ワクワクを思い出した   作:オゾンより上

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小説一巻☆神裂火織戦から~

 

 

 

 

ヒーローって、やっぱカッコいいじゃん?

 

そんなこと考えてイキってたら、めっちゃ瞬殺された。

夜の学園都市、スクランブル交差点。いつもと違って何故か人気のないこの場所で、俺氏は孤独にうつ伏せる。というか痛みでうつ伏せから復帰できない。すごい強い(語彙力皆無)腹パンされた。拳が貫通したんじゃない?と錯覚するパワー。それが目の前の怪我したジーパンを履いた女性の行いだということに驚愕する。

 

へっ、こんなことだろうと思ったぜ。調子に乗るんじゃなかった。上条氏に関わるヴィラン(敵)、いつも普通じゃないじゃん。超強いもん。ありえないっす。痛い。ヤババナイト。でもでもガンバラナイト。せめて上条さんを逃がす時間だけは稼ぐのだ。彼女の為に。

 

 

足を生まれたての鹿みたいに震わせながら立ち、俺氏はファイティングポーズ。痛めたジーパンおばさんの前で、赤色に点滅したまま戦い続けるウルトラ戦士の心境でただ立ち向かう。

 

 

あのー、どうしてこんなハチャメチャが押し寄せてきてるの?

 

そんな疑問を問いかけたりする十五の夜。

夏休みに入ったばかりで数時間前まではしゃいでいた俺氏は、こんな超バトル展開が起きる前の数時間前まで一人回想することにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上条当麻というウニがいる。

このウニはすごい。何がすごいのかというと、沢山の女の子に滅茶苦茶モテてるのに、それを本人が自覚していないという頭ハッピーセットのウニだからだ。この学園都市で上条当麻ウニを見かけると、いつも彼は隣に女の子を侍らせてる。もう見てるこっちが「やっぱり上条さんはすごいウニ」と反射的に言ってしまうほど日常風景。すげぇよウニは……。

因みに学園都市というのは、大雑把に言うと超能力を使える学生を育成する都市である。あまり気にしなくてもいい。よくあることだ。超能力って言ってもたいしたモンじゃないしね。俺の能力も目からビームがでるだけだし。今は上条氏の話だ。

 

何故上条氏がモテるのか。それは超がつくほど顔がイケメンだから、とかいう理由ではない。贔屓目に見ても上条氏は凡人フェイスだ。ウニ頭のインパクトと無意識に比較してしまうから、普通顔に見えてるだけかもしれないが……まあいい。

 

上条氏は行動がイケメンなのである。故にモテるのだ。

 

上条氏は不幸体質で、犬の糞を踏みつけるだとか、靴紐が切れるだとか、珍しく早めに学校に来たら休みだったとか、そういう不運に見舞われるらしい。俺も上条氏からその体質にまつわる話を聞かされた時は「なるほど、Sundayじゃねーの」と納得したものだが、どうやら彼は洒落にならない不幸にもあうようだ。

 

例えば目の前で女の子が不良に無理矢理連れていかれそうになってるとか、例えば目の前で女の子が車に轢かれそうになってるとか。そういうヤベー事である。

 

上条氏はそんな時にイケメン力を発揮し、命を懸けて女の子を救出する。

するとどうだろうか。今まで女の子の目にはウニに見えていた上条氏が、助けられた後には変身してイケメンのウニに見えるのだ。なんてこった。ここまでされたらモテてもしょうがないね(真理)。でも相手の好意には気づいて?そうしたら上条氏はリア充よ。

 

そんなこんなで上条氏はモテる。そして憎めない良い奴。俺のマイベストフレンド上条である。

不幸体質だから遅刻とかもよくする問題児だけど、教師にも好かれてる。というかあの教師上条氏の事気に入りすぎじゃね?大丈夫かあの先生……ま、まあ話が長くなってしまったが、つまるところ、俺が何を言いたいのかと言うと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんなにモテていいな、上条さんは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方に構ってる暇はありません。これ以上抵抗しないでください」

 

 

━━DA☆違う。そんなこと言いたかったんじゃないわ!

 

 

一人勝手に回想すらせず上条氏への妬みを洩らしていた俺は、目の前の痛めたジーパンおばさんの警告を聞いて意識を現実に戻した。

 

というかこのおばさん、殴った後警告してきたんですけどぉ?可笑しくない?逆だろ普通。確かに目からビーム撃って最初に攻撃したのは俺だけどさ。挨拶もしないで。

あ、俺が悪いわ。これブーメランだわ。

 

 

「おい、大丈夫か!」

 

立つことだけで限界を迎えている俺の後ろから、なんと上条氏が俺のことを気遣って声をかけてくれた。ありがとう上条氏。その優しさがしみるぜ。

うん、でもね。その~なんでお前まだいるの?違和感なさすぎて「あ、上条君いたんだ」って空気読まずに言いそうになったわ!お、お前、俺はお前を逃がす為に横やりいれたんすよ!お前が右手から血を流しつつもおばさんに説教してる姿に感動して、おばさん超強いからビビりつつも「ここは俺に任せろ!早く行け!」って目からビームで分断させて立ち向かうことにしたんすよ!ふ、ふざけんな!

 

 

「何やってんだ上条ォ!!!」

 

俺は震えながらも上条氏を怒鳴りつける。

 

「行け!コイツの狙いは、さっきまでお前と一緒にいた、あの子なんだろう……止まるんじゃねえ!」

 

「ぐっ……でも!」

 

「いいから行けよォ!!……あの子は、待ってるんだ。それに……」

 

銀髪シスターちゃん、やっと分かったんだ。俺たちにはたどりつく場所なんていらねぇ。ただ進み続けるだけ……DA☆違う!止まるに条件反射しちまってる。まだブーム若干残ってるのか、一発屋が長ェ!

 

「相手がこの女だけとは限らないだろ!仲間がいるかも知れないんだ。早く保護しろ!」

「……ッ!」

 

俺の指摘に反応し、上条氏はダメージからか、ふらつきながら場を後にした。そうだ、それでいい。早くあの銀髪シスターちゃんの元へ向かうんだ。

時間は……俺が稼ぐ!(目からビームを撃ちながら)

 

ジーパンおばさんが俺の撃つビームを刀で受けとめる。

傍目から見ると拮抗しているかのようだが、すぐに押し返されるだろう。ビーム撃ってる当事者の俺にはよく分かる。実力が違いすぎるのだ。

 

 

目から光線を放ちながら、俺は今度こそ回想に入ることにする。

 

そう、それは数十分前の話である━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え、ジョジョ五部アニメ化するの。知らなかったわ」

 

さかのぼること数十分前、俺はコンビニで少年雑誌を立ち読みしていた。

夏休みに入ったばかりでテンションの上がっていた俺の初めてやろうと思ったこと、それがコンビニでの立ち読みである。いつもは店員からの視線が気になるから購入して家で読む。いやどうでもいいわそれは。

 

そんな時、ガラス越しで俺の前を上条氏が通り過ぎた。

上条氏はこれから銭湯でも行くのか、風呂桶を持参し夜の学園都市を歩く。そしてその隣、白いシスター服を来た銀髪のめっちゃ可愛い女の子がいた。

いつもだったら上条氏が女の子と歩いてることを「やっぱり上条さんはすごいウニ」と言ってスルーする俺だが、今回は違った。そのままコンビニを出てこっそり彼らをストーキングすることにしたのだった。

 

 

 

━━あの子すごい可愛いんですけどォ!

 

 

 

あまりの可愛さに「ああ^~」と 一瞬でロリコンの資質を開花させた俺。俺が彼女をどのくらい可愛いと思ったのかを例えるとしたら、もしこの世界がラノベだったとして、一巻ごとにヒロインが交代していく形式の物語でも『彼女がメインヒロインだ!』と読者全員が断言出来ると確信するほどである。

 

 

くそっ、上条氏はあんな外国シスター少女まで掌握できるというのか。すげぇー。明日先生に言っておこう。

そう心に決めつつ上条氏とシスターちゃんをストーキングする俺。夏休みに入ってすることが立ち読みとストーカーってどういうことなの……?

 

罪悪感と虚しさが芽生え初める。その時、何故かシスターちゃんが突然上条氏の元から走り去っていき、行動を別としていった。

 

俺氏はここでストーキングを踏み留まる。このままシスターちゃんを追いかけていったら、もしアンチスキルに事情聴取された際に『友達である上条氏のことが気になって追いかけたんだあ!(無垢な瞳)』という用意した言い訳が使えなくなる。ここは撤退だ。

 

焦るな。まだチャンスはある。それに冷静になるとこの感情は「ああ^~」というより、見守って慈しむ「あら^~ 」依りな気がする。落ち着こう。

 

宝島ステップを刻みつつのラマーズ法で気分を落ち着かせた俺。よし、もう遅いし部屋に戻って寝よっと。じゃあな上条氏、明日の補習も一緒に頑張ろうな。

 

 

踵を返そうとした俺。そして、ここからが重要である。

 

なんか上条氏の前にダメージジーンズ履いたおばさんが現れ、戦い始めた。

 

 

……ええ?(困惑)

 

俺の脳内処理を待たずして語られる衝撃の真実ゥ!

 

『おばさん』

彼女を保護したいんだけど……←多分銀髪シスターちゃんのこと

『上条氏』

ふざけんなよ~~インデックスは(なんやかんや)←とにかく守りたいという意思は感じる。

 

『結果』

 

うっせぇんだよド素人が!←おばさんマジギレして上条氏タコ殴り

 

 

『俺』

 

こわい(>_<)

 

 

 

……どういうことだ!まるで意味が分からんぞ!(白目)

 

 

つまりどういうことだってばよ状態の俺であったが、一つ一つ推理をし現在の状況を理解していく。

まず第一に、ここは上条氏が正義だと仮定して考えよう。そしておばさんが悪で。ちょっと材料足りなさすぎるし。しょうがない。

そしてこれも話からして銀髪シスターちゃんのことで争ってるんだと思うんすよ。聖書だなんだとか言ってるし、シスターちゃんがいなくなったタイミングで争い出したし、そうじゃねぇ?インデックスがなんたらかんたらいってるけど、これはナゾワード。人名っぽくいってるけどそんな名前つける親はいねぇべ。これはおばさんと上条氏にしかわからない共通理解を深めるやつだ。

 

なるほど、大体分かった。つまるところ俺は……アンチスキルに通報すればいいんじゃな?(丸投げ)

 

 

いや、しょうがねぇよ。だって何も分からないことが分かったもん!とりあえず上条氏がフルボッコにされてるから警察に相談や!あのおばさん強ェ!助けに入ったら俺までボコされるわ!

 

アンチスキルが来るまで、なんとかしろ上条!と俺はスマホをとりだしパピプペポ。

自分を守れない奴が他人を守ることはできないんだぜ、という有難い漫画の教えを免罪符にして他力本願で立ち尽くすことにする。だって敵わないし。上条氏みたいにイケメン力はないし。

 

弱気になった俺はただ呆然と上条氏を見る。彼は相手に何かを訴えている。よくは聞こえない。

でも、話す内容が何であれ。

その結果がどうであれ。

彼は、ヒーローになるのだと思えた。

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

すると俺に電波が届く。

 

 

『君は宇宙のヒーローなんだぜ!』

 

 

これが俺の能力の発動条件。

━━『弱気になるとどこからか電波を拾って目からビームが撃てるようになる能力』、レベル1である。

 

 

 

 

 

 

 

━━この能力の恐ろしいところ。それはシステムスキャンではレベル1と表示されるのに、レベル3相当のビームが撃てることである。つまり……レベルの高さで決まる学園都市の奨学金を、俺は条件を満たして試験で結果を残しているのに、全く貰えない。教師陣に抗議したら『君は原石っぽい、かも、だからしゃあない』と決まり文句。どっちなの?

 

恐ろしいぜ……自分の力が!

くそが。

 

 

まあ、つまるところ調子に乗ったのだ。

「あ、電波拾った!これで勝つる!」って具合に。電波も俺のことヒーローって言ってるし。いけるぜ。

 

そう意気揚々と心の内では『勝てんぜお前は』、『ウスノロ……』と呟きつつ、おばさんを狙って目からビーム!

おばさんは悠々とビームを避けて、俺に無言の腹パン。

 

 

 

 

━━回想終了。現在に至る。

 

 

な、情けねぇ。これがストーカーの成れの果てか。法で裁いてくれ。刀はやめて?マジで。そうおばさんに抗議したいのをぐっとこらえ、目からビーム!

おばさんは俺のビームを八つ裂きにしてから二回目の無言の腹パン。『私はおばさんではない』……そんな幻聴さえ聞こえてくる。だめだ、これは電波じゃない。能力には関係がない。『━━思い出すんだ』

 

 

 

「……最後に、貴方に聞いておくことがあります」

 

 

おばさんは倒れこんだ俺を見下ろし、そう問いかけてくる。

最後に聞いておくこと……いや、今はそんなことどうでもいい。電波は何かを訴えている。こんなことは初めてだ。一体なんて『━━くを思い出すんだ』

 

 

「周囲には人払いのルーンを刻んでいます。なのに、何故貴方はこの場所に辿り着くことができたのです?」

 

 

 

思い出す?━━思い……だした!いやこれはワルブレだわ。ネタしてる場合じゃないわ。電波は一体何を俺に伝えようとしてるんだ?大切な、大事なことか?『━━わくを思い出すんだ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……もう意識はないようですね」

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

『ワクワクを思い出すんだ!!』

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

「……へへっ!」

 

神裂火織は表情こそ変わらないが、内心驚愕していた。

目の前の上条当麻と入れ替わりで参戦してきた少年、そしてその変わりように。

先ほどまでは苦悶の表情を浮かべ、くぐもった声で痛みを訴えていた彼が。

生気を失い、瞼を閉じて倒れこんだ彼が。

何故、元気を取り戻し立ち上がって来たのか。

 

そして神裂はあることに気づき、今度こそ表情を変えて驚く。

明らかな異常━━何故、彼の瞳の色が変わって、黄金に暗く輝いているのか━━!!

 

 

「━━よっしゃあ!ネオス宇宙から、新たなヒーローの誕生だぜ!!」

 

 

 

そう叫び、彼は右手を頭上に掲げる。

その手には突如現れた光の粒子が収束していき、そうして、それは一枚のカードとなった。

 

 

彼はそのカードを掲げつつ、続けて叫んだ。堪らなく嬉しそうに笑いながら。その戦士の名を━━

 

 

 

 

 

「━━来い!『E・HEROネオス』!!」

 

 

 




三期ありがとうございます。
あとネオスデッキが本格的に組めるようになりましたよ。
そのワクワクが押しよせてバタフライして超☆融☆合した。やったぜ。



━追記━

この小説は禁書アニメ一期の流れで進んでいき、最後は『劇場版 とある魔術の禁書目録 エンデュミオンの奇蹟』に入って黒幕のレディリー=タングルロードと主人公が超融合して完結させる予定です。

多分一週間に一回更新。

よろしくお願いします。
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