念能力者の英雄譚   作:煽りイカ

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第2話

 朝食後。

 

「え、仲間1人しか居ないのか?」

 

「ええはい、条件を絞りこんだ結果補欠しかいなくなりまして。10人程候補がいたのですが全員条件に該当しませんでした」

 

 やっぱ絞りこんで正解かもしれない

 その中に波の尖兵がいる可能性がある。自己中な性格だし奴隷紋なんてつけられたくないだろうし。

 

 スパイだとしても奴隷紋で嘘を見破れるし。能力でも見破れる。嘘をついたら体が赤く光るって能力だ。

 

「そうだ、頼みたいことがあるんだけど?」

 

「なんでしょう?」

 

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 はい、それでは自己紹介してもらおう。

 今休憩スペースに2人で座っている。

 

「ローナです。よろしくお願いしますね勇者様」

 

 ローナって娘は簡単に言えば女騎士って感じだ。銀髪のポニーテールで150cm程、体格は細い。気が強そうな目をしている。八重歯か魅力的だな。

 得物はエストックだ。

 

 さてこの女に聞かなければならない事がある。

 

「さて質問するぞ」

 

 もう奴隷紋は着けており、嘘をついたら痛みを発するようにしてある。主人を攻撃すると発動するようにも設定。

 

「ハイかいいえで答えろ、お前はスパイか? それとも誰かの命令を受けてるか?」

 

「スパイってなんの話です? 自分の意思で来ているのでいいえで」

 

 うん、発動しないか。

 嘘発見能力も真実だと言っている。

 

「次の質問、何で俺のパーティーに志願したんだ?」

 

「は、はい玉の輿です」

 

 ストレートだな~オイ。

 コイツはビッチなんじゃ……

 

「じ、実は私は7人姉弟の一番上でして、ついでに家が貧乏なので稼がなくてはいけないんです。だからハジメ様のパーティーに入った方がお金が入るかなって」

 

 異世界にも貧困ってあるんだな。

 生きるのに必死って事か。

 

「そしてそのまま取りいっていい暮らしを下の弟と妹に楽させてあげたいなって」

 

「大変だな。偉いよ」

 

 大家族とかテレビで見るけども親とか大変そう。反面賑やかで楽しそうだけど。

 

「で次の質問、お前の周りに小さい頃から天才と呼ばれている人間っているか?」

 

「周りにはいませんがそう呼ばれているのは結構いますね。話したことはありませんが」

 

「有名なのはどんな奴?」

 

「例えばフォーブレイの鞭の勇者とか有名ですね。この国だとレイ・アースログって魔導師が有名でしょうか」

 

「レイ・アースログってのはどんな奴なんだ?」

 

「女好きの自己中心的な偽善者って聞きますね。噂だと冷酷非道な奴だそうです」

 

 クロ確定だな。

 脳内抹殺リストに載せておこう。

 

 波の尖兵を何とかしとかないとな。他の勇者も危ないし。波の時に足引っ張られちゃ嫌だしさ。

 

 まあ転生者殺しはまた後で考えるとして今は自分の事を考えるとしよう。

 

「取り敢えずレベル上げに行くか」

 

「あの~もう少し話しません? 私は斧の勇者の大ファンでして」

 

「少しだけな」

 


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