アズールレーン とある世界線にて   作:Scorpion

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前回のあらすじ
まだ見ぬ強者を求め世界を旅する剣征は、友人の結城にとある世界を勧められる。その世界の名はアズールレーンと呼ばれ、泥沼の戦争を繰り広げていた。

彼は降り立つ。未だ知らぬ者達の強さを測るために―――


第1話 出立

オブ「コンクエスター、ね。良いわ。貴方を歓迎しましょう。そのつもりで話をしに来たのでしょう、テスター?」

テス「お見通しか。ああ、その通りだ。」

剣征「それでお前達は何をしているんだ?こんな薄暗いところで。」

テス「我々はシンカの可能性のある存在を探しにこの時代に戻ってきた。」

剣征「戻ってきた?ということはお前達は未来人、という存在で間違いないか?」

オブ「ええ、そうよ。そういう貴方もじゃないの?」

剣征「少し違うさ。アホ共の残したものがどう発展したのかを俺ともう一人で見届けていた、と言えば良いか。」

テス「なるほど、君が管理者というやつか。」

オブ「カミじゃなくて管理者、ねえ。その管理者サマが一体どうしてここに来たのかしら?」

剣征「言っておくが管理者は俺ではない。もう一人のほうだ。俺は、そうだな…放浪者の方が正しいだろうな。…話を戻そうか。シンカの可能性のある存在を見つけてお前達は何をする?」

オブ「自らの糧にするか、カミへの貢ぎ物にでもするというところかしらね。」

剣征「そういう存在は見つかっているのか?」

テス「今のところは1体のみ。しかもそいつが命を聞かない奴でな。しばらく泳がせているところだ。」

剣征「そうか。なら俺のすることは決まった。」

オブ「何をするつもり?ここの存在を知らせる?」

剣征「まさか、するはずが無いだろう?」

テス「…見つけるつもりか。その存在を。」

オブ「何ですって?」

剣征「察しの良いやつは嫌いではないぞ。…まあ、強引に引き込むのも気が引けるのでな、回りくどい方法でやらせてもらう。構わないか?」

オブ「どこかアテでもあるの?」

剣征「そうでなければこのような行動は起こさんよ。」

テス「なるほど、どうやら君は自分の力に随分と自信があるようだ。オブザーバー、母港に1つ空きがあったな?そこを彼に使わせてみよう。」

オブ「…へえ、貴女にしては面白い意見ね。良いと思うわ。それじゃあコンクエスター、1つ頼みがあるのだけど?」

剣征「大方母港の責任者にでもなって、存在を見つけて連れ帰れ、だろう?」

オブ「あら、お見通し?」

剣征「伊達に戦場を生き抜いてきた訳ではない。だが、その話は受けよう。実際アテがあるというのは嘘だからな。」

テス「試したのか?」

剣征「人聞きの悪いことを。仲間であるなら情報の共有は必要だ。例えどんなに小さな事でもな。」

オブ「面白い人ね。今度デートにでもいかないかしら?」

剣征「誘い慣れていないなら無理に誘う必要は無い。」

オブ「初心なのよ。あなたと違って、ね。」

剣征「違いない。テスター、悪いが頼めるか?」

テス「任務前にイチャつく余裕があるなら問題なくこなせるだろう。足も捕まえられるんじゃないか?」

剣征「…はあ、オブザーバー、案内してくれ。」

オブ「あら、初デートが海の上なんてロマンチックね。」

剣征「そうじゃない。転移室に案内してくれ。テレポート位は出来るだろう?」

オブ「…分かったわ。テスター、貴女も来る?」

テス「私はいい。さっさと行ってこい。口の中が甘くて仕方ない。」

オブ「あら、つれないわね。じゃあ行きましょ?」ウィーン

剣征「ああ。頼む。」ウィーン

ガタン

 

一人になったテスターは誰にも聞かれぬように

テス「嫉妬などと言う感情は、とうに捨てたハズだったのだがな…今度はちゃんと向き合うことにしようか。」

と、どこか寂しげに呟いた。

 

??? 転移室

オブ「準備は良いかしら?」

剣征「何も問題はない。始めてくれ。」

オブ「分かったわ。…これからあなたは若松基地に配属される指揮官として実験体達と共に過ごす。」

剣征「………」

オブ「そして、彼女達と信頼を築き上げ戦果を勝ち取っていく。」

剣征「………」

オブ「今回のあなたの目的は我々の探すシンカの可能性のある存在を発見し、ここに連れてくること。」

剣征「………」

オブ「その任務しっかりとやりきりなさい。私たちの未来のために。」

剣征「……了解。」

オブ「それじゃあ、転送、開始!」

 

そうして彼はまた光に包まれた。明けると彼の姿は消えていた。

 

オブ「必ず、戻ってきて…私の未来の旦那様。」

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

??「…原……。相原……。」

 

呼んでいる…俺の事を。一体誰が…

 

??「相原中佐!」

剣征「!!」

 

意識がはっきりしてくると向かい側に誰かが座っているのが確認できた。

 

??「大丈夫か?どこか具合が悪いかね?」

剣征「いえ、すみません。大丈夫です。」

??「何かあったらすぐに言ってくれよ。我が国家の貴重な指揮官適合者なのだから。」

 

…指揮官適合者?何だそれは?

 

剣征「あの、申し訳ありません。指揮官適合者とは一体…それ以前に貴方はどちら様でしょうか。階級の高い人であるというのは私にもわかるのですが…」

??「おお、そうか。わしとしたことが肝心なことを忘れておったわ。」

 

ふくよかで立派な白い髭を生やした老将が自己紹介をした。

 

竹下義文(以降海相)「わしは海軍大臣の竹下じゃ。今回君に指揮官の素質があると報告が上がったのだが、何も聞いておらんかったのか?」

剣征「…申し訳ありません。私には何も…」

海相「おや、そうじゃったか。すまんのう。」

剣征「いえ、大臣が謝られる事では…!」

海相「何、気にするでない。連絡にどこか手違いが有ったんじゃろうなあ。…では、改めて君の現状について説明しよう。」

 

いきなり別人のような雰囲気を醸し出した義文に剣征も思わず息をのんだ。

 

海相「今回、君を呼び出したのは対アズールレーンの一指揮官として任命することに決定した。着任は明日マルハチマルマル。場所は若松第2基地だ。地図等の必需品はこの相談が終わり次第君に送ろう。」

 

情報の多さに混乱しながらも、剣征は

 

剣征「はっ!全力で臨みます!」

 

しっかりと敬礼をし、受諾することにした。

 

海相「頼んだぞ。我が国の、いや、レッドアクシズの更なる発展のためにつとめてくれ。」

剣征「了解致しました。では、失礼します!」

 

そうして剣征は部屋を出た。

 

日本? 大本営建物外

 

先程までの海軍大臣の言葉や、すれ違う度に聞こえてくる《重桜》という言葉に頭の中で考えを巡らせていた。

 

剣征(レッドアクシズに重桜…なるほど。結城の言っていた反目した者達の総称か。そして、これから俺は指揮官として、一人の戦士として、俺の母港にくる者達の力を見定め、指揮すればいい。)

 

そしてすぐさま別の考えも浮かばせる。

 

剣征(コンクエスターとして動くためにはレッドアクシズとアズールレーンの双方の戦力がどのようなものか知る必要があるな。そして――)

 

ポケットから注射器型のボトルを取り出し、内容物を確かめながら

 

剣征(これを使っても狂化せず、そしてセイレーンの戦力として組み込めるかどうかの実験もしなくてはならない。…やることが多いが、やって見せよう。何故なら俺の名は征服者《コンクエスター》。己を識り、世界を貰う者なのだから。)

 

こうして彼の物語は進んでいく。それが例え、世界を崩壊させるものであったとしても自ら戻ることなく。




結城「次は出たいなあ…さて、次回予告だよ。剣征が着任した若松第2基地は新設された母港で、艦船は誰一人いない。そういうことで彼はチュートリアルを進めるみたいだねえ。彼の待ち受けるものとこれからの彼の行動をお楽しみに。それじゃあまたね。」
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