フィーロたんが垣根を飛び越えて女湯へ帰る。
その後元康が垣根の方に向かう。
「ここは男の約束として約束の覗きをするのが勇者としてのお勤めだよな」
「何がお勤めだ」
「犯罪だろ!」
「ほら、気になるだろ?」
覗きは犯罪ですよ?
確か尚文を犯罪者扱いしたの忘れたっけか。
んで、樹は正義の味方なのに覗きに参戦。
誰が下になるかで揉める。
「くだらないな」
「多分連帯責任で怒られるから出た方がいいぞ」
「確かにな…………」
俺、尚文、錬は出る事に。
勝手にやっていろ。
ちなみに俺の耳にローナの念獣がスタンバイしている。
もうこの動きはあっちにバレてるのだ。
「ん? 盾の坊主じゃねえか」
出ようとして出てきたのはラルクベルク。
「坊主も温泉入りに来たのか?」
「ここの宿に泊まってるんだよ」
尚文がラルクに今の事情を話す。
それで立ち去ろうとするが、
「待て、覗きだと!」
ラルクは尚文の手を掴む。
「そんな素晴らしい催しに参加しないとはどういう事だ!?」
未来予知した訳では無いけど、ラルクがテリスに怒られるイメージが湧いた。
で、元康と意気投合しちゃった。
ダメだよ異世界来てそんなことしたらダメだろ。
「おい、お前らも来いよ!」
「断る」
「この猥褻勇者」
「あ"!?」
「なんだと!?」
いや事実だろ?
犯罪ってこと忘れてないか。
「尚文、ラフタリアちゃんと何処まで行ったんだ?」
尚文は頭に手を当てる。
どうせ親子みたいな関係とかしか思ってないだろ。
皆で尚文とラフタリアさんの関係が良いと言われる。
俺も同感だ。
でだ。何かあったかどうか聞いてくる。
さすがに詮索しすぎだろお前ら。
「はあ…………そういえば以前……」
ここからは原作通りだ。
ラフタリアさんがバスタオルを取って裸を見せる行為。
更にはフィーロたんも全裸で突っ込んでくる。
普通の人間だったら押し倒してる。
「「この鈍感野郎!!」」
いや、気持ちわかるけどビッチの悪行に気づかなかったお前もどうなんだ?
それに妊娠して戦力外って事もある。
…………あ、やり直しでお姉さんのお姉さんとパンダを妊娠させてたっけ?
「筋金入りなのか……信じられねぇ」
「もしかして坊主……こっちか?」
いやいや、だからといってホモ扱いってのは可哀想だろ。
それにEDって可能性もあるし。
「真性か……信じられねぇ」
お前らが真性の変態だよ。
ブーメランだよブーメラン。
「それで? ハジメは誰とやった?」
「あ?」
「美人揃いだからな。色々あったろ」
俺に話を降るなよ。
「知らん」
「俺には色々聞いといて自分は喋らないのか?」
チッ、尚文乗り気かよ。
「確かに皆と仲良さそうですし、ラブコメとかありそうですね」
「…………」
樹君もノリノリ。
あれ? 錬も興味ありそうに聞いてる…………だと?
確かにラブコメみたいな場面はあったが。
「今さっきのラフタリアちゃんみたいな話とか無いのか〜?」
「あると思うんだよなぁ〜」
こいつら俺の評価下げに来てないか?
でも尚文が言ったし俺も言わないとな…………。
「わかった。でも俺はノーマルだからな。変な勘違いするなよ」
「ハイハイわかった」
■
あの時は夜だったな。
俺もある程度のストレスは溜まる。
なので買ったグラビア本で抜く事にした。
『写真とか印刷技術あるんだな』
『…………』
『お、いいくびれしてるぜへへへっ』
『…………』
『この歳だと期待ができるか…………ん?』
『あれー? 気づいたー?』
『!?』
何故かそこにはキラークイーンが。
絶使ったのか、全然分からなかった。
『なんでここにいる?』
『コソコソしてたからー』
見られてたか……気をつけるか。
『ねえーハジメー』
『?』
『手伝おうかー?』
キラークイーンは指を差す。
■
「それで…………どうなった?」
「…………何も無かった」
「何に指を指してたんですか…………」
「さ、次の話行くぞー!」
湯冷めするのもあれなのでまた温泉へ。
■
あの時は屋敷の個人浴場に入ってたな。
春菜との特訓が終わって一汗かいたので風呂に浸かっていた。
『父様、お疲れ様!』
『夜刀ちゃん、レッスン終わったのか?』
夜刀ちゃんが一糸まとわぬ姿で湯船に入ってくる。
やっぱアイドルだから筋肉が少し着いている。
『父様の筋肉って結構ついてるね〜』
『鍛えたからな』
腕に優しく抱きついてくる。
ヒミコもよく抱きついてきたなぁ。
『ねぇ〜父様〜今度カレー食べに行こう〜』
『いいぞ』
『わーい父様だいちゅき!』チュッ
■
「いつもの事なんだが」
「尚文、見習えよ」
「そうだそうだ」
「なんで真似を…………」
身内の女子の裸を見ても興奮しろって言われてもな。
「おまえ一緒に入って欲情とかしないのか?」
「浴場だけに? 平気だな」
「…………」
うーんあまりウケないな。
■
「ふぅ眠いな」
あの時は修行中だったな。
皆が寝静まった所。
トイレ行きたくなってきたから見れれない所へ行き、立ち小便しようとすると。
『御館様?』
『シルフィ』
後ろからシルフィが着いてきていて、絶を使っていたがすぐ気づいた。
『あの〜眠れなくて〜。良かったら水浴びしませんか?』
『? いいぞ』
『タオル持ってきたので使うでござる』
タオル持参か。
あ、近くに湖あったけ。
『うわー水質きれいでござる』
『しかも冷たい』
夜に水浴びするってのもロマンチックだな。
『お、御館様……』
『…………ん?』
『ど、どうでござるか……』
泉に見とれていたらシルフィが服を脱いでいた。
俺…………足とか浸かるだけだと思ってた。
『ああ、スタイル良いと思うぞ』
『そ、そうでござるか。嬉しいでござる……』
シルフィは体を預けてきて…………、
『何やってるのー?』
『あ、キラークイーン』
『早く寝た方がいいよー?』
『そ、そうでござるな。寝るでござる』タタタッ
■
「絶対惚れてるって」
「やっぱりか?」
「完全にホの字だろ」
「なんで押し倒さねぇんだよ!」
…………いや、もし妊娠してしまったら戦力外通告だろ?
ある程度強いし戦闘不可にはしたくない。
「それで他の娘は?」
「別に聞いても意味無いぞ」
春菜はよく夜這いしてくるが俺は何もしてないし、ローナはたまにスキンシップで体を触ってくる。
…………これもホの字なのか?
「そういえばお前らのラブコメ話せ」
「さて、のぼせそうだから覗きに行くか」
「そうですね」
あ、この2人逃げやがった。
「連帯責任で叱られるのは御免だ」
「俺も」
この2人もか。
尚文とかラブコメまだ話せそうなのに……俺には話させるんだな!
「おい、土台になれよ!」
「元康さんがなって下さいよ!」
俺もあーがろ。
巻き込まれちゃ堪んないし。
そそくさと風呂から退散するのであった。
もし覗きに参加していたらとある事実を知るのだが…………それは近日中に分かることになる。
■
ふう、風呂上がりのフルーツ牛乳は最高だぜ。
いちごミルクやコーヒー牛乳も好きだが、フルーツの甘酸っぱい味が少しの水分が無くなった体に染み込む。
自分がフルーツになるような感じ。
「ハジメ様お待たせしました」
「あれ? 他の奴らは?」
「まだ少し遅れるそうです。髪とか乾かしてるそうで」
ローナが湯上がり姿でいちごミルクを持ちながら待っていた。
そういえば念獣で盗聴してたな。
普通に察知して逃げたのか?
「やっぱり聞いてた?」
「覗きを計画してる時にこっそり皆にも教えました。覗かれる前に風呂から上がりましたよ」
「そうか」
ローナの念獣ってトランシーバーみたい。
チーム戦じゃ便利。
「でもまさか他の人が過激なアプローチしてるとは…………」
「そこまで聞いてたのかよ」
そこまで細かく聞いてたか。
「お兄ちゃんお待たせー」
「お待たせでござる」
「やっと来たか」
「ねーもう少し浸かり足りないから貸切風呂行かない?」
「あ、私も。覗きのせいでゆっくり入れなかったので」
「拙者も!」
仕方ない。
少し金額はあるので特に問題ない。
俺達は貸切風呂で束の間の休みを味わうのだった。