俺は先輩プロデューサーと外まわりの仕事を終えて事務所に戻ると自分の担当アイドルがいた。
美波「お疲れさまです、プロデューサーさんっ。今日もお忙しそうですね。無理してませんか?頑張りすぎは禁物ですよ」
美波P「あぁ、わかってはいるんだけどな~」
美波「私のために頑張ってくださっているのは、知っていますけど、適度な息抜きも必要ですからね。メリハリが肝心です♪」
美波「オフはゆっくりと、忙しい日々を忘れられるような......たとえば、海外へ旅行したり......なんて。さすがに急すぎました?」
美波の提案を聞いて俺はここぞとばかりに次のお仕事説明をした。
美波P「そういえば、次の仕事は旅行雑誌の撮影があるんだ」
美波「へっ?次のお仕事、旅行雑誌の撮影なんですか?」
美波P「あぁ、ここが撮影場所だ」
美波「撮影場所は......ギリシャのサントリー二島?わぁ、海外ロケなんですね!」
美波「うん...海外でのロケなんだよ♪」
美波「海外でのロケかぁ。うふふ、楽しみ♪でもその前に、現地のことをしっかり予習しなくっちゃ!歴史や文化、簡単な挨拶とか」
それを聞いて俺は美波らしいなと思っていると美波が
美波「あ、もちろんプロデューサーさんも予習されますよね?でも、お忙しそうですし......そうだ!私にお手伝いさせてくださいっ」
美波P「な...何を?」
美波「短いおさらいで済むように、次のオフまでに特訓ノートを作っておきますから!それを使って一緒に、勉強会をしましょう♪」
美波P「お...おう」
そして数日後、俺と美波は事務所の近くにあるカフェで勉強会をしていた。しかし今まで女性と勉強会をしたことのない俺はずっと緊張しっぱなしだった。
美波「次はこっち......あ、よそ見はダメですよ?見づらいようなら、もっと近づいてください。せっかくまとめたんですからっ」
美波「い...いやしかし......」
美波「忙しいプロデューサーさんでも短時間で覚えられるように、頑張っちゃいました。我ながら上手にまとめられたと思います♪」
たしかにノートをよく見るとものすごく上手にまとめられていた。
美波「今回お仕事で行くサントリー二島は、エーゲ海で最も美しい島といわれていて......美しい街並みが、楽園のよう、ですって......」
俺にとっては今のこの状況が楽園のようです。
美波「ああっ、楽しみ......つい思いを馳せちゃいますね。でも、素敵な場所に行けるとはいえ、お仕事だから気を引き締めないと!」
美波P「まぁ、たしかにそうだな」
美波「でも......やっぱり、ソワソワしちゃいます。美しい風景での撮影も楽しみですけど、オフの時間もとれたら嬉しいですね♪」
美波P「うん、とれたらいいな~」
美波「プロデューサーさん、もし早めにお仕事が終わったら、一緒に島を巡りませんか?忙しい日々を忘れて、ゆっくりしましょうよ♪」
美波P「あぁ!もちろんさ!」
それってつまりデートの約束ってことでいいのかとプロデューサーながらそんなことを期待してしまった。
美波「ふふっ、そうと決まったら、早速、勉強を再開しましょう。美波先生が、ビシッと指導してあげますからっ!」