念能力者の英雄譚   作:煽りイカ

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第39話

「兜割りX!」

「GAOOOOOOOOO!」

 

 次元ノピッポグリフ Lv80

 

「ようし、ボスを倒したし残党倒すぞ」

「了解です」

 

 いやー今回波は街が近くにないから良かったぜ。

 その分兵を回せたから早めに終わった。

 

「アル・ドライファ・ホーリーレインX」

 

 早くお風呂入って寝たい。

 最近夜とか活動してるから眠いのだ。

 

 実は俺と春菜とその一部しか知らない部隊がある。

 通称《暗部》の零番隊だ。

 

 俺と弟子の一人が経営。俺が隊長。

 その弟子の一人が元どこかの影らしく、他の人材をどこかから連れてきた。

 

 外見は皆NARUTOの暗部とそっくりの見た目だ。

 良い。雰囲気が。

 

「ハジメ様、お疲れ様です。全部倒したみたいですよ」

「ご苦労。さ、帰るか」

 

 

 

 ■

 

 

 

「ふぅ、気持ち良かったー」

 

 今回の波も被害者ゼロだったし運が良かった。

 これが続くといいな。

 

「あ、お兄ちゃん。どう? 一緒に麦茶でも?」

「お、丁度いい」

 

 パジャマの春菜が机の方で一人で飲んでいた。

 少しくらい付き合うかな。

 

「よっこいしょ」

「あ、ハジメ様」

「あ、御館様」

 

 あ、ローナとシルフィだ。お風呂上がりかな? 

 二人共に顔に赤みが出ている。あ、コーヒー牛乳を片手に持ってる。

 

「ご一緒でいいですか?」

「いいぞ」

「拙者も」

 

 俺は春菜から貰った麦茶に口を付ける。うまい。

 

「お兄ちゃんって前の世界の事聞きたいな」

「ん? 例えば?」

「誰と仲良かったりとか、ハンターとしての活動とか」

 

 んー。

 

「パリストンとは結構話したな。後は脱会長派とも関わりある」

「ええ?」

 

 やっぱり意外だよな。

 

「パリストンはよく協会の方へ行くと必ず会いに来るな」

「目とかつけられたんだね」

 

 まあ、とある事があって俺らには甘いからな。

 ジジイを何とかする時には必ず呼ぶ。

 

 例えば━━━

 

 

『フォフォフォ、同じハンター仲間として知っておくのが常じゃからのぅ』

『もしもし副会長? 会長が更衣室覗いたんですが』

『酷くね?』

『ダメじゃないですか会長〜』

『早いなオイ』

 

 

「って」

「仲良くなるわけだ」

 

 会長を何とかするには越したことはない。

 

「でも何で脱会長派とかかわり合いあるの?」

「俺らチームが結構やらかしてさ、ブシドラのとっつぁんから追いかけられてたんだ」

「何やったの…………」

「んで、多少仲良くなってさ」

「鬼ごっこで仲良くなるんだね」

 

 やばい時には脱会長派一丸となって追いかけて来たからね。

 

 

『まぁぁぁぁぁぁてハジメェェェ!!』

『あばよ〜とっつぁん〜』

 

 

「なんかルパンみたい」

 

 ジンさんもそうやって逃げてたって。

 流石バックレ屋ですわ。尊敬するぜ。

 

 ジンさんで思い出したけど、よくよく考えればパリストン以外の十二支んから疎まれてた。

 まあジジイ虐めとかしてたから。

 

「そう言えばハジメ様の仲間って──」

「あ、夜刀ちゃんのライブの事でミーティングあった」

「?」

「話したくないの?」

 

 みんな頭おかしいからな。

 ミレナリオなんて優しい方だ。

 

 

 

 ■

 

 

 

 とある日の夕方。

 

「はーじーめ様、良かったら今日ウチにご飯食べに来ませんか?」

「ん? いいぞ?」

「社員寮で家族と一緒にですけど」

 

 そう、ローナの家族が社員寮にこの前越してきたのだ。

 

「結構肉とか持ってた方がいいか?」

「お、最高です。鍋にしようかなと」

 

 母親と6人の弟妹でしたっけ? 

 騒がしいって聞いたけど。

 

「それじゃ行くか」

 

 ローナの家族かー。

 何人か見たけど…………まあいい。

 

 えっとここか? 大きい家だな。

 ん? 少しボロボロだな? 

 

「お邪m」

「何やってんだお前はぁぁぁぁぁ!」

 

 ドカァァァン! 

 

 ドアノブを触ろうとしたらドアが飛んできた。瞬間的に避けたけど。

 

「いてぇなラピ姉……」

「アンタ私のコッペパン食ったでしょ!!」

「ふざけんなあれ腐ってたぞ! どんだけ腹壊したと思ってんだ!」

「なぁぁぁんだどぉぉぉぉぉ!」

 

 おい、小さなことで喧嘩してんじゃねえよ。

 

「あーローナいるか?」

「あ、斧の勇者様!」

「オラッ!」

「グヘッ!?」

「喧嘩はおやめなさーい、パラライズアックスⅢ」

 

 全くもー、やんちゃだな。

 

 コイツはラピ。次女。

 それで男の方はヤーリ。四男だ。

 

「あーハジメ様! どうぞ中へ」

「ああ、ヤーリを運ぶぞ」

 

 俺がローナの家族と会った時、実はかなりビックリした。

 

「全くも〜」ズシン ズシン

「う〜痺れる」ズシン ズシン

 

 次女は181cm 14歳

 四男は191cm 10歳

 ちなみに俺は172cm

 ローナは149cm

 

「あら〜斧の勇者様」ゴホゴホ

 

 この方がローナの母親。ミリセラさんである。

 180cm。

 

「あ〜斧の勇者様だ〜」

 

 三女のマリリンちゃん。背が高いけどツインテが似合ってる。

 178cm。9歳。

 

「ただいま」

「帰ったぜ」

「ローナ姉、今日は肉か?」

 

 長男ビック、次男パーズ、三男ターン。

 上から205cm、208cm、202cm。三つ子、12歳。

 

 お分かりだろうか。

 ローナを除いて全員高身長だ。

 

「勇者様、お久しぶりです!」

「おお、材木屋へ奉公だっけ?」

「パーズが材木屋です。俺はシータさんの商会で奉公です」

「顔そっくりだからな」

「ハッハッハ」

 

 ちなみにターンは旅館で奉公だ。

 

「皆〜鍋できましたよ」

「イヤホオう!」

 

 エプロン姿が似合ってるぜローナ。

 肉も貰ってきたから最高に鍋が盛り上がるぜ。

 

『頂きます』

 

 す、の所から肉に箸が届いた。

 皆肉好きなんだな。

 

「母さんどうです? 体調は?」

「だいぶ良くなったわ……」

「薬効果上昇が効いたな」

 

 実は呼吸器系が病気だったのでその専門の薬を調合(オルクに手伝ってもらった)し、処方した。

 それで快方に向かっている。

 

「うめぇ」

「イノシシか?」

「美味しい〜」

 

 なんかガリバー旅行記みたいだ。

 

 

 

 ■

 

 

 

「そう言えば、メルロマルクの波の準備は出来たんですか?」

「勿論、1番隊と2番隊を連れてく」

「盾の勇者様とはどうするんです?」

「隠れてサポートするさ」

 

 実は大物の一人がメルロマルクの女王陛下であったのだ。

 波に参加して欲しいとの事で頭下げに来て、一応交換条件は結んで置いたのでいい取引にはなったと思う。

 

 でもなんで俺達が参加するんだ? って思ったから聞いてみたら。

 

『勘…………でしょうか』

 

 だってさ。女の勘ってのは結構当たりやすいからな。信用できるのかもしれん。

 

「さて、俺は帰るかな」

「おやすみなさい〜」

 

 俺はローナの家を後にするのだった。

 

 

 

 ■

 

 

 

 さてさて、寝ますかな。

 執務室から出ようとすると。

 

「ボス、報告があります」

「イメルダ? 何があった?」

 

 コイツはイメルダ。

 暗部に所属している念能力者だ。

 

「私のカードをアルドミティアへ偵察を送ったのですが…………消去されました」

「は?」

 

 イメルダの能力、誰が配ったの? 《ピラミッド》だ。

 カード一枚づつに認識阻害能力がある念獣であり、カード達を色々な場所へ忍ばせ諜報する能力だ。

 

 認識阻害と言っても、五感を感じさせないだけだ。

 どうやって消しやがった。

 

「私にもよく分かりません。カードもよく分からないで消滅したみたいなので…………」

「しばらくアルドミティアへは偵察を出すな…………」

 

 この偵察能力が出来ないとなると、この国は厄介そうだな。

 近づきたいけど何があるか分からない。

 

「とりあえず、了承したから休んでくれ」

「はっ」

 

 俺も休もう。

 意外と書類仕事も精神力使うわ。




そろそろ原作に戻ります。

★誰が配ったの?《ピラミッド》
・トランプのカードを媒体とし、色々な所へ忍び込むことが出来る念獣。操作系。
・どのカードも認識阻害されてるので見つかる事はほぼ無く、見破る事は不可能に近い。
・ジョーカーが親のようになっており、他のカードと連絡を取り合う。
・カードの二分の一損傷したらその念獣は二度と使用不可。

モデルはジョジョのムーロロのスタンド。

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