第67話
「んと? どうなってるんだ?」
「ええはい、勇者召喚です」
「…………」
あれあれ? 勇者召喚?
…………なんかあの蛇なんか言ってたよな、てへぺろって。
なんで…………あ!
「他の召喚は!?」
「?」
周りを確認する……! ど、どういう事だってばよ。
ローナと夜刀ちゃんがいない?
俺1人?
「あ、あの」
「あ?」
「代表にあって欲しいのですが…………」
「代表?」
「はい、この国【バムズガーデン】の女王に」
バムズガーデン……この国の名前だな。
ビッチの端末だったら他の国に逃げるとしよう。
それにしても周りの奴らの身なりは商人風だな。
ゼルトブルと同等の国だろうか?
外を見るとイギリスのような中世な感じの国か?
「さて、んじゃ案内してくれ」
ローナと夜刀ちゃんが心配だ。
尚文と他の仲間はどうなったか気になる…………あら、キョウはどうなったんだろう?
■
「女王陛下のおなーりー!」
数分待っていたらやっと出てきたようだ。
金髪のロングヘア、王冠を被っている。
14歳くらい……と、言っても若さなんて誤魔化せる。
ウチの師匠が良い例だ。
ちなみに年齢は32……ロリババアだ。
「銃剣の勇者様、よく来てくれました!! 私女王のリーネと申します!」
「…………」
「あ、あれ? なんか……粗相しましたか!?」
「あ、いや。色々騙された事が会ってね。初対面の人間には警戒するんだ」
「えー!? そんな事しませんよ!!」
嘘発見能力、
嘘をついた人間の思考を読む能力。
嘘はついていない。
「いいですかー勇者様。こっちに裏切りにメリットは無いです」
「?」
「この世界は全部で三カ国しか無いんですけど、我が国は勇者様含めて二人しか勇者はいないんですよ」
「なんかやらかしたのか?」
「いえ、やらかすのは他の二国です。後で説明します」
なんだろうこの国……厄介事抱えてそう。
ん、後一人の勇者は?
「えー改めてようこそ、【バムズガーデン】へ」
で、ロリ女王リーネの説明。
波って災害が出て困った。
それで召喚したと。
まったくこの前の召喚時と同じやん。
「それで、この国を波と他の国から守って欲しいんです!」
「戦争か? 俺は売られた喧嘩は買う方だけど、自分からは売らないぞ?」
「いえいえ、戦争じゃないですし、こっちからは売りません」
「?」
見えてこないな。
よく分からんけど戦えと?
「イクサってシステムがこの世界にありまして…………戦って殺されても死なないのです。条件がつきますが」
死なないの?
世界にルールがつくなんて新鮮だな。
「それで……」シュ
「ん?」ジュワ
「使えるんですね……」
あれ? 隠を使ったって事は……使えんのかい!
「ええ、歴代の勇者に使える人がいましたので。結構能力者はいますよ。まあ一般人には秘匿ですけど」
「いるんだ…………」
うーん能力者がもう既にいたとは。
秘匿にしてるのは感心。
「それで、こっちからも質問。他の国は? 他の武器は? 噂も欲しい」
これらは大事。
どーなってんだろ。
で、説明される。
一つ目の国は武力と数の国【ライガーフェン】
この国は武闘派のうえに人数が多く、何時どこでも喧嘩とか国内で起きているそうだ。
この世界の防衛を基本的に任される。
武器は四聖武器は忍具、眷属器は脇差・車輪・時計だそうだ。
二つ目の国は自然と資源の国【アルコイリス】
国面積は一番を誇り、多数の動物や珍しい植物が生い茂り、食料や鉱山資源が豊富。
厳しい地形や気候が多いらしく難攻不落の国だってさ。
この世界では食料生産等の資源物資を担う。
武器は四聖武器は棒、眷属器は弩・農具・漁具・砲。
「それで最後に私達の国、技能と商業の国【バムズガーデン】です。鍛治や料理等の技術者や、お菓子から武器まで売ってる商人もいますよ。この世界では武装や薬の商売を担います。現在の武器は四聖武器は銃剣、眷属器は鋏です」
「…………」
あーこれ知り合いいるわ。
鋏って言ってたし、グラスが言ってた通り奴らがいるな。
「まだ召喚されてない武器がいるってことか?」
「……ええ、四聖は球、眷属器は十手と眼鏡がまだです」
んんんんん?
四聖勇者=銃剣・棒・忍具・球
眷属器=脇差・車輪・時計・弩・漁具・農具・砲・鋏・十手・眼鏡
眷属器が10個?
「四聖と十輝星です。他の世界では8つの筈ですが、この世界は10あるんです。不思議ですね」
えっと、4と8だよな。
オーバーしてるけど……なんか会ったのか?
「他の球・十手・眼鏡は? 何処が召喚する?」
「十手は【ライガーフェル】で球は【アルコイリス】だった筈です。いつ召喚はわかりません」
「眼鏡は?」
「実は……眼鏡の聖遺物が行方不明で三カ国で探しているんです」
あ、確かなんか使って勇者召喚するんだっけ?
聖杯戦争とそっくりだな。
☆
一方、【アルコイリス】
「喰らえぇぇ!」
「スコーピオンシュート!」
「ヘビーキャノン!」
ドカアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!
「うおっ!?」
「へいへーい、アギレラ〜残弾そろそろじゃないんの〜」
「さっさと帰りなさ〜い!」
「テメェら……」
【アルコイリス】のとある砦。
【バムズガーデン】VS【アルコイリス】のイクサ。
「アギレラ殿!」
「ん? なんだ」
「勇者召喚が成功したそうです」
「何!? おい、ベリト! カマゲロス! 停戦だ! 後でぶっ潰してやる!」
☆
一方、【ライガーフェル】。
「おい、マルシダス。ネクタイ曲がってるぞ」
「ああ、スマン。朝とかよくあるんだ」
「身だしなみは大事だぞ。後輩勇者と初対面だしな」
「分かってる」
【ライガーフェル】、勇者召喚準備中。
「それにしてもミレナリオ、後輩ってのも懐かしいな」
「ああ、新人に指導したり一緒に仕事したりハラハラだったもんな」
「ああ、大変だったのが──―」
「お前ら集まってんな!」
黒のセーラー服の女が現れる。
「ギンコ、やっと来たか」
「まあね。こっちも手がかか……おい、マルシダス。寝癖ついてるぞ」
「あ、悪ぃ」
「あ、目ヤニもついてる」
「勇者だろうが……しっかりしろよな」
「スマンスマン」
賢者風の男が三人に近づく。
「勇者様、召喚準備出来ました」
「わかった。始めてくれ」
「そういえばハットは?」
「【バムズガーデン】にカチコミだそうだ」
章は入れる?
-
入れる わかりやすいように
-
入れない 原作みたいに入れない