「はい、次は私ですね!」
デート後半戦。
ローナとデートへ。
どこでデートするのかって?
「これだとプライベートビーチだな」
「人がいないってのもいいものですね」
そう今回俺がいるのは無人島の砂浜。
意外と魔物がいない無人島もあるらしく、現地の人に教えてもらいオススメのスポットを教えて貰った。
俺はパラソルを開き、折りたたみのベッドを設置。
「さて、気合いを入れろ。休暇を全力で楽しむぞ」
「了解です」
遊びの時こそ本気を。
誰かが言っていた。
「ふぅ、波の音が心地いいな」
「ですね」
よく考えれば元の世界でものんびりは少なかったな。
アイツら変態達とバカやってたし騒がしかった。
ん? 冷たそうなグレープジュースを顔にくっ付けてきた。
ありがとう。トロピカルなジュースが飲みたかったんだ。
気が利くなローナは。
「なあ、こうして休むのも良いけどなんか体を動かしたくない?」
「あ、よくありますね。飽きてくると思いますし」
のんびりしてるとこんな事がよくある。
「砂で城でも作るか」
「良いですね」
って事で砂の城を作ることになる。
「やっぱり湿っていた方がいいんでしょうか?」
「まあその方がいいんじゃないか?」
よし、水銀粘獣使って型を取ろう。
「ん? これだと家みたいになりません?」
「お、いいかもな。一戸建てにするか」
水銀粘獣でボックスみたいな形にし、その上から砂をかける。
鎌倉とか作るのにいいかもしれん。
「こんくらいかな?」
「おお〜一戸建てですね」
水銀粘獣を解除。
立方体のような感じをイメージして作った。
ディディールには屋根のトンガリを作る。
「ハジメ様ってどんな家に住んでたんですか?」
「ツリーハウス」
「ほぇー」
ちなみにフェムトに手を借り、植物を改造しツリーハウスの木を作って貰った。
木の中にスペースがある。
特注なので凄い大きい。
しかし、すぐ近くにトレーラーハウスを設置していてる。
その中ではキッチンとかの水道光熱や、ウォシュレット付きのトイレがある。
自然に囲まれるのもいいが、文明の機器に囲まれるのもまたいい。
ちなみにフェムトはそのツリーハウスで儲けている。
結構人気らしい。
「そっちの世界の面白い家ってあります?」
「水中にある家とかあったかな?」
前々の世界にもそんなホテルがあるって聞いたことがある。
岩の中にある家とかもあるし、地面の中にある家もあるって。
「次は何しようか」
「魚釣りとかも良いと思うんですけどもう昼ですし」
朝来れば良かったか?
「もうお昼ですし食事にしませんか?」
「いいね。ローナ特性弁当」
三人分用意される。
念獣用にも用意される。
「おーこの島の名物が沢山使用されてる」
「ええ、市場で値切りました」
そう言えば朝市の値切りが特技だとか。
レオリオ程じゃないとは思うけど。
「この鶏肉イケる」
「ミラクルカルミラ鳥って言うらしいですよ。珍しいそうですけど運良く市場にあったので」
「唐揚げが美味いぞ」
尚文の料理とどっちがいいだろうか。
よく考えれば適当に作って美味しいのだろうか? もしかしたらなんかの補正とか働いているとか。
「オラ、ジュースヨコセ!」
「ウエエエエエン!」
おいおいMr.3、喧嘩すんな。
ってか俺のグレープジュースじゃん。
「仲良く飲めよ」
「あれ? ハジメ様ってグレープジュース買ってたんですか?」
「ん?」
あれ? 話が噛み合ってない。
「いや……このジュースをローナがくれたじゃん」
「自分グレープジュースを買った覚えも無いですし渡した覚えが無いんですけど…………」
は?
「見てくださいバックの中、リンゴジュースしか入ってませんよ? 売店はグレープジュースなんて売ってませんでしたし」
「…………」
「グレープジュース好きなの知ってますし、普通だったらハジメ様のために買ってますよ」
え、じゃあ……何だったの?
「確かカルミラ島のグレープジュースって凄い貴重って話ですが……」
その後、俺は気になりながらもシュノーケルしたりして海を楽しむのだった。
■
「そう言えは温泉地帯って怪奇現象が多いとか聞いたことある」
「確かに歴史ありそうな島だから有り得る話だ」
イヌルトとかリースカとか言い伝えがある時点で歴史は古いかも。
あー明日でカルミラ島を発つんだし名残惜しい。
「春菜、料理はまだかな」
「座ったばかりだけど?」
今来ているのは超がつくほどの高級料理店で、1日5食しか食べられない超レアな料理を食べに来た。
完全予約制だけど。
「んで何を食」
「ん? ハジメ?」
「錬?」
錬? お前なんでここにいるのですかな?
「お前らも料理を食べに来たのか?」
「まあな」
「あ、錬さん、ハジメさん?」
「…………」
げっ、樹と燻製。
何やってんだ?
「もしかしてお前らも限定食を?」
「ええ、予約しておいたんですよ。そちらも?」
「まあな」
「…………」
燻製が睨んでいるが知ったこちゃない。
勇者だし予約が優先されそうだ。
「あ」
「あれ? 皆さん?」
現れたのは尚文とラフタリアさん?
どうしてここに?
「まさか…………尚文さんも予約を?」
「ああ、この島の高級料理を食べてみたくてな」
「あれ? おかしくないか?」
「1日5食だろ? オーバーしてるじゃん」
ん? どうなってるんだろう。
予約ミスか?
「あ、お前らもか」
「チッ」
元康とビッチ?
…………まさか。
「お前らも食べに来たのか?」
「ああ……」
合計九人。
「申し訳ありません!!!」
はい、説明によるとこう。
手違いで予約ミスだそうだ。
で、あと2食しかないそうだ。
「さて、どうするか」
「俺は食う……」
「ここまできたからな」
「僕らもです」
みんな同じ気持ち。
「なあ、提案があるんだが?」
「どうした尚文」
「賭けをしないか? 」
「勝負って事か?」
「ああ、こっちも食べずに帰りたくねぇしな」
俺もだ。
「だけど何で勝負する?」
「あ、偶然にもトランプ」
「元々置いてたのか」
暇な時に遊べそう。
「大富豪やろうか」
「異議あり」
「……何故だ元康」
「……言わなくても分かるだろ」
分かってる。
イカサマでしょ? するけど?
「じゃ納得出来る勝負はあるんだろうな? みんな同意しなきゃ駄目だろ」
「んー何がいいか…………」
「早く食いたいし、ジャンケンでもいいんじゃないか?」
「それだとつまんないだろ」
もっと高級料理を巡り会うんだから熱い戦いをしたい。
「腕相撲は?」
「俺が圧勝」
意外と公平な戦いってのも無いな。
「じゃチーム対抗でポーカーしようか」
「もうそれでいい。腹減ったしな」
もう平行線になるのでポーカーに決まる。
ディーラーは店の店員なのでイカサマはないだろう。
シャッフルして五チームに配られる。
さて、俺のカードは?
………………。
「さて、俺はこのままでいい」
「俺もだ」
「僕もこれでいいですよ」
尚文、俺、樹は交換しなくてもいいと。
「俺は2枚変える」
「俺もだ」
錬、元康は2枚交換。
「ん? 2枚交換か? そんなに弱いの?」
「チッ」
元康、顔に出てる。
コイツポーカー向いてない。
ん? 錬はそこまで表情無いな。
「尚文さん良いんですかカード変えなくて?」
「そっくりそのまま返してやるよ」
「ハジメ、怖かったらカード変えていいぞ? (笑)」
「へっ、こんな事でビビってると思うのか? 罰ゲームで会長の机でランバダ踊った時よりも難易度が低いゲームだ。そっちとは潜った場数が違うし甘く見るな。だけど慎重さを欠いて死んで逝った奴らは大勢いるしお言葉に甘えよう。2枚っと」
『…………』
は? 何だんまりしてんの?
HXHで慢心して心折れたり死んだりした奴多いでしょ。
それが数十人いるんだから慢心し過ぎたら駄目でしょ。
「俺はいいぞ?」
「俺も」
「俺もだ」
「僕もです」
「ショーダウンだ」
せーのっ。
俺 1のスリーカード。
尚文 2とジョーカーのスリーカード。
錬 JとKのツーペア。
樹 4のワンペア。
元康 ブタ。
「嘘だろ……自信あったのに」
まさかの尚文勝利。
面白くないからイカサマは使わなかったのに。
「まさかジョーカー持ってたとはな……」
「悪いな。高級料理は頂く」
まあ、いいか。
時間あった時にカルミラ島へ転移すりゃいいし。
「お待たせしましたー!」
やっと店員さんが運んできたな。
…………でも何の料理を出すか聞いてないんだよな。
春菜に任せっきり。
「はい、こちらミラクルカルミラ鳥の唐揚げ、カルミラグレープジュースになりまーす」
あ、もうそれ食ったからいいや。
その後、違うレストランで春菜と一緒に夕食を取った。
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