魔法のかかったようなテーブル(ヘタレ男がヤンデレ女に振り回される話)   作:バンバババルタリアン

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今回は前編と後編に別れます。
前編はちょっぴりシリアスです。
後編はがっちりギャグとデレデレとヤンデレで固めますのでご安心ください笑


困ってる人を放っておけない男と純粋一途デレデレOLが送る会社の話(前編)

昔から、僕の人生は周りの人からすれば至極平凡でつまらない人生だと捉えられるようだ。でも、僕はこの人生が案外気に入ってたりする。といっても、平凡に暮らしてるのが一番の幸せというわけではない。僕の人生には必ず、本当に稀に、ある時「転機」が訪れる。その転機がプラスに働いたり、マイナスに働いたりするかはわからないがとても人生を豊かにしている。だから、結構僕は生を謳歌してる方かもしれない。

 

そんな転機が今日もまた訪れた。

 

 

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「今日はいつもと違って元気がないじゃない?どうかしたの?」

 

最愛の妻が僕の顔を覗き込んで言う。

今は既に風呂も食事も済ませ、ベッドで寝るところだ。

 

「まぁ、仕事の話だよ。あんまり心配しなくてもいいよ。ありがとう。」

「…なんでも相談してみるのが一番かもよ?あなたすぐ一人で抱え込むし。」

 

クスッと笑って僕の方に身を寄せる。

 

「そうだね…このことは君に話した方がいいかもしれないなぁ…」

「そうよ。言ってみなさい?」

「実は…」

 

僕は、彼女にその日の事を話し始めた。

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相変わらずの平日。僕は何の問題もなく仕事を続けていた。するとそこに僕の部署のアイドルである新山さんがお茶を持ってやってきた。

 

「課長さん、今日もお疲れ様です♪」

「あぁ、新山さん今日もありがとう。いつも助かるよ。」

「いえいえ、当然のことです。課長さんも相変わらず熱心ですね。」

「まぁ、君がここに来てから部署が活気づいたってのもあると思うよ。本当感謝することだらけだなぁ。」

 

僕が笑いながらこんなことを話すと、少し彼女の表情が暗くなった。

 

「実は…私相談したいことがあるんですけど…この後お時間よろしいでしょうか?」

「ん?別にいいけど…何かあったの?」

「詳しい事は後ほど話します…」

「そうか…じゃあ終わったらついでに食事にでも行こうか。」

 

ありがとうございます。と一礼し、彼女は自分のデスクへ戻って言った。

 

 

 

 

 

 

 

「ヘッドハンティング?」

「はい…今私…もともと課長さんがいらっしゃった部署からお声をかけてもらっていて…もちろん誘っていただいたのはとても嬉しく思っているんですが、この部署が私、すごく働きやすくて愛着があるのでお断りさせていただきました。」

 

まぁ…彼女のように綺麗で愛想も良いよく仕事もできる人材はどこも欲しがるものだ。珍しい話ではない。

 

「それが…何か問題でもあったのかな?」

「はい…お断りした直後は、ならしょうがない…みたいな態度だったんですけど…この前、またお誘いがあって、それが…もし異動しなかったら減給して左遷させる…と言われたんです…私…どうすれば良いのでしょうか…」

 

何だそれは?明らかにパワーハラスメントの一つじゃないか!てか、どうして異動を断ったら減給と左遷なんだ?いくらパワハラでも、あまりに条件が横暴すぎやしないか?

 

「新山さん…行くべきではないよ…それは完全にパワハラだから、ちゃんと証拠を抑えれば何とかなると思うよ。とにかく今は出来るだけその話を先延ばしにして…僕がなんとかするから。」

「課長さん…ありがとうございます…」

 

冗談じゃない。せっかく彼女のお陰で僕も仕事をスムーズにこなせるようになったいうのに…何としても阻止しなければ…

 

 

 

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「ってことがあったんだよ。」

遺言はそれだけ?」ガッ!

「え、ちょっと!痛い痛い!やめてくれよ!」

 

彼女が僕の首を片手で掴み、ジリジリと締め上げてくる。

 

「当たり前でしょうが。今日は帰りが遅いと思ったら、私以外の他の女と食事に行ってたなんて…確実に浮気。殺すわ。てか死ね。」

「そ、そんなこと言われても!あくまで相談に乗っただけであって!卑しいことは何もなかったって!全て善意からの行動だよ!」

 

はぁ、と不満そうな顔をした後、パッと首から彼女の手が離れた。

 

「執行猶予ね。次やったら実刑よ。」

「は、はい…」

 

よかったぁ…僕はほっと胸を撫で下ろした。

 

「それで…そのことについてだけど…彼女が困ってるのは十分にわかったわ。でも、そんなバカみたいなペナルティを提示してくるって相当でかい権力が動いてる可能性もあるわねぇ。それかただの世間知らずの馬鹿かね。」

「後者ならいいんだけどね…」

「まぁ…最悪、裁判もあるかもね…そうならないようにまず相手の弱みを握ってそれから行動しないと確実にあなたの人生も終了するわね。」

 

不安そうな目で僕を見つめる。

 

「わかった…明日他の部署の女の子にもそういう誘いが来たか聞いてみるよ。そうすれば集団で交渉できるかもしれない。ありがとう。じゃあ・おやすみ。」

 

僕は、そう言い布団にくるまってぐっすりと寝た。

彼女は一人窓辺を見ながら黄昏てる。

 

「…昔と全く変わらないわね…」

 

 

 

 

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翌日、他の部署の女の子に異動の誘いを貰ったから聞いてみたが新山さん以外はどうやらそんな話は聞いてないらしい。つまり、彼女だけをターゲットにしてるのか…まぁ、ロクでもない理由に間違いはないな。しかし…どうやってこの状況を切り抜けるべきか…困ったなぁ。

僕は少し心を落ち着かせるために、非常階段でコーヒーでも飲むことにした。ここは少し冷たい風が吹いていて、頭がリセットされる。疲れてたり気分が落ち込んだらしてる時、僕はよくここに来るのだ。

 

「はぁ…参ったなぁ…」

 

二つ返事で引き受けたものの自分はこういうことに滅多に弱い。

人が困ってる所を見かけたり、助けを求められたりするとすぐに助けようとして勝手に自滅する。昔からの悪い癖だ。これのせいで今までいろんなものを失ってきた。もちろん手に入れたものもあるけど--

 

しばらくボーッとしてると、何やら話し声が下の階から響いている。

少し気になった僕は、足音を立てないように慎重に階段を降りていった。

 

 

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「新山ちゃん…いい加減返事を聞かせてよぉ?もちろん高待遇は保証するよぉ〜」

「……まだ、考えているので…」

「…ったく…何でそんなに迷う必要があるのかね?君の今いる経理は我が社の中でも地味で存在感もない、言わば底辺部署だ!あんなところじゃあ仕事に対してもやり甲斐を感じられないだろ?それに比べて我が広報はいいぞぉ?君と同じ女性もたくさんいるし、花形中の花形!何も文句はないだろう!?」

「…ですから、まだ検討させてください。」

 

僕は上の階から二人を眺めていた。

…あれは…新山さんと…広報のクソ部長…!俺を以前散々こき使って過労死寸前まで追い込みやがった張本人だ…あの野郎!あいつはよく女子社員にセクハラをしていたな…クソが!今度は新山さんをターゲットにしやがったのか!

 

「まぁ…もし…君が断れば…以前述べた処置を施すだけなんだけど…それでも…まだ考える必要があるのかね?」

「……」

「そういえば君に良い話があるんだよ〜。そろそろ君も遊びはやめて身を固めたい時期だろ?私の部に新しくいい男が入ってねぇ…彼は確か社長の友人である○○製鋼の社長の一人息子らしいんだよ。彼が君のことをすごく気に入っててねぇ〜!是非とも会って食事でもどうかな思うんだがね?」

 

部長の彼女を見る目は明らかに不純でいやらしさに塗れていた。

すると今まで黙っていた彼女が口を開いた。

 

「異動の話は無かったことにしてください…」

「!?…どういうことかね?」

「どうもこうもないです…お断りします。それでは…」

 

そう言い、彼女が非常ドアのドアノブに手をかけたその時、

 

部長は彼女の肩を乱暴に掴み反対側の壁に叩きつけた。

彼女は頭をぶつけたらしく、頭を抱えて床に寝転がった。

 

「ふざけるな!こちとらあのボンボンがお前を部署に招きたいだの、犯したいだの言いやがるから誘ってやったものの…舐めた態度しやがって…!こうなったら!てめぇを地方に飛ばして二度と故郷に帰れないほど働かせて過労死させてやる!覚悟しろy…「あっ、広報部長さんですか。どうもこんちゃす。」」

 

 

「課長さん…」

 

僕は階段を下り、倒れてる彼女の肩を持って起き上がらせた。

 

「大丈夫?頭ぐわんぐわんしない?」

「お前は…経理のところの課長だな…落ちこぼれが何しに来た?」

「いやぁね…今の話…聞いてたんですよ。部長ってキレると言葉遣い荒くなりますもんね。ダメですよ〜、僕なら良いものの…女の子にしちゃあ…

パワハラ及び、傷害、『犯す』『遊びはやめて身を固める』などのセクハラ発言。僕のスマホに全部残ってます。」

「て、てめぇ…!」

 

最初の方はただの異動の誘いと捉えても問題ない会話だったから、証拠として認められないのではないかと焦ったが…

彼女の勇気ある意思表示が身を結んだようだ。

 

「まぁ、今回は見逃してあげますよ。ただ、彼女の心と体に対する慰謝料及び今回の件に対する示談金諸々は弁護士を通じて、話し合いませんか?こちらは裁判をするつもりなど毛頭ないんで…ね?」

「くぅ…!わ、わかった…このことは誰にも言うなよ!」

「…はい♪」

 

そう言うと部長は非常ドアの扉を開け、逃げるように出て行った。

 

「その…もっと早く出てくればよかった…頭…痛いだろ?」

「いえ…大丈夫です…むしろ、感謝でいっぱいです、本当にありがとうございます…」

「いや、それほどでも…とにかく病院には必ず行ってね。後、示談金のことなんだけどこれも僕が個人的に弁護士を雇うからその後は君に任せるよ。いいね?」

「はい…課長さんは…本当に、優しい方ですね…」

 

彼女の安心しきった顔を見て思わず言葉が溢れた。

 

「それは…君が今の部署と僕らにとって大切な存在だからね…」

「」

「じゃあ今度また連絡するよ。」

 

そう言い、僕はその場を後にした。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

後日

 

「…そう、それじゃあ解決ということでいいのかしら?」

「そうだね。まぁ当分彼女に対して何か問題が起きることはないだろうね。」

「なら良かったわ。まぁ、私たちも被害に巻き込まれたりすることがなくて良かったわ。いい仕事したじゃない。」

「それは、どうも。今日も彼女と打ち合わせをするから遅くなるよ。」

「そう…なら仕方ないわね…何かしたらただじゃおかないわよ?」

「勿論だよ。じゃあ切るね。バイバイ。」ガチャ プ-ッ プ-ッ プ-ッ

愛しい彼との電話が終わってしまった。これで後2時間は絶対会えないし話もできない…

私はソファに寝転がった。

 

「はぁ…寂しいなぁ…最近彼とあまりすることもできなくなったし、料理も食べてもらえてない…浮気は…女の匂いがしないから多分ないとは思うけど……早く帰ってきてよぉ…」

 

心も体も彼の熱を求めている。部屋の空気は暖房がついて暖かいはずなのに、体の芯は冷たくどうしようもない切なさに覆われた。

 

………

 

……

 

 

ピンポ-ン♪

「!!♡」

 

あれから何時間待っただろうか。ついに彼が帰ってきた。全身が歓喜に湧き立つ。

早く開けてあげないと♡

急いで、玄関に向かって走る。そして鍵を開けドアをゆっくり開けた。

 

「おかえりなさい、あなた♡今日はすごく寂しかったんだからぎゅーってしながら一緒に寝るん…

 

 

 

 

 

だから…?」

 

彼女は目を見開いて絶句した。

 

彼は、みたことのない酔いつぶれた女をおんぶしていた…

 

 

 

 

 

 

 

 




後編は今日の夜か明日の夜に投稿します。
追記
新作投稿しました。
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