自分やはり、日常系は下手なのを再認識しました。
精進致します。
ではどうぞ!
出久は部屋で黙々と自己分析をしていた。
(切島君との戦闘で下半身の踏ん張りがないと拳に力が入らず、硬化系の個性には不利だってのを考えるとやっぱり腕の力を上げる方が良いのか?けどそれよりも気弾の方が・・・いや防がれる可能性が高い。どうやればあれに対処できるのか、真正面勝負や顎狙いは危なすぎる。硬い上に向こうは威力が高いから多分6対4くらいで分が悪い。そう仮定すると攻撃される前に何とかしないと・・・・難しいぞ)
切島戦の時に露呈した下半身の問題をなんとか対処しようと頭を悩ましていたが一向に良い方法が思いつかなかった。
「うーん、やっぱり難しいな」
出久はそう言いながら部屋を出た。
いつもの分析は個人的な趣味も入っているが折角の休みなのでそれは程々にして出久は談話スペースに行くと誰も居なかった。
折角の休みかつプログラムを終えた一年生にはもう完全に祭りなので皆、出店に行ったり、2年生のプログラムを観に行ったりと楽しんでいた。
「僕も皆と行けば良かったなぁ」
電気以外友達ゼロの生活をしていた出久は完全にタイミングをミスったのと趣味を優先したのでまた1人になっていた。
出久は気を取り直して、自分も出店に行こうと思い部屋に戻ろうとすると勝己が上からボディバッグを背負って降りてきた。
「かっちゃん」
「なんだ、お前は上鳴とかと一緒じゃなかったのか」
「電気は峰田君と師匠と一緒だよ」
「いつものかよ」
「かっちゃんは皆と行かなかったの?」
「あぁ!?さっきまで寝てたんだよ!文句あるか!?」
「いや別に・・・ねぇ、これから出店に行くなら・・・一緒に行かない?」
出久は勇気を出してそう言った。昔に比べたら互いに壁は薄くなってるが出久は勝己にやられた事を忘れたわけではない。だがそれに囚われてる自分からは脱却したいので思いっきって誘ってみた。
勝己は暫く出久を鋭い目つきで見た後、談話スペースのソファに座った。
「5分で降りてこい。でねぇと置いてく」
勝己の返事に出久は驚き固まった。
「さっさとしろ!本気で置いてくぞ!!」
出久は勝己に怒鳴られたので急いで準備する為に部屋に戻った。
部屋着から外行き用に着替えてリュックを背負っで準備した。この時間わずか3分。せっせと談話スペースに降りるとちゃんと律儀に勝己は待っていた。
「かっちゃん、遅れてごめん」
「・・・行くぞ」
(昔なら『遅っせんだよ!クソデク』って罵倒してたのに
・・・本当に変わろうとしてるんだなぁ・・・)
出久は勝己の変化に色々と感じていた。
まだ苦手な部分はあるが本気で変わろうとしてる姿を見て自分も頑張ろうと決意した。
○○○
外は賑わっていた。
昨日のトーナメントでの盛り上がりもあり、より賑わっていた。2人は一緒にいるのは良いが会話がなかった。
(き、気まずい・・な、なんか言い出さないと・・・)
出久はこの状態を打破しようと色々と考えたが何を言っても罵倒された記憶しかなく言い出しにくかった。
そのまま続くかと思ったが不意に勝己が止まった。何かと思って勝己が見てる方を見るとクリリンがアクセサリーショップの前で悩んでいた。
「何やってんだ?」
「困ってるみたいだね・・・行く?」
「・・・このまま当てもなく周るよりはマシか・・・」
出久と勝己はそのままクリリンの方へ向かった。
「う~ん、どうしようかな・・・ん?出久に勝己、どうしたんだ?」
クリリンは悩みながらも気で2人が来たことを察知した。出久は相変わらず凄く便利な技と思い、勝己はまた察知されたと苛立った。
「いえ、クリリンさんが悩んでるのが見えて、どうしたんですか?」
「いや、18号さんとマーロンにお土産でも買おうかなって考えたけど俺ってこういうアクセサリーの類は苦手で悩んでたんだ・・・そうだ!2人も暇なら考えてくれねぇか、こういうのって決めにくくて」
「自分で決めねぇと駄目だろが」
クリリンの言葉に勝己は間伐入れず答えてそのまま去ろうとしたが出久は止まっていた。
「おいさっさと行くぞ」
「でも困ってるし、それにお世話になってるから・・・」
「バカ、そういうのは自分で選んでこそ価値があるに決まってるだろうが」
「それはそうだけど・・・ちょっと待って、アレ見て!」
アクセサリーショップを一目見た出久がはっきりした声で勝己を止めた。
勝己はうんざりしながらも出久が指差した方を見るとポスターが貼ってあった。
『当店の品物をお買い上げのお客様には本日限定オールマイトヤングエイジ風ブレスレットをプレゼントします』
ポスターにはそう書かれていた。
出久と勝己の目が変わった。2人ともオールマイトのファンであり、出久は諸にフィギュアを始めとした数々の限定品を買うほどのオタク、勝己は出久ほどでは無いにしろタオルとかマグカップとかそう言った実用性もあるものや小物は買っていた。
((ほ、欲しい!))
出久はキラキラとした目で見たが勝己は欲しいと思いつつも顔には出さないようにしていた。出久と同じ行動は癪に障るからだ。
「かっちゃん、行こう!」
「・・・・・わーったよ」
2人はクリリンと一緒にアクセサリーショップの中に入った。
〇〇〇
「いやぁ、2人ともありがとな。助かったぜ」
「いえ、僕は自分の欲しい物があったので・・・」
クリリンは2人に助けてもらいながらも18号とマーロンに似合う物を買えたので満足だった。出久もヤングエイジ風ブレスレットにうっとりしていて勝己はニヤけ面を見られるのが嫌なので顔を強張らせてより機嫌が悪そうに見えた。
「勝己は機嫌悪そうだけど大丈夫か?」
「あぁ!?どう見たら機嫌悪く見えんだよ!?」
「・・・充分悪そうに見えるよ」
「黙れクソナード!!」
出久はクソナード呼ばわりされたが平気だった。何故なら本人に自覚があるからだ。
「おい、落ち着けって。そうだ!俺がなんか買って来るよ。何か欲しいのあるか?」
「自分で買ってくるわ!」
勝己はそう言って自分で買いに行った。
これ以上いるとニヤけ面が出てきそうだったからだ。
「う~ん、悪いことしたかな?」
「大丈夫ですよ。嫌な奴だけど照れ隠しが下手なんで」
「良く知ってるな・・・昔からの知り合いか?」
「家が近所だったんで」
出久の言葉にクリリンはキチンと座り直して出久と向き合った。
「聞きたいんだが、出久と勝己の仲が悪いのってなんでだ?」
「え?」
「だって出久って勝己に対しては微妙によそよそしいから気になってよ。もし良かったら教えてくれるか?」
クリリンは優しい声でそう言った。
出久はもう乗り越えた事だからと自分を納得させて勝己との関係を話した。
常に凄かった事で1番だった事、自分が無個性でイジメられてた事、デクと呼ばれ続けていた事、けどそこから修行して最初の戦闘訓練で勝った事で乗り越えた事を赤裸々に語った。
「そうか、辛い事聞いて悪かった・・・ごめんなさい」
「いえ、大丈夫です。乗り越えられたので・・・」
「少し顔が青いぞ」
クリリンの言葉に出久はスマホのカメラ機能で自分の顔を見ると少しだけ青くなっていた。その事に出久は嫌になった。
(乗り越えたんだ乗り越えたんだ乗り越えたんだ乗り越えたんだ乗り越えたんだ乗り越えたんだ乗り越えたんだ乗り越えたんだ乗り越えたんだ乗り越えたんだ乗り越えたんだ乗り越えたんだ乗り越えたんだ乗り越えたんだ乗り越えたんだ乗り越えたんだ乗り越えたんだ乗り越えたんだ乗り越えたんだ乗り越えたんだ乗り越えたんだ乗り越えたんだ。もう大丈夫だ!)
出久はまるで自分で自分を洗脳するのかのようにその事を心の中で繰り返していた。
「やっぱり駄目だな〜、乗り越えた筈なのにまだダメだ・・・」
「出久、それは駄目な事じゃないぞ。そんな経験をしてるんだ。急に仲良く出来なくて当然だ。それを理解しないで進むと人の苦しみが分からなくなるぞ」
クリリンは厳しい目で出久を見た。
それを間近でみた出久は少し緊張が走りつつも落ち着いてきた。
「勝己と一緒に買い物してたのもそんな自分を変えたくてか・・・出久、無理して体を壊すなよ」
「はい・・・でもこのままじゃいけない気がして・・・」
「・・・自分が後悔しないならそれで良いけど体を壊したら元も子もないぞ。心配してくれてる人も居ることを忘れちゃ駄目だ。忘れるなよ?」
「・・・はい!」
出久は少し涙が出てきそうだったがそれを堪えて確りとした返事をクリリンに返した。
クリリンもそれで嬉しくなったのか笑うと勝己が色々な食べ物を持って帰ってきた。
「凄い買ってきたな」
「あぁ!?3人で食べるんだから当たり前だろ」
「相変わらずそこら辺は・・・人がいいね」
「・・・今、みみっちいって言おうとしたな?」
「自覚あるんだ」
3人はそうやってワイワイしつつ、勝己が買ってきた食べ物を食べた。
「「辛ぁ〜!!!」」
但し、激辛であり出久とクリリンは火を吹いた。
〇〇〇
麗日お茶子は元気だった。
体育祭では負けてしまったがこれから鍛えようと決心していた。そこら辺はさっぱりしていた。
今日は折角の休みなのでお茶子は少しだけ羽目を外して楽しんでいた。
梅雨や響香、百と一緒に楽しく出店を回っていた。
「ここのたこ焼き美味しいね」
「確かに美味しいわ」
「焼いてる人がヒーローとは思わなかったけどね」
「ファットガムさん、警備に来ていた筈では?」
4人はなぜかたこやき屋をやっていたファットガムからたこ焼きを買って食べていた。
満喫し終わるとまた新しい出店を探す。
祭りのようなタイプの出店からプレハブの店を構えている所まで沢山あり、楽しく回って遊び歩き、気がつけば昼も過ぎて夕方になっていた。
「う~ん、遊んだ!楽しかったね」
「そうね、私も楽しかったわ」
「ウチもヤオモモは?」
「楽しかったです。私、あまりこういった事をしてこなかったので新鮮でした。友達と遊べて嬉しいです」
百の純粋な発言に嬉しくなったのか3人は笑ってそのまま寮に戻った。
寮に着くとお茶子は自分の部屋に戻ってベッドの上に横になった。
そんな風に気楽にしていると携帯が鳴ったのでお茶子は電話に出た。
「もしもし、お父ちゃん。どうしたん?」
「いやー、昨日の今日でお疲れって言いたかったんやけど寮やから行けなくてな。ホテル代なんか無いし、寂しくしとると思って」
「んなことないよ。もー、心配性やな。お父ちゃんらの方は元気?」
「おう、元気やで。お茶子もヒーローになるために元気でな」
「それ昨日も言うたよ」
「あれ?そうだっけ?」
「気いつけてな。ヒーローになってハワイに行かせるまで」
「はは、楽しみにしてるで」
電話が終わり、お茶子はなんとなしにベランダに行って外を見てみた。夕方と夜との中間辺りで薄暗かった。
そのまま休みなのでなんとなしに外を見ようかとのんびりしてると寮の外で悟空とチチが戦っていた。
(!?!?!???)
お茶子は一体なんなのか気になって、ベランダから自分に浮かせて降りて近くまで行った。
(何なんかな?まさかの夫婦喧嘩!?けどそんな怒号とかも飛んでへんしな)
う~んと悩みながら近くに行って物陰から見るお茶子。
そこで見たのは、悟空に攻撃してるチチだった。しかもかなり強い蹴りと突きをしていた。悟空はそれを軽くあしらっていた。
「チチ、オラそろそろピッコロとかベジータとかとやりてぇぞ」
「駄目だ。ピッコロさやベジータさんとやると絶対に迷惑が掛かるからオラで我慢するだ」
「ちぇ、チチはケチだな」
「悟空さ、いい加減にしねぇと飯抜きにするだよ」
「いィ!?それは嫌だ!わかったよ」
悟空とチチは夫婦喧嘩ではなく、悟空の欲求不満の解消をしていただけだった。
お茶子はそれを見てホッとしつつ、その様子を見ていた。8割が暇なのが理由でもう2割はチチの動きが綺麗だったからだ。
(綺麗だなぁ)
「お茶子も見るんだったら出てきた方が良いぞ」
悟空がチチの相手をしながらお茶子の方を向いて言った。言われたお茶子はドキッとしながらも物陰から出た。
「あら、お茶子ちゃん。どうしたんだ?そったら所から見て」
「い、いや〜・・・それよりチチさんって凄い動けるんですね!綺麗です」
「いやだなぁ、オラもういい歳なのに若い子から綺麗だなんて」
お茶子からの言葉にチチは純粋に照れた。悟空は言ってくれず、悟飯や悟天には言われるがやっぱり自分よりも若い子に言われるのは嬉しかった。
「そうだ。お茶子もやったらどうだ?結構楽しいぞ」
悟空の提案にお茶子は驚き、そしてチチは反対した。
「ダメだ悟空さ!お茶子ちゃん達は、今日休みなんだ!疲れさせてどうするだ!?オマケに悟空さは加減が下手なのにそったらことさせるか!」
チチは悟空に詰め寄って大声で叱るが、悟空は一切顔色を変えなかった。段々と悪くなってくる雰囲気の中でお茶子はこの雰囲気をなんとかしようと一言言ってみた。
「私、やってみたいです。悟空さんに教えて貰えるなんてラッキーですし」
「待つだ!悟空さは見ての通り、加減が下手でオマケに人の事なんて全然気にしない人だ。悟空さとやったら絶対に危ないだ」
「チチ、酷えぞ」
「酷えのはどっちだ?」
「だったらチチがやるのはどうだ?別にチチもそう簡単にはやられねぇだろ?」
「そりゃまぁそうだけどさ」
お茶子はこの悟空の案に首を縦に振った。
先程から見ていてチチの動きが綺麗だった事と悟空がヒートアップしてくると止まらない事は良く知っていたからだ。
こうしてお茶子とチチの軽い手合わせが始まった。
2人とも互いに向かい合って構える。
「それじゃ、5分で終わりだべ。晩飯の準備もあるから」
「はい、よろしくお願いします」
こうしてお茶子とチチの組手が始まった。
最初に動いたのはお茶子だった。先手必勝、すぐに決めようとしてチチに突っ込んで行くがチチはそれを避けた。お茶子は自分の五本指で触れば浮かせられるので触ろうとするが一向に触れない。
チチはそれを全て軽々と避けていた。
こうもやられてくると少しムキになるものでお茶子は一か八かチチに突っ込んでいった。
するとチチはお茶子の頭を飛び越えてお茶子の肩に手を置いた。
「はい、これ以上は休みなのに疲れるから終わりだよ」
「えぇ〜、チチ。もうちょっとくらい良いじゃねぇか」
「ダメだ!」
先程と同じように言い争いを始める悟空とチチ。
すると悟空は観念したのか一人で鍛え始めたのでお茶子はチチと一緒に寮に戻っていく。
「チチさん、凄かったです!手も足も出なかったです!」
「いや、ちょっと危なかっただ。やっぱり歳たべ」
「・・・でもあんなにスイスイ避けて、触れなかった」
「あれくらいなら基本を覚えれば簡単に出来るようになるべ」
「本当ですか?」
「んだんだ、ちょっと体の使い方を覚えれば色んな事が出来るようになるだよ」
チチの言葉にお茶子はまず体の使い方から始めようと新たに決心したのだった。
〇〇〇
響香はノビノビとしていた。
久しぶりの休暇で修行も無しで皆と遊べた事を喜んでいた。明日は何をしようかと考えながら談話スペースでノンビリしていくと電気と実と亀仙人がコソコソと上に上がっていくのが見えた。
響香はまた如何わしい物を手に入れたなと思い、呆れて無視した。
「今、あの3人。絶対に邪な事を企んでたね」
透が3人を見ながらそう言った。
「そうだね。って透、何するの?」
「いや、ちょっとね」
透はそう言って部屋に戻っていった。
響香は別に特に気にする事でもないので自分も一回部屋に戻ろうと少し遅れて3階に行くと、透のドアが独りでに開いた。
「透?」
そして独りでにドアが閉まった。
個性の影響で聴覚が鋭い響香は自分の隣をペタペタと歩いてる音を聴き逃がさなかった。
「って、あんた何してんの!?」
「ちょっと、3人が悪い事をしてないか見てくる!」
「本音は?」
「ちょっと面白いこと起きそうだから!」
透はそう言って走っていった。響香は1人全裸な透が欲望まみれな3人の所に行って万が一にでも見つかったら、鼻血まみれの倒れてる3人の中で返り血を浴びて浮かび上がる透明人間というスプラッターコメディみたいな状況が思い浮かんだ。
響香はさっさと連れ戻そうと透を追い駆ける。
聴覚の鋭い響香は必死に追いかけて実の部屋がある2階に来るが運悪く踏影、優雅、それに出久とクリリンがほぼ同時に部屋に入ったのと同じタイミングで透を見失った。
(あいつ、何処に行ったんだ?まさか、ウチから逃げるために何処かの部屋にどさくさに紛れて入ったんじゃ?)
響香は辺りにイヤホンを伸ばして聴いてるが全く分からず、非常に気が進まないのもあって帰ろうか考えた。
(このまま帰った方が良いか?いや、他の人らも男だし、流石に透明人間とはいえ全裸の娘を放っておくってのは駄目か・・・皆、ごめん。頼むから変な事はしてないでよ・・・)
響香は謝りつつも自分のイヤホンをドアに突き刺して探す事を決めてまず、踏影の部屋に刺した。
物静かで落ち着いてるイメージの踏影だがイヤホンを刺して聴こえてきた声はそんな響香のイメージを吹き飛ばした。
「おお、素晴らしい!これぞバッドボーイのアズラエルブレードの決定版だ。美しい。俺もいつかこれに負けないくらいの剣を。
(いや、黒々黒ってどんなネーミングセンス!?)
響香は踏影の言葉を聴いて内心ツッコミながらも透を探したが見つからなかったのですぐにイヤホンを抜いた。
色々と聴いては行けなかった気がする物を聴いてしまって響香の精神は削れた。
だがさっさと透を見つけて帰って忘れようと決めて次に優雅の部屋にイヤホンを刺した。
「あぁ、このキラメキは誰にも止められない!」
(・・・ここには居ないな)
あまりにも普段と変わらない言動に響香はもはや何もツッコむまいと心を無にして透が居ないのを確認するとさっさとイヤホンを抜いて今度は出久の部屋に刺した。
「だから俺としてはアタックをかけた方が良いと思うんだ。でないと好きって感情はわかんないだろ?」
「でも、そんな接点もないし・・・迷惑だと思われたら・・・やっぱり、もっと親しく・・・」
(うわぁ、恋愛相談じゃん)
恋愛事が苦手な響香は一先ず抜こうとした。
「でも、そんな悠長な事を言ってると響香ちゃん。他の誰かと付き合うぞ」
「クリリンさん!そんな大きな声で言わないでください!!」
「出久の声の方が大きいからな」
だが、イヤホンを抜く前にそんな話が聞こえてしまい、響香は固まった。
(へぇ、緑谷の好きな人は響香・・・響香・・・響香・・・ってウチじゃん!?いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや、待て待て待て待て・・・キョウカって名前が一緒の同名・・・)
「でも耳郎さんと話すと緊張しちゃって・・・」
「大丈夫だ、死にはしない」
(耳郎響香って完全にウチじゃん!えぇ、嘘!?)
響香は顔を真っ赤にした。流石に同姓同名の別人が居るとは思わないし、その可能性は低いと思った。
どう反応すれば良いのか響香は出久の部屋にイヤホンを刺したままだと不味いと思い、すぐにイヤホンを抜いて逃げるように自分の部屋に戻った。
「ワオ、緑谷君は耳郎ちゃんが好きなんだ」
透は出久の部屋の片隅で隠れながら、それを聴いていた。単純に響香から逃げる為に入ったが予想外の面白情報を収穫できたと内心面白がっていた。
クリリンは透の存在に気付いていたが何も言わなかった。何故ならクリリンは透のイタズラ・・・ではなく透が出久に気があると勘違いを起こしたのと透が透明人間とはいえ、全裸なのでそれを言ってばらすのは気が引けたからだ。
思いもよらない状況で恋心がバレた出久。
そしてそれを知ってしまった響香。
2人はどうなる?
そして、この事を知った透はどう動く!?
さて、色んな意味で次が気になる方もおりますので次回は作者としても念願の出久と響香のデート回じゃ!!
じっくり書きたいので最大で2週間下さい!
頑張ります!!!