「さて、ドラキューア山脈に行きますかな?」
「皆他の冒険者に迷惑とかかけてないよね?」
「アイツら個性強いから十分ありうる」
メルロマルクでやらかした翌日。
ドラキューア山脈に行かせた配下達の様子を見に出かける。
資質上昇とかもさせたいし、技術系の能力者もいるので素材とかも欲しい。
後方支援ってのは相当大事。
「さて、ミリーの棺桶持ったか?」
「はいでごさる」
「………zzz」
カリンの未来予知では特に悪いことは起きないので、暇なコイツを連れていく。つーか寝てる。
夜しか動けないけどね。
その代わり強いけど。
◆ ◆ ◆
「ボス! お疲れ様です!」
「ご苦労、オリガ。首尾は?」
「全隊殆どLv70を越えています!」
こいつはオリガ。一番隊の副隊長を務める女だ。
外見は鬼の様な感じで、人間の比率が多い。だからモテる。
「で? グランとテスタは?」
「昨日から帰ってません。夜通しレベル上げと素材を回収をしてます」
「マジで? 体力ついてんなアイツら」
「私とテスタは止めたのですが………親父がどうしてもと、心配なのでテスタが着いてきました」
「あの人豪快ですね………」
グランは隊長、テスタは副隊長だ。
グランの外見は体長3m程の巨大な鬼。テスタは体長2m程のオーク。
グランとオリガは親子。レイに捕まえられる前は大規模な盗賊団を率いてたらしい。
「他の兵は休舎で寛いでます」
「オーケイ、馬鹿コンビは?」
「二番隊の二人も帰ってきてません。マリオンは帰って来た見たいですけど」
「ちょっと見てくるわ。Lv上げ頑張れ」
「ハッ!」ビシッ
◆ ◆ ◆
「あれ? ボスではありませんか?」
「マリオン、馬鹿コンビは?」
「まだ帰ってきません………」
二番隊の宿舎に着くと、上半身が黒髪のショートヘアで下半身が蜘蛛の美女が出迎える。
マリオンはアラクネなのだ。
オリガと同等に綺麗なのでモテるとか。
「アイツら結構奥まで入ってるだろ?」
「ええ……あの二人を止めたのですが………」
「話とか聞かなそうだもんな………」
隊長のカクライ、副隊長のグスタフが馬鹿コンビだ。
カクライは天狗、グスタフがミノタウロスだ。
二人は元冒険者で同じパーティーに居たとか。二人ともテンション高く、よく領地で能力とか見せてる。
この隊の念能力者は、全員具現化系の念獣という面白い事になってる。
あの時クワガタを見せてたのはカクライ。
本人を叱った所、別に能力は作るとの事で念獣は名刺代わりと言うことになった。
「まあ強い方だし、大丈夫だろ」
「一昨日から帰ってきてないんですけど………」
「元気でござる………」
ザワザワ!
「ん? 何か合ったんですかね?」
「魔物でも表れたか?」
まぁ冒険者が駆逐しないといけないんだよね。
仕事しますかな?
俺達は外に出てみると、人だかりが出来ていた。
あれ、なんだあのデケェ猪と魚?
「おい! 俺らの方がデカイだろ!!」
「いや! こっちの方がデケェに決まったんだろうがボケ!!」
「あ!? ふざけんなよタコが!」
「………もう喧嘩止めましょうよ」
あれー? 何やってんの君ら?
今さっき話した一番隊と二番隊の四人だ。
「おい、なんの騒ぎだ?」
「「「「お疲れ様ですボス!」」」」
「……ああご苦労」
言い争いしてたのになんで息ピッタリの発言できるの?仲良いね。
「それで何があった?」
「数時間前にバッタリあって──」
話をまとめると、レベル上げしてる際にバッタリ会い、どんな大物倒したかって事を話したそうだ。
段々とヒートアップし、どれだけ大きな獲物を捕まえられるか勝負になったらしい。
多分グランらは水場で、カクライ達は森とかでハンティングしてたのだろう。能力的に。
「だからこっちの方がデカイだろ!!」
「いいやこっちだボケ!」
「ブァーカ!」
ブチッ×3
「「「やんのかテメェェェェ!!」」」
「止めましょうよ………」
うわっ戦うのか? 掛け声の息ピッタリ。テスタには戦う気無いみたい。
テスタ加勢したらグラン達の勝利なんだよな。
グランはカマキリの刃、カクライは大きなオオクワガタ、グスタフはティラノサウルスを具現化。
グ、グラン、お前カマキリって………マジ?
いや、ギリギリいけるか?
空気がピリピリした後、それが弾けた。
「マンティスブレイド!」
「月下美刃《ダブルボランチ》!」
「竜王戦《デンジャラスゲーム》!」
バカ! 人が結構多いんだぞ!?
暴れたら建物とかにも被害出るだろうが!!
仕方ない止めよう。
「いいよ、お兄ちゃん。私止めるから」
「いいのか?」
「うん」
ここまで言えるって成長したな。
春菜の能力って万能だしな。
「なっ!」
「ぐ!」
「がぁ!」
この三人の身体中に六角形の重りの様な棒が複数出現する。
ワートリの鉛弾って言った方が分かりやすいだろう。
重いために、三人は動けなくなる。
「さて、どうするの? 何だったらまとめて相手しよっか?」
「降参だ」
「「俺らも」」
三人共に能力を解除する。
おっふ。やるな。
「お兄ちゃん、どうする?」
「取り敢えず処理しよう。猪の肉は干し肉でいいかな?」
「魚は?」
「半分は皆で食べて、残りはシーラに運ばせる。今領地にいるし」
「後で連れてきましょう」
「ボス、食材になりそうな魔物を結構狩って血抜きしてるんですが、今氷魔法で保存してます」
「ナイス、それも運ばせよう」
シーラは20人の弟子の一人で、立て籠り時の人質だった商人の娘である。
助けた商人がお礼がしたいからと言って、俺の領地に送ってきたのだ。
後方支援系の職種も仲間に入れたいし、奴隷紋を付ける事を了承してくれ、能力者になった。
今、商会を設立して商いを始めてる所だ。
ロクスと提携したりして商品開発したり、冒険者用の武器や薬とか準備してるらしい。
「さて、猪と魚を運ぶぞ」
『へーい』
俺達は炊事場まで食材を運んでいく。
「さて、ローナ。頼めるか?」
「出来ますけど、全部捌けるかどうか………」
確かにこの量はな………。
俺も普通以上に出来るし手伝うか。
「よし、儂もやろう」
「グラン………?」
外見や行動が豪快だけど出来んの?
料理って繊細な事だぞ?
面白そうだからやらせてみるか。
◆ ◆ ◆
「何これウマイ!」モグモク
「親父って昔から料理上手いんですよ。盗賊団の時もよく皆の食事作ってましたし」
「わーお」モグモク
グランの飯が思った以上に美味しかった。
ローナも美味しいんだけどこっちが上。
魚の柔らかさ加減や調味料の絶妙なハーモニーがたまらない。魚と森にある食材でこれだけ旨い料理を作れるって凄い。
「親父の技術も凄いんですけど、カクライやグスタフも凄いそうですよ」
「俺は鍛治ができる。実家が武器屋」モグモク
「俺は実家が漁師だから釣りが得意だ。罠とかも作れるぜ」モグモク
「後オルクは薬屋の三男坊なので薬草とか詳しいそうです」
「技術者多いな」モグモク
へ~オルクの奴も結構やるんだな。
「ローナの肉炒めイける。味付けもいいな」
「ありがとうございます………」
料理対決で負けたから落ち込んでるなコイツ。
慰めてやろうか。
「十代でそれだけ料理が旨ければ将来有望だろ。強いし役に立ってるし問題ねぇよ」
「ハジメ様………」
頭をポンポン軽く叩いてやる。
ローナはグランより強いからな。弟子の中では五本指に入る実力者だ。
「ボス、お代わりありますぜ」
「頂こう」
「拙者も食べるでござる」
俺は美味な料理に舌鼓を打つのだった。
数日後、ここにヒソカが来るのだが………隣に相方を連れていたらしい。
その相方がよーく知ってるキャラだということを知るのは、まだ先の未来であった。
暫くですが領地経営等が続きます。