よぅし、【ライガーフェン】に乗り込むぞ!
「さて、【ライガーフェン】に行くぞ」
「父様、私も行く!」
「あ、自分も」
あら、夜刀ちゃんは来るのは分かったけどフェムトも来るのか。
んで5人に。
「? そう言えばポータルは?」
『ポータル?』
ん? ポータル知らないのか?
…………だったら馬車を使わないか。
「龍刻の砂時計あるだろ?」
「あるな」
「その砂を入れれば空間転移の武器が出る。登録場所の数や制限はあるけど」
「…………そんなのあるのか!」
「試してみましょう」
ものは試しだな……寄り道しよ。
んでアギレラやフェムト達も砂を入れる。
「あ、本当だ。登録場所が登録できる」
「これで行き来しやすくなりますな」
「みんなに教えておきますか」
役に立って何よりだよ。
「龍刻の砂時計ってどれだけこの世界にあるんだ?」
「3つ」
「少なっ!」
「少ないのか?」
メルロマルク、ゼルトブルやシルドフリーデンや海底とかあるんだけどな。
やはり世界によって違うのはあるんだよな。
「ウチら結構あるんだけど」
「ほー」
「六個以上あるぜ」
「多いな。国同士諍いとかあるんじゃないか」
「ある。人種差別とかあったぜ」
メルロマルクとシルドウェルト。
因縁は盾過去編で語られるほど昔からあるらしい。
考えてみれば尚文もクズ等もそれが原因で嫌な目にあっている。
女王もストレスで老けてもおかしくない。
2児の母だしマジで歳幾つなんだろう。
「そっちの人種って?」
「俺の所は人間と獣人。獣人は人間に近いのや獣に近いのもいるし種類も多い」
「なるほどこっちは沢山いるな。人間、獣人、エルフ、ドワーフ、魔人」
獣人とドワーフは見かけた。
エルフと…………魔人? 見てない。
「エルフと魔人は見てない」
「エルフは森に篭ってる。魔人は夢魔界って所に住んでる」
「夢魔界?」
また新しい単語だな。
「ああ、地下都市の事だ。賑やかな所だよ」
「差別でも受けてんの?」
「違う。太陽光が苦手でな」
そゆこと。
「ちなみに天空都市もありますよ」
「天空都市」
「空上バスで行けますよ」
天空都市って…………楽しそうだな。
時間あったら行ってみよ。
■□▪▫■□▫▪
「あ、オークだ」
馬車を転がしていたらオークを発見した。
RPGの定番。
まさかコイツも保護対象?
「コイツは狩っていいのか?」
「駄目だ」
「ええ、オークはそこまで被害を出しません」
またゴブリンと同じか。
「ゴブリンと比べて温厚で紳士的なモンスターですから」
「山であったらお辞儀を返してくれるし」
あれ良い奴なのか?
「女とか乱暴しないの?」
「そんな話聞いた事無いぞ」
■□▪▫■□▫▪
『とまれぇぇ!』
「あ?」
こっちトラ【ライガーフェン】に行きたいんだけど。
『我らは【ミテルネ盗賊団】だ。貴様らにイクサを申し込む!』
「こっちは急いでるんだよ」
『残念だったな道は能力で塞いでいる。回り道してもいいがまた【バムズガーデン】に戻らなければならなくなるぞ〜』
なるほど妨害されたくなければイクサを受けろか。
「それで? コイツら何処の所属?」
「ミテルネは【ライガーフェン】の直轄だったはず」
「ハット君」
「多分無理ですね」
「確かに…………顔は知ってる時点で挑むって事はだ」
んで腕試しって訳ね。
『受けても受けなくてもいいぜ。回り道すればいいんだしな』
「回り道するか」
『は?』
急がば回れって言うし。
「馬車はどうする?」
「中継の村の馬車駅に預けてポータルで【バムズガーデン】に飛ぼう」
『えっ』
「ポータルは便利…………あ、召喚された場所が登録されとる」
「ラッキー。預けたらすぐ飛ぼう」
「そう言えばハット君の登録場所は【ライガーフェン】は入ってる?」
『ちょっと』
「入ってないですねー」
「んじゃ行こうか」
別に戦う理由も無いし。
早く行きたい。
『おい、お前ら勇者なのに逃げんのか?』
「逃げるもなにも用事があるし、受ける受けないはこっちが決めること」
「通してくれないから回り道するだけ。逃げる訳じゃないよ」
『…………』
確かに逃げる事は恥ずべき事かもしれない。
しかし自然界では逃げの戦法が主流だし、あまりにも話が通じない相手には逃げの選択肢を取る事もある。
実際逃げる能力を作るやつもいるし、それで成功した人間もいる。
逃げ続けても最後に勝てばいいのだから。
『ま、待て。あれだろ何が欲しいんだ?』
「別に要らない」
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「あれで良かったのか?」
「問題無しだ。受ける受けないは自由」
だよな。
尚文が決闘の時はあれはおかしいよな。
奴隷制度は国として認められてるのになんで尚文はダメなんだって事。
国を批判するべきなのになんでこうなるのって話だ。
奴隷狩りもしてるし問題だろう。
元康だって奴隷を見て見ぬふりしてたし、パーティーメンバーがビッチに売られてやばい時にも無視してたし。
さすがに自分に甘いな。
「あ、ドライアドだ」
ドライアド?
森の精霊の感じか?
「アースクエイク!」
「クロックバスター!」
「グレードスラッシュ!」
ドゴオオオオオオン
あれ攻撃した!!? なんで?!
森の主とかじゃないの!?
「え、どゆこと? 害虫かなんかか?」
「…………ドライアドって生物は成体になると森を枯らすんだ」
「え」
「養分とか吸い取ってな」
「今のは幼体だけど人間から養分を吸い取る位はできる」
…………寄生生物みたいじゃん。
植物を司ると思ってた。
「そんなに迷惑生物なのか?」
「森が砂漠のようになった事例があるらしい。そうなったら10年くらいその状態が続くとか」
「…………」
「だから速攻で駆除するってわけだ」
まあ世界ごとに魔物の善し悪しは違うしこんなのもあるだろう。
ゴブリンやオークが益虫って事もあるのか。
「あ、そろそろ中継の村に着くぞ」
こうして馬を置き、【バムズガーデン】に転移するのだった。
まだ他世界編は続く。