念能力者の英雄譚   作:煽りイカ

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第62話

カキン カキン

 

「強いですなハルナ殿」

「剣は必修で成績は良かったので」

 

春奈、エクレアと打ち合い押し勝つ。

基礎体力もあるしそりゃ勝つでしょ。

 

「あにさん。私はそろそろ仕事があるから」

「OK。またな」

 

仕事ってなんだろうか。

霊亀関係か? その際の波の尖兵の件か。

 

停戦協定してるし襲って来ないと思うけど。

 

 

 

 

 

 

 

「謎の魔物?」

 

訓練を初めて数日後。

四聖と俺が女王に集められた。

 

簡単に言えば、三勇者はこの国は気に食わない。

交換条件に謎の魔物の討伐と波の参加。

 

そしたら各国に行っていいよ? って話。

 

ダメだよ女王。

ビッチの負債を取り立てなきゃ。

 

続けて女王様が説明する。

亀の甲羅をした怪物が各地で繁殖していると。

 

「わかった! やってやろうじゃねぇか!!」

 

樹、何をニヤリしてるのですかな?

 

ちなみに霊亀の兆候は前から聞いていた。

ゼルトブルにもその話も入っており、ウチの縄張りにも亀の甲羅を持った魔物が。

 

一応その話が広まる前に噂を流しておいた。

亀の甲羅を持った化け物が襲ってくるって事を。

 

武器や薬が売れる売れる……ヒャッハー。

そして解散。

 

ここで霊亀の事を言うと、徒党を組んで鳳凰の所へ行って四霊結界コースになるだろう。

流石にヤバイ。

 

「ハジメ様、どうします?」

「一旦領地に帰って戦力の確認をする。キラークイーンを置いてきちゃったし、戻ってヒソカとかフィトリアと連絡して連携を取りたい」

「了解しました」

 

この世界の三羽烏だな。

ヒソカは難があるが、フィトリアは話は聞くだろ。

 

 

 

 

 

 

「―――だってさ」

「わかった」

 

フィトリアとの通信が終わった。

 

フィトリアは一時静観し、勇者の様子を見るそうだ。

ヒソカ組は今本拠地の防衛をしてるらしい。

 

「さてと、春奈。やる事は分かってるな?」

「封印の防衛。確か三勇者はそこへ現れるはず」

 

よし、ポータル取ってるから行くか!

 

「眷属器の勇者様であられますね?」

「?」

「私を倒してください」

「………」

「このままだと使命を果たせません」

 

あ、気配を感じたと思い振り向くと例のあの人が。

 

「お兄ちゃんどうしたの?」

「原作通りだな」

 

こりゃキョウがいる可能性もあるようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「よぉぉぉし野郎共!! 馬鹿勇者様からこの像を守りきるぞ!」

『ヒャッハー!!』

「ムーブ、ムーブ!」

 

作戦通りに別れる。

 

俺らは霊亀国へポータルでたどり着いた。

まだ霊亀の封印は破られてはおらず、象は壊されてないので三勇者達はまだ来ていない。

 

なので待ち伏せして拘束する作戦だ。

 

しかし、こっちは少数精鋭。

二隊程の人間しか集まってないが能力者多しだ。

 

なので2つの場所で守る事に。

 

「とりあえず、守りの要は春奈とキラークイーンだな」

「おっけー」

 

コイツらの能力はどっちかと言うと守備向けだからな。

もう既に春菜は定位置について守ってると通信が入る。

 

なお、守ってない像はローナの能力で見張る。

 

「キラークイーン、防御OK?」

「もう張ったよ」

「よし」

 

これでOK。

後は待つだけだな。

 

チッ、あの野郎共……手間かけさせやがって。

何回もボロボロにされてるんだからもっと考えて行動しろよな。

 

さて、あいつらはどんな方法でこの石像を攻めてくるか。

 

「ナッ、ローナ! ミハッテタ石像壊サレタゾ!」

「え?」

 

やっぱり近くにきやがったな。

 

「誰が壊した?」

「男ダ! 青髪ノボサボサデダンゴッパナダゾ!」

「………は?」

「ワカラネェガ念能力使エル見タイダ! ミエナイ柱ミタイナノデブッ壊シテタゾ!」

 

青髪ボサボサで団子っ鼻?

………そんなキャラいたっけ?

 

もしかして謎の念能力集団の仕業か?

 

「全員、警戒レベルあげて」

 

クソ、イレギュラーかよ。

めんどくさいな。

 

パンパンパン!!

 

んあ? 何の音だ?

爆竹か?

 

「No3、見に行ってくれ」

「三勇者の罠ですかね?」

 

偵察が帰ってきた。

 

「ヤベエゾ! 三勇者ガ縛ラレテ寝テルゾ!」

「は?」

 

あ? どういう事だ?

誰かが三馬鹿を襲撃したのか?

 

「身柄を持ってきてくれ」

 

で、持ってきた。

 

「? 外傷が無い?」

「仲間も居ないし怪しいでござる」

「そこまで弱くはないですし……」

 

爆竹鳴らす時点でおかしさMAXでしょ?

 

「ねー父様。コイツら本物?」

「変装した偽物かも。コイツら拘束した後に本命が現れるとか」

 

モノマネ芸人もびっくりの後ろからご本人登場ってか?

 

拘束して帰った後、油断した隙に像を壊す……とか?

イレギュラーも三勇者もうっとおしい!!

 

本人確認できるのないか?

 

「春奈の方はどうなってる?」

「まだ現れてないそうです!」

 

春奈で青髪ボサボサに勝てるか?

………どうしようか。最悪撤退させるとするか。

 

「ピンチになったら行くとしよう。間に合えばいいんだけどな」

「ピンチなのはそっちじゃない?」

「は?」

 

ドガアアアアア

 

「きゃー!?」

 

なっ!? 霊亀の石像がヒビ!?

キラークイーンの白鳥の湖(クリスタルパレス)が聞かないだと!?

 

「まさかあの百鬼衆を討伐したハンターと会うとはね」

「………あ」

 

顔を見てピンと来たね。

コイツの顔は黒髪の短髪で顔は細長い。

 

どんな奴でどんな能力を持っているかよく分かった。

 

「まさか有名な奇術師に会えるとは、座長モリトニオ……いや、殺人鬼ジョンドゥ」

「ほぉ、よくわかったじゃないか」

「簡単なトリックだ。そっちがいなくなった時期と殺人行為が止まった時期が大体同じだ。更に巨大な磁石を使って奇術やってたろ? 大きい磁石じゃないとペンダントとかの金属物質は引かれないし殺人の凶器は推測できる」

 

モリトニオは変装を解く。

マジ!? ヒソカ外伝の人間が出てくるなんて!

 

「凄いな。よく調べられてる」

「殺害場所は興行の近くでよくやってたし範囲が絞られるだろ?」

「あちゃー仕方ないんだ。興行の後に殺したくなるし」

 

ヒソカLvの変態と変わりないと思うよ。

 

ちなみに前々の世界で犯行パターンが絞れない殺人鬼とかもいる。

時期や場所、ターゲット、殺害方法らがバラバラなので行動が読めず数百人殺した殺人鬼がいるとか。

 

「で? 今回は興行しに来たのか? ネタバレしてるから面白くないんだけど」

「正直やりたいんだけどね。今回は別」

「霊亀を起こしたいのか?」

「まあね」

 

なんだ? エネルギーが欲しいのか?

コイツもキョウと同じ目的?

 

「って事で」

 

ドガン ドガン ドガン

 

バキッ

 

なっ! 石像が破壊されただと!!

キラークイーンの強化ガラスは相当な硬度だぞ!

 

「全員、春奈の方へ増援! こっちは俺が何とかする!」

「チョウドイイ! ソッチ側ニ三勇者ガ襲撃シテキタゾ!!」

 

この三勇者は偽物だったか。

やはり徒党を組んでいたなアイツら。

 

多分モリトニオ1人だけで仲間は居ないと思う。

いたら数人がかりで俺を襲うのがセオリーだし。

 

あ、君の知らない物語発動。

 

ドカァァァァァァァン

 

「からの〜トマホークボマーX!」

「くっ、やっぱり一人じゃ分が悪いか……ぬおっ!」

 

相手は殺人鬼……民間人ばかり襲ってるらしいし、そこまでの修羅場はくぐってないんじゃないのか?

便利そうな能力だけど万能って訳じゃないし。

 

「後数手で終わりだ。投降するか?」

「冗談、逃げるよ。エスケイプ!」

 

シュン

 

く、何だこの逃げるシステム。

俺らも欲しいな……敵地での特攻に使えそう。

 

「さて、あっちの方へ手伝うか」

 

バリィィィィィン

 

「ふえ?」

 

あ、あれ何の音だ?

まさかまさかまさか!

 

「ヤッチマッタ! 変ナメガネガ石像ブッ壊シタ!」

「勇者を拘束しろ! 俺も早く行くから待ってろ!」

 

確か書籍版じゃクソメガネに捕まってエネルギー源にされてたっけ。

三勇者が囚われたら不利になりそう。

 

ん? 師匠は本の勇者だったよな………キョウは何の武器を持ってるんだ?

 

いや……早く増援しに行こう。

 


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