機体のテストを終え、俺は管制室へとむかった。
「お待ちしておりました。少尉にはこれよりパトリック・コーラサワー他2名とモラリアの軍事演習に向かっていただきます。つきまし
てはこちらの資料に記載しておりますので、ご確認ください。」
「了解した。」
「ご武運を。」
資料を受け取り、読みながら格納庫へと向かう。
資料には今回の軍事演習において、おそらくガンダムの介入があること、そして、叶うならばガンダムの鹵獲、またはその部品の確保
。を最優先にこなせとの命令が載っていた。
「やはり来るか、ガンダム。」
資料をしまい、格納庫へと急ぐ。
既にほかのパイロットたちはコックピットで待機中とのことだ。
格納庫へ着き、急いでコックピットに乗り込む。通信だ、誰からだ?
「ようやく来たな。俺がAEUのエース、パトリック・コーラサワーだ!今回の演習中はよろしくな!」
「私は、リカルド・ベネフィだ。階級は中尉だ。エースといえるほどではないが腕は立つつもりだ。よろしく頼む。」
「ソッカ・リーバスとは俺のことだ。足引っ張るなよ?超兵くん。」
今回任務をともにするパイロットは俺も合わせて4人だったはず。ということはこれで全てか。
「プロト・ゼロ少尉だ。せいぜい頑張るとする。」
「そういえばお前の機体色ついてないけど大丈夫なのか?」
パトリックからの通信が来る。
「大丈夫だ。この機体はそういう仕様なんだ。」
「フーン。まぁ、これで顔合わせもOKだ!画面越しだけどな!それじゃあ管制室、パトリック隊全機発進する!」
「いつの間にパトリック隊になったんだよ。」
「まぁまぁいいじゃねえか。仮にもAEUのエース(笑)様なんだしよ。」
「俺は・・・別にどうでもいい。」
「やっこさん冷めてるねぇ、せいぜいガンダムのかけらでもお土産に持ってくるとしますかね。ソッカ・リーバス、発進!」
「リカルド・ベネフィ、イナクト、出る」
あとは、自分だけだ。この機体は正式名称はなく出撃するときには一応区別をつけるために自分の勝手につけた名前を言って発進して
くれとアレンには言われていた。名前を考えておけと言われていたが、この機体を見た時からそれは既に決めていた。
「プロト・ゼロ少尉、イナクトスワロー、出撃する」
エンジンに火を付ける、そして一気に開放し、空へと飛び立つ。
その下では飛び立つそれを眺めるものがいた。
「燕、か・・・そのままどこかに行っちゃわないでよ。」
3つの緑と1つの白が青い空に白い雲を引いて行く。そしてそのまま白い雲を残し空の彼方へと消えた。
「お先にいくぜ!」
「あっおい!」
パトリックは全機発進した後一人だけ先に行ってしまった。
「何をそんなにワクワクしてるんだか。」
「そりゃあガンダムに雪辱を晴らせる機会がやってきたんだ。エース様としちゃあいてもたってもいられないんだろうよ。」
「まだ若いのにそんなに死に急ぐこともないだろうに。」
モラリアへの移動中俺たちは他愛もない話を続けていた。
「リカルドの旦那は結構な歳みたいだけどそろそろ引退しないのかい?」
「私も引退して妻のいる故郷に帰りたいところなんだがね。ソレスタルビーイングが活動しだしてから兵隊は多ければ多い方がいいら
しい。」
「俺もじつは明日娘の誕生日なんだけどねぇ、緊急招集がかかっちまって娘を誕生日に一人にしなきゃいけないから上層部が恨めしく
思うよ。せいぜいガンダムでも誕生日プレゼントに持って帰るつもりだけどね。」
「そうか、帰らなければな。」
「そうだねぇ。」
そうこうしているうちにモラリアが見えてくる。パトリックはもう先に着陸しているみたいだ。
「そろそろつくぞ、着陸準備だ。」
「わかった。」「あいよ。」
こうしてモラリアへと到着した。
合同軍事演習が始まる。俺たちは飛行形態で隊列を組みながら、旋回飛行をしていた。
「来るぞ。」
「何がだ?」
「今に分かる。」
俺はそう呟く、来る。そう確信していた。
モラリア空軍からの通信が届く。
「ガンダムを視認しました。ポイントA4576。」
「ほんとにきやがった。」
「来たな、ガンダム。このパトリック・コーラサワーが相手だ!」
飛行形態のまま移動する。正面では極大のビームがヘリオン部隊をなぎ払っていた。
「見つけたぜ、前のと違うタイプだがお前もガンダムなんだろう。なら、俺の敵に決まってるだろうがァ!」
パトリックがデカブツのガンダムへと突っ込んでいく。
「っ! まずい! 散開しろっ!」
俺は嫌な予感がし、叫んだ。
そして次の瞬間、デカブツの肩部のキャノンがこちらを向き、そこから極太のビームが飛来する。
「ああああああ! アリサ、アリサあああああああああああああブツッ」
「クソッ避けきれなブツッ」
「なんじゃそりゃあ!」
うしろの二機、リカルドとソッカの機体がビームに飲まれ爆散する。唯一反応できたパトリックは翼部に被弾しそのまま落ちていった
。
「このデカブツがァ!」
俺は飛行形態のままリニアライフルを乱射しつつ接近する。
しかし、デカブツの周りに球状の光がまとわりつき、リニアライフルのたまを簡単に弾き飛ばしてしまった。
「チィッ!」
銃口がこちらを向くが発射される前に射線からそれる。こちらもリニアライフルを撃つが全く当たる気配がない。
「埒があかない・・・ならばっ!」
「当たらない・・・」
ヴァーチェ内部でティエリア・アーデはいくら射ってもかすりもしない目の前の白いイナクトに嫌なものを感じていた。
あちらはリニアライフルでは通用しないとわかったのか、ミサイルポッドからミサイルを発射してくる。
「GNフィールド展開」
ミサイルはロックが甘かったのか、GNフィールドに当たるのは半分以下で、他は周りの地面に着弾した。
周りには爆煙が立ち上り、カメラには煙しか写っていない。
「しまった、目くらましか!」
ティエリアはGNフィールドを展開したままミサイルを射った白いイナクトを探す。
そして、後ろから強い脳量子波を感知する。
「後ろか!」
急いでヴァーチェを反転させると、両腕にプラズマソードを展開した白いイナクトがもう近距離にまで迫っていた。
俺はミサイルをわざとロックを甘くして全弾発射する。そして、着弾した後、その爆煙に紛れ込みデカブツの背後に回り込んだ。
そして左腕の大型プラズマソードを展開、右手で通常装備のプラズマソードを引き抜くと、デカブツへと一気に接近する。
デカブツはこちらに気がついたようだ。だが・・・
「遅いっ!!!」
そのまま両腕のプラズマソードでデカブツの肩部のキャノン砲を根元から切り飛ばした。
そのまま追撃へ移る・・・といったタイミングで機体を後ろに下げる。その次の瞬間機体のいた場所に高出力のビームが通りすぎる。
狙撃である。
「チィッ。いいところでまた貴様か!」
そして別方向からは、オレンジ色の機体も近づいてきていた。
「大丈夫かいティエリア。」
「礼は言わない。俺ひとりでも十分だった。」
「そんななりで言われても説得力ねぇよっ! 何なんだよあいつは、狙っても狙っても引き金を引くときにはよけられちまってて当たりゃしねぇ。」
「ティエリア、1stフェイズも終了した。ここは一旦引こう。」
「やっこさんが引かせてくれればだけどなぁ!」
ロックオンは遠距離での狙撃を続ける。一方的に攻撃できている今がチャンスだ。引くにしても落とすにしても。
白いイナクトはデュナメスの狙撃、キュリオスのビームマシンガン、ヴァーチェのビームバズーカを避け続ける。が反撃する余裕はな
さそうだ。そして脚部のウエポンベィから広範囲にいくつか何かを射出し、それをひとつ残らずリニアライフルで打ち抜いた。
そうすると打ち抜いた何かから白煙が発生し、白いイナクトを見失ってしまった。
「なんとまぁ、芸達者なことで。」
ロックオンが茶化すが、どこにいるかわからないこの状況で、気を抜くわけにもいかない。
煙が晴れた時にはそこには白いイナクトはいなくなっており、飛行状態になって離脱したあとだった。
露骨な死亡フラグおったてて速攻で退場な方が約2名いましたが名前は忘れてしまっても問題はありませぬ
NTといえばサイコフレームとかファンネルとかですけど、この作品では登場させようか迷ってます。後半になりファングとかビットは出てくるけど、それをそのままの設定で積むのも味気ないし・・・