弾ちゃんは蘭に似てるけど身長高くて腰回りがむちむちしてるとなおよい。ピアスにネックレスでIS乗る時音楽聞いてそう
Q.続きが読みたい
A.私も私の書いてない私の作品を読みたい
「うそだろおおおおおお! 親父お袋すまねぇ! お兄ちゃんはお姉ちゃんにィィィ!!」
「落ち着け馬鹿野郎!」
「ぐぶあぁぁッ!?」
ぺちーんという頬を張る音。
男性操縦者が出現してしまったという騒ぎのせいで、男性が女性になってしまった騒ぎはその場では話題にすらならなかった。その場では。後にISから送られた異常なデータの奔流をたどり、人体を変化させたなる結論が導き出されたために、五反田弾は名前を変えるどころか強制的にIS学園に入学させられる羽目になったのだった。
それはともかく、警察やら軍人やら政府関係者が押しかけてきて、保護するなどと言われ引き離されて数日後のこと。ようやく帰宅することができた。帰宅早々ずぶ濡れになった女子が家の扉前で体育座りをして待っていなければ一息つくことができたはずなのだ。
織斑一夏は女性には、というより親しい仲にも礼儀があるので、誰に対しても一応ビンタを繰り出してはならぬということくらいは心得ていたつもりだったが、例の女子が近所に鳴り響く大声を上げてしがみついてきたのでビンタをかます以外になくなっていた。
頬を張られた弾はびたんと地面に倒れたが、ややあって落ち着きを取り戻した表情で起き上がった。
「サンキューな。数日家に帰ってねぇからどうかしてたわ」
「は? 帰ればいいだろ」
「この身体で帰ってもお前誰だよってなるだけに決まってんだろ! ぜっっってぇ信じてもらえねーわ! お陰で近所のファーストフード制覇しちまったよ!」
「いいから落ち着け! 近所の人に……」
「……」
「うわぁ急に落ち着くな!」
「で」
「あぁ」
男物のシャツと短パンを着込んだ湯上りの弾と一夏は部屋でゲーム機で対戦をしていた。ゲーム名『IS/ヴァースト・スカイ』。世界的大ヒットを飛ばした分類上は格闘ゲームである。よってコンボをいかに繋げるのか、という要素が特に重要になってくるのだが、この手のゲームに関して一夏は弾に勝てた試しがなかった。
大技をあっさり見切られて怒涛の連続技で壁際までラッシュされる一夏。カウンターもあっさり防御されマイクロミサイルの群れでK.O.されてしまう。
コントローラーから手を離してベッドに上半身をもたれる一夏と、悪そうな笑みを浮かべる弾。
「やっぱそのコンボえぐすぎるわ……つーかなんで動き読めんだよ~……ディレイいれたじゃんか」
「一夏、お前大技前にいちいち身を乗り出したり手を握ったり離したりするだろ? あめーあめー弾様に勝つには十年早いわ」
「プレイヤー見て対処するのは卑怯だろ……」
「長い付き合いだからな楽勝っしょ。俺の癖もわかってるだろうからお互い様な」
「一向に上達しないベースのことか?」
「頭カチ割るぞ」
「悪い悪い……ってかやっぱり弾なんだな……」
「だからさっきからそう言ってるだろ」
弾ははぁとため息を吐くと、同じようにベッドにもたれかかった。
結局彼もとい元彼は自宅には帰ることができず、友人の家で数日音楽に熱中していたということにしていた。あてになるであろう同性の一夏の自宅へやってきたはいいものの、まさかの不在だったのだ。仕方がなくなけなしのバイト代でファストフード店をめぐって数日過ごしていた。移動中雨に襲われ、仕方がなく一夏邸へ避難してきた、ということだった。
「マジどうすっかなー家に帰れねーわ……蘭になんて説明すればいいんだ」
「なにってそのまま説明すればいいだろ。素直そうな子だし、わかってくれるだろ」
「猫を被ってるんだよ、そりゃあでかいやつをな。蘭を口説き落とせたとしても親父とお袋はどうすんだよ………」
この調子じゃ俺IS学園にでも拾って貰ったほうがいいかもしれねぇなぁと弾が呟く。それがまさかいわゆるフラグという奴だとは気がつかない。
「とりあえず服ありがとな。全裸じゃ落ち着かんから超助かるわ。でもよ、お前真顔でブラジャー持ってくるのやめろって! 俺じゃなかったら張り倒されてるぞ」
「いや他にねーし」
「ユニセックスの服でいいだろ常識的に考えてよ。それかお前の」
一夏は服の替えを持っているはずのない弾のために持って行ったのだ。服を。もちろん女性ものの下着も。だが成熟した女性しかも豊かな体型をしている千冬のものをあてがうには、弾の体格は少々合わなかったのだ。
一夏は、胡坐をかく弾をちらりと見やった。なるほど胸元の大きさは千冬には及ばないが、短パンから覗く太ももは瑞々しく、健康的な曲線美を描いており――。
「オイ。どこ見てんだ」
「す、すまん!」
「男同士で乳繰り合う趣味はねーよ」
「ホモじゃねーし!」
「でもお前見せると複雑そうな顔するじゃん」
「弾、お前は千冬姉の怖さを知らないんだ……どこに隠してもいつの間にか机の上に置いてある恐怖をな」
「お袋かよ」
などと馬鹿げた話も今後難しくなるなど二人はつゆ知らず遊んでいた。
ぴんぽーん。間の抜けたインターホンの音。弾がさくさくと間食のせんべいを食いながら肩をひらりとすかすと、家の主人が立ち上がってリビングに向かう。
「自分のじゃ興奮せんわな……べぶっ! ちょい寒い。借りるぞー!」
弾は自分の腿をちらりと見てから一夏に声を張り上げてタンスを探り始めた。スウェットを取り出して手早く短パンを脱いで着直す。
「日本政府の……!?」
素っ頓狂な声がリビングから聞こえてきたので顔を上げてーー。
そして今に至るのだった。
続きが
-
読みたい
-
いらない