魔法のかかったようなテーブル(ヘタレ男がヤンデレ女に振り回される話)   作:バンバババルタリアン

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(投稿頻度)こ わ れ る
許して読者さん

…すいません笑笑
ちょっとリアルが忙しくなって遅れてしまいました…
今回は久し振りに病み回です。


ヤンヤンヤンヤンデレ男とヤンヤンヤンヤンデレ女が送る共依存の話

「や、やめてくれよ…これ結構きついんだって…今日もやるのかい?」

「ええ、やるわ。あなたが悪いんだから。私は悪くない。」

「ちょっ…痛いって…!とりあえず…落ち着いて…」

 

仕事から帰って来て早々に彼女は僕を玄関のドアへと追い詰め、両手首を強く掴んで押さえつけてきた。全身が叩きつけられ鈍い痛みが走る。

 

吐息がかかるくらい、顔を近づけてニヤリと笑ってる。

 

「なぁ…なんでこんなことするんだよ…君だけが辛いわけじゃ…」

「うるさい!…黙って。」

 

彼女の顔が笑みから怒りへと豹変する。

そして、ゆっくりと顔が近づいてお互いの唇同士が触れ合った。

 

僕は閉じていた両脚の間に足を強引にねじ込まれ、完全に逃げられない状態になった。

 

「…ぷはっ…こ、これで今日は満足…?」

「…なわけ。」

 

そう言うと彼女は再びキスをし、間髪入れず強引に口内を貪ってきた。

僕を押さえつける力がさらに強くなり、頭がおかしくなりそうなほどの被征服感で全身がぶるると震え始める。

 

しばらく濃厚なキスが続いた後、僕は舌先をガリッと思いっきり噛まれた。

 

「〜〜っ!〜〜!!」

 

逃げ出そうと抵抗しても全く逃れられない。脂汗が額から垂れてくる。いつもは自由に動かせるはずの自分の舌が拘束されると、人間は並々ならぬ恐怖を感じるのだ。

舌先から溢れる血をチューチューっと吸い上げられた後、やっと二人の唇が離れた。お互いの顔は紅潮し、全身がまだ震えてる。

 

「…お風呂湧いてるから…おやすみ…」

「う、うん…おやすみ…」

 

彼女は僕らの寝室へと寂しそうに歩いていった。

僕の舌は動かすだけで、ビリビリと鋭い痛みが走るほど痛めいていた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ダイニングテーブルには、香ばしく焼かれたベーコンエッグと少し焦げ目のついたトースト、サラダ、そしてヨーグルトが彼女の前に並んでる。そして僕の目の前には冷めた中華粥と冬だと言うのに冷製ポタージュがならんでいる。彼女は黙々とそれらの食事を食べている。しかし、僕は手をつけようとしなかった。素晴らしく晴れた天気の日曜の朝。普段ならこんな憂鬱な気分になるはずがないんだが…

 

「…どうして…あんなことをするようになったんだい?」

 

その言葉で彼女の食事のペースが遅くなる。

 

「…あんなことって?」

「とぼけないでくれ…昨日の夜、いやここ一週間の君の行動だよ!あれのおかげで僕はまともに食事すらとることができないんだぞ!?」

「…そう。」

 

バンッ

 

「なんだよ!その返事は!気でも狂ってるのか?本当に…おかしいよ君は…」

 

僕がテーブルを叩くと、彼女の動きが止まった。

 

「…最近…あなた遅くに帰ってきて、何も会話も触れ合うこともできなかったじゃない…仕事なんだからしょうがない。それじゃあ、私…我慢できない…どうしてもあなたが欲しくて…つい…」

 

その言葉で僕の怒りは最高点に達した。

 

「ふざけるな!確かに、君に寂しい思いをさせたのは十分承知だ。その借りを返すことも考えてた!なのに!君は目先の利益ばかり考えて行動して…帰ってきて早々にあんなことされる僕の気持ちもかんがえてくれよ…」

 

僕は呆れと怒りの中、ただ頭を抱えるという行動しか取れなかった。

 

「なんで…僕の舌を噛んだんだ…」

 

普段より一層小さく、彼女はこう言った。

 

「あなたが…最近私の料理を食べてくれないのが…本当に辛くて…行きてる価値すら否定されてる感覚だったわ…だから…舌を噛んでモノを食べづらくできないかなって…ごめんなさい…」

 

テーブルの上に並んだ、中華粥と冷製ポタージュ。二つとも体の調子の悪い人が食べるような料理…料理自体は冷たくても、細部までしっかりこだわって作られたそれらは彼女の目一杯の愛が感じられた。

 

僕はより一層悲しくなってしまった。

 

「…僕らは…夫婦なんだぞ…カップルじゃないんだ…君のとってる行動は愛なんかじゃなくて単なる依存心からくる行動だ!僕らはそんなことのために結ばれたのか!僕らの絆は相手の実体や言質に触れてないと途切れるようなものなのか!?」

 

再び、沈黙が続く。彼女は僕に震えた声で話し始めた。

 

「それの…何が悪いの…あなたの恋愛観って結婚が全ての終わりだと思ってるの?結婚したらあなたを愛しちゃダメなの?心の絆?真実の愛?そんなの映画でしか通用しないわ…これは依存なんかじゃない。私が導いた正しい愛よ…」

「そう思ってる時点で既に依存じゃないのか?愛すことで全てが解決するならそう不幸な人間は生まれてこないさ!もし僕が明日死んだら君はどうなる?それで生きていけるのか!?」

「死ぬわ。」

 

やっぱりか…

 

「だったら…その性分が治るまで…君は僕に対する態度を少し抑える必要があるよ…いつかは情欲も自然と収まって来るはずだよ…」

 

そう言ってしまったのが…僕の最大の誤算だった。

 

 

 

彼女の目からハイライトが消え、顔が引きつって涙がこぼれ落ちそうなほど瞳が潤んできた。

 

「わ…私に…あなたを愛すことをやめろって言うの?」

 

久しぶりに見た、この瞳に恐怖と後悔を覚える。

あぁ…そうだ…彼女がこの目をしたら、止められないんだ…でも今日は言わなきゃいけない…

 

「そこまでとは言わないけど…君のその単純な快楽主義、物質主義は見るに耐えないよ…もっと僕のことを信頼してーー」

「何がダメなのよ!私は…私は…あなたの為に生きて…あなただけを求めて…あなたが笑顔で幸せにいられるように願ってるだけなのに…どうして…どうしてそんなことを言うのよ!」

「君がしてるのは僕のためではなく、ただの自分の為の行動だろ?自身の快楽のために僕の舌を噛んで口を吸う。僕は全く望んでないのに…結局それはあなたのため、とか、あなたを愛してるから、とか言う言葉で着飾らせているエゴでしかならない!わかるかい!?」

 

僕の言葉が響いたのだろうか。彼女は体全身を震わせて、この世の終わりでも見たかのような表情で椅子から立ち上がった。

 

「いやだ、そんなことない、エゴなんかじゃない…あなたのためなら…あなたの願うことなんだってするつもりよ?…そんなわがままでクズな女じゃない…お願い…治して欲しい所があるなら治すから…なんでも言ってくれれば受け止めるから…ただ…それだけは…それだけは言わないで…エゴなんて…エゴなんかじゃ…」

 

ヒグッ...グスッ...ウゥゥ..

 

彼女はついに泣き出してしまった。いつも見る嘘泣きなんかじゃない。心から恐怖し絶望した時の涙だ。そんな彼女を見て余計に嫌気がさしてしまった。

 

「…散歩してくる…」

 

僕は泣いてる彼女を置き去りにし、リビングを後にした。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

外の空気は冷たかった。息をするたびに吐き出された暖かい吐息はたちまち白くなり、吸った空気は喉に刺さって咳き込んでしまうほどだった。數十分ほど、浮遊感を帯びながらふらふらと歩き回ったが、この行動で生まれたのは単に自分に対する形容しがたい喜ばしくもやるせないモノばかりであった。愉悦を邪魔する、後者の馬鹿らしくも情けない気持ちを埋めるにはもはや笑うしかなかった。

 

ははっ…はははは!

 

やったぞ!僕はついに行動し、成長することができたんだ!

 

自己犠牲を追っ払い、弱い精神に打ち勝ったんだ!

 

僕は何も間違ってないんだ!

 

だが、こんな気持ちに浸るのも束の間だった。

むしろ次の瞬間にはこれの何万、いや何億倍とも言える後悔の気持ちが雪崩のごとく溢れ出てきたのだ。住宅街のど真ん中で僕は膝から崩れ落ち、ただひたすら泣き続けた。

 

 

あぁぁ…!うぅぅぅぅ…!くそ!くそが!

 

何が成長だ!何が精神に打ち勝っただ!

 

僕が望む人生はそんなものじゃないだろ!

 

僕は彼女を幸せにして笑顔にすることが目的じゃないのか!

 

なんだ…この有様は…今頃彼女はどうしてるんだ…

 

こんな一人の散歩なんて何一つ楽しくもない…!

 

君と一緒じゃなきゃぁ…うううう…

 

そうは言っても…今更あんなこと言って、のうのうと帰ってこれるわけもないか…

 

あぁぁぁ…!あいたいよぉぉぉ…

 

ううう…いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ!!

 

 

道のど真ん中で一人泣く男を数人の警官たちが取り囲む。

 

「こいつ、なんでこんなところで泣いてんだ…」

「知るか。彼女に振られたんじゃねぇか。」

 

その後なんやかんやあって僕は連行された。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

警察から解放された頃には既に太陽は空のてっぺんに登っていた。

僕は家の前に着き、インターホンを鳴らした。

 

 

返事はなかった。試しに扉を開けようとドアの取っ手を引いてみた。ドアは開いた。きっと僕が出て行ったあと、一回も手をつけてなかったんだろう。

中に入ると女性のすすり泣く音が聞こえた。場所はどうやら寝室からのようだ…

寝室に向かい、扉を開ける。

ベッドには毛布にくるまって寝る彼女の姿が見えた。

 

…最低だ…僕は…

 

僕はベッドに寝て、泣きながら寝ている彼女を抱き寄せた。

 

 

しばらくすると毛布がモゾモゾと動き出し、中から涙でぐちゃぐちゃになった顔が露わになった。

 

「…あなた…?」

 

優しく、彼女を見つめてうなづく。

 

「…あなたぁ…」

 

二人はお互い強く抱きしめ合った。

 

「本当に…ごめん…僕らはどうやら自分の成長なんて生意気なことばかり気にして…君のことをないがしろにしてたようだ…本当…情けないよ…」

「ううん…大丈夫…私も…やっぱりあれは依存行為だったと思うわ………さっき怖い夢を見たの…あなたが私を裏切ってこの家を出て行くっていう夢…本当に怖かった…もしかしたら現実でも…あの時家から出て行ったきり、二度と帰ってこないんじゃないかもって思ってしまって…でも、あなたが今こうやって目の前にいて、ほんっとうに安心したわ…!」

 

本当に良かった…僕はあの時、くだらない理由で道を踏み外すところだった…

 

「ただね…これだけはわかってほしいの…決して依存できれば誰でもいいってわけじゃない…あなただから…あなたがいないとこうなってしまうの…でも…迷惑なのは変わりないわよね…」

「迷惑じゃないよ…僕も…君が僕を求めることが、幸せになる方法の一つだってことを理解して生きていくよ…たとえお互い依存してても、二人が同じ方向を向いているなら…永久に変わりはしないと思うよ…」

 

愛し合ってると言うが、喧嘩することなんて珍しくない。でも、次の日になればお互いけろっとして何事もなかったかのように終わる。けれど…今回ばかりは、自分の気持ちをしっかり話すことができて本当に良かったと思うな…

 

………

 

……

 

 

 

翌日

 

好き!(目覚めの挨拶)」

 

依存が悪化した…

 

 




ちょっと待って?
デレが少ないやん。
タイトル通りだ、安心しろ。
今回もなんかシリアス回になってしまいました…まぁ僕の脳内なんでね。しょうがないね。
次は書いてて死にたくなるようなデレデレデレイチャイチャ回です!
多分今日か明日の夜投稿します。
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