「あ〜やっと帰ってきた」
「修学旅行から帰ってきた気分だね」
「確かに寝具とか変わったら寝りにくいでござる」
はい、僕達は自分の縄張りに帰ってきました。
ありがとうカルミラ島。
「次は霊亀だな。この前近くのポータルとったから安心か?」
「でも油断しないで薬とか武器とか用意した方がいいと思うよ」
「わかってる。ドロップとかからも出てるし、素材使って武器防具とか作ってる」
他にもアクセサリーとか作った方がいいかも。
バフ付きの装飾品とか欲しい。
道具作成の能力やスキルを持った人材が欲しい。
サポートの鍛治や料理や木工や細工系の能力者も欲しいものだ。
「ねぇ、お兄ちゃん」
「なーにー」
「能力者増やさない?」
「それは俺も考えてる。だけど教える人間は慎重に選びたい」
尚文に教えようか迷っている。
原作ブレイクの可能性もあるので俺は責任を持てない。しかしヒソカ君のクソピエロが教えるかもしれないな。
三勇者? 馬鹿が治ったらの話だし原作ブレイクもあるうる。
原作キャラに教えるのは保留だ。
「後方支援の人間が多めに欲しい。春菜は何人か口が固くて優秀な奴いるか?」
「…………一応いるんだけど無理だね」
「?」
心当たりはあるんだね。
王族だし知り合いとかいそう。
「実はその子上流貴族なんだけどね…………政略結婚だから傷とかつけたく無いって。死んだら自分の家がやばい事になるって言ってた」
「…………それって悪役令嬢ルート辿るかも」
「…………あ、有り得る。美人だけど厳しいから氷の女とか呼ばれてる! 更には婚約者には厳しい態度を取ってるって!」
フラグ立ててるのかよー!
まさか……波の尖兵のカス達も関わるかも。
「まさか婚約者の周りにイケメンとか沢山いないか?」
「あ、いるわ。オラオラ系やらインテリ系やら小動物系クール系も」
「立ちました!?」
何を次次にフラグ立ててるんだよ…………乙女ゲーみたいじゃん。
多分性格がクソ悪い転移者が間に入って来そうだ。
王族貴族が参加しているパーティーで婚約破棄とか堂々としそう……ベタだな。
互いに利がありそうな政略結婚なのに普通は断わらないとは思うが…………その子は不安だな。
この雰囲気だとクラス転移とかもあるかも。
まあそれだったら情報に引っかかるし、そんなのあったらウチの影が報告来るだろ。
「まさか……まだフラグとか立てる気あるのか?」
「あ、フラグ立てるって訳じゃないけど……コアトルスピンの事」
「ああ、シルフィの故郷か」
そう言えば何があったんだろ。
他国に奴隷として売られてたし何かあったのか?
確かラビット種の青年だっけ? シルドフリーデンの没落貴族って設定だったけど、メルロマルクで売られてるのって不自然だろうし。
元々住んでいた人間はどうなったんだろうか? 人間史上で亜人敵対のメルロマルクにいるのだから恨みでもかったのか?
「山奥で小国だしあまり人が来ない国。どっちかっていうとアステカ文明とかマヤ文明みたいな文化かな?」
「多様性あるなこの世界」
「で、おかしい点が一つある。八部族あって八つに治める地域が違うんだけど、その部族が何かの儀式を十数年置きにやってるんだって」
「…………何かってなんなんだ?」
「色んな人に聞いたんだけど情報が入ってこないのよ」
謎認定だな。今度調べさせよう。
ってかアルドミティアってのはなんだ? なんで原作に無い国がナンバーワンってなんだよ。
「まあ考えても仕方なないか。待とう」
「…………そうだね」
「ちょっと軽食が欲しいな。サンドイッチとかどう?」
朝飯食べてなかった。
うっかり。
俺は帽子を被り春菜と喫茶店へ。
「あ、結構いるな」
「お、空いてた」
俺らは座り、注文を待つ。
サンドイッチとコーヒーを頼む。春菜はパフェとココア。
「あ、相席よろしいですか?」
「ん? どうぞ」
「あ」
あ、混んでたから相席か。
…………また虚無僧みたいな奴だな。
「…………」
「あ、見ない顔だけどどっから来たんですか?」
「え、ええ。ジャポ……いえ、東の方からです」
…………。
(お兄ちゃん、この人もしかして)
(ああ。わかってる)
「あ、もしかしてカーネストラ国から来たんですかね?」
「え? ま、まあそんなとこです」
「…………カーネストラは西ですよ?」
「…………え? は、はははっ間違えちゃった」
…………。
「はい」
「なんでしょう……杖?」
「持てますよね?」
「…………」アセ ダラ ダラ ダラ
そろそろ出てきたらどうだ?
カリンの予知じゃ戦闘は無いはず。
偵察あたりか?
「お待たせしましたー」
店員が調理を持ってきてくれた。
相席の分も持ってきてた。
「どうした食えよ」ニヤニヤ
「…………」ニヤニヤ
「…………」
お? 食えんのか? 編笠とれば?
食い逃げしないよな。
パカリ
あ、口の所取れるんだ。
それだったら食べやすいよね。
ŧ‹”ŧ‹”( ‘ч’ )ŧ‹”ŧ‹”
このパフェ美味しいよね。
「………いやーこのパフェいけますね」
「わかる。バイオプラントってのは面白いからな」
「フェムトさんみたいの?」
「大体同じだな」
良く考えればダブったな。
だけど俺は細かく複雑な改造は出来ないが、フェムトの方が複雑な改造とか出来そうだ。
あー軽くお腹は膨れたわ。
ご勘定、そして、
「さて、俺は練兵のほうを視察するか」
「私は執務の方を優先するよ」
「それじゃ私は温泉に」
「「逃がすか」」ガシ
「え〜ここは『自分の領地を楽しんでくれ』とか言うんじゃないの〜あ・に・さ・ん」
「ヒミコ…………」
■
? side
「それじゃ行ってきます…………」
「……行ってらっしゃいませ」
僕は部屋から出ていく。
あの修練所の騒動の後の事を伝えておこう。
本当に腹が立つのだが修練所を出禁となった。
僕は何度も無実を訴えたのだが、女王は取り合ってくれずなのだ。
他のクラスメイトも目撃者も女王と同じで何も信じてくれない。
流石におかしいとしばしば感じる。
僕を嵌める謀略をしてるとしか思えない。
早めにトンズラした方がいい。
そのためには強さと金と情報を集めなければ。後は念の為に脱出経路を確保しておこう。
なお、ダンジョン探検やこの国の波に参加する予定だ。
面倒事が起きそうなので断ったが、ダンジョンの方は浅い所で活動するそうなので問題無いらしく、波は僕は避難の方に行く事に。
終わったらどさくさに紛れて逃げよう。
原作主人公と交わるのも悪くないかも。
「さ、着いた」
どこに来たかと言うと冒険者ギルドだ。
流石に経験や知識を吸収しないと。
と、言っても初めて来たんだ……緊張するなぁ。
お約束としては柄のわるーい冒険者に囲まれたり、ランクの高い素材を狩ってきて階級が上がるとか。
Sランクの美人冒険者とかと知り合いになるってのも定石だよな。
…………まあ、冒険者ってのは臆病さが大事だから無理はしない。
「すいません、冒険者登録したいんですが」
「はい、登録料銀貨1枚です」
一応キーノさんから借りた。
大臣に借りようとしたが期待が持てないからと断られた。
そこまで素行は悪くないし、不良3人を倒した。
なんか悪巧みをしているな。
「まずはG級の冒険者か……」
大体かけだし冒険者は薬草取りや掃除等のお使いだそうだ。
まずは薬草取りでもするかな?
あ、クエストボードがあるんだ。
ゆっくり見ておこう。
へー異世界に来たって感じがするよ。
バルーンやウサピルの駆除とか上のランクではあるみたいだ。
「よぉぉぉなんだな!」
「兄ちゃんや!」
「なんか探してるのか〜っ!」
「ん?」
後ろを向くと柄の悪いヒゲ、チビ、デカいのがいた。
ヒゲがリーダー格かな?
「お? G級? 手伝ってやろうか?」
「ウチらと一緒にやるんだな?」
「…………」
いやいや何も知らない人に着いてくのもアレだしな。
「いやいや草採りなんで大丈夫ですよ」
「遠慮すんなよって!」
「B級クエストのついでなんだな!」
「だって草採りなんかですよ? それで僕の付き添いってのもね…………」
「いや違」
「止めろ!!」
…………また何か現れた。
なんか勇者っぽい白い鎧を来てる金髪美青年、左右に美少女を連れている。
「また新人潰しかお前ら!!?」
「は? 俺らが?」
「お前らが関わったせいで何人潰れてると思うんだだ?」
「ほ〜う、俺らが関わってる証拠はあるのか?」
「関わった人間が数人だが理由も無く辞めたりいなくなってる! お前らが脅しや暴行を加えたと専らの噂だぞ!」
「無実だ!」
「でっち上げなんだな!」
「つーかお前この間他の冒」
「なんの騒ぎですか!?」
あ、受付のお姉ちゃんが出てきた。
ギルド内での喧嘩はご法度らしいからな。
「また貴方達ですか!」
「だってよーこの窃」
「黙れ! 新人狩りしてるくせに」
「してないんだな!」
「証拠だせよ!」
「ギルド内での戦闘は禁止です…………ですが貴方達、【アルケニース】でしたっけ? 他国から来たクランがこの国で我が者顔ですか?」
「あ?」
「貴方達から嫌な噂を良く聞きます。この前も迷惑行為を起こしましたし、ギルドマスターが出禁を考えてますよ?」
ん? よく分からんが新人潰し?
でも噂だけで証拠も無いってのはおかしくないか?
理由も無く辞めるなんておかしいし、普通に適当に理由付けて辞めると思うんだが。
「でもコイツらもル」
「…………出禁にとギルマスに報告されたいですが?」
「…………わかったよ」
「クソッ!」
「不愉快なんだな」
ガラ悪い三人は去っていった。
「大丈夫だったかい?」
「…………ええ」
「何よその態度、助けたのに」
「コラ、メンハル。良いんだよ」
今の話し合いだとどっちが悪人だか分からなかったな。
ヒゲが何か言おうとしていたが、言葉の間に切られてたので気になる。
「ああ、そう言えば自己紹介遅れたね。俺はアフィリエ=オーエン。S級冒険者さ。こっちはメンハルとコルピ」
あ、S級だったのか。
「あ、草野雪丸〈クサノユキマル〉って言います」
「よろしく! んで、ちょっと提案があるんだけど」
「?」
「良かったら一緒にクエストどう? 今トレント狩り行こうかなって思ってて。一緒に同時並行しようかなって。どうかな?」
「あ、良かったですね! この人と着いていけば死にませんよ!」
「死ぬ?」
「ああ、薬草取り時にモンスターに襲われるって事もありますし、毒虫とかに噛まれて死ぬとかも結構あるんです。だから薬草取りはルーキー殺しとか言われてるんです…………」
なるほど、他の冒険者と並列してやった方がリスクも無いし得だな。
「んじゃ薬草取りのクエスト受注します」
「自分らもトレント討伐を」
成り行きでクエストを行うことになった。
あまり信用しないでおこう。
ちなみに報酬は十束銀貨1枚。
それより多く取ってきたら十束ごとにプラス銅貨50枚。
「それにしてもあの三人から逃れてよかったね?」
「…………なんで?」
「今さっきも言ったけど評判悪いし粗暴な奴らだ」
「この前他の冒険者を脅して金を巻き上げてました……気持ちが悪いです」
「ギルド外じゃ喧嘩も多いって話よ、品の悪い人間のクズね」
重ねて信用が出来ないな。
陰で悪口を言いふらしてる人間なんか近づきたくない。
「お、ここがトレントの群生地だ」
トレント倒しながら薬草探しか。
「はっ!」
「ツヴァイトライトニング!」
「えいっ!」
あ、薬草見っけ。
所々にあるようだ。
「あんまり離れちゃダメだよ!」
「あ」
確かに守られる側だしな。
「…………」ガサ
と、言いつつトレントの目の前にいたよ。
多少は僕も戦える。
「ツヴァイト・ファイアブレイク!」
「…………!?」
ドカーァーン!!
「え?」
「は?」
ん? なんか驚いてる?
討伐部位の鼻は撃ってないが?
「えっと……なんでそんなに威力が?」
「? 速度と射程を絞ったからだけど? ツヴァイト・ファイアブレイク!」
ドカーァーン!!
その分威力にエネルギーを回す。
皆は無意識でやってるのでそれを出来てないらしく、多少練習すればできる事だった。
「ちょっ!? そんな事出来るの!?」
「後で教えてくれないかい?」
後で適当に教えておくか。
お、薬草見っけ。
…………ここ群生してるのか。
「「「…………」」」
? 多く薬草生えてるんだけど…………周りの三人は手伝わないのか?
トレント狩りを少しは手伝ったのに。
教えてもらうんだから手伝うと思うよ?
「よし、40束くらいか」
「あ、終わったかい?」
銀貨2枚、銅貨50枚。
まずまずの結果だな。もう少し時間が欲しかったか?
とりあえず帰ろう。
帰り道、三人に魔力の調節の方法を教えた。
▷▶︎▷
城への帰り道、僕は銀貨2枚と銅貨50枚を手に歩いていた。
…………トレント少し倒したのに分け前が貰えなかったな。
まあ受注したのはあっちだし、文句は言えないが腑に落ちない。
……まずは金銭と実力をつけて行こう。
さっさと逃げなくちゃな。ゼルドブルがいいか?
「す、すみませ〜ん!」
「ん?」
「お、おはないかがですか〜」
花売りか。
…………あ、子供が働くってのもどうなんだろうか? どれだけこの国クソなんだろう。
「一つどうか5まいです」
「はい、一つ銅貨50枚だね。どうぞ」
「え?」
すまんが金が欲しいんだ。
普通だったら銀貨1枚あげたいんだがな……許せ少女よ。
この花どうしようか…………押し花でも作ろうかな。
あ〜お腹空いた。今日のメニューはグラタンだったな。
城の門へ着くと、
「よーぉー草野くうぅん!」
「待ってたよぉ!」
「うぇーい!」
チッ、この不良トリオが待ち構えてやがった。
なんのようだ?
「城の大臣から聞いたぜぇ〜? 冒険者ギルドに登録したんだっけなぁ」
お喋りな大臣だ。
信用できんなこの国は。
「報酬あるだろ、寄越せよ」
「なんで渡さなきゃならないんだ?」
「うるせぇ寄越せ」
「お前が何言ったって悪だ。大人しく渡せよ」
「この前の事学習してないんじゃね?」
周りの兵士も我関せず。
女神の使徒だからか? それとも僕を貶める段取りか?
「ほら」
「あ? これだけ?」
全部渡せと言われてないので銀貨1枚のみ渡した。
流石にキーノさんに借りた金返さないと。
「なんだ銀貨1枚だけかよ」
「いらね」
「俺ら毎月金貨10枚くらい貰ってるし」
ポイ ポチャン!!
…………は?
城の堀に捨てやがった……金貨10枚? お前らそんなに貰ってたのかよ。
支給金貰えるなんて初耳なんだけど。
「あっーはっはっはっはっは」
「バイハーイ! じゃあね貧乏人!」
「無駄な努力ご苦労さま(笑)」
「…………」
不良トリオは帰って行った。
はぁ、なんでこんな目に会うんだろ……疲れてきた。
さっさとこの国から出るとしよう。
僕はキーノさんに銀貨を渡し、食堂でグラタンを口にするのだった。