念能力者の英雄譚   作:煽りイカ

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少し遅くなりましたがあけおめです。


第52話

昼のコーヒーブレイクタイム。

俺と春菜が楽しむ。

 

「そういえば海底遺跡は見つかったのか?」

「やっぱり広いしまだ難航してる」

 

この島広いからな。

ラルク達いるし原作の可能性が高い。

 

「やっぱり波起きるよな」

「大体書籍版の流れだし………」

 

フィトリアの人間版やラルクらが出てるのが書籍だから可能性としては高い。

あっちの世界に多数の能力者がいるのは確定。

 

「シーラさんに言って回復薬とか都合して貰ってるよ」

「こっちの私設兵も準備万端」

 

いつ起こっても問題は無し。薬も用意。

 

イレギュラーが来たら俺が対処だ。

 

「そういえば三勇教の時に現れた能力者って何者なの?」

「前の世界で有名な犯罪者だ。一応聞いてみたけど女神とは関係無さそうだった」

「嫌なオーラもしてなかったからね」

 

アイツらが壊滅したのは聞いたが死んだと言う話は聞かなかった。

何らかの事で死んだのか?

 

ありうる。行方不明の犯罪者も結構いるし、死んだかどうかもわからない。

 

「でもそれだったら不味くない? お兄ちゃんの世界の犯罪者って言ったらヤバいの多いでしょ」

「その通りだ。常軌を逸脱したのが結構いるぞ」

 

ヒソカとか旅団とかゾルディック家とか。

アイツら完全に狂ってやがる。

 

「ジャシン教の教祖とかきたらヤバいぞ」

「そうなの?」

「アイツはマインドコントロールとかやるの上手いし、能力も厄介」

「ん? 刑務所にぶち込まれてるんだったけ?」

「まあ………あの監獄は希望なんてないからな。きっと大丈夫だろ」

 

確か監獄内は自殺防止の能力があるとか聞いた。

内からも外からも堅固だから脱出困難。

 

それに終身刑+a。

カマゲロスがスカウトしてきた同じ趣味の奴らが多いからな。

きっと皆で仲良く教祖の"ピッー"を"ピッー"してるだろう。

 

「もしかしたら旅団とかキメラアントとかも出るかも」

「確かに死んだのいるからな。有り得るちゃ有り得るな」

 

キメラアントか………メルエムや護衛団、師団長等がいそうだ。

アイツら国を乗っとったりする実力あるからなぁ。

念能力者のハンターも何人も殺されてるからヤバさが理解出来る。

 

旅団もウボォーとかパクノダとかも出てきそうだし、オモカゲもいたら厄介。

 

その他にも原作に出てないだけで厄介なのはいる。

 

「あー私らも強くならなくちゃ」

「だな」

 

こっちもたまにフィトリアに頼み修行している。

俺も胡座かいてちゃ不味い。

 

あ〜コーヒーが美味い。

ズズズ。

 

「ハジメ様大変です!」

「どうしたローナ」

「盾の勇者様が龍刻の砂時計を発見したそうです!」

 

やっとか。

どんな答えが待っているのか。

 

「それで皆を集めてます!」

「さて、行くか」

 

 

 

 

 

 

 

?side

 

えっとこれがハリアル草か。

効能は痛み止めと化膿止めで……よく冒険者ギルドの採取クエストにあるっと。

 

「こんくらいにしておくか」

 

べールラルに着て数週間。

上の人が流石に可哀想だと思い、広くは無いが個室を用意してくれた。

一応メイドも用意してくれた。

まあ、巻き込んでおいて酷い扱いってのもどうかと思う。

 

「クサノ様」

「ああ、キーノさん」

「どこへ行かれるのですが?」

「修練場、そろそろ訓練だからさ」

 

この人はメイドのキーノさん。

茶髪のサイドテールが似合うメイドさんだ。

日本だったらアイドルとしてやってけるんじゃないかっての容姿。

さすが異世界。

 

「かしこまりました。行ってらっしゃいませ」

 

そう言われて俺は部屋を後にする。

メイドってのもいいものだ。

 

振り返ると数週間の間色々な事があったな。

調べたところ、ここは尚文達がいる世界だ。

 

この前盾の勇者が強姦の疑いをかけられたと聞き耳立てていて聞こえた。

 

訓練とかなのだが、アイツらサボりまくりなのである。

僕は訓練に欠かさず出ているのでよくわかる。

 

初日の訓練時には皆ステータスが高い方で加護もあるので普通に強いため、上官クラスの将兵や一般の兵士を圧倒。

その為驕ってしまい、訓練に顔を出さなくなった。

 

今や、自分の付きのメイドや執事とよく遊んでいるのが多い。

ハニートラップみたいな事をされてるらしく、訓練に参加するよう促す事もされてるとか。

噂じゃ妊娠したメイドもいるらしい。

 

「あれ? 草野君」

「美貴子先生」

 

この人は担任教師の美貴子先生。

貰った加護は"商人"。

 

加護により色々な補正があり、商人の場合は計算が早くなる事や、買取額を少し割引を出来るとか。

 

「ん? 城下で働いているって聞きましたが」

「たまには生徒の様子を見に行きますよ」

 

………この人は加護貰ってるんだよな。

クソッタレ女神に選ばれたし、僕のいじめが止まない時点で油断が出来ない。

 

「何か困った事があったら教えてくださいね。協力しますよ!」

「そうですか………」

 

美貴子先生は用事があるのか去っていく。

 

一応この教師にいじめの事を話したが何の解決にもならず、注意はしたらしいけどイジメが過激になってしまった。

この人はあまり信用が出来ないな。

さ、訓練所急ごう。

 

少し早足で向かう。

途中でクラスメイトを見かけるがみんなニヤニヤしている。

 

なんだ? 無駄な努力だってか?

盾しかなく防御力しかない人間でも成り上がったし、大して取り柄のない人間で努力して大成したのがいるぞ。

 

タクトを見てみろ。大して努力しないから勇者なのにボロクソにされてる。

やり直しじゃ瞬殺されてるし。

 

努力してるしてないだと違いがあるぞ。

 

「着いたけど………あんま居ないな」

 

皆怠けてるからな。一般兵士はいるけど。

 

今は朝だし二度寝や朝風呂、それか愛人と楽しんでいるのだろう。

僕はいつも朝は訓練してるよ。

 

「あ〜れ〜? 雑魚の草野君じゃん?」

「何してるの〜」

「もしかして強くなれるとか希望持ってる〜?」

 

雨宮、川野、誉田。

クラスの不良トリオだ。珍しい。

 

コイツらが中心となって俺をイジメてくる。

 

最近では俺と顔を合わせないので突っかかってこないのが救いだな。

 

「あ、そうだ稽古つけてやらね?」

「いいねぇ。弱いんだから厳しくやらなきゃ」

「ほら、こいよ」

 

は? 流石に行かねえよ。

体力の無駄だもん。

 

「嫌だ」

「は? 生意気だな」

「じゃお望み通りここでやってやるよ」

 

あー恥をかかすきだな。

結構人が集まってきた。

 

「きゃあー!」

「頑張ってアマミヤ様ー!」

「負けるなー!」

 

煽んなビッチ共。

 

「お前さー弱いんだから調子乗るなよ!」

 

川野が木刀を上段にして斬り掛かる。

だが僕はすかさず牙突の構えをし、川野の額を突く。

 

「がはっ!?」

「………は?」

 

周りの人間は驚いた顔をする。

何故一撃が入ったのか気になるだろう。

 

答えは簡単。

日々の努力だ。

 

イジメの時、ダメージを受ける事が多い。

なので最小限に抑える為に、衝撃を反らせることにした。

ボクシングとかで首を回して衝撃を逃がす技術がいい例。

 

なので衝撃を逃がしまくった。

それで、ある日。

 

(あれ? 拳が遅い?)

 

体育館裏で呼び出され、殴られてる時にそんな事があった。

スローモーションって言った方がいいか。

 

その後気づいたが、高速で車に乗ってる時に対向車のナンバープレートが見えたり、バッティングセンターで140kmの球を打ったりした。

 

結果、動体視力が上がったのだ。

川野が遅いので突いただけである。

 

「ツヴァイト・ヘルファイア!!」

「アンチ・ツヴァイト・ヘルファイア!」

「何い!? うぐぅ!」

 

誉田君が火の魔法を使用するが、バレバレの為妨害魔法を使用する。

隙が多いので木刀で頭を攻撃。

 

「こいつ!」

 

おっと雨宮君が振りかぶって襲ってくる。

大振りで太刀筋が読めるし、無駄な動きが多い。

 

「えい」

「なっ!?」

 

隙があり過ぎなので転ばせる。

尻から落ちる。

 

もうここまでにしておくか。

僕は剣を突きつける。

 

「無駄な動き多い。訓練が足」

 

足りないんじゃない? って言おうとしてたがその先は殺気が出たので言えなかった。

殺気を感じる事も学校生活で育まれた。

 

「疾風斬!」

 

振り向くと僕は顔面を木刀でぶっ叩かれ宙に舞う。

確かこの技は………、

 

「全く………やり過ぎだ馬鹿者」

 

なっ………凰隆寺……さん?

 

「大丈夫か雨宮君!」

 

あの五人組が現れた。

たまに参加するんだよなコイツら。

 

僕は地面に叩き落ちる。

 

「待っててツヴァイト・ヒール」

「ううっ……」

 

こっちを回復して欲しいんだけどな。

 

「ったく酷すぎるな」

「………惨い」

 

ん? なんで?

いきなり3人がかりで襲ってきたから返り討ちにしたんだけど。

 

「それで何があった?」

「ううっ、実はいきなり草野が襲ってきて………いきなりだから防げなくて………」

 

は?

 

「おい! 草野! いきなり闇討ちなんて卑怯じゃないのか!?」

「男として恥ずかしいぞ!」

「フン、貴様は男以下だな」

「酷いよ草野君………」

「………最低」

 

ええっ!?

待ってよ待って? 先に攻撃してきたのはこの3人だし、コイツら学校での素行も悪い。

闇討ちで3人共やられるのか?

 

なんで僕は信用されないの? さすがにおかしい。

 

「ううっ………」

 

衝撃を逃がしたけど、ダメージが大きい。

その為声が出せない。

 

「私見てましたわ! コイツが後ろから切りかかるところを!」

「わ、私も!」

 

テメェら………巫山戯んなよ。

嘘証言か?

 

立ち上がったら剣城君にみぞおちを殴られた。

 

「ぐおっ!?」

「草野……やっぱりお前最低だ」

「フン、全くだ」

「弱い者イジメは男として恥ずかしいんじゃねえのか?」

 

お前らがそれを言うの?

学校生活で僕は結構いじめられてんだけど。

 

「よし、皆で草野を稽古しよう」

「いいねぇ!」

「フン、仕方ないか」

「うん。仕方ないもんね草野君の為だもの」

「………絞ってやる」

 

クッソ声が出ない。

なんだこの馬鹿野郎共は。

 

僕は一時間程、武器や魔法を受け続けたので気絶した。

骨が10本程折れてたので城の治癒士に治してもらった。

 

もう早くこの国から離れる事にしよう。

 

 

 




Q ざまぁはあるの?
A あるに決まってるじゃないですか!

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