魔法のかかったようなテーブル(ヘタレ男がヤンデレ女に振り回される話) 作:バンバババルタリアン
今月は本当に濃い出来事ばかりだなぁ…
11月入って早々、部署を移動したり、パワハラ上司と示談交渉したり、挙げ句の果てに会社の部下に犯されそうになるわ…
全く、なんだか運が良いのか悪いのかよくわからない感じになってるなぁ…
今日も僕は残業を終え、今は駅からチャリで帰宅してる最中である。
深夜という事もあって、辺りにはほとんど誰もいない。
「…はぁ…今日はいつも以上に疲れたなぁ…書類のミスも倍以上あったし…」
平日が始まってから日々の睡眠時間は1日5時間にも満たない。
僕の体は限界寸前であった。
「家帰って寝たい…だるい…死にたい…お腹すいた…飯…いや、眠い…ベッド…風呂もだるい…」
こんなことをぶつぶつ呟いてると次第に瞼が重くなっていった。
チャリのハンドルを握る力も弱くなり、次第に体が前方へもたれかかっていく。
「うう…」
視界もぼやけ、だんだんと外の景色の色がなくなってくるように見えた。
完全に意識が落ちるその時だった。
ドゴォン!
全身に金属か何かで叩きつけられたかのような痛みが走る。
今まで感じたことのない浮遊感ーー
その浮遊感もつかの間、数秒後には着地し、さらに鈍い痛みが全身を駆け巡った。
「だ、大丈夫ですか!」
車から降り、急いで駆けつけてくる運転手
朦朧とする意識の中…僕の体は…
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別に大したことなかった。
どうやら、着地の時に肩から落ちたため軽傷で済んだようだ。
まぁ手が車との追突との瞬間、ハンドルを握ったままだったので少し打撲と捻りを起こしてしまった。
あとは顔にかすり傷程度か…ふー…不幸中の幸いだったなぁ…
ただ…
「す、すいません!完全に脇見してました!わ、わざとじゃないんです!治療代の用意と弁償は必ずします!」
チャリが完全にぶっ壊れてしまった。
部品がタイヤの向きがおかしかったり、サドルも原型がなくなっている…
これは当分修理しても時間がかかりそうだ…
「あー…そうですね…とりあえずこのことは…保険会社への連絡で…それで終わりにしましょ?」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
まぁ、命が助かったしお陰でこっちは目が覚めたから気分がいいな。
とりあえず元さえ取れれば問題ないか…
その後、僕らはお互いの保険会社に連絡してその日は普通通り帰宅することにした…
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「ただいまー…って誰もいないか。」
一人寂しく笑いながら革靴を脱いでると、奥の方から足音が近づいてくる。
「おかえりなさい。あら、あなたはこの家に誰もいないと思ってるのかしら?…」
「う…こんな夜中起きてるなんて…珍しいなぁ…どうしたの?」
「失敬な。言葉を選ぶ時は慎重になりなさいよ…いや実は夜中にどうしても甘いものが食べたくなってきちゃって…思わず起き………
あな…た…?」
「…?」
彼女は顔を真っ青にして、僕の顔を指差す。
「そ、その傷……」
「ん?あーこれか、いやさっき帰ってる時自転車から落ちちゃってさぁ…」
「落ち…?」
「大したことないから、大丈夫。ただ手はちょっと打撲しちゃってさぁ…言うて全治2日程度のものだよ。ほら。」
そう言い、僕は彼女の目の前に打撲した方の手を出した。
「あ、あぁぁぁ…!」
「え…?」
彼女の反応におどろき、何事かと思って確認すると手から血が微量に流れ出ていた。
多分、さっきの場所は暗かったからちゃんと確認できなかったんだろう。
「…とりあえず絆創膏ってどこだっけ?」
僕がそう聞いた瞬間、彼女は僕の手をガッチリと掴んでペロペロと舐め回し始めた…
「いやぁぁぁ…死んじゃいやだぁぁ…!お願いぃぃ…とまってぇぇぇ…!いやぁぁぁぁぁ!」
「ち、ちょっちょっとくすぐったい!何するんだよ!?」
彼女の顔はいつも以上に絶望と狂気に満たされていた。
「いやぁ!いやぁぁぁぁ……はっ!…はぁはぁ…ご、ごめんなさい…少し取り乱してしまったわ……お、おやすみなさい…」
そういうと、再び寝室へと戻っていった。
「え…?あ、あぁ…おやすみ…」
僕が怪我したことなんてなかったからなぁ…彼女の新しい一面が露わになってドキドキしたなぁ…
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「ふわぁ…寝むぃ…」
今日も残業…明日も残業…社会人ってこんなしんどかったっけ…
まぁしんどかったな。
さらに災難なのはチャリがぶっ壊れたせいで、駅から家まで歩きで帰らなきゃいけないこと…
全く…本当に今月は内容が濃すぎるよ。まった……
クルッ
…気のせいか…
誰かがこっちを見ていた気がしたんだが気のせいか…
まぁ…こんな男を尾行する馬鹿はいるはずないしな…
深夜の住宅街は普段あるはずの人通り、車の音…何一つなく少し不気味だった。
しばらく住宅街を歩いていると目の前に地べたに座り込んでる女性を見つけた。
「どうかされましたか?こんな夜中に…」
少し怖かったが、困っているかもしれないと信じてその人に話しかけた。
「あぁ…すいません…実は慣れてないハイヒール履いて足をくじいちゃって…歩こうとしても歩けないんですよー…」
「そ、そうなんですか…じ、じゃあ僕が肩でも貸しましょうか?」
「あ、そ、その…両足なんで…」
おい、まじかよ。
「じ、じゃあ…」
「は、はい…恥ずかしいんですけど…//」
「」
なんか背筋がぞわぞわってしたような…
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「はぁ…なんとか…着きましたね…」
「ありがとうございます!すいません!おんぶなんてさせてしまって!私重かったでしょ?」
「いやいや、全然。僕の体が貧弱なだけですよ…とにかく今度からは気をつけてくださいね。」
「は、はい…あ、あの!お、お礼を…」
彼女が何か言おうとしたようだが、僕はそれに構わず振り返って自分の家の方向へ歩いて行った。
ったく迷惑なものだなぁ…こんな夜遅く…早く家帰って寝たいなぁ…
…と言っても…美人のことをおんぶできたのはちょっと役得だったなぁ…//
…………
………
……
「ただいまー…ってあれ?」
家に帰るとリビングの部屋の明かりが点いていた。
おかしいな…普段は消えてるはずなのに…
ソファには彼女が座っていた。
「…君か?」
そう言うと立ち上がり、僕に抱きついてきた。
「…ふっ…ねれないのかい?しょうがないなぁ…風呂入ってくるから先にベッドで待っていてね。」
ちょっと嬉しくなってそんなことを言ってたのも束の間、
彼女は僕の背中に爪を立て、肉が避けるほどの勢いで引き裂いてきたのだ。
「い!痛い痛い痛い!何をするんだ!離せ!」
「うるさいうるさいうるさい!あのクソあばずれがこの背中に乗ってたのね…私以外の女を乗せたらなんかして!許さない許さない許さない許さない!」
「ちょっ…ちょっとまて!まずなんでそれを君が知ってるんだ!」
ピタッと背中の痛みが止まった。
「そ、それは…」
彼女は恥ずかしそうに俯く。
「なんか今日誰かにつけられてる気がしてたんだけど…まさか…君?」
「……それは…
心配だったのよ!!!
あなたが怪我したの見て…怖くなって…その…また怪我とかしないかなぁって思って…すごく心配で…」
「…僕がおんぶするのが嫌なら…君がすればよかったのに…」
「あなたの行動を見てて『私の夫優しすぎ…?好き好き!』ってなっちゃって…声をかけられなかったわ…でもあなたの行った行動は罪よ。償いは絶対してもらうわ。」
やれやれ。なんか時々ポンコツで抜けてるところが出てくるなこの人は。そういうところが可愛いんだけど…
「じゃあ、何で償えばいいかな?常識の範囲内で、だけど。」
すると・嬉しそうに彼女は口を開いた。
「私を寝室までおんぶしなさい!」
「…はいはい。じゃあ乗って。」
「♡//」
僕がしゃがむと、彼女はソワソワしながら背中に乗っかってきた。
「の、乗ったわ//早く上げなさい//」
「はいはい。よいしょ………
重い…」
バキッ!
全治一週間に伸びました。
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