレイの王族に喧嘩売っちゃった。

 出荷の日にちが早まったな豚が。

 

 元康は見事に気絶してる。こんなんで気絶すんなよ、シルフィは手加減してるのに…………。

 

「クックック、ハーッハッハッハッ!! 行くぞ、ラフタリア!」

「あ、はい! ナオフミ様!」

 

 少しだけスッキリした顔して、ここから出ていく。

 また後で。

 

「それで、あなたは何者なんです?」

「盾の勇者に説明したけど、斧の勇者の山川ハジメだ。専属はゼルトブル。メルロマルクの波を手伝いに来たからシクヨロ!」

「斧? 四聖勇者の他にも勇者がいるのか?」

「うん? さっき盾の勇者に説明したけど七星勇者って言う勇者もこの世界にはいるんだ。この国にもいるぞ? 一人」

「…………」

 

 コイツらもなんでこんなに常識とかわかんないんだ? 

 戦いで勝率上げたかったら情報収集とかするのに。

 

「フン、斧の勇者だかなんだか知らないが足手まといになるなよ」

「同感ですね。僕らだけで十分です」

「まあ、手伝いだからサポートするさ、村とかあったら防衛とかやっていくよ」

 

 こっちはアウェイなので下手に出よう。

 

「…………で、ヘルプの編隊機能は見たのか?」

「編隊機能?」

「何だそれは?」

 

 そう言えば見てなかったけ? 原作で知らないとか言ってたような。

 

「登録した人間を波の時に一緒に転移するって機能。軍隊とか大人数も連れていける。荷物とかもOKだ」

「平気ですよ、照明弾も持ってますし、僕らだけで十分な戦力でしょう」

「軍隊を率いて1時間かかる場所だったり、1日かかる場所もあるだろ? 近くに村かあったら避難誘導するのは誰だ? 町かもしれないし、規模もわからない。雑魚モンスターの掃討は? 人数いた方が得だ」

「確かに…………」

「なお、この編隊機能は結構役に立つ。ゼルトブルの波2回とも死人ゼロだった」

「流石ですね」

 

 死人0は本当に運が良かった。

 こっちも仕事だし、手は抜きたくないし。

 

「どっちか二人は国の軍と相談してくれ」

「わかった、俺が行こう」

 

 錬君ったら本当に話が分かる奴だな。

 冤罪の時に、何故尚文を庇わなかったのか不思議だ。

 

「それじゃまた波で会おう」

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

「ああ、今回は俺一人に任せてくれ」

「え……でも」

「良いんだ!」

 

 ラフタリアはビクっと驚いて縮こまる。

 バルーンが尚文の目の前にやってきた。

 

「オラオラオラオラ!」

 

 尚文はバルーンを殴り付ける。

 それを少し離れた場所から見守るラフタリア。

 

「ナオフミ様…………」

「ウェェェェェェン! ローナァ! 助ケテェェェ!」

「え?」

 

 小人の様なナニカがバルーンに食われそうになっていた。

 ラフタリアはバルーンを切り裂き、小人を助ける。

 

「だ、大丈夫ですか?」

「ウェェェェン! 見ツカッチャッタヨォ~!」

「はい?」

 

 小人は泣き出してしまった。

 

「ナオフミ様、ちょっと…………」

「どうした、ラフタリア?」

「小人みたいなのが…………」

「小人…………何処にだ?」

「えっ? あれ? 今さっきまでここにいたのに……って、なんで微笑んでいるんですか!?」

 

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

「ヒソカ、見つけたぞ」

「ハジメ」

 

 ヒソカを見つけた。ナオフミ達はいない。

 ちょっと聞きたい事がある。

 

「お前なんで死んだ?」

「団長とのデートさ、負けちゃった♣️」

「…………何処でデートしたんだ?」

「天空闘技場」

 

 やっぱり…………そう言えば心臓止まったけど死後の念で生き返ったアレか? それで死んで召喚されたのか? 

 

「酷いよ複数人でやるとか」

「確実に殺っておきたいだろ、ウザいし」

「元の世界に戻ったら皆殺るよ♦️」

「頑張れー」

 

 懲りないなコイツは。

 だから複数人でリンチされるんだよ。

 

「ねぇ、ハジメ。波終わったらデートしない?」

「嫌だ」

 

 波終わったらゆっくりしたいんだけど。

 

「でさ、君の部下相当いい点数だね♥️ 皆念能力者かい?」

「…………」

「怒らないでよ、それまでは協力するつもりさ♠️」

「…………本当だろうな?」

「OKすれば君の部下には手を出さないつもりだよ♣️」

「よぉしわかった。いいぜフルボッコにしてやる」

 

 コイツ…………脅迫とかしているから嫌われてんだよ。自分でも自覚してるだろう。

 しかし、心強い味方だ。

 

「じゃヒソカ、互いに頑張ろうか」

「ああ、最後に君とヤれるなら最高だよ」

 

 ヤれるってはうざいな。

 まあいい、デートは勝つ自信あるし。

 

 取り敢えず、やることやるか。

 

「少し言ってやらなければならない奴がいるな…………」

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

「ただいま~」

「ハジメ様、何やったんです?」

「お兄ちゃん! ちょっと何やったの?」

 

 えっ? 何って…………。

 

「兵士が斧の勇者を探し回ってるけど何やったの!?」

「クズと遊んできた」

「「遊ぶな!!」」

 

 前の世界じゃしょっちゅうやってる事だし。

 チームの奴ら元気にしてるかな? 

 

「あのねーお兄ちゃん、他国で暴れたら不味いでしょ流石に」

「…………いや、しょうがないだろ。これ見てくれ」

 

 

 ~映像水晶再生中~

 

 

「確かにキレますけど……」

「不味いでしょ」

 

 前の世界じゃ俺って結構な異常者だったのか…………。

 

「兵士が騒いでいるでござる」

「あのクズを探しだせって言ってたよー?」

「…………」

 

 ヤベェ、どうしよう。暴れていい許可は俺は既に持ってるがやり過ぎた。

 

「まあいい、波終わったら考えよう」

「お兄ちゃん!!」

 

 

 

 

 ★

 

 

 

 

 00:00

 

 ビキン! 

 

 転移したのは森、遠くには村が見えた。

 

 飛び出す影が3つ。そしてそれを追う12人。

 間違いない。3勇者、それを追う仲間達。

 

「ちょっと待てよ、お前等!」

 

 ん? 兵士が沢山来ている! ありがとう錬君。

 

「勇者達の援護に向かうぞ急げ!!」

 

 騎士団? 何処へ行く? そっち波のボスの方角。

 ちょっと、村の避難は? 

 

「おい、兵士共!! 民間人の避難はどうするんだ!!」

 

 すると隊長格はふんぞり返り、

 

「は? 知るか! 勇者様の援護と波の魔物の対処が優先だ!!」

「ふざけんな! 国民の命はどうでもいいのか!! 誰から徴収した税金で生かされているか教えてくれ!!」

「…………」

 

 良かった何人かは立ち止まって、村の方へ走っていった。真の公務員がいてよかった。

 

 雑魚モンスターの掃討はいいんだか、民間人の避難はどうすんだよ。

 

「ったく、あれ? 尚文は?」

「先に行ったよ♦️」

「出遅れた」

 

 皆で走った。途中で尚文達を追い抜いた。

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

「俺とキラークイーンとシルフィは防衛線を、春菜、ローナ、夜刀は民間人の避難を!」

『了解!』

 

 取り敢えず波の亀裂から遠ざけるような形に避難する事にした。

 土地勘も無いし、避難誘導は他の奴等に任せてたからわからねぇ。反省だな。

 

「風王列空斬X!!」

「ドライファ・エアスラッシュ!!」

「孤空連打!」

 

 うん、結構いるから2、3割しか倒せなかった。

 それで数出てきてるから増えるしキリがない。

 

「あれやるか」

 

『我、斧の勇者が天に命じ、地に命じ、理を切除し、繋げ、膿みを吐き出させよう。龍脈の力よ。我が魔力と勇者の力と共に力を成せ、力の根源足る斧の勇者が命ずる。森羅万象を今一度読み解き、彼の者等に光の矢を与えよ』

「アル・リベレイション・ホーリーレイX!」

 

 空中に沢山の光の矢が現れ射出し、魔物達に突き刺さる。ゲートオブバビロンみたいだ。

 

 防衛線近くの魔物は殆ど倒したし。

 あ、まだポップしてくるのか。

 

「何だ…………今のは…………」

 

 あれ? 尚文、遅くない? 

 

「よっ、遅かったな。避難誘導の方へ行ってて良かったぞ?」

「足りすぎてた。お前らの仲間かなり早いぞ」

「皆才能あるからね」

「ヒソカもニヤケ面して戦ってたんだが…………」

「殴っていいぞ? あ、トマホークボマーX!」

 

 チュドーン!! 

 

 防衛線にも過剰戦力だったかな? 

 俺1人でも十分かも。

 

「…………」

 

 何だよ? 

 

「…………七星勇者ってのはそんな強いのか?」

「さぁ? この国の勇者は頭が回るらしいけど」

「そんな奴がいるのか? 誰だ?」

 

 あのクズですよ。

 

『我、斧の勇者が天に命じ、地に命じ、理を切除し、繋げ、膿みを吐き出させよう。龍脈の力よ。我が魔力と勇者の力と共に力を成せ、力の根源足る斧の勇者が命ずる。森羅万象を今一度読み解き、彼の者等に雷の雨を降らせ』

「アル・リベレイション・ライトニングX!!」

 

 これでここら辺の魔物は掃討できたな。

 ん? 波の亀裂が無くなっていく。

 

「それじゃ掃討しますか」

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

「行くのか宴?」

「…………支援金が欲しいんでな」

「明日でもいいんじゃない? 疲れてるだろうし」

「行った方が食費が浮く」

「そうか…………」

 

 無理強いして止めはしない。

 決闘で負けないとラフタリアさんの本音がわからないし。矢鱈無闇に原作を壊しては行けない。

 

「俺はしばらくここにいるよ」

「そうか、じゃあな」

 

 これから起こる事を話せないのは心苦しい。

 俺は手を振る事しか出来なかった。

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