魔法のかかったようなテーブル(ヘタレ男がヤンデレ女に振り回される話)   作:バンバババルタリアン

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今回はヤンデレというよりバカップルっすね。さーせん。でも安心してください。クオリティはバッチリです。(当社比)


ストーブ信者の男と夫信者な女が送る物置の話

我が家に何故か衣替えの季節がやって来た。まぁ既に冬なのだがな。

 

と言うのも彼女は腐っても元お嬢様っぽいので、家の事は全部母親にさせてたらしく身の回りの掃除とかは出来るものの大規模な片付けは苦手らしい。

 

そのせいで秋になっても一向に衣替えが始まらずこの季節までほったらかしにしていたのである。

 

我が家は二階建てのごく普通な一軒家だ。

 

1階はリビングとキッチン、風呂と洗面所、そしてクローゼット。2階は僕の部屋と物置、寝室がある。

 

問題なのは物置である。

 

冬も本番になりそろそろストーブを出したい時期になって来た。

 

しかし僕らのせいではあるがそれをしまっている物置はかなりぐちゃぐちゃの状態なのである。

 

僕ら2人はマスクに頭巾を被り、階段を登っていた。

 

 

「最後にストーブ出したのっていつだったかしら?」

 

「さぁ、でもちょうど一年前くらいだったと思うよ。」

 

「…ねぇ、やっぱり暖房でいいんじゃない?部屋全体が温まるし私はそれの方がいいんだけど…」

 

「いや、ストーブは絶対必要だ!あの温かく包み込んでくれる空気!今の日本に足りないのはあの感覚なんだ!」

 

「…本当あなたって変なところで情熱があるわね…」

 

 

二階に上がり廊下の一番奥へと向かう。

 

突き当たりを右に曲がると『勝手に開けるな!』と書いてある張り紙が貼られてるドアが現れた。

 

僕がドアノブに手をかける。彼女は後ろで両手を僕の肩において隠れてる。

 

 

「…いくよ?」

 

振り返って彼女が頷いたのを確認すると僕は一気に扉を開いた。

 

部屋の中は埃まみれで大きいのから小さいのまで、多種多様なモノが棚や押入れからはみ出し、床にも沢山の古着やゴミが散乱していた。

 

「うわぁ…やっぱやめといたほうがよかったじゃない…」

 

「いや。やるよ、僕は。」

 

僕は意気揚々と部屋の中に足を踏み入れ、床のゴミやホコリを物ともせず進んで行く。

 

続いて彼女も部屋に一歩踏み入り、身を乗り出して不安そうに辺りを見渡している。

 

 

「えーっと…ストーブストーブ…あった!…ってこれ大丈夫かなぁ…」

 

数分歩き回って見つけたストーブは、僕の背より少し高いところにある、ギューギューにモノが詰め込まれた押入れの中にあった。

 

 

「…ゆっくり…ゆっくり…」

 

「大丈夫?それ?」

 

僕がストーブを、上に積み上がっている衣服や雑誌を崩さないように

ゆっくりゆっくり引っ張り出しているのを、彼女は心配そうに見つめている。

 

 

「お!いけるいける!」

 

 

しばらく引っ張り出していくと、ついに後数センチ出せば救出完了なところまで迫っていた。

 

僕はもう流石に大丈夫だろうと思い、最後は一気に本体を引き抜いた。

 

しかし、

 

 

「う…」

 

 

自分の家のストーブが電気ストーブだったことを忘れていた。

 

本体は取り出せたものの、コードはまだ山の中に埋まっている状態である。

 

僕はめんどくさくなって、少しばかり露わになったコードを掴んで一気に引き抜いてしまった。

 

すると、

 

 

「あ」

 

 

プラグの部分が衣服に引っかかっていたせいで、山だったモノは一気に雪崩となって僕に襲いかかって来た。

 

「うわぁぁ!」

 

「あーあ…横着するからよ…」

 

「た、たすけてくれぇ…」

 

辛うじて飲み込まれなかった左腕をブンブンと振り回す。

 

 

「はいはい、今退けますから。」

 

 

と言いって彼女は部屋に入り、下敷きになった僕を包み込む雑誌と衣服を片付け始めた。

 

 

「うわぁ…これとか、これも…全部懐かしいわぁ…ほら、これとか何年まえのデニムかしら。今入るかなぁ。」

 

 

一枚一枚どかしていっては、手にとって上にかざしてダラダラ眺めている。

 

お陰で僕は一向に外の光を見ることができないままである。

 

 

「ま、まだかなぁ〜!」

 

「はいはい、ちょっと待って…ってあら!これ私の高校の制服じゃない!」

 

「まじか!」ガバッ

 

 

僕は勢いよく身を揺らして、なんとか山の中から脱出した。

 

 

「もーJKの服で興奮するなんてぇ。すけべなんだからぁ〜。」

 

「すけべです!着ているの見たいです!」

 

「しょうがないなぁ。ちょっと待ってなさいよ。」

 

 

彼女はノリノリで部屋から出て行き、扉をバタンと閉めた。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

数分後。体育座りで待っていると扉が開き、中から制服姿の28(笑)のJKが現れた。

 

 

「ふふふ、サイズぴったりだったわ。高校時代からスタイルは変わってない証拠ね。」

 

「く、黒セーラーだと…!素晴らしい。」

 

 

僕は全身が興奮に包まれ、立ち上がって腕を上下にブンブンと揺らす。

 

 

「ふふーん。もっと褒めてもいいのよぉ。」

 

「ただ、君が着ると金髪にピアスだからヤンキーっぽいよね。ハハハ。」

 

「うっ…それはしょうがないじゃない…ところであなたの制服は?確か学ランだったわよね?」

 

「実家だね。別に大したもんじゃないし、本当はブレザーの方が好きだからなぁ。」

 

「あら、そう…」

 

彼女は残念そうな表情をして腕を組む。

 

「?僕の制服姿なんて見たくないだろ?」

 

「いや、単純に制服プレイとか萌えるなぁと思ったのだけr「却下です。」」

 

 

 

「「………」」

 

 

二人は向かい合ったまま硬直して無言になった。

 

 

「…。

 

どうしてよ!」

 

「いやいや!だって俺らもう二十代後半だぞ!?流石に無理があるだろ!」

 

「若い心を持っていればいつでも高校生には戻れるのよ!」

 

「なら君はもうちょっと落ち着きを持ったほうがいいんじゃないか!?」

 

「したいのー!」

 

「だめだー!」

 

ハァ ハァ ハァ,,,,

 

 

先ほどまで窓から差していた西陽も消え、外はすっかり暗くなっていた。

 

彼女が口を開く。

 

 

「ねぇ、もしさ。私たちが高校生の頃出会って、付き合い始めたらどうなってたのかしらね…」

 

「あー…今とそんな変わらないと思うよ。でも高校生だからもっと無茶なことだったりパワフルなことはできたかも。」

 

「そうよね。パンケーキ食べに行ったり、プリクラ撮りに行ったり、一緒に勉強したり、登下校いっしょに並んで歩くとか想像しただけでワクワクするわ!」

 

「その当時僕はそんなアクティブな人間ではなかったけど、君となら是非行きたくなるかもね。」

 

 

彼女は膝を抱えてその場にしゃがみ込んだ。

 

スカートのせいで下半身が寒いだろうか、脛をスリスリと手でこすっている。

 

 

「本当、神様って意地悪ね…高校生でなくても幼馴染なら、もっと私の十代はもっと楽しかったのになぁ…大学は少し遅すぎよ…」

 

 

同時に太ももに肘を置いて頬杖をする。

 

 

「たしかに僕らが付き合った頃はお互いのこととか勉強とかで色々大変で遊びに行くなんて滅多にできなかったしね。もっと若い頃に遊んでいればよかったかも…でもね。」

 

 

その姿を見て僕もしゃがみ込み、彼女の頰をスリスリと擦ってみた。

 

彼女はほおを擦るたび目を細くしていく。

 

 

「…何するのよ。」

 

「遅いとか早いとかって実は関係ないんじゃないかなぁ?十代の頃、人はどんどん成長していくし周りもどんどん関係を作ってお互いを愛し合っていくものだよ。果たしてその時僕らが出会ってたらどんな人間になったのかな?今とは違う思想だったり性格になるかもしれないじゃないか。その場合、絶対二人は長く愛しあえるなんて確証はあるかい?」

 

「それは…そうだけど…」

 

 

僕は彼女の顔を見てニコッと笑って見せた。

 

 

「これからでいいさ。全部、これから。君がしたいこと、君がやりたいこと、全部は叶えられないけど出来る限りしたいと思ってるよ。二人とも二十代で既に自己の形成はできてるかもしれない。でも、二人の愛はまだ未完成だろ?まだ人生長いんだ。どんなに寒くてもどんなに苦しくても幸せはいつの時代も失われないものだから、ね?」

 

彼女は再び目を見開き、数秒真っ直ぐ見つめた後、僕から目をそらした。

 

 

「…ちょっとキュンときたかも。」

 

「うっ…照れること言わないでよ…」

 

「ふふふ、たまにそういう事言うの。かっこいいと思うわ。ほらストーブも出したし、帰りましょう。」

 

僕らはストーブを持って、階段を降りてリビングに戻っていった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ブ-ン

 

「あったかい〜〜。」

 

「あったかいわねぇ〜。」

 

リビングの真ん中にストーブを置き、二人で目の前に並んで座って暖かい風に直接当たる。

 

冬はやっぱりストーブがいいなと改めて実感する。

 

 

「ねぇ、あなた。」

 

「ん?」

 

 

そう言うと、彼女は僕の股の間に座って寄りかかって来た。

 

 

「じゃ、邪魔だよぉ…どいてくれない?」

 

「いやだ。こっちの方があったかいし幸せなの。」

 

「はぁ…全く、ずるい人だなぁ…フフフ。」

 

僕は後ろから彼女を抱きしめ、さらに密着した。

 

これじゃあ僕にはストーブの風がこない。

 

でもどうしてか、身も心もいつも以上にあったかくなった気がした。




そろそろ行くかぁ?(20000UAと200お気に入り)

ほんまぁ…読者様には感謝しかないなぁ…
質問やリクエスト随時受け付けております。是非感想書いてください!オナシャス!
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