僕の亀仙流アカデミア   作:怪獣馬鹿

36 / 41
お待たせしました!!
それでは後編です。
そして漸く遊泳体育祭編もこれで終わりです!
次回からはステイン編です。
出来ればコンパクトに纏めたいので頑張ります!
そしてゲストもお楽しみに!




出久と響香のデート!? part2 DEKU:ZERO

(耳郎ちゃん、大丈夫かな?)

「葉隠さん、どうしたの?」

「ううん、何でもない!さ、楽しも!」

 

透は猿夫と一緒に周っていた。昨晩、響香にあれこれと言っていたが透も別にそこまで色々と知ってるわけではないので、今度聞かれた時の為に友達の猿夫と一緒に楽しんでいた。

 

(何で葉隠さんは俺と一緒に?)

 

猿夫は透に誘われて周っていたがなぜ普通な自分なのかと内心色々と考えながらも楽しんでいた。そこは健全な男子高校生だった。

 

 

 

〇〇〇

響香はトイレの個室でロングソックスに履き替えていた。無事に脚を隠せる為に買えたのですぐに響香は出久に言って履き替えていた。

 

「うぅ、恥ずかしかった。緑谷もチラチラと見てたし・・・」

 

響香は確りと出久からの視線に気づいていた。チラチラと見てていじらしさを感じ、響香的にはマイナスだった。

 

「綺麗な足か・・・恥ずかしいこと言いやがって・・・」

 

響香は初日に出久に言われた事を思い出しながら、悪態をつくが不思議と嫌な感じはあまり無かった。外見に多少のコンプレックスはあるし、褒められたのは恥ずかしいが嬉しかった。

少しだけ浮足になりつつもちゃんとロングソックスを履いて準備万端になり、響香はトイレを出ると見たのは・・・

 

「ねぇ、初日のカッコよかったわよ」

「ホントホント、ファンになっちゃった」

「ねぇ、私達とお茶しない」

「色々と聞きたいなぁ」

「え!?いや、その僕は今・・人を待ってるので・・・」

 

出久が大勢の女性に絡まれている所だった。

イラッ・・・

しかも、絡んでいたのは自分よりもプロポーションの良い女性ばかりだった。

ちょっと楽しさを感じていた心が一気に冷めてきた。

しかも出久は大勢の女性に言い寄られた事がなく、恥ずかしさで顔を赤くしていたのでそれがより響香を苛立たせた。

 

「じ、耳郎さん!す、すみません。僕、彼女と今は楽しんでるので!!」

 

出久は響香を見るとすぐに響香の手を取ってその場から離れた。後ろで女性たちが何かを言ってるが脇目も振らずに去った。

 

 

 

 

 

〇〇〇

「よっしゃ!これで成功だぜ!」

 

実はその様子を見ながらガッツポーズを出していた。あまりにもイチャイチャしてる出久と響香に実は目蔵の拘束を抜け出してトーナメント2位が居ることを広めた。

トーナメント2位は伊達ではないのとオマケにかなりワイルドな戦いに最後はなったので人気があった。

自分好みの女性に広めたのは些か屈辱的だったがなんとか耐えて実は出久と響香の仲を引き裂くことに集中した。

出久が女性に絡まれていて苛立っている響香を確りと実は見た。

 

「峰田、いい加減にしろ」

 

一足遅れて目蔵は実を捕まえた。逃してしまった事に恥じながら、今度は実を完全に拘束した。

 

「フハハハハハハハハ!!もう既に計画は成功したのだフハハ!!」

「緑谷、耳郎・・・すまん」

 

目蔵は2人に詫ながらそのまま実を連れて離れた。

 

 

〇〇〇

暫くして漸く人目が少ないとこまで来れたが響香は何時までも握ってる出久の手を振り払った。

 

「あ、そのごめんなさい」

「は?ごめんって何?」

「え?いや、その・・・」

「はっきり良いなよ・・・大勢の女に囲まれてさぞかし嬉しかっただろうね」

「そ、そんなわけないよ!」

「どうだか・・・アンタも男だし・・・ウチよりも発育良い人達だったし・・・内心嬉しかっただろ?」

「う、嬉しくは・・・」

「音がホントだって言ってんだけど?」

 

響香は静かに睨んだ。イヤホンで出久が実は少しだけ喜んでるのはわかっていた。それをすんなり認めればまだ許してやろうかと考えていたが嘘をつかれてより腹が立った。

 

(・・・ってウチは何をこんなに怒って八つ当たり・・・いや、悪いのは嘘ついた緑谷だし・・・ウチが悪いのか・・・いや、そんなわけ・・・なんか疲れた・・・)

 

響香は1人、歩き始めた。

 

「じ、耳郎さん!?ま、待って!」

 

出久は追いかけるが2人に気まずい雰囲気が流れる。

どうするかと悩み始める2人。

 

(どうすれば許して貰えるんだろう)

(この空気やだなぁ)

 

「ねぇ」

 

出久と響香は突然聴こえてきた声の方を向くと3人の子供が出久の服を引っ張ってた。

 

「?どうしたの?」

「お前、緑谷デクだな。2位の。個性見せろ!」

 

出久は急に1人の勝ち気そうな子に言われて頭を混んがらせた。響香もそれを見ながら、不思議そうにその子を見る。

 

「俺は気弾操児。お前よりも上手く弾を操れること証明してやる!」

 

ビシッと出久は宣言と共に指をさされた。

 

「操児君、止めようよ。困ってるよ」

「そうよ、それに緑谷出久よ!名前間違えないでよバカ!」

「うるせぇ、見人も冷奈も見てみてぇって言ってたじゃないか!」

「ちょっとちょっと喧嘩しないで」

「ほら、こっちも困るでしょ?」

 

出久と響香は3人の言い争いを止めて話を聞くことにした。なんでも操児がトーナメントで強かった出久に対抗心を燃やしていてそれで見人と冷奈を連れてきたと言う事らしい。

 

「なるほどね。僕のアレに挑みに来たって感じか〜」

「そうだ!俺と勝負しろ!」

「気弾って言ったっけ?それ無理だ。個性の使用は基本的に禁止になっててヒーロー免許を持ってないと出しちゃ駄目」

「ほら、操児君。やっぱり駄目だって」

「だから言ったじゃない」

「うるせぇ、俺は絶対にやるんだ!!」

 

それでも勝負すると言い続ける操児に困る出久と響香。操児は操児で少し涙目になりかけていた。困った面々だがそこに1人の男がやってくる。

 

「HeyHey、お前ら待て待て!」

「プレゼントマイク先生!」

 

そこに現れたのはプレゼント・マイクだった。出久と響香はこの時間だと実況席に居てそうなのにこの場に居ることに疑問に思った。

 

「先生、実況は?」

「聞いてくれよ緑谷、それが校長ったらあの人の司会が気に入ったみたいで全部交代にしちまったんだ!それでここでヤケ食いしてた!」

「ありゃま・・・」

 

半分泣きながら言ってるマイクに出久も響香も憐れみを感じた。エンターテイナーであるマイクゆえにその悲しみは大きそうと思った。

 

「それよりも話は聴いてたぜ。俺の権限で使用許可OKにしてやる。その代わり、お互いに個性をぶつけるのは禁止だ。どうだ?」

「え!?大丈夫ですかそれ?」

「良いって!流石に俺も危険な事はさせねぇし。どうだ?」

「サンキュー、プレゼントマイク!」

 

マイクの言葉に1番早く反応したのは操児だった。既に使えることに思いっきり笑ってマイクの手を引っ張ってるので出久と響香はそんな姿を見てると断れなくなり、了承し、そのまま全員、森が多くて人目に付かない森林ステージに足を運んだ。

 

「こういう森モリしてる所は好きじゃねぇが他は危ない所もあるからここが1番安全。さぁ、お前ら!思いっきりやれ!この俺が実況してやる!!」

 

マイクがそう宣言すると操児が両手を合わせ、空中にエネルギー弾を作った。出久の気弾と似ていたが青色の気弾とは違い白色だった。

操児はそれを自分の周りを飛ばし、それどころか3個もエネルギー弾を作ってジャグリングのように自分の前で動かし、最後に遠くにある木に向かって3発当てて木の表面を削った。

 

「ワオ!こりゃ実にエキサイティングな個性だぜ!その歳でこりゃすげぇ!」

「先生、実況出来ないからってこんな所でやります?」

「頼むやらせてくれ!一年間の楽しみの1つなんだから!」

 

マイクの言葉に響香はツッコミを入れつつ、隣で目をキラキラと輝かせていた出久を見た。

 

(緑谷は気とかあるけど、理屈とかじゃもうないんだろうなぁ)

 

響香は出久のそういった部分を見ながら思った。選ばれた時に行った2対38の戦闘訓練で無個性と知り、一回負けてしまった。そして次で引き分けた後に響香は響香で多少は無個性について調べたし、勉強した。

ただ、やはりここらへんの感覚は違うのかなと改めて考える。

 

「へへ、どうだ!?俺の個性は凄いだろ!」

「うん、凄い!エネルギー弾の操作は僕よりも遥かに凄い。僕のあんなふうにジャグリングが出来ないからより大雑把な感じになって避けやすい。けどあれなら避けにくい軌道になればかなり有利だ。更にいうと攻撃力もあって高すぎない。高すぎると敵確保の時に余計な被害を出さなくてすむ。凄く良い個性だと思うよ!」

「お、おう」

「ひっ!」

「こ、怖い!」

「緑谷・・・やりすぎ注意だ」

「だからアンタのブツブツは傍から見ると怖いんだって!」

「あ!?ご、ごめんなさい。つい癖で・・・」

 

出久はそう謝ると操児と交代した。

両手に繰気弾を作ると出久は少しだけ周りに飛ばすが操児のエネルギー弾ほど操作性は良くない。より直線的であるし、威力が大きすぎてそんなに自分の近くで操れない。

適当に回して最後に操児と同じ木に繰気弾を当てて完全に圧し折り、折れた木が2次災害を生まないように細かく繰気弾で砕いた。

 

「こりゃ、緑谷の方がやっぱ威力高ぇな!アメイジング!!」

「凄い。操児君よりも強い!」

「カッコいい!」

「やっぱり、緑谷のそれチート級だよね。他にも色々と凄いのあるけど」

 

操児以外の面々は出久の気弾の強さに対して様々な反応をし、操児は出久をギッと睨んでいた。

 

「うぅ、もう一回勝負だ!!」

「操児、もう諦めなってこれ以上は迷惑よ」

「そうだよ、わざわざデート中の所を邪魔してまでやってもらったのにこれ以上は駄目だよ」

「うるせぇ、俺は負けてねぇんだ!!」

 

操児はそう言うと走って何処かへ行ってしまった。見人と冷奈も彼の後を追っていった。何度も出久達に頭を下げながら。

 

「OH〜、随分と跳ねっ返りそうな子供だな!元気なのは良いことだぜ!」 

「プレゼントマイク先生、個性の許可ありがとうございます」

「良いって事よ~それより、お前らデキてんの?」

 

マイクが誂うつもりで言った1言だが2人は実に微妙な反応をした。2人ともさっきまでの微妙な雰囲気を思い出したのだ。

 

「あれ?」

「別にデキてません。緑谷はもっと発育の良い女性の方が好きそうですので」

「いや、待って耳郎さん。だから誤解だって」

「どうだが、ニヤニヤしてたし」

「ニヤニヤなんかしてないよ!」

「いや、してたね!」

 

そのまま言い争いを始める出久と響香。

響香はまた怒りが沸々と出てきて、出久は言われっぱなしが癪に触り、2人とも語気が強くなってきた。

 

「お前ら、これはあれだな。痴話喧嘩ってやつだな!」

「「痴話喧嘩じゃないです!!」」

「落ち着けって、そんなんじゃ折角の大事な休日が台無しだぜ!」

 

出久と響香はマイクの1言にハッとなった。なにせ、折角の休日だと言うのを2人は忘れていた。明日からはまた色々と忙しくなるのにその大事な休みが喧嘩とか嫌な雰囲気で終わるのは勘弁だったのだ。

 

「耳郎さん、ごめんなさい。言い寄られた時にはっきりと断るべきだったし、内心ドキドキしてたのも正直に話すべきでした・・・ごめんなさい!」

 

出久は響香にそう謝った。それを受けて響香は思うところも無くはないが折角嫌な雰囲気が無くなるのを止めるほど子供でも無かった。

 

「いや、ウチもごめん。勝手にキレたりして・・・ちょっと冷静になれば良かったのに・・・ごめん」

「い、いや。耳郎さんが謝る事じゃ」

「このままじゃ、ウチの気が収まらないの!だから仲直りはダメかな?」

 

響香はそう言うと手を前に出した。

これで仲直りしてお互いにもう何も言わないという意味だと出久は受け取り、握手した。

2人ともそうやると冷静になってきて、なぜ色々と拗れたのかゆっくりと手を握ったまま考えていく。

 

(僕のバカ!折角のデートで休日なのに嫌な気分にさせて許してくれたから良いものを絶対に嫌われた・・・)

(ウチってば何やってんだろ?折角の休日で初めてのデートでこんな事して・・・うわ、嫌な女すぎない?)

 

冷静になってくると2人は先程までの自分の態度に嫌悪感を覚えてきた。今度は暗い雰囲気になりながらも2人は手を握ったままだった。

 

「若いって良いな」

 

マイクが出久と響香を見ながらそう云うと2人とものずっとニヤニヤしながら握ってる手を見られていた事に気づいて今度は顔を真っ赤にして離した。

 

「お前ら、マジで百面相的で面白いな!」

「マイク先生、からかうのは止めて!」

「そうです!止めてください!」

「悪い悪い。でもそうやって色々と楽しめ、折角の青春だし、大事な思い出になるんだからな!俺も相澤と・・・それに皆との青春を楽しんだから今があるしな!」

 

色々と含みがありそうな言い方だと響香は思った。不自然に消太と皆の間に誰が居そうな感じはあったがそれを無下に聞くほど無粋では無いので、素直にその言葉を胸にしめた。

 

 

 

 

〇〇〇

操児は森の中を走り、ガンガンとエネルギー弾で辺りの木に八つ当たりしていた。エネルギー弾の出し過ぎで手が熱かったが気にしなかった。

 

「クソッ!俺の方が強いのに〜!!」

 

操児はそう叫びながら泣き始めた。

齢7歳でエネルギー弾という強い個性を持っていた彼にとって出久はまさに自分の上位互換だった。個性と気との違いはあれど自分よりも強い気弾を撃てて操れる出久に対抗心が生まれた。

そして、自分の個性に自信があった操児は友達の見人、冷奈と一緒に来て見事に負けた。

 

「もう、八つ当たりは止めなさいよ」

 

追ってきた冷奈がそう言い、見人が個性“分析視”を使って操児を見た。

 

「操児君、手が熱くなってるよ!やりすぎだよ!」

「うるせぇ、大丈夫だ!」

「大丈夫なわけないでしょうが!」

 

冷奈は呆れながら操児の手を取って個性“急冷”で冷やした。急に冷やされていくのが気持ちよく、少し張っていた気が緩んだ。

 

「もう、褒めてくれた個性なのに駄目にしちゃうかもしれないでしょ!」

「そうだよ、今日は負けても次の時に勝てば良いんだよ」

「俺は今日、勝ちてぇんだよ!」

「もう我儘ばかり言っちゃって!」

「うるせぇ、お前はママか!?」

「誰がママになるもんですか!」

「2人とも落ち着いて・・・そうだ!なら今度は3人でやろうよ!」

「「はぁ!?」」

 

見人の提案はこうだった。

自分が場所の弱点を分析して見てそこに操児の最大のエネルギー弾を当てる。んで熱を持った操児の手は冷奈で冷やすという物だった。

 

「良いじゃん!やってみようよ。流石、見人!」

「いやぁ、それほどでも〜」

「それって、俺と見人の2人だけじゃねぇの?」

「私がいないと熱くて次なんて撃てないじゃない」

「撃てるわ!」

「2人とも止めてよ〜。それよりもやってみようよ!」

 

見人の意見に沿って3人は準備した。そして見人はまず、操児が八つ当たりして少しボロボロになってる木を見た。

 

「よし、まずはあの木の外側に当てて3回当たれば良い筈だよ」

「よっしゃ!」

 

操児はそのまま見人の言われた通りにエネルギー弾を連続で当てた。すると当たった部分が抉れた。操児はそれに喜びつつも冷奈に手を出した。冷奈は単純な操児に呆れつつも手を冷やしてあげた。

 

「スゲェ!これなら緑谷デクに勝てる!」

「だから名前が違うって!」

「もっとやろうぜ!」

 

操児はそう言ってドンドンとエネルギー弾を出しては見人の指示に従って木を抉り取っていき、冷奈は操児の手だけでなく、たまに見人の目も冷やしたりとバックアップを頑張ってた。

そして気が済んだのか操児が止まり、見人と冷奈の方を見た。

 

「見人、冷奈!これからリベンジに行くぞ!絶対に今度は負けねぇ!」

「でも、木は1本も折れてないから勝てないと思うわよ」

「今度はコントロール対決だ!見人と冷奈と3人で勝つ!」

 

操児の意気込みに見人と冷奈もノセられて意気込む。

何だかんだ言って2人とも個性を思いっきり使えて気持ち良い。折角、許可が出てるのにあまり使わないのは損だと考えていた。

その時、バキバキバキと何か折れる音を3人は聴いた。

それは先程からずっと抉り取っていた木が遂に折れた音だった。

3人は急な事にわけがわからず、止まってしまった。

 

「「「うわぁぁぁぁぁ!!!」」」

 

叫んでその場に蹲る3人。

大怪我どころか命すら危うい状況だった。

 

「繰気弾!」

 

しかし、それは突然とやってきた繰気弾で殆ど粉砕された。最後に一本だけまだ操児達に向かって倒れてきていたが、気で物凄い速さで来た出久の蹴りで吹き飛ばされた。

 

「君達、大丈夫!?」

 

出久が3人にそう聴くとホッとしたのか皆、涙を浮かべて出久に抱きついた。

 

「「「ウワァァァァ!!怖かったぁ!!!」」」

「よしよし、もう大丈夫だよ!」

「緑谷!」

「お前ら、無事か!?」

 

3人とも怪我はなく、一息つくがあれだけ派手にやってしまったので純粋に警備をして駆けつけたハウンドドッグに個性の危険使用として全員怒られた。特に勝手に許可を出したマイクは減給と謹慎まで受けた。

出久と響香に関しては反省文10枚で許して貰った。操児達は怖い思いをしたのと激怒するハウンドドッグが怖すぎてキッチリ反省したので許してもらい、ハウンドドックはそのままマイクを連行して去った。

 

「いやぁ、大変な目にあった」

「皆も勝手な事をするとこうなるってわかった?」

「はい」

「ごめんなさい」

「もう勝手な事しません」

 

3人とも意気消沈していたがきっちりと反省したのがよく分かる。

 

「お、俺!絶対にもっと強くなる!今度は友達を危険に合わせないように強くなるし、頑張る!そしたら、また勝負してくれるかデク兄ちゃん」

「・・・うん、その時はちゃんと色々と安全を確保してからまたやろうね」

 

出久がそう言うと操児は笑顔になった。やったやったと純粋に喜んでる姿に出久は見ていて嬉しくなった。

 

「デク兄ちゃん、次は勝つからな!」

「僕も負けないように頑張るよ・・・後、僕の名前は出久って読むんだ」

「デクって書いてるのに?」

「だから出久だってさっきから私も見人もずっと言ってるでしょ!?」

「操児君、謝ろうよ」

「う、間違えてごめんなさい」

「別に良いんだよ。ただ木偶の坊のデクって言われてたから・・・ちょっとね」

「でくのぼうって何?」

「役立たずって意味で悪口だよ・・・緑谷もこういうのはちゃんと訂正しないとダメだろ」

「うっ、すみません」

「ご、ごめんなさい、俺、そんなつもりじゃ・・・ごめんなさい!」

「良いんだよ。別にね・・・」

 

涙目になりながら謝る操児に出久は笑って問題ないと答えた。これで一々キレるほど出久は子供ではなかったからだ。

 

「酷い悪口ね!誰がそんなの言い出したの!?」

「そうです!出久兄ちゃんは何でもできるのに!」

 

冷奈と見人の気遣いと優しさに出久は涙が出そうな程嬉しかった。まぁ、その言い出した本人との関係を思い出すと色々と複雑な感情も出てきた。

 

「じゃ、出久兄ちゃんがデクって名前を使ったら、デクって“何でも出来る”って意味になるな!」

「ふぇ?」

「だから操児君!」

「良い加減にしなさいよ操児!」

「あっ、出久兄ちゃん。ごめんなさい!!」

「い、いや。良いんだよ!うん、ちゃんと謝れるのは良いことだし!僕は大丈夫」

 

その後、操児達は体育祭の出店を楽しんでくると言って去っていった。出久は最後に操児に言われた事を思い出しながら手を振っていた。

 

「あ~~!!??」

「ど、どうしたの!?耳郎さん!」

「不味い!もうすぐライブが始まる!」

「あー!!??」

 

出久と響香は時間を確認するとライブまで後、5分も無かった。完全に走っても間に合わなかった。出久は時計を見た後で響香を抱きかかえる(所謂お姫様だっこ)。

 

「ちょ!?緑谷、何してんの!?」

「ごめん、掴まってて!」

 

出久はそう云うと気を使って跳躍した。

 

「ちょ!?緑谷、これ怖いし、恥ずい!マジで恥ずい!」

「ごめんなさい。でも休みで折角楽しみにしてるライブなのに間に合わないなんて勿体ない!」

 

出久がそう真剣な目でそう言い切ると響香は顔を真っ赤にしながらも落ちないように抱きついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

〇〇〇

ライブ会場の少し前につくと出久は響香を下ろして走った。

 

『今日は来てくれてありがとう!!』

 

目当てのクィーンガンズのリーダーがそう叫んでるのを見て2人はなんとか間に合ったと安堵した。

 

「良かった間に合った!」

「良かった・・・けど、むっちゃ恥ずかった!マジで緑谷、ああいうのはもう止めて!恥ずいから!」

「うっ、ごめんなさい!」

「でも、ありがとう・・・」

 

響香は出久の顔を見ながら言った。言われた出久はその言葉に嬉しくなると同時に恥ずかしさがこみ上げてきて顔が真っ赤になった。

言った響香もそれを見てまた恥ずかしくなってきたので顔が赤くなり、2人とも相手の顔が見れなくなった。

 

『今日は年に一度の雄英体育祭!日本最大のイベント!!盛り上げるぜぇ!!まず一曲目はコレだ!!』

 

クィーンガンズはオリジナル曲が存在しないコピーバンドのヒーローチーム。あくまでも本業はヒーローであると同時に音楽関係は趣味の一環でプロではなくアマチュアであるという価値観から弾くのは全て既存曲でしかもこういったライブの報酬は貰っておらず、全てが非営利団体などに寄付されてる。

また、基本的に演奏できない曲が無いのでライブの時はくじ引きで弾く曲を選出してる。

そんな彼らが引いたクジを見て叫んだ。

 

『一曲目はSWEETのTeenage Rampageだ!いいねティーンエイジャーらしくて!』

 

そう叫ぶと出久や響香も含めて盛り上がった。体育祭に来てるだけあって老若男女様々な個性の人間がいるが若者が多いのでやっぱりこういった曲が1番盛り上がるのだ。

曲はその後も名曲や新曲関係なく続いていき、観客も熱狂していた。3年の体育祭が行われているがそれに負けないくらいの熱狂があった。

 

出久は純粋にそれを楽しみながら響香の方を見ると彼女は今まで見たことがないほど嬉しそうに笑顔で楽しんでいた。

出久はそんな響香にますます見惚れていた。

こうして2人の初めてのデートは色々とありながらも満足出来るものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇〇〇

無事にライブが終わり、2人はバレると恥ずかしいのでバラバラに寮に戻った。

夜に最後の休日としてまた全員で盛り上がった。いつもはノリの良くない方である焦凍や勝己もどんちゃん騒ぎはしないが付き合っていた。

そんな中、出久は人目を避けて寮の屋上に上がった。

 

「何でも出来る“デク”か・・・」

 

操児に言われた事を出久は思い出していた。

そんな風に考えたこと無かった出久にとってその考えは新鮮だった。

 

「どうしたんだ出久?」

 

後ろから声を掛けられて振り向くとそこにはバーガーを2つ持った電気がいた。

 

「電気、ちょっと考え事しててね」

「そうか・・・」

「ねぇ、僕達は本当にヒーローになれるかな」

「どうしたんだ急に?」

「いや、桃白白に勝つために鍛えてるのに昨日と今日は楽しみ過ぎなんじゃないかって思っちゃってね。無粋なのはわかってるけど、ただ・・・」

「なれるじゃなくてなるんだろ?」

 

電気は出久の隣に来て持ってたバーガーを1つ渡した。

 

「楽しんでいいじゃねえか。楽しんで楽しんで大事な思い出になるから、俺たちやヒーローってのは頑張れるんじゃないかな?」

「・・・電気・・・そうだよね、僕達が守ったりする日常を僕達が分からなくなったら辛いよね」

「あぁ、だから今は・・・兎に角楽しめ!」

 

電気はそう云うと渡した筈の出久のバーガーを奪った。

 

「ちょっと!?それ、僕の為のバーガーじゃないの?

「誰もそんな事、言ってねぇよ。これはのんびりしててバーガーを食えない出久に見せびらかす為に持ってきたんだよ!」

「なんていじらしいことを!待て電気!」

「待つか!」

 

2人はそう笑いながら、バーガーの取り合いを始めた。2人ともこの瞬間、この幸せ、この日常が続くことを心から願った。




次回から暫くはステイン編なので悟空らの影が薄くなりますがヒロアカ原作なのでご注意を!
頑張ります!
出来れば6話か7話で終わらせたい!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。