念能力者の英雄譚   作:煽りイカ

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第64話

 それで俺達は魔法部隊と別れ、精鋭で階段を降りていた。

 

 色々聞いておこう。

 

「んで? 霊亀の体内で何やってたの?」

「実は私らの世界の人間が悪事を働く情報があってね。来ちゃった訳」

 

 諜報機関とかあるのか? 

 まあありそうだな。

 

「それでユニもいたのか…………」

 

 コイツの名前はユニ=クロックデス。

 現役のアイドルである。

 

 元々NEETだったが俺と知り合い、意気投合し好きなことをやってみる事になった。

 それで初めての踊ってみた動画を投稿しマジでバズったのだ。

 

 それからトントン拍子に有名となり、アイドルにスカウトされ頭角をメキメキと表し、僅か数年でトップアイドルになったのだ。

 

 武器は楽器かな? 

 マイクを装備しとる。

 

「うん…………トラックにはねられてちゃって」

「またトラック」

 

 なんなの? 本当に悪意しか無いんだけど? 

 トラック運転してるの誰だよ。

 もうここまでくると酒気帯び運転や居眠り運転なんてしてないだろ運転手……わざと? 

 

「そう言えばさ、ハジメ。ニーズヘッグのメンバーが複数の世界に来てるみたい」

「え、マジ?」

「目撃情報からアギレラ、マルシダス、シンゲン、カマゲロスとかいるぜ?」

「わぉ、シンゲンとカマゲロスも?」

「後は弟子も来てるね。リットやノリズロもいるらしいぜ?」

「マジ?」

「まだ見てない所もあるから全員じゃないと思う」

 

 わぁ〜ヤバいヤツのオールスターだ。

 

 シンゲンもカマゲロスも超手練。

 リットとノリズロは頭脳派。

 

「また新しい名前がでたね」

「ああ、賑やかになりそう」

 

 味方であれは頼もしい。

 

「そっちはどう? なんか面白い事あった?」

「ぼちぼちかな? 町の領主になって事業してる」

「楽しそうだね。温泉とかでしょ。また遊びに来るね」

 

 でも〜まだ何かやりたいんだよな。

 

 天下一武道会でもやってみようかな? 

 勿論賭けはするよ、転生者が参加したら予選で落ちるように細工でもしようかね?

 

「キューキャー」

「何それ?」

 

 ヒミコの服、胸の谷間から出てきたのか? 

 小さなアザラシだ。

 

「これ? ゴマちゃん」

「ゴマちゃん」

「ペットか?」

「式神、この世界には無いの?」

「無い…………ああ、ハジメの部下に召喚獣とか居たって聞いたが? それと同じか?」

「召喚獣……ああ、そっちとは違うやり方で作ってるんだ。媒体を指定して式神を構築するんだ」

「それで、召喚獣とやらはどんな方法で呼び出す?」

「ああ、生命力で動かすような感じ。どう呼び出すかはイメージと努力だな」

 

 べ、別に嘘ついてないよな。

 

「やっぱり欲しいか? ゲームじゃ召喚士やテイマー職とかあるもんな」

「まあな…………」

 

 もう既にテイマーみたいなもんだもんな。

 

「師匠もユニもいるの?」

「私はいるよ?」

「私も」

 

 俺もやってみたいなぁ。

 キラークイーンや夜刀ちゃんをもうテイミングしてるし欲をかきたい。

 

「皆様もうそろそろ」

「それで? いいの?」

「どうしましたか?」

「お前霊亀の使い魔だろ? 本体殺したら消えるんじゃないのか?」

「…………」

「最終確認…………覚悟は?」

「あります。遠慮なくコアを破壊してください」

 

 だよね。

 だったらここまで案内しないだろうし。

 

 

 

 ■

 

 

 

 ここが霊亀のコアルームか。

 なんか制御室の雰囲気を感じる。

 

「イツキ様っ!!」

 

 あら、三勇者よ。

 …………助けられなくてゴメン。

 

 最悪錬だけでも助けてあげたかった。

 

「あっれー? やっと来たかー」

「飛んで火に入る夏の虫とはこんな事を言う」

 

 ………………誰だよお前ら。

 

 原作には無いキャラクターだ。

 金髪マッシュと黒髪短髪の細目。

 

「ううっ…………」

 

 あれ? キョウが倒れている? お前何やってんの? なに横たわってるんだよ。

 

 お前をボロボロにする事をどれだけ楽しみにしてたと思うんだ!

 

「あ、このボロ雑巾は放っておいていいよー」

「所詮、かませ犬」

 

 おい、あのタクトよりも強いし、霊亀のエネルギーを吸い取るとかよくやってるんだけど。

 

 あと…………コイツらに既視感があるんだが。

 何処かであったような。

 

「で、お前らは?」

「別にー名乗る名は無いねー」

「死人に名乗る名は無い」

「あ、確かどっかの国の有名人だよね? 金髪は魔法剣士で細目は商人だっけ?」

「チ、お前の顔も知ってるよ。本の勇者で薬作るのが上手いんだってー?」

 

 オーラからみて転生者だよな。

 

 でもおかしいな…………ブレイクしてるし、何故かキョウが倒れてる。

 

「で? その錬金術師は? そっちも有名人だけど」

「あ、コイツー? 上手くおだてたり報酬を積んだら一緒に連れてきてくれてさー」

「笑止、もう用無しだ」

 

 酷くね? 帰り方分かってるのか? 

 

「それでこの武器を盗った訳ーマジウケるー」

「あれは……私達の世界の眷属器!」

 

 鏡…………キョウは鏡の勇者だったのか。

 

「んでさー」

「答えなさい!」

「あー?」

「お前は何者! なぜこんなことを!」

 

 転生者で世界をボロボロにするためよ。

 自分が捨て駒だって考えないのか? 

 

「だってーさ、勿体ないじゃん。滅ぶんだし」

「俺達が有効活用する。安心しろ」

 

 本当にエゴイストだな。

 殺しても心痛まねえ。

 

 つーか師匠はなんでこんな奴らを始末しないんだよ? 

 

「お前らはいいのー? お嬢様方?」

「こっちに付いた方が得だが、可憐な人間を傷付けるのは心痛む」

「付く訳ないだろ。流石に無抵抗の人間を殺すのは問題あるだろうが」

「バァーカ! 断られてやんの(笑)」

「「…………」」

 

 流石に民間人殺すのは俺でも抵抗ある。

 ゾルディック家でもターゲット以外はあまり狙わない。

 

「さっさと元の世界に帰れよ」

「まあいいや…………それにしても久しぶりだねー? クソゴミ。元気だったー?」

「挨拶も無し。屑め」

「?」

 

 おいおいおい。

 まさかお前らは!!! 

 

「あれ? やっと思い出した? 俺ら一目みただけでもわかったよ」

「山川創。思い出したか?」

「俺達にお小遣い、ありがとうございまーす!」

 

 お前らは樋口の腰巾着だった二人! 

 転生者の一味に入っていたのか!! 

 

「誰だコイツら」

「俺の元いた世界の人間だ」

「!!」

 

 まだ転生者の事を知らせるつもりは無かったんだがな。

 

「どういう事だ……?」

「後々言おうか思ってたけど、この世界に転生者や転移者見たいな奴らがいて凄い迷惑かけてるんだ」

「そんな奴らがいるのか…………」

「メルロマルクには少ないけど」

「こっちじゃフォーブレイやゼルトブルに多いよ」

 

 結構転生者狩りは進んで利権や金品等を貰ってるよ? 

 狩り尽くした地域は平和になってるらしい。

 

 タクトはまだだ。

 妹に嫌がらせした分嫌がらせしないと。

 

「確か…………羽鳥信輔と梶間光志だったけ?」

「あら覚えてたの? 偉いわねー…………でさ話変わるけどーレイの事知らないか?」

「通信が入らなくてな」

「あ? 知らない」

 

 通信? 異世界と通信とかしてたのか? 

 確かもうそろそろ寝取り結婚式は終盤らしい。

 

「おい」

「何?」

「その斧を寄越せ。貴様見たいな雑魚が持っていい代物では無い」

「…………」

「寄越せよーお前お小遣いくれたじゃん。ほらー頂戴」

 

 なんだコイツら。

 もしかして俺の事弱いと思われてんの? 

 

「やるわけ無いだろ」

「あのねールールなの。馬鹿は奪われるの」

「ルールは従うものだ。ゴミめ」

「だから濡れ衣を着せられて殺されるんだよ」

「あれは助かった。俺達も乗っていたからな」

 

 はぁ!?!? 

 お前らも共犯かよ! 

 

「ちなみに濡れ衣の提案は俺ねー。親が警察官僚だから揉み消してくれたよー」

 

 …………。

 

「それでねー。コイツの家は全テレビ局に根を張る会社だしーそれで凶悪で陰湿な人間に仕立てあげたのー」

「俺らに疑いの眼差しが来ないようにな」

 

 …………。

 

 感情の解放によるグロウアップ! 

 カースシリーズ、憤怒の斧の能力向上! ラースアックスに変化! 

 

 ラースアックス

 

 能力未解放……装備ボーナス、スキル「ボルトアクション」「エレファンテダウン」「ヘブンズタイム」

 

 専用効果 雷纏 敏捷向上 腕力向上 MP自動回復

 

「やっぱりゴミだね。コイツら」

「クソゴミはハジメ君どぇーす」

「は、庶民が我々の役に立てた。光栄だろ?」

 

カースシリーズ、ラースアックスの能力向上! ラースアックスⅡに変化! 

 

 ラースアックスⅡ

 

 能力未解放……装備ボーナス、スキル「ボルトアクション」「エレファンテダウン」「ヘブンズタイム」「スクリームオブゼウス」

 

 専用効果 雷纏 敏捷向上 腕力向上 MP自動回復 HP自動回復 避雷針

 

 ………………コイツらも結婚式に出席させよう。

 合同の結婚式にしてやろ。

 

「さて、貰おう。デビルフィールド」バチバチ

「…………!」

「な!! 武器が!!」

 

 シュウウウウアウウウウン!! 

 

 勇者武器のアイコンが消え、黒髪細目に斧を奪われる。

 デビルフィールドってのを共有していたのか。

 

 ん? 尚文の盾は奪われてない?

 何か制限でもあるのか? 

 

「レイの情報によるとスゲー強い武器らしいなー」

「俺にふさわしい武器だ」

 

 コイツらには十全に使いこなせないだろう。

 使いにくい斧とかもあるし。

 

「じゃーさー創君。せっかくだし俺の人形の実験台になってくれよー」

 

 金髪マッシュは…………なんだ? 巻物? 

 取り出してなんか呪文を唱えだした。

 

「ウッウウ」

「アアッ」

「グウウゥッ」

「何コレ…………」

 

 華美、いや悪趣味な人間が召喚陣から出てくる。

 体がツギハギだらけ、肌色悪い…………見てるだけで不愉快。

 

「あー! コイツらは!」

「ヒミコ?」

「確か行方不明になった上級冒険者だ! 似顔絵が精巧に書かれていたから見覚えある!!」

 

 レイと同じく実力者を拉致していたか。

 もしかしたら仲間を人質にとって脅迫とか。

 

「ああーそうだったけ? 俺の没人形って強い奴のしか作らないからそうだった」

 

 なんだコイツ? 人を操り人形にする能力でも持ってんのか? 

 

「おい、まさかそいつら…………」

「師匠? まさか…………」

「多分死んでる。肌の色も瞳孔も開いてる……匂いも」

 

 ゲッコーモリアのゾンビ兵のような感じか。

 確かに恐怖感ある。

 

「いいでしょー! 死んでるけどまだ意識あるんだー! 魂を定着させてーステータスや属性を再現してるんだー」

「生意気だったからいい気味だ」

「ちなみにー死体と魂を定着させると拒否反応起こるからね…………すっごーい苦しいよー?」

「なんて事を…………」

 

 …………なんなんだコイツら。

 殺されても文句が言えない。

 

「タスケ……テ」

「コロ……シテク……レ」

「コロ……シテ……」

「アッハッハッハッハッー! 自業自得だろ? 俺を陰でバカにしたしなー」

 

 没人形だったけ……涙を流して懇願する。

 

「はっ、お前なんかさー娘を人質にされてギャーギャー騒いで馬鹿みたーい。娘は売り飛ばしたから生死不明だけどね」

「アア……ウウ……」

「人質取られた時の顔。最高だったなー」

 

 ああ…………もう…………いいよね。

 

「さて、リンチタイムだ! シールドオーン!!」

「…………レイの事も聞かせて貰おう…………何か知ってるな?」

 

 後ろを向くと尚文や師匠達が入れないように柵が出来ている。

 

「…………とりあえず感謝してやる」

 

 シュパ! シュパ! シュパ! 

 

「へ?」

「は?」

 

 没人形の首がはねられる。

 

「やっと本気を出せるぜ…………」

 

 

 

 

 

 

 

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