さっき、ランキングを見たら、二次創作日間と二次創作習慣で10位と47位でした!
嬉しいです!
これも読んで下さる読者の皆様のお陰ですので、今ここで言わせてください。
ありがとうございます!!
雄英に入学して1週間。
全員、初日が強烈的過ぎた為か雄英での普通校と変わらない日常に戸惑いを隠せてない人間が多い。
あれから、亀仙人との鬼ごっこは毎日のように続いている。
まだクリアしていない。
ただ、初日にやり過ぎた為に校長からの厳しい説教を亀仙人含めた参加者が全員受けるはめになり、強制的に10時に終わりである。
その為か全員、短い時間で死ぬ気で取りに行くようになった。
晩飯担当は出久と電気で定着してた。
この二人は鬼ごっこの参加を認めてもらえずにいた。
理由は二人が入ったらすぐに終わってしまうからである。
この事実を聞いたAB連合はひどく憤慨したのだ。
何故なら、この二人よりも下であると言われて怒らない人間はいない。
約1名は怒りのあまり本当に火を吹き掛ける所だった。
だが、実際に負け続きなのには変わらずなので、AB連合は二人から自分達の時はどれだけの時間が掛かったのかを聞いた。
二人は4時間から5時間以内に終わらせたことを言ったら、AB連合がドン引きした。
確かに無茶苦茶早く終わっているわけではなかったが、AB連合は10時間以上だと思っていた。
何故ならもう既にこれだけの人数で挑んで30時間以上かけてやっていて冷や汗の1つすら掻かせていない超人相手にまさかの1桁これを化け物と言わずして何を化け物とするか、しかも自分達はまだ亀仙人に個性を使わせていないのにこの二人はそれ込みで1桁だ。
引かないわけがない。
まぁ、亀仙人は個性なんて持っておらず、全員が個性と思っている読心術と気は技と言うことを二人は皆に教えなかった。
心がバキバキに折れるのが目に見えるからだ。
それから初日のエロ本作戦は物の見事に怒られて、2度としてはいけなくなった。
当然の結果である。
因みにそれで使ったエロ本は男子の目の前で女子たちの怒りの炎によって燃やされた。
特に響香の怒りは物凄かった。
理由を男子は当然知りたがり、唯一正解がわかった実は他の男子に広める前に制裁された。
まぁ、それは放課後の課題なので、今はA組はハイテンションな英語をしてるプレゼント・マイクの授業をきちんと受けていた。
●●●
13時、今日は全員待ちに待った日である。
何故なら!?
「ワタシが普通にドアから来た~!!」
オールマイトがヒーロー基礎学をやってくれるからである。シルバーエイジ時代の赤いコスチュームを身に纏ったオールマイトは文字通り画風が違った。
無茶苦茶ゴージャスである。
「皆!ヒーロー基礎学はヒーローとはなんたるかを学ぶ、授業だ。そして本日の授業は戦闘訓練だ。二時間連続で行うから、皆も気を引き締めてくれよ!それじゃ始めるからコスチュームに着替えてグラウンドβに集合だ!」
「「「「「はい!」」」」」
全員がコスチュームを着れる事に喜ぶ。
当然だ。
コスチュームはヒーローの姿、ヒーローの全て、ヒーローと人々を繋ぐ一番最初に目が付くところである。
故にヒーローは如何にアホに見られようが目立つ服装なのである(基本的には)
出久と電気は自分のヒーローコスチュームを早く着たい一心ですぐに更衣室に向かい、それに続いて皆も更衣室に向かう。
最後になった爆豪は静かに更衣室に向かった。
●●●
更衣室から続々とグラウンドβに出てくる面々。
皆が様々なコスチュームを身に纏ってる中で我らがA組の亀仙流コンビは似ているコスチュームだった。
亀仙流の胴着ではないが、胴着だったのだ。
出久は緑色の胴着に赤色の長袖のインナーシャツで帯も赤色だった。
電気は黒色の胴着に黄色の長袖のインナーシャツで帯も黄色だった。
首から上に関しては出久は何も無く、電気には小型の機械が耳についてあり、腰元にも違いが出てて、電気には帯に小型の機械をつけていた。
このコスチュームはお互いの家族と亀仙人が内緒で造り上げてた物だ。
亀仙人の部分が多いがそのコスチュームから伝わる家族の思いは確りと二人とも感じてた。
因みに電気の耳と腰の機械は緊急端末と緊急バッテリーである。
両方とも亀仙人が自ら体につけて耐久テストをやった優れものである。
「良いね!二人とも!地に足ついてるって感じで!」
二人は声がした方を向く。
そのにはパツパツスーツを身に纏ったお茶子がいた。
こう言っては何だがかなりエロい。
((ヒーロー科、やべぇぇぇ!!))
健全な邪な二人はまたもや良からぬ事を考える。
「いやー、要望をちゃんと書いとけば良かったよ。パツパツになって恥ずかしい」
素で恥ずかしがるお茶子。
しかし、その姿は邪な二人の性欲を上げるだけである。
((やべぇぇぇ!!可愛い!!))
「あんたら二人とも爆発すれば良い」
響香が自分のコスチュームの確認しながら、鼻の下を延ばしまくってるアホコンビに毒を吐くがそんなものは聞いていない。
余計に腹がたったのは言うまでもない。
「おおー!皆!様になってるね!!」
オールマイトは全員のコスチューム姿を見てそう思った。出久と電気の似すぎてるコスチュームを見てオールマイトは二人とも出来てるのかな?と内心思っていたのはオールマイトの秘密である。
腐男子脳満載である。
「君らにはこれからヴィラン組とヒーロー組に分かれて2対2の屋内戦を行ってもらう」
「屋内ですか?」
「そうだ、真に賢しい敵は人気のない意外な場所で活動するからね」
「基礎訓練もなしに?」
「その基礎のなんたるかを知るための訓練さ、ただし、今度はぶっ飛ばせばOKなロボットではないよ」
「勝敗システムはどうなっているのですか?」
「ぶっ飛ばしても良いですか?」
「また相澤先生みたいに除籍があるんですか?」
「組分けはどのようになさるのですか?」
「このマント、ヤバくない?」
「んんー!!聖徳太子!!」
約1名のおかしな質問を除いてオールマイトはこの大量な質問攻めを満喫してから、カンペのノートを開いた。
全員、カンペ見るんだと思ったのは言うまでもない。
「状況設定はヴィランがアジトのどこかに核兵器を隠していてヒーローはそれを処理しようとしていて、ヒーローは時間内にヴィランを捕まえるか核兵器を回収すること、ヒーローは時間内にヴィランを捕まえるか核兵器を回収すること、そしてチーム分けはくじ引きだ!」
くじ引きのボックスを何処からとも出すオールマイト。
確かにエンターティナーではあるが、どちらかと言うとこれは、コメディアンでは?と皆は思った。
それではチーム分けをするよ!
これは殆ど一緒である。
爆豪は天哉と組み、他の皆も大体同じである。
しかし、この世界においての出久の相方は麗日お茶子ではなくて、耳郎響香だった。
「よ、よろしくお願いします、耳郎さん」
「あぁ、よろしく緑谷」
(ひぃ!何か怒ってる?)
響香が怒ってる理由は単純である。
先程の鼻の下を伸ばした事がムカついているのだ。
初日にはエロ本作戦を男子が決行してウンザリして、尚且つそれに載ってたAV女優が皆、巨乳なグラマー体型でそれを実にバレそうになるわ、亀仙人がそれに対して鼻の下をもの凄い伸ばして、しかも出久と電気も麗かボディのお茶子の姿に鼻の下を伸ばしていた。
要するに体型が良い女子に対する嫉妬である。
しかも、ザ・草食系な見た目の緑谷がかなりのむっつりスケベな事にもいらぁっとしてた。
「それでは最初の対戦相手はコイツらだ!」
番号はAとD
爆豪と天哉ペアと出久と響香ペアだ。
この試合表に爆豪が出久を見る。
一瞬、出久はビビるが負けずに睨み返す。
爆豪的には睨んでるつもりなんて更々なく見ているだけだったが、目付きが悪いのか出久にはそう認識されなかった。
爆豪の怒りのゲージが少し溜まったのは言うまでもない。
「敵チームは先にフィールドに入ってセッテング。5分後にヒーローチームが潜入でスタートだ」
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爆豪と天哉が核弾頭ダミー部屋で準備運動をしていた。
「これが、核弾頭か、訓練とはいえ敵になるのは心苦しいな」
「おい、デクは凄いか?」
「何を聴いているんだ?爆豪君?緑谷君も上鳴君も僕達が比べるのも烏滸がましい位に凄いではないか?」
「だよなぁ」
えらく静かな爆豪はひどく不気味に見える。
「爆豪君、何をする気なんだ?」
「何も訓練さ・・・あのクソナードに勝ってやる!」
その言葉は滑稽かもしれなかったが、その雰囲気、その声色のおかげで天哉は本気なのだと思った。
「爆豪君・・・素晴らしいガッツだ。勝とう!」
「あぁ、てめぇは核を守ってろ。デクは俺が潰す」
気合いの入れ込みすぎで失敗するような程の雰囲気だが、不思議と天哉はある種の確信を感じた。
今の爆豪君ならもしかしたら・・・
そう思った天哉には爆豪の作戦を否定するほどのアイデアはなかった。
「良いだろう。ただし、無線は常に繋がるようにしておいてくれ」
「あぁ、わかった」
本気で勝ちに行こうとする二人に勝利の女神は微笑むのか?
●●●
一方こちらはヒーローチームは建物の見取り図を見ていた。
「緑谷、地図覚えた?」
「うん、耳郎さんは?」
「やっと覚え・・・どうしたの?」
地図から目を離した響香は冷や汗が出ている出久を心配する。
「ちょ、ちょっと緊張しちゃってね」
「緑谷でも緊張するんだ」
「そりゃ、するよ。相手がかっちゃんだし・・・」
「爆豪だから?そう言えば仲悪いね。あんた達、何かあんの?」
「大丈夫、私情は挟まないよ。本当に嫌なやつで最低だけど強いことは強いから」
出久の気負いすぎてる言葉に対して響香は出久の脇腹をこずいた。
「ッ!何するの?」
「あんた、なに考えてんの?」
出久に顔を近づける響香、出久は顔を赤らめてしまう。
「ウチら、今はチームなんだから、何でも気軽に言いなって、サポートするから」
響香の姉御発言に出久は惚ける。
「チームとして・・・」
「嘘でしょ・・・」
「優秀な・・・」
「緑谷?」
何か言葉を繕うにもどうやら響香にはばれてしまっているようである。
「かっちゃんに勝ちたい」
「そっか、なら飯田の相手は任せな!」
「良いの?」
「その代わりウチも飯田の速さから逃げ切れる自信がないから、終わったらすぐに来てよ」
響香の身長は出久より12センチ小さい。
近づけば自然と響香が上目遣いになる。
今の響香の発言に出久は本当に顔を真っ赤にさせた。
「行くよ!」
先に入っていく響香の背中を出久は追いかけた。
サバサバしてはっきり言えて自分には無いものを持ってる響香を眩しく感じてた。
●●●
建物の中を突き進む出久と響香。
響香は耳たぶのイヤホンを壁にさして、微かな物音を聞いていた。
「何かがこっちに来る、凄い轟音」
「かっちゃんだ」
出久は爆豪を倒そうと進む。
「そこの曲がり角にいる!」
響香の言葉に出久は咄嗟に体を反らした。
待ち伏せをしていた爆豪の右手の大振りは中を舞った。
出久はすかさず体勢を立て直して、爆豪の腹に1発蹴りを放ち、爆豪も負けずに出久の腹を蹴る。
互いに少し離れる。
「デクゥ!!」
「かっちゃん!!」
睨み会う二人。
それほどまでにこの二人の因縁は強いのである。
「緑谷、飯田は任せな!」
「うん!絶対に追い付くから!」
響香はそのまま核弾頭の部屋まで走る。
爆豪はそれに対しては気すらしてなかった。
「追い付くだと?クソナードが、」
「僕だって強くなってる」
「あぁ、理解してるよぉ、でもなぁ1つだけてめぇは間違えてらぁ、俺は天才だ。てめぇは落ちこぼれだ。落ちこぼれがどれだけ努力したって天才のエリートの俺には勝てねぇんだよ!喧嘩は鬼ごっこが上手けりゃ勝てるもんじゃねぇよ」
「落ちこぼれだって必死で努力すればエリートを越える事があるかもしれないよ」
「面白ぇ、地力の差を分からせてやる」
爆豪はまた右手の大振りをするが、出久はそれを読み、素早く爆豪の懐に入って、右手をボディに入れた後、左肘で爆豪の顎を打ち上げる。
爆豪はその衝撃に耐えて、仰け反りながらも左手を出久にぶつける。
出久も避けきれずにガードする。
しかし、爆発の威力は想像以上で出久は前のめりな体勢になる。
爆豪はすかさず立て直して出久目掛けて右アッパー。
出久も自分に直接迫ってくる爆豪の右アッパーに対して自分の右拳を爆豪の腕の手榴弾の籠手に当て弾く。
出久は素早く体勢を整えて爆豪の顔面目掛けて左ストレート!
爆豪の顔面に出久の左手はめり込み、爆豪をぶっ飛ばす。
吹っ飛ばされた爆豪は体勢を立て直して自分の爆破を利用して、勢いを殺す。
そして、爆破でブーストしながら出久に突っ込む。
出久も手に気弾を作り、爆豪目掛けて大量に放つが爆豪も負けてはいない。
その気弾一つ一つを爆破で相殺しているのだ。
出久は新しい気弾を作る。
しかし、その気弾は投げる前から螺旋回転をしていた。
その気弾を放つと先程までとは違う速度で見事に爆豪の体に命中。
しかし、爆豪は少し下がっただけで止まった。
「効かねぇな!!」
叫びながら突進してくる爆豪。
出久はそれに向かい、爆豪の右大振りに合わせてスライディングできない避ける。
そして、その勢いを利用して爆豪の右足に手を掛ける。
爆豪の右足は突然後ろに引っ張られ、爆豪はうつ伏せに倒れる。
出久は飛びかかると同時に爆豪の後頭部を思いっきり殴る。
少し、爆豪の顔が地面にめり込む。
出久はすぐさま立ち、うつ伏せの爆豪を蹴る。
細長い廊下ゆえか爆豪はすぐに壁にぶつかる。
出久は爆豪を完全にノックアウトさせようと手に気を溜めて、体を引き絞って殴ろうとするが、その攻撃は遅いために爆豪は爆破の勢いで立ち上がり、意趣返しと言わんばかりに殴った。
またもや前のめりになる出久。
爆豪は今度は出久の顔を蹴ろうとするが、出久は爆豪の手を掴み、思いっきり投げた。
投げられた爆豪は空中で爆破を使って体勢を立て直す。
「デクぁ」
爆豪も出久も同時に走り出す。
爆豪は爆破で飛び、出久は身体能力で飛ぶ。
そして、二人とも同じタイミングで右足の蹴りを相手の左頬に入れる。
互いに弾き飛ばされるが、爆豪の方が良く飛んでいる。
出久が必死で鍛え上げてきた6年のせいかがキチンと出ている。
というかここで出なかったら涙ものである。
二人ともすぐにまた向かい合い、今度は互いの襟を掴みあい、互いに互いを押して別の場所に移動する。
この掴み合いも出久の方がより強烈に爆豪を壁に押し付けていた。
●●●
そして、核弾頭部屋前では、響香が部屋の中で門番をしている天哉を見ていた。
天哉も繊細生真面目実直な性格な為か真面目に敵を演じていた。
吹き出す直前であったが、自分の個性や闘いかたでは天哉とは相性が最悪な為、必死に耐えて出久を待つことにした。
「緑谷、勝ってよぉ」
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出久と爆豪の戦いは苛烈を極めていた。
どちらが優勢かと言われれば圧倒的と言わんばかりに出久である。
しかし、爆豪のタフさと強烈なプライドは自分の耐久力を極限の位まで上げており、出久を苦戦させていた。
しかも、下手をすれば爆破が飛んで来る狂暴な闘いかたに出久も一先ず引く。
「逃げんのか!?どうしたよ?あの極太の奴を撃てよ!てめぇのそんなもん全部無意味だって教えてやらぁ。掛かってこい!!真正面から叩き潰してやる!!てめえ見てぇな落ちこぼれには相応しいじゃねぇか!!」
爆豪は天才である。
全ての事が早熟で延びしろも常人とは桁違いに高い。
しかし、その天才であるが故に挫折を知らずに生きてきた。
しかし、雄英高校に入ってから、四人の同級生に体力テストでボロ負けし、二人の師匠と名乗る老人からは終始おちょくられっぱなし。
なけなしだったプライドなぞ、当に粉々である。
故に今回の戦闘訓練は爆豪自身の気合いの入れ方が違う。
完全に出久を完膚なきまでにぶちのめす事だけを考えて行動している。
そこに慢心なんて存在しなかった。
無個性だろうが個性持ちだろうが最早どうでも良かった。
出久を倒して1位になるまで止まりそうにもない戦闘マシーンと化したのである。
大口は全然変わってはいない。
出久がかめはめ波を使わないのは室内故に建物を壊しかねないと言う、ヒーローとしての考え方故だ。
“ヒーローと敵“
“出久と爆豪“
この二人の大きな認識の差は全然違っていた。
そもそも今の出久に取って爆豪は辛勝せずに勝てる。
しかし、狭い戦いの場にヒーローと言う縛り、そして縛りなんて気にせずにガンガン来る爆豪の3重苦に苦戦を強いられていた。
出久はかなり大きい部屋に入る。
爆豪もそれを追うように入る。
「来いよ、掛かってこい!!」
出久は爆豪目掛けて気弾を放つが爆豪は避けて気弾は地面にめり込んだ。
「馬鹿が!」
爆豪は自分の籠手のピンを抜こうとする爆豪。
「死ねぇぇぇぇぇ!!!」
ピンを抜いて大爆発を出久に放とうとしたその瞬間!
下から出てきた気弾に顎を打ち上げられて爆豪は意識を失った。
そう、この気弾はさっき爆豪が避けて、地面にめり込んだ気弾である。
そのまま地面を掘り進んで爆豪の顎目掛けて一撃。
出久との激戦、気弾に当たっても倒れないタフさ故の慢心が仇となって爆豪は完全に出久に敗れた。
場所の関係上、自由に動けていない出久に自分は自由に動きながら負けたのだ。
「見たかかっちゃん!新必殺技 繰気弾!!」
出久はそう言うと、倒れてる爆豪の手足を縛る。
一段落した為、出久は無線機で響香に連絡を取る。
「耳郎さん」
「緑谷?終わったの?」
「なんとか・・・」
「ごめん、飯田の奴、部屋中をしっちゃかめっちゃか動き回って下手に動けない」
「耳郎さん、今何処にいるか教えて貰ってもいい?」
「5階の中央の部屋」
(この真上か、よし!)
「耳郎さん、もう時間がないから一か八かの作戦だけど良い?」
「勿論!絶対に取る」
出久は耳郎に作戦の内容を伝える。
互いに確認を取り、出久は掌に気弾を作る。
「頼むよ耳郎さん!繰気弾!」
出久の繰気弾は非常にジグザグしながら上に登っていく。
そして5階の着くとしっちゃかめっちゃか動き、天哉はその特殊な気弾に驚き混乱してしまう。
その隙に響香が核弾頭に向かって行くがそこは天哉、腐っても優等生、響香を抑える。
しかし、響香はイヤホンを伸ばして核弾頭にそれをぐるくるにくくりつけて確保、この勝負ヒーロー側の勝ちである。
こうして出久は爆豪に勝ったのだ。
●●●
あの戦いの後すぐのオールマイトからのMVPは誰かと言われる質問に百が答えた。
まぁMVPは響香と天哉である。
二人とも至極冷静に自分の出来る範囲を的確にやっていた為だ。
出久と爆豪に関しては私怨駄々もれの行動と最後の繰気弾大暴れのせいで減点である。
この後も全員がチームアップをして闘った。
因みに電気の相方はお茶子で二人とも闘う時の役割は敵であった。
だから、対戦相手の三奈と優雅組に前半は残像拳を廊下のあちこちに作って二人を翻弄。
そしてクライマックスになったら、お茶子が軽くして上げたぶつけると痛そうになるドラム缶だったりなんだりを延々と出入り口に蹴りまくる鬼のような攻撃をしてた。
流石に前半はともかく、クライマックスのこれな為、評価が悪かった。
●●●
放課後になり、1人ポツンと寮の屋上で佇む爆豪。
気絶させられて、オールマイトから結果を言われてふらふらしながら、寮の屋上にたどり着いた。
下の方ではAB連合による尻尾鬼をしている。
爆豪は下を見ながら、いつもとは違う景色を見て気分転換しようとしていた。
「ダメだよ!かっちゃん!」
出久が飛び付いて来るまでは・・・
「てめぇ、何しやがる!?」
「1度や2度の負けで死んじゃダメだ!」
「はぁ!?何、言ってんだ馬鹿が!下の奴らを見てたんだよ!!」
「へ?そうなの?」
「勝手に殺すな!」
「ごめん!」
爆豪は憤慨し、屋上を去ろうと動いた。
「かっちゃん、僕、かっちゃんに言わなきゃいけないことがあるんだ」
出久のその言葉に爆豪は耳を傾ける。
「僕の個性、あれ嘘なんだ。信じられないかもしれないけど僕の力は全部修業で手に入れた物なんだ。だから、僕は君を騙してな・・・」
「なんだそりゃ!?」
爆豪は出久と向き合う。
「お前が無個性か個性持ちかはもうどうでも良い!俺は自分の才能だけで闘ったアホでお前はそれを越えたバカなだけだ!てめぇも金髪も二人とも見てるとずっと勝てねぇって思ってた。入学した時にな」
顔に手を当てる爆豪。
鼻を啜る音がする。
「いいか!こっからだ!こっから俺はお前ら二人を越えて本当のナンバーワンになってやる!首を洗っとけ!」
そう言って、出久から背を向ける爆豪。
「・・・今まで悪かったな出久・・・・」
微かにしか聞こえない謝罪を出久はキチンと聴いていた。
そのまま去ろうとする爆豪が屋上のドアに手を掛ける。
「ちょっと待ってよ、何かってに終わってんだよ?君に僕がどれだけ苦しめられて来たかわかってんのかよ!」
爆豪は出久の方を見る。
「僕は君が君が嫌いだ。けど赦せない自分はもっと嫌いだ。だから、僕も宣言させて欲しい。君がナンバーワンに成るなんて絶対にない!ナンバーワンになるのは僕だ!!」
出久のこの挑発に爆豪のコメカミの血管が浮く。
「だと?この野郎?」
「事実、師匠の鬼ごっこで取れてない君に負けるつもりはない」
「上等だ!そこで見てやがれ!一瞬で取ってやらぁ!」
爆豪はそう言って、尻尾鬼の方へ向かった。
「良いのか?出久?」
屋上で隠れていた電気が出久に近づく。
隠れてた理由は、勝己が出久に対して良からぬ事をした場合助ける為だったが、拍子抜けになってしまった。
「何が、電気?」
「もっとキチンと謝らせなくて・・・」
「別に良いよ、あれで満足だよ僕は・・・勝てたしね。変かな?」
「いや、お前が良いなら良いんじゃないか?俺はお前じゃねぇしな」
笑い合う出久と電気は下に降りて食事の準備を始める。
●●●
キッチンで野菜を切っている出久。
電気はトイレである。
そんな時に響香が表からやって来た。
「耳郎さん、どうしたの?」
「あんた、爆豪になんかした?」
「ん?」
「名前なんて死んでも呼ばなかった暴言マンだったのに、全員の名前を言ってんだよ?」
その事実に笑う出久。
どうやら勝己のヒーローアカデミアも始まったようである。
「何もしてないよ」
「ふーん、ま、いっか!」
響香の笑顔に見惚れた出久は包丁の使い方を誤り、指を切ってしまう。
「っ!」
「あんた、何やってんの?」
響香は出久の切れた指がある手を掴んで、自分のポケットの中からバンソーコーを出して、出久の指の手当てをした。
出久は手際の良かった響香をずっと見てた。
「ちょっと何見てんの?恥ずかしいんだけど」
「ご、ごめんなさい!」
「刃物は危ないから気を付けなよ。じゃあ後で」
そう言って去っていく響香。
出久はその姿に見とれていた。
電気がトイレから帰ってくるとボーッとしてる出久に気がつく。
「おい、出久どうした?」
「電気?誰かの事をさ、ずっと思ってても辛くなくて、実際に会って話せない事に胸が締め付けられるんだけど、この感情って何なのかな?」
「そ、それってお前・・・・」
「それは恋ね!」
「「ウワ!!」」
何処からともなく急に忍者のように現れたミッドナイトに二人は驚く。
「緑谷君、君のその感情は恋よ!」
「恋ですか?」
「間違いないわ!私、こういう青春が大好きなの表情撮らせて」
ビデオカメラで出久の表情を撮ろうとするミッドナイトに電気は親友の黒歴史になりそうなこれを全力で邪魔をする。
「ちょっと上鳴君!止めなさい!」
「ダメです!親友の未来の為に!」
「喧しい!」
「おい、出久!お前、誰を好きになったんだよ!」
電気がミッドナイトの邪魔をしながら、出久に聞く。
「恋か・・・そうか恋か・・・」
出久は1人、恋の世界に入って出てこない。
「離れなさい!!」
「ダメですって、おい、出久!そっちに行く前にミッドナイト先生をどうにかした方が出久!出久!!」
電気の声がキッチンに響き渡る。
出久の今は片想いなこの恋は実るのだろうか!?
と言うわけで勝己と出久の関係にある種のケジメをつけさせました。
まぁ、最後の最後のこの爆弾をどう反応してくれるのか楽しみでしょうがありませんが、
批判感想質問、次回のネタバレになるような回答をしなければならない物以外は極力すぐに返しますので皆様、気軽にどうぞ!!
この作品で作者にもっと書いて欲しいキャラは?
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耳郎響香
-
麗日お茶子
-
峰田実
-
爆豪勝己
-
んなもん全員じゃい!