ブォン
シュタッ
俺らは【バムズガーデン】にポータルで戻ってきた。
やっぱりこのスキルは便利だ。
関所とかも通らずに済むし、労力がSPのみで一瞬で移動できる。
「さて、【ライガーフェン】には少し休止してから行くか」
「そうですね。食事でもして休みましょう」
「父様ーこの国何があるの?」
この国初めてのやつがいるから案内したいが俺もそこまで分からない。
まあいい、食事行こう。
ここ調理の技術高いからいいな。
「何処行くか」
「牛丼屋とかは?」
「庶民だな…………まあ丼物専門はあるぞ」
よし、そこ行こ。
はい、って事で着いたと。
「みんな何頼む? 俺カツ丼」
「あ、俺もカツ丼」
「俺親子丼」
「私天丼」
「自分蝮丼」
で、注文。
俺はカツ丼…………よく食ってた。
つーか召喚勇者か? 日本人としか思えないんだが。
「この丼物って召喚勇者が広めたのか?」
「ん? まあな。他の世界でパクってきたのもあるぞ」
「パクってきたんだな…………」
「まあ他世界には行き来しにくいし迷惑にはならないと思うけど」
著作権違反は世界内ではありそうだけど、世界同士じゃ行き来しにくいから文句とか言われなさそう。
そんな特許とかそんなルールありそうだ。
「それにしても世界間の移動って簡単に出来るのか?」
「出来ますよ」
「ただし四聖は全員は異世界に行けないがな」
原作と同じ縛りで出来るんだな。
もしかしたらこの世界独自のルールとかまだあるかもしれない。
色々聞いてみるか。
「他に勇者としての常識ってあるか?」
「あるな。ケツモチ制度だ」
「「ケツモチ制度?」」
ケツモチ…………マフィアとかいそうだな。
「簡単に言えば組織の用心棒や盗賊のケツモチだ」
「前にいた【フレイム山賊団】や【ミレイユ盗賊団】とかいたろ? アイツら勇者の傘下」
「え」
「言っておくが一般人に言うの禁止な。怒られる」
え、そうなの?
じゃあ待て…………誰の傘下だ。
「んでフレイムはベリト、ミレイユはミレナリオだったはず」
「息かかってたのか…………」
「その通り。俺も持ってる」
「俺も」
「自分も」
お前らもかい!
え、なんなの? 便利だし清濁併せ持つってのも大事だけどさーそこまで色々手を染めてるのか?
「まあ、暗黙のルールで勇者一人につき盗賊は1つのみ傘下だがな」
「そんなに清濁併せ持つ事あるのか?」
「あるだろ…………どんだけこの国食い物にされてると思ってるんだ」
「納得」
確かにやばい事に手を染められてるからな。
目には目をってことだな。
「組織の用心棒ってのは?」
「商会とかを用心棒するんです。みかじめ料代わりに物品とかサービスを受け取るんですよ」
なるほど〜勇者お抱えの商会って事ですね。
それはそれで楽しそうだ。
「勇者一人につき二つまでの暗黙のルールがあるがな」
「へーアギレラ達はどんな所を回護してるんだ?」
「俺は製薬と鍛冶の組合だな」
「俺は冒険者ギルド1つ」
「私は林業と農業の方を」
へーみんなお抱えとかあるんだな。
他のやつも甘い汁啜ってそう。
「やっぱりウチらとかもやっていいの?」
「いいぜ。敵にはなるなよ」
勇者一人しか居ないし、技能ギルドとか多そうだなこの国。
「んで盗賊を率いるんだし良い人材っているのか?」
「まあそれはトップに聞きな」
女王の方が知ってるかもな。
アギレラだって商売敵を作りたくないだろう。
と言ってもこの世界に永住する気はない。
早く仲間と合流しなければ。
「丼が来ましたよ」
「勇者だからサービスで盛ってるみたいだ」
■
さあ、【ライガーフェン】に出発だ。
「なあ、移動系の能力者とか居ない?」
「【アルコイリス】に一人いますが条件が整いません」
確かにルールがあるのもいるし。
数千kmを一瞬で飛ぶとかすげーから縛りあるしな。
「ナルシスのやつ元気かな」
「元気じゃね?」
俺のチームにいたアッシー君は元気だろうか?
ヤツの
まあノヴさんの方と同じくらい優秀…………国家のお抱えになってもおかしくない。
「父様の仲間ってどんなのがいるの?」
「たくさんだ」
「あ、シンゲンは他の世界で見かけた」
「聞いた」
「蛮刀の勇者だって」
アイツの得物は日本刀なんだが…………まあ大丈夫だろ。
武器無しでも強いし戦えるしな。
「てか他の世界とも交流あるのか?」
「ある。技術交換や停戦とかな」
この世界はコミュ力あるな。
楽しそうな予感がする。
「あ、カーバンクルだ」
あ、ハットが頭にルビーがついた動物を発見。
可愛いな。
「イーグルキャンサー!」
ズバッ
はぇ? アギレラがぶった切った。
「え」
「コイツ害獣なんですよ。畑荒らしますし」
「頭のルビーは魔法薬の材料になるから回収」
そ、そうなんだ…………可愛いのに。
あ、スライムが近づいてきた。
「こうしてスライムが処理してくれてるから助かる」
「骨を溶かして地面に撒いてくれるんですよ」
自然に優しい生物だな。
「そう言えばスライム使って肥料使うんだったけ?」
「ええ、腐葉土とかスライム使ってです」
■
「ようやく【ライガーフェン】に来れたか…………」
「でも良かったですよ。【バムズガーデン】の国境は俺やアギレラさんやマルシダス師匠ケツモチの盗賊の縄張りですし」
【アルコイリス】側はウチの国の盗賊縄張りは無いんだな。
「それでどうする? 城に直行するか」
「だな。長居はする気無いし」
ローナが居ると思うし、確認をしなければならない。
久々にマルシダスに合うな。
「師匠ー!」
あれ? 聞いた事あるような声が。
「あ、ギンコさんだ」
「ギンコ!!?」
はぁ!? なんでギンコがいるんだよ!
勇者召喚ってすげーな!!
「師匠ー! お久しぶりですぅぅぅ!!」
ドオオン!
「げふっうっ!」
おい!? なんでいつも低姿勢でタックルしてくるの?
吹っ飛ぶんだけど。
「ギンコ、久しぶり。正直会いたかったよ…………」
「私も会いたかった!」ギュウウウウ
「痛い痛い」
死んだと聞かされた時はショックで1ヶ月立ち直れ無かったんだ。
また…………会えた。
「父様、その人は?」
「紹介するよ。初めての弟子で…………元恋人のギンコだ」
「ギンコ=アルバータです。元の世界では殺し屋やってました!!」