メビウスの翼跡(※旧題:エースコンバットZEROのインタビューにあの人物を入れてみた) 作:白風 海斗
また、彼のインタビューには憧れ補正と思い出補正がかかっています。
<<M17>>
<?????>
国境無き世界との戦いのあったアヴァロンダム、“彼"とはそこで会い、インタビューをする事が出来た……
今なお戦いに身を置き、とある軍でトップエースである彼は、身元を開かさないことを条件に話をしてくれた。
「ここでの戦いですか? 悔しいですけど、その戦闘で俺は撃墜されてしまって……」
搭乗員用のツナギに身を包んだ男が夢見るように、懐かしむように空をみあげる。
「機体を捨てて緊急脱出して、何か使えるものはないかって機体の墜落地点に必死になって戻ってきて、完璧な無駄足だったんですけど。それに落胆してふと、丁度こんな風に空を見上げた時に見たんです。空に描かれた輪を……」
両手をそれぞれの飛行機に見立て、身振り手振りを交いて説明する彼。
「すれ違い、その地点を対称にお互いまったくの同じ機動でターン、そして再びすれ違う、∞を描く輪。邪魔者のいない、まるで中世の決闘ような心意気を纏い、それでいて正面から噛み合う犬の喧嘩のような力強さがあり、そしてお互いの機動を読もうとする冷たさが読み取れる機動、誇りと誇り、力と力、読みと読みのぶつかり合い、1対1の戦い……頭上で繰り広げられる光景が信じられなかった。正直、撃墜された時に俺は死んでて、これはあの世で見てる夢かなんかじゃ無いか、そう思った位ですよ」
鳴り響く轟音、打ち上げられた巨大な弾頭、そしてそこから巻き散らかされるであろう死────核兵器。そしてそれをただ、今となっては炎に炙られる鉄屑となった愛機の残骸のそばで、ただただ見上げるしかない自分
しかし、その様子を語る彼の表情には一点の曇りもない。
<<ED>>
「一生に一度見れるか見れないかの空戦、それを観て俺は、正直なところ安堵してたんです。──ああ、これであの一騎討ちを邪魔しなくて済む──って。自分みたいな半端な役者が居ても舞台に水を差すだけですから。」
「でも、同時に悔しかった。自分にはこの空を飛ぶ資格が無いって追い出されたみたいで……空が砕かれたような感覚がありました。それでも俺は飛翔び続けた、少しでもあの空に近づきたい、あの空で同じくらい名を誇れるエースになりたいって。今の機体エンブレムも、それに因んだエンブレムなんです。」
そう言って彼は誇らしげに笑った、彼が死神と呼ばれるようになったのは何時の頃からか、それでも“彼等”に追い付けた気がしない、と彼は言う。
「俺はまだ飛翔び続けてる。俺はあんたと、あんた達とやり合いたい、それを空─ここ─で待っている。いつの日か俺達の為の舞台で戦えることを祈っているよ」
彼はそういって軽い仕草でカメラに……
エクストリーム蛇足
「……この花束ですか? ああ、こいつに置きに来たんですよ。あの戦争を一緒に戦った相棒ですからね。」
そう言って、近くにあった戦闘機の残骸に花束を添える。
「ありがとう、俺の相棒」
片羽が“彼”を呼ぶそれとは違う、彼等飛行機乗りが空を飛翔ぶ為の“相棒”がそこにはあった。