Force Detonater   作:世嗣

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侵食する意思

「全て、思い出した」

 

 ユーリの拳を握った瞬間、ディアーチェ達の中で消えていた全ての記憶が帰ってくるのを感じた。

 

 自分たちがエルトリアに生きた猫だったこと。

 

 ユーリに命を救われたこと。

 

 主人であるユーリを救うために力を欲したこと。

 

 その全てを思い出した。

 

「我らは、ユーリのために力を欲した」

 

 王の魂、ディアーチェが。

 

「私たちは、ユーリの事を守りたかった」

 

 王の為の炎、シュテルが。

 

「ボクたちは、ユーリのことが大好きだった!」

 

 王の為の雷、レヴィが。

 

 自身の主人であった『ユーリ・エーベルヴァイン』という優しかった少女のことを思い出す。

 

 それと同時に彼女たちが『無限の力』を欲した理由も。

 

「ならば、取り戻さねばなるまい、我らの主人を」

 

 黒が、赤が、青が、夜空を駆ける。

 

「シュテル! その炎は何のためにある!」

 

「王の敵を斬り払い、主人の未来を照らす為に!」

 

 黒が問い、赤は静かに、けれど熱さを滲ませながら答える。

 

「レヴィ! 貴様はその雷で何を成す!」

 

「王様の為に敵を倒して、あの子の元に誰よりも早く行く為に!」

 

 黒が問い、青は声高々に、眩しく笑いながら答える。

 

「ならば我の闇は貴様らを包み、ユーリを守る為の存在であろう! それが、王たる我の使命だ!」

 

 黒が、王としての自分を誇るように、叫んだ。

 

 赤と青と黒の魔力が夜天を彩る。それは星のように、虹のようにただ眩しく輝いた。

 

 三人はユーリの鎧装の機械腕から逃げ回りながら、己がデバイスによる迎撃の魔力弾を放つが、ユーリはさしてダメージを負う様子は見られない。

 

「早く、逃げて……下さい」

 

 それどころか敵と認識させられているはずのディアーチェ達を気遣う始末。

 

 意思の力だけで抗おうとするユーリだが、イリスにより打ち込まれたウイルスコードの力は強くその意に反して、目の前の存在を鏖殺へと駆り立てる。

 

 機械腕が飛び回る三人を殴り飛ばそうとし、発動した魔法は常に追尾しながら撃ち落そうとしてくる。

 

 その力はユーリの全力からは程遠く、おそらく六割かそこらの出力しか出せていないだろう。

 

 けれど、ユーリとはディアーチェ達三人を相手取っても余りある実力差が存在する。

 

「あ、あああああああああっ!」

 

 ユーリの意思に反して魔法が発動。『炎の矢』と呼ばれる広範囲型射撃が空を埋め尽くすように放たれた。

 

「くっ──!」

 

 視界の端から端までユーリの魔力光に染められ、回避は不可能と断じたディアーチェは魔導書型デバイスから無数のページを飛ばして、臣下と自分の前に多重の防壁を展開した。

 

「ええい、埒が明かん! シュテル! レヴィ! 一気に決めるぞ!」

 

「りょーかいっ!」

 

「心得ました」

 

 炎の矢が止まったタイミングでレヴィとシュテルが防壁から飛び出すと、それぞれ青と赤の魔力を纏わせて加速した。

 

「く、うううううっ!」

 

 それを撃墜しようと機械腕がシュテルとレヴィに迫り、シュテルは左腕に、レヴィはバルフィニカスに魔力を集めた。

 

「ブラストクロウッ!」

 

「光翼連斬ッ!」

 

 シュテルの左手のアームがユーリの機械腕を受け止めると炎を爆発させながら粉々に砕くき、レヴィに素早く振るわれたバルフィニカスは二つの魔力刃を飛ばして、四分割してみせた。

 

「いくよ、シュテル!」

 

「ええ、レヴィ!」

 

 機械腕を砕きユーリの防御が緩むその瞬きほどの隙を見逃さず、レヴィとシュテルがフェイトとなのはから汲み上げた魔法を応用し、チェーン付きのバインドで腕を縛り上げた。

 

「後は任せました」

 

「最後は王様が決めて!」

 

 臣下は彼女たちの王へと呼びかける。

 

 生涯の忠義を捧げた、彼女たちの王へ、信じて、託した。

 

 ならばそれに応えるは王たる存在の責務であろう。

 

「ああ、大儀であったシュテル、レヴィ」

 

 バインドに縛り上げられ、身動きが取れなくなったユーリを見据えてディアーチェが尊大に頷き、ゆっくりと杖先を己が主人へと向けた。

 

「ディ、アーチェ……逃げて……」

 

「断る。王たる我に指図するとはいかに主人といえど許すとは思わん事だ」

 

「私の為に、あなたたちが、傷つくのは、みたく……」

 

「……この戯けが」

 

 苦しげに言葉を漏らすユーリにディアーチェが目を怒らせる。

 

「我らが命をかけるのは我らの為だ。貴様という主人を救いたいという我らのエゴに過ぎん。断じて貴様の為などではない。勘違いするな」

 

「ーーー」

 

「涙を流している我らの主人を救いたいというこの願い! 神にも! 悪魔にも! この世の何者にも! 否定などさせてたまるものか!」

 

 ディアーチェが叫びながら、目の前に魔法陣を展開した。

 

「それが、ユーリ! 例え貴様であったとしても!」

 

 その色は全てを飲み込む闇であり、夜天の空よりもただただ黒く、暗い。

 

「だから、貴様は大人しく我らに救われていろッ!」

 

 ごう、と魔力が唸った。

 

「我らが得たこの力をもって─────貴様を今その縛の鎖から解き放つッ!」

 

 ユーリの視界が、黒く染まる。

 

「出よ巨獣──ジャガーノートォォォッ!」

 

 ディアーチェから放たれた極大の砲撃魔法。その色はどこまでも暗いにもかかわらず、なぜかそれに包まれたユーリはどこか暖かく、満たされるような感覚がした。

 

(あぁ、あの子たちが私を助けてくれる日が来るなんて──)

 

 ユーリが身を包む微睡みに身を委ねようとした時、思考の中にノイズが走るのを感じた。

 

 

 

 

 ──それじゃあ駄目だよ、ユーリ。

 

 

 

 

 

(え?)

 

 ばちり、赤いスパークが弾けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユーリの力が増大した?」

 

「はい。母様が予測していた数値を遥かに上回るエネルギーが検出されました」

 

 東京タワーの一角でイリスが眉を寄せた。

 

(ユーリが自分の意思で反抗する限り最大出力が出るはずがないと思っていたけど、まさかあの子が猫たちを自ら?)

 

 その推測をふるふると首を振って自分で否定した。

 

(あり得ない。あの子が自分の意思で誰かを殺す事なんて──)

 

 ぱち、と思考が弾ける。

 

「あれ、今何を考えてたんだっけ……?」

 

「母様?」

 

「……何もないわ。ユーリの事は放っておいていい」

 

 突然黙り込んだイリスの態度を不審に思ったのか、量産型の一人が首を傾げた。

 

「早く、結界の外に出なきゃ……」

 

 熱に浮かされるようにイリスが呟いた。

 

「早く、早く」

 

 その目に、赤いプログラムコードが走ったのに、誰も気づく事はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 固有型、シグナムと剣を交えていた個体がしばらくの間をおいて意識を取り戻す。

 

(…………私は、負けたか)

 

 ゆっくりとした速度で自分のメインコンピュータ、人間でいうと脳の領域が稼働し始め、記憶を再生し始める。

 

(ここは、先ほど戦闘を行った場所か)

 

 固有型はぼんやりとした意識のまま現状を確認し始める。

 

 体は何やらエネルギーにより拘束されており身動き一つ取れない。フォーミュラをシステムとして保有する固有型にかかれば時間さえあれば解析して破壊ができるだろうが、今の固有型は先のダメージが糸を引いていて、直ぐに実行するのは難しそうだった。

 

(あの、剣士はいないな)

 

 自分に杖を向けている魔導師の男たちを薄く開けた目で確認して、さらに周りを見回した。

 

(私との戦闘が終わり別の地点へと赴いたか)

 

 炎の剣と、ラベンダーの光。

 

 自分との戦いで笑みを浮かべていたあの不可解な剣士。

 

 手も足も出なかった。肉体性能では互角だったにも関わらず、自分を大きく上回る技量によって容易く斬り捨てられた。

 

(……情けないな)

 

 事実を言葉にして浮かんできたその言葉に、固有型が心の中で首を傾げた。

 

(なぜ、今私はそんな事を? まるで感情があるように……?)

 

『群体』イリスに個人の意思はない。なぜなら全てはイリスという母体から製造された機械であり、兵器である。

 故にいくら固有型とは言え個人の意思が芽生えることなどないはず。けれど、今自分はまるで心があるように『情けない』と────

 

「やあ、彼女を解放してやってくれるかな。私の大切な娘なんだ」

 

 かつん、と地下鉄の中に高い音が響いた。

 

(なんだ……?)

 

「何者だ! その服装、管理局の人間ではないな」

 

 がしゃん、と向けられていた杖が固有型の背後の空間へと照準を定めた。横向きに倒れている固有型にはその背後の光景を伺い知る事は出来ないが、どうやらそこには敵となる誰かがいるらしかった。

 

(共有ネットワークには反応がない。群体ではない……?)

 

 今管理局と争っているのはその全てがイリスの手駒の筈だ。ならば杖を向けられているのは『量産型』、『固有型』イリスのどちらかの筈であり、それならばイリス間に繋がれたネットワークで識別できる。

 

 けれど、今背後にいるだろう個体は、全くもって識別信号が存在しなかった。

 

「私は、そうだね。彼女たちの父とでも言っておこうか」

 

 含むような声色で背後の人物が答えた。

 

「さて、それでどうだい? 私の娘を放してくれるかな?」

 

「そんなふざけた提案が本当に通ると思っているのか」

 

「そうだね。それが当然の反応だ。なら私も少し取りたくなかった方法をとらなければね」

 

 ふう、と息を吐く音が聞こえた。

 

「あまり荒事は得意ではないのだけれど、仕方ない」

 

 その言葉に管理局員の体が強張り、それぞれのデバイスを構えて魔法陣を展開され────それよりも早く背後の声は一言呟いた。

 

アクセラレイター・オルタ

 

 光が瞬いた。

 

「さて、面倒ごとは片付いたね」

 

 本当に何かが一瞬光った、としか認識できない速度で固有型を囲んでいた数人の魔導師が蹴り飛ばされた。

 

 鈍い音がほとんど同時に路線内に響いた。その音の出所である魔導師たちは吹き飛ばされた後は気を失ったのか、ピクリとも動かない。

 

「君は『固有型』だね。以前プログラムした覚えがある」

 

「……お前は何だ」

 

「君たちと出自は同じだ。けれどわかりやすく言えば、『イリス』にとっての父ということになる」

 

「私たちは『群体』だ。生命でいう『父』は存在しない」

 

「ならば今はそれでも良いだろう」

 

 声の主は拘束されて転がる固有型を見下ろしてゆっくりと、言い聞かせるように会話を続ける。

 

「君は一度負けたんだね」

 

「私を責めるのか」

 

「まさか。娘の失敗を責める父はいないよ。ただ愛おしく思い、そして次の一歩へと繋げる為の手助けするだけだ」

 

 声の主は、膝を折って固有型に顔を近づけてにこり、と笑った。

 

「どうだい、リベンジしたいと思わないかい?」

 

「リベンジ、だと……?」

 

「そうさ。君を倒した相手ともう一度戦うんだ。その為の力もあげよう」

 

「そんなもの、私は……」

 

本当の事を言ってごらん?

 

「あ…………」

 

 ぱちり、と固有型の思考が赤く染まった。

 

「どうする? 私と共に来るなら君にチャンスを与えるよ」

 

 固有型の脳裏に桃色の長髪を揺らして戦う剣士の姿が蘇らされて、端からじわじわと侵食されるように思考が研ぎ澄まされていく。

 

「私を、もう一度戦わせるのか」

 

「君が望むなら」

 

「ならば、私に剣を振るわせろ」

 

「それは私と共に来るということかな」

 

 底の見えない笑顔を浮かべた相手に対して、固有型は赤い瞳でゆっくりと頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ぱきり、と髪の先が凍りついたのを感じた。

 

「これで二つ」

 

 デュランダルの『エターナルコフィン』で機動外殻と群体イリス共々都市を一つ丸ごと凍りつかせたクロノは息を吐いた。

 

「これで少しは負担が軽くなればいいんだが」

 

 ぱんぱんと肩についた雪を払う。

 

 脳裏に浮かぶのは自身の部下たちと、妹とその友人たち。

 

「あいつに約束した手前、少しでも無理させるわけにはいかないからな」

 

 まあそんな約束は無くともクロノは部下を一人も怪我させるつもりなんかなかったのだろうが、それでも男同士の約束だ。

 反故にするつもりなどクロノはさらさら無かった。

 

 戦闘が始まってもうそこそこの時間が経つ。管理局側の戦力的には次第に敵を撃破して、仲間の援護に向かう人間が出始める頃だ。

 

 そうなれば戦力が減っていく一方のイリスでは対応できるとは考えにくい。

 

 後は次第に形勢は管理局に傾き、主犯であるイリスも捕縛できることだろう。

 

 一度エイミィにでも連絡を取るか、とクロノが通信を開こうとデュランダルから念話を飛ばそうとする。

 

 すると示し合わせたようなタイミングでエイミィからの通信が繋がった。

 

『クロノ君!』

 

「ああ、エイミィ丁度良かった。僕も今連絡を──」

 

『そんな事言ってる場合じゃないよ! 大変だよクロノ君!』

 

「──どうした。何があったんだ」

 

 鬼気迫るエイミィの様子にクロノの顔が瞬時に引き締められた。

 

『さっきクロノ君が氷結したはずの都市の機動外殻が動き出してるの!』

 

「なんだと?! 理由は?」

 

『そんなのわかんないよ! とにかく、突然動き出したの!』

 

 エイミィの言葉にクロノがらしく無く舌打ちをした。

 

「まさか僕のエターナルコフィンの発動が甘かったか?」

 

『ううん、そんなはずないよ。こっちで確認していた限り氷結は完璧だった。敵性反応も全て沈黙していた』

 

「なら何が起こった? まさかステルス機体でも隠れていたのか」

 

『正直私の索敵から隠れ切る相手がいるなんて考えたくないけど、その可能性は否定できないかも。ごめん』

 

「……悔やんでも仕方ない。相手は僕たちからすれば未知の技術だ」

 

 エルトリア式フォーミュラ。

 

 協力者、アミティエ・フローリアンによれば魔力などでは無くナノマシンによる周囲のエネルギーを変換して力に変える技術。

 

 プログラムである魔法を解析して、以降それを無効化する力まで持つ魔導師からすれば天敵のような技術。

 

 そんなものが相手ともなれば、エイミィの索敵にも引っかからない未知の敵もいるのかもしれない。

 

「僕はひとまず先ほどの区画に戻って氷結をし直す。悪いが生産プラントは少し待ってくれ」

 

『うん、突入隊はその間付近の援護に回すね』

 

「ああ。僕の方ももう一度氷結が終わり次第また連絡を入れる」

 

『じゃあね、気をつけてクロノ君』

 

「……ちょっと待ってくれ、エイミィ」

 

 通信を切ろうとしたエイミィをクロノが呼び止めた。

 

『……クロノ君?』

 

 そのらしくない行動にエイミィが不思議そうに名前を呼んだ。それに対してクロノは、小さく息をつくと、思い切ったように口を開いた。

 

「君は僕の補佐だ。今までも、そしてこれからも疑う事なんてない」

 

『へ…………?』

 

「それだけだ。通信はこれで切っていい」

 

『もしかして、クロノ君励ましてくれてる?』

 

「……ノーコメントだ」

 

 ぶっきらぼうなクロノの答えに、エイミィが含むように笑った。

 

『優しいなぁ、クロノ君は』

 

「……僕は現場に急行する。通信は以上だ」

 

 通信を切ったクロノは最後の囁くようなエイミィの言葉を大きな深呼吸とともに吐き出して、手の中のデュランダルを強く握った。

 

「行くぞ、デュランダル。もう一仕事と行こう」

 

 《 ok,boss 》

 

 デバイスコアを淡く光らせながら答えた相棒を片手にクロノが空を飛んだ。

 

「……何が、起こっている」

 

 ぽつりと呟かれたその言葉は、白銀の世界に溶けるように消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「現場の状況は? 報告を急いで!」

 

 時空の海に浮かぶ管理局本局、その今回の地球で起きた事件の一連の事件の臨時対策部でレティ・ロウランは部下たちに鋭い声で指示を出した。

 

 彼女は今回の事件の指揮官としてのトップ、立場としてはクロノやリンディの直属の上司という形になる。

 

 そのレティは今、目まぐるしく変化し始めた状況に表情を険しくしていた。

 

「クロノ支部長が氷結していた機動外殻が動き始めました! このままでは、あと十五分足らずで結界外周部へと辿り着かれます!」

 

「捉えていたはずの『固有型』が何者かの手によって逃走! 輸送に当たっていた魔導師の多くが負傷!」

 

「な、これは…………機動外殻反応増大! 東京湾から機動外殻が陸地に上陸してきます! その数、凡そ三十!」

 

「協力者、『ディアーチェ』ら三名と交戦中の『ユーリ』の鎧装が変化! エネルギー量も桁違いに増えています!」

 

「レティ提督、リミエッタ補佐官からの連絡が。もしかするとレーダーにも映らないアンノウンがいるかもしれないとのこと」

 

「指示を出します! 一言一句聞き漏らさないように!」

 

 レティは部下からされる報告に対応しながら、心の中だけで動揺を押し込める。

 

(何が、何が起こっているというの)

 

 事態は時間を置くほどに好転している、そう思っていた。

 先程から突然予想外の出来事が多発し始めている。

 

(この感じ、何度か覚えがある。これは敵性戦力が補充された時に生じる混乱)

 

 目まぐるしく変わる戦局、相手の不規則な対応。長年管理局で働くレティには雰囲気に覚えがあった。

 

(これも『イリス』の作戦? いや、順次導入する意味はない。なら、一体……)

 

 どこかちぐはぐで、まるで敵の行動に一貫性を感じない。まるで、何かを通して戦力を動かしてるような、そんな感覚。

 

「レティ提督、外部からの通信です」

 

 部下に見えないように小さく息をついたレティに部下の一人から声がかかる。

 

「今はこちらも緊急事態よ。後にしてと伝えて」

 

「私もそう言ったのですが、絶対に繋いでくれと言って聞かなくて」

 

「相手は何と言っているの?」

 

「名前と所属を教えればわかる、としか」

 

 レティは隠す気もなく頭を抱えた。どうしてややこしい状況とは重なるものなのだろうか。

 

 やがてため息とともに渋々と言った様子でレティが口を開いた。

 

「相手の所属と名前は? それで応じるかどうかを決めます」

 

「はい、ええと……」

 

 部下の一人が手元のメモを見て、その名前と所属をレティに伝えた。

 

「航空魔導隊三課の『セルジオ・アウディ』と、そう名乗りました」

 

 

 

 

 

 

 

 





出ないねぇ、セルジオ。

それはともかく今回は推して参るさん優遇されそうです。
良い鉄子ちゃんとか、やっちゃえエクスカベータちゃんも良さげですが、上手くかけるかはわかんないです。

お前も私の子供になるんだよォ!

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