「世界中の全てがナオフミ様がやったと責め立てようとも、私は違うと……何度だって、ナオフミ様はそんな事をやっていないと言います」
ふむふむそりゃそうだよ。
証拠もあるしやってないよ。
尚文はラフタリアさんに抱き締められている。
決闘に横槍が入り、奴隷紋が解除された。つまり本当のラフタリアさんの心の中の真実である。
乱暴されたり、嫌なことされたんだったら抱き締めないし、そんな言葉は吐かないだろ。
「どうか、信じてください。私は、ナオフミ様が何も罪を犯していないと確信しています。貴重な薬を分け与え、私の命を救い、生きる術と戦い方を教えてくださった偉大なる盾の勇者様……私はアナタの剣、例えどんな苦行の道であろうとも付き従います」
呼吸器系の風邪引いてたんだっけ?
体調を考えてくれる上司ってホワイトだし、特に問題無いだろ。この部下愛をパリストンにも見習って欲しい。
「どうか、信じられないのなら私を奴隷にでも何でもしてください。しがみ付いてだって絶対に付いていきますから」
「くっ……う……うう……」
師匠、元気にしてるかな?
あ、錬と樹が出てきた。
反則だって言って、降りてきたよ。それで風の魔法等を説明していく。
「……ちぇっ! おもしろくなーい」
「ふむ……非常に遺憾な結果だな」
本当に不愉快だなコイツら。
自分らの国に呼んでおいて、この仕打ちはおかしいだろうが。結構この国に批判があるの知ってるのか?
あまりにも横暴だから女王キレてるらしいぞ。
「回復魔法ありがとう。次も勝ってくるか」
「では、これより槍の勇者と斧の勇者の決闘を開始する!」
「んむむ?」(酷くない?)
今俺の状態はガムテープを口に張られ、手と腕を縛られそこに重りをつけられている。
どっかの霊界探偵の様な状態だ。ハンディキャップがヤバ過ぎない?
「んふぅ」(クズが)
「聞こえんなぁ~貴様がやった事を後悔するがいい」
民間人を守った俺になんて仕打ちだ。
つーかお前波に参加しなかったくせに何故ふんぞり返ってんだクズ?
「勝敗の有無は敗北を認めることとする!」
「お前、何やったんだよ」
「んー」(教育)
少し感情的になりすぎたと思う。
だけどクズが哀れで仕方なかった。
「まあ自業自得だと思うぜ。それにせっかくサイン書いたのに破くような部下の上司だ。どうかしてるぜ」
いやいやシルフィがお前にサイン書いてと頼んだのか?
お義父さんにした事も思い出して欲しいですな。
「少し可哀想だと思うが報酬が上がるんだ。悪く思うなよ」
なお、最初は三勇者とその仲間達でリンチする予定だったが、錬と樹は拒否。まあ、波を手伝ったからな。
元康は報酬が増える条件なので参加。
春菜達には黙って見ておけと言っておいたから援軍は無い。
「では──」
縛られたままじゃ戦えない。
少し能力使うか。
「勝負!」
「うおおおおおおおおおお!」
◆ ◆ ◆
「バカ……な…………」バタリ
「もう終わりか?」
縄も外れ、普通に立つ。
そこまで強くなかったし、あくびを数回しちゃった。
ざわざわ
あーらら、賭けとかやってたから大損みたいな様子だな、ローナに俺にベッドしろと言っておいたから儲かってるだろう。
現にローナがホッカホカな顔してる。
「さ、帰るか」
この後クズの命令で、城の兵士達が襲い掛かって来たので気絶させた。
◆ ◆ ◆
翌朝、リュート村。
「…………死人が出たか」
「…………若干名ですが」
俺の所の波は死人出してなかったけど、出たら悲しいよな。さすがに。
こっちの兵隊も連れてこれば良かった。
次来るときは連れて来よう。
「…………」ザッ
あっ尚文だ。
「よっ、大変だったな」
「「…………」」
「ん?」
あれ? どうした二人とも?
怖いよ顔が。
「お前のせいで大変だったんだが?」
「……?」
「逃げた時に兵士を傷つけたからその分を引かれて支援金が無しだった。味方って訳でもないのにだ」
「あ」
そう言えば、クズに直談判しに行って尚文を擁護したな。
…………それでとばっちり食らったか。
「ああ、それでも足りないから所持金殆どと装備の一部が奪われた」
「これ有り金全部だ」
「寄越せ」
「装備はどうする?」
「いらん、武器屋で調達するから売れる物だ」
石でいいかな? 少し珍しい素材とかもいいだろうか? 行商するんだから丁度いいだろう。
「…………どこから出した」
「武器の中から」
大きな袋に詰めてやろう。
台車とか無いだろうか? あ、あった。
「こんくらいかな、希少な薬とかに使う素材も入ってる」
「一応貰っておく」
ドロップの保有数の2、3割だろうか?
結構出した。
「って事だ、もう俺に関わるな」
台車使ってどっかに行こうとする。
不味い。勇者同士仲良くしないと。
「待って待って、三勇教って知ってる?」
「…………」スタスタ
「ちょっと! ウェポンコピーって知ってるか!?」
「…………」スタスタ
「なあ! クラスアップの斡旋するから勘弁してくれ!」
「………………」スタスタ
「待って止まって女王の……」
「……」ピタッ
よーし、止まってくれた。
人間だから話せば分かる。
「女王に会えば無実を証m」
「俺に関わるな!」ギロリ!
俺、前にネテロ会長をパリストンと一緒に虐めてたら、十二支んが無言でブチキレた事があったんだ。
怖かったんだけど、尚文のブチキレもそれと同等に怖い。
あー尚文が行っちゃった。
「やっちまった…………」
「自重しようね」
「うん」
やっべぇ、主人公をキレさせちゃったよ。
おいおい……どうする。有能だから付き合いたかったんだけど。
「どうしよう…………」
「名誉挽回のチャンスがあったら頑張りましょう…………」
「ああ……」
物語上、多分また会うと思う。
その時に挽回しよう。
「やぁ、嫌われたね♦️」
「ああ、出来ればゼルトブルにスカウトしたかったんだけどな」
なんだヒソカか。
シルドウェルトの使者の誘いにも乗らなかったので無理強いはしたくない。
「そう言えばどこで俺の事知ったんだ?」
「フォーブレイで見かけたよ。鞭の勇者だったけ? ソイツと揉めてるときにね♣️」
「全然気が付かなかった」
砂時計で会った時ににやっと笑ったので、俺の事をどっかで知ったと思ってた。知らなかったら顔が驚くだろうし。
「取り敢えず、情報交換しないか?」
「賛成♠️」
転生者等の波の尖兵、四霊結界、波の正体と黒幕の存在、フィトリアたんの事とか。ポータルとかも。
「それホント?」
「マジだ。能力等で調べた」
「凄いね♥️」
♥️マーク付けんな。
「じゃあ僕から、と言っても少ないけど──」
~投擲具の勇者説明中~
「…………それ本当か?」
「本当、逃げられたけど」
それが本当ならあの事も説明がつく。
やっぱり、イレギュラーの存在があったのか。
「情報提供感謝する」
「こっちも、フィトリアってのにも会ってみるよ♣️」
フィトリア、ボコボコにしていいぞ。
俺が許可するッ!
「さてと、俺らは帰りますかな」
「僕はもう少し尚文と一緒にいるよ♦️」
「お手柔らかにな」
こうして、俺達は本拠地に帰るのだった。