メビウスの翼跡(※旧題:エースコンバットZEROのインタビューにあの人物を入れてみた) 作:白風 海斗
F-4E/C
ゲーム的に言うならただのF-4E
現実ではF-4Eは艦載機じゃないので、違う機体扱いと言うことで/C(Carrier:空母)仕様と言う位置付けに。
一応、設定としては──
I.S.A.F.加盟国でも軍備の少ない国が、近年の情勢を鑑みて導入した空母と、予算の関係上従来の陸上機に発着艦機能を(魔改造で)取り付けた。
──と言う設定。
内部部品もアップデート等しているが、ズィルバーの魔改造F-4Eとまではいかず、艦載機に改造した分のロスとどっこいどっこいなので性能は素のF-4Eと差は無い。
『こちら管制機スカイアイ、聞こえるか? 君のコールサインは「メビウス1」だ。 貴機はこちらの管制下に入った。 まもなく爆撃機が見える、全機撃墜せよ。 今日は俺の誕生日だ。勝利をプレゼントしてくれ!』
カタパルトから打ち出された俺のもとに、陽気そうな男の声が呼び掛ける。
昨日起こった空戦── 基地から飛び立った航空機を狙った追撃戦での撃墜スコアがよほどお気に召したのだろう。
もっとも、それは空母の連中も同じだろう。
その証拠に、今搭乗している機体──F-4E/Cには昨日には無かった“メビウスの環”のマーキングが施されていた。
『どうだ傭兵、一口乗らないか? 撃墜数の少ない奴から一杯づつ』
「いいのか? どうせ敵機はみんな俺が喰っちまうぞ?」
『言ってろ、メビウス。今日のエースは俺だ』
人の生き死を賭けにしている、と言えば聞こえが悪いかも知れない。
しかし、次の一瞬には敵に機体ごと吹き飛ばされているかも知れないのだ、陰鬱なままでは飛べないとでも言うように、あるいは生きて還れた事を喜ぶ為に必要としているのだ。
『無駄口はそこまでにしておけ、目視で敵機を確認。さあ、お仕事の時間だ』
会話を締めたのは元々からの空母飛行隊の男だ。
開戦当初、あの名高きエルジア“無敵艦隊”相手に大立ち回りを演じて空母を守り抜いた歴戦の猛者だ。
もっとも本人は「ケツまくって這々の体で逃げ帰ってきただけだ」と言っているが。
『了解です、オメガ1。こっちでも敵機を肉眼で確認。レイピア6エンゲージ』
『レイピア9、交戦する』
「メビウス1、エンゲージ」
『オメガ1、エンゲージ』
他にも何名かが続くが、単機編成の俺は当然気にする必要は無い。
エンジンを振り絞ると爆撃機目指して一直線に味方編隊から抜け出す。
緊張感に程良い加速Gが心地よい。
敵の護衛連中は爆撃機編隊の中程だ、今からじゃ間に合わないだろう。
「Fox2、Fox2!」
2機のTu-95の背に一発づつ、AAM-3が突き刺さり、一拍置いたのち、搭載していた爆弾に引火したのか派手な爆発を起こして墜落した。
慌てて敵機がとって返して来るが……遅い。
真正面に来たF-5Eにすれ違い様にガンを撃ち込んでやるとふらふらと揺れたのち、イジェクションシートを作動させて脱出した。
『すげぇ、あっという間に3機……』
『ぼさっとするな! このまま敵をこちらのペースに押し込め!!』
空中管制機が指示するよりも早く、オメガの何番機かが怒鳴りつける。
『あ、はい。すみません気を付けます!』
各地から敗走してきた寄せ集めであるI.S.A.F.は練度も乗機もバラバラで統一性が無い、そんな状況下で何とか空戦部隊としての体裁を整えて居るのが彼らオメガ部隊だろう。
彼らも「生き残った正規軍部隊で最も経験豊富な部隊」と言う厄介な荷物を背負わされたものだ。
今も一機、敵との間に乗機を割り込ませてミサイルを引きつけてる奴が居る。
「大丈夫か?今ミサイルを撃ち落とす」
『だめだ、間に合わん! 機を捨てて脱出する!』
いうが早いか、彼は機体から撃ち出され青空の住人となった。
無人となった機体にミサイルが命中、コクピットのすぐ後ろからへし折れると火を吹いて墜ちていった。
「AWACS!オメガの1機が脱出した、救助の手配を!」
『了解だメビウス1、君は引き続き爆撃機を攻撃しろ』
「わかった、救助の方は頼むぞ!」
そう、管制機に告げると機体を次の敵機へと向けた。
* * *
『爆撃機は市街地上空を飛行……いや、市街地を爆撃しようとしている! 急げメビウス1!』
「了解! くそっ!結局戦争ってみんなこうなるのか!?」
厭戦感を煽るにしてもやりすぎだろうが!
しかし何だってこいつには投下式爆弾が装備されてるんだこんちくしょう。
司令部がある街にしても、民間人だっているんだぞ!
心の中でエルジアの連中への罵詈雑言を並べ立てながらも、敵の護衛の位置、爆撃機の後方機銃の射角の把握は忘れない。
『メビウス1! ブレイク!ブレイク!!』
その言葉を理解するより早く、機体を左に旋回させる。
警告音と視界の隅に機関砲の曳光弾を捉えるのは同時だった。
「こいつ…太陽を背に置きやがった!」
少なくとも、そう言う飛び方をする腕は有るらしい。
「なかなかいい動きして来るじゃないか……!」
先程の機体は護衛部隊の隊長なのか、巧みな時間差による立体的な攻撃はこちらに回避を強いて攻撃する隙を与えない。
『爆撃機はまもなくアレンフォート飛行場に到達する。メビウス1、爆撃機を撃墜しろ』
爆撃機はあと、4機、いや。僚機が1つ落としたし、もう1にも取り付いた、じきに墜ちる。
なら、倒すべきはこの二機だ、護衛は4……間に合うのか?
その思考の“ブレ”を読み取ったのか、敵機が一斉に攻撃を仕掛けてくる
『メビウス1、警告。 背後に敵機、数2!』
AWACSが叫ぶが───
機首をあげ、エア・ブレーキを開く、失速ギリギリまで抑える。
然しもの敵機も反応が遅れたのか、こちらを追い抜いて無防備に背を晒す。
「もらったぁ!」
ガンとミサイルを叩き込む、これで2機!
さらに隊長を失った動揺があるのか、動きが単調なものとなり苦もなく残り2機を撃墜する。
「よし、これで護衛は片付いた。飛行場の方はっ!?」
AWACSが無線の周波数帯を切り替えたのか、基地管制塔のオペレーターの声が聞こえる、消火作業の指示を飛ばしているのが聞き取れた。
「防空戦闘中の戦闘機から飛行場へ!被害は!?」
『こちらアレンフォート飛行場、滑走路に直撃弾だ』
「守りきれなくてすまない! すぐに始末を付ける!」
護衛機を失った爆撃機など大きいだけのただの的だ、以前にはこれ以上の大型航空機と戦った以上“彼”にとって赤子の手を捻るより簡単だった。
その87秒後、アレンフォート飛行場へ進軍した航空機は残らず叩き落とされる事となった。
本編の解釈について
最後の砦状態なのにAWACS、空母がある。
爆撃機の背後から空母から離陸。
これらを鑑みて、「各地から敗走、一路ノースポイントに集結を目指すI.S.A.F.」と、「それを無視して、ノースポイントの飛行場へ強行爆撃、早期終結を試みるエルジア」
そして「偶々背後を取る位置にいた空母部隊」が奇襲をかけエルジア爆撃群を撃退した。
と言うイメージが浮かびました。
それとウチの「めびうすくん」の来歴を鑑みた結果、この様になりました。
なお、今回の戦闘の前に“前話”で居た基地から飛び立ち、ノースポイントを目指していた航空機全般を狙った空戦が発生しており、その時の空戦でメビウスは空母の戦闘機を使用して戦闘、戦果を上げてメビウスのマーキングも許されました(負けた(撤退中の航空機落とされた)ケド)