次は少しかかるかも知れませんが頑張ります!!
天晴と航一がステインと戦闘を始めていた頃、出久と電気、グラントリノの3人脳無を相手に苦戦していた。オールマイトと同じくらいのパワーで作られた脳無で更にいえば衝撃吸収や超再生といった個性を幾つも入れられていて尽く出久達の攻撃が効かなかった。
「マジでコイツ、一体何なんだ?」
「確か、脳無って・・・」
「そんな事は後にしろ!こりゃ、複数の個性を持ってるぞ!!」
グラントリノの怒号に出久と電気は構え直す。脳無は出久と電気を同時に殴りに来たが2人は避けて両腕を取って脳無を地面に押さえつけようと力の限りを込めるがギギギと脳無は2人の力を諸共もせず、立ち上がって回転し、吹き飛ばした。
グラントリノは上から脳無の背中に向かって高速で突進していくが全く効いてなかった。
「ちっ、めんどくせぇな。おい小僧共!もっと火力があるのはねぇか!?あるならさっさとやってくれ!長期戦は分が悪い!」
出久と電気は立ち上がって並び、両手に気を溜める。グラントリノはそれを見ながら脳無を2人の前に誘導すると上に飛んだ。
「豪龍・かめはめ波!!」
「雷豪・かめはめ波!!」
2人の極太のかめはめ波が脳無に向かって突き進んでいく。脳無は両手を前にしてかめはめ波を防ごうとするがあまりの威力に吹き飛ばされた。吹き飛ばされた脳無はどういうわけか全く動かなくなった。グラントリノは近寄って脈を測るとちゃんと動いていたので理由はわからないが死ななくて動けなくなったなら別に理由はどうでも良かった。それよりも出久達と脳無の間にある地面を抉られて出来た直線を見てグラントリノだけでなく出久達も自分の手を見ていた。2人はあくまでも人殺しをしないために抑えていた筈なのに予想外と言えるレベルで威力が出たことに驚いていた。
「な、なんでこんなに威力が・・・」
「体育祭の時とは違ってだいぶ抑えたはずなのに・・・」
2人は想像以上に威力が発揮された自分達の攻撃に少しだけ怯えながらも戦闘不能になった敵をどうするかをグラントリノから教わりに行った。
〇〇〇
エンデヴァーとミルコはそれぞれ2体ずつ脳無と戦闘をしていたが初めて戦うのと複数の個性によって苦戦していた。エンデヴァーは水の放出&筋肉増強を持ってるの奴とティラノサウルスに変身&触手の放出を持ってる奴。ミルコはゴムの体に手や足先が金属になってるの奴と翼で飛びながら火を吐いてくる奴だった。
「手強いが複数の個性持ちって面白いな!」
「ミルコ、おかしいことに気づいてるか?」
「関連性がない個性を複数持ってることか?」
「わかってるなら良い!さっさと終わらすぞ!」
エンデヴァーは両手に炎を溜め、ミルコは脳無に向かって駆け出した。
「赫灼!!」
「
エンデヴァーら超高熱閃で燃やし、ミルコは連続踵蹴りでノックアウトさせた。4体とも吹き飛ばされてピクリとも動かない。
「よし、すぐに拘束して・・・!?」
「どうやらまだみたいだな!」
4体の内、2体。ティラノとゴム体の脳無が起き上がった。2体は叫びだした。あまりの大声と突然の行動にエンデヴァーとミルコは少し威圧された。
すると脳無の姿が変わった。
さきほどまでの体色から全身白色になり、剥き出しの脳が紫になった。
「何だありゃ?」
ミルコがそういった瞬間、ゴムの脳無がミルコに向かって飛んできてミルコの顔面を殴る。しかしミルコは瞬時にそれを防いだが吹き飛ばされた。
あまりの速さにエンデヴァーがそっちの方に気が向くとティラノの脳無がエンデヴァーに向かって突進してくる。上に飛んで顔に赫灼をぶつけるが先ほどとは違って全く効果が無かった。
〇〇〇
AFOと彼のドクターである氏子達磨、そしてキコノは白く変化した脳無をモニターで見て喜んでいた。
「やった!!成功だ!!」
「遂に成功したな!フリーザさんの細胞を移植して身体を強く変化する脳無・・・フリーザさんはあの白い完全体が本来の姿である・・・そしてこの脳無も元となった人間の生まれ持った個性しか使えないが肉体が遥かに強靭になり、それは“個性特異点”すらも耐える!そうハイエンドではなく原点にして頂点・・・名付けて“ゼロエンド”・・・新しい脳無の誕生だ!!」
「ドクター、後はこれに複数の個性を持たせることが出来れば・・・」
「あぁ、どんなヒーローにも負けない最強の存在になる!」
「あの戦闘力から考えて他の個性は弱い個性にするべきかと下手に複数の強個性を入れたら、いくつもの特異点に到達する可能性が高いので」
「キコノさん、そうだね。次からはそうしよう!」
実に邪悪な笑みを浮かべる3人。
フリーザの古参の部下だけあってキコノも負けず劣らず邪悪だった。
〇〇〇
ゼロエンドとなった脳無をビルの上から見る第一形態のフリーザは笑いながら成果を良く見ていた。
「先程まで2体がかりでもやられていた状況から1体で相手を苦戦させる・・・成果は悪くないですが私の細胞を肉体に1%入れてる割には弱いですね。やはり、細胞レベルで1から新しい生命を組むか・・・いや、それより個性をより強くさせる方が1番安上がりですね。悪くない発想だったのですが残念です」
フリーザはモニターで見て笑っていた3人とは違い、確実に運用と実戦をさせる前提で見ていたが不満があったようだ。
「・・・・・キコノの言っていたプランBに移す方が賢明ですね・・・・となると、必要なのは“緑谷出久”」
フリーザは脳無を拘束して避難誘導を手伝っている出久を見て目を細めた。
「あぁ、そういえばステインさんも死んで戴かないといけないのを忘れてました・・・殺るならもう少し後で楽に殺りましょうか・・・」
〇〇〇
天哉は早く体を動かそうとしていたがステインの個性によって全く動けず、天晴と航一の2人相手と互角に戦ってるステインを見ていた。
天晴の個性では路地裏の狭い所では小回りが利かず、航一はスランプのせいで必殺技の空気砲KGDが出せないので2人は分が悪いとは思いつつもステイン相手に接近戦をしていた。
流石はプロヒーローといった所で下手な敵相手なら勝てる程には強い。だが刃物を主体に現役のヒーローを殺したり、再起不能にしできたステイン相手にはきつかった。更にいうとステインは少しでも血を流させればOKで長剣と短剣の波状攻撃で距離感を混乱させながら斬ってくるのに対して遠距離武器のない上に傷1つも負えない天晴や航一は苦戦していた。
天晴がステインを転ばせようと下段蹴りをするがステインは飛んで避けて天晴の頭を蹴る。蹴り飛ばされて倒れる天晴にステインは長剣で刺そうとするが今できる最大速度で突っ込んできた航一の拳を腹に受けて吹き飛ばされる。
航一は間髪入れずにもう一度同じことをやって突っ込んで行くがステインは避けた。だが航一は個性の“斥力”を使ってビルの壁に一度張り付いて放出し、またステインに突っ込む。
ステインは今度は顔だけ避けて航一の顔面に向けて容赦なく短剣を突き刺そうとするが航一は寸前の所で避けて、地面に激突した。
地面に激突して倒れた航一はなんとか血の一滴も流さなかったが頬の薄皮一枚が切れていて危なかった。ステインは航一の頭目掛けて短剣を刺そうと飛び込んでいくが天晴によって防がれて顔面を蹴られて吹き飛ばされた。
顔を抑えながらステインは2人を睨んでいた。
「偽物どもが!!」
そう吐き捨てるステイン。航一はそんなステインの言葉に疑問を持ったのか訝しげに見た。
「俺達が偽物ってどういう意味だ?」
「ふん、本物気取り共が・・・己を省みず他を救い、人々の希望となる・・・それがヒーローだ、それは決してクロウラー・・・お前のように悪を救う奴じゃない」
ステインに言われて航一は以前に殺されかけた時に今では友人である釘崎爪牙が殺されそうになっていたことを思い出した。
「当たり前だろ・・・眼の前で人が死にかけになって善人も悪人もあるかよ!?それを見棄てて何がヒーローなんだよ!?」
「中途半端な優しさは誰も救えない・・・優しさなぞ、所詮金にも仕事にも誇りにもならない物だ。必要なのは善を為す心だ。それは敵に対して圧倒的に畏怖を抱かせるオールマイトのような圧倒的な物が本物のヒーローには必要だ!貴様が永遠に持てない物だ偽物!」
航一を指さしながら断言するステイン。
ステインの理屈は間違っている。善行とは人の優しさから来る物であり、そもそもヒーローとはそういった“余計なお世話”をするほどに優しい人間がなるものであり、航一はその点に関してはピカ一だった。
「なら、なんでインゲニウムを攻撃した!?インゲニウムは何人もの凶悪敵を逮捕して、被災地でもリーダーシップを張ってる程だぞ!?」
「そんなの決まってる・・・お前と組んだからだ・・・」
「はっ!?」
「浅草での高速バス・・・インゲニウムはお前と組んだ。それが何よりも許せない。完璧で模範的なヒーローのインゲニウムが汚れた・・・この穢れは落とせない・・・血の染みのように消えず、少しでもあれば全て穢れる・・・だから殺す。偽物が本物に見える内に・・・」
「そんな・・・そんな事で!!」
「そんなだと!?ヒーローとは己の力で理不尽を壊していくもの・・・それが出来ないならいずれ死ぬだけだ。そしてそこからヒーロー不要の世論が活発になる・・・やがて来るのは混沌だ・・・そうはさせない!!俺が守る・・・オールマイトのような“本物”を!!偽物共と同一視させないためにお前らを殺す・・・それが俺だ!!」
あまりにも身勝手極まりない理屈。誰もこんな事を聴いたらキレる。怒りが抑えられなくなる。しかし、航一はこれを聴いて内心渦巻いたのは後悔だった。
(俺がインゲニウムと組んだから・・・いや、あの時は先輩を助けて・・・)
航一はバスの時を思い出しながら自分がやった事が正しいと思おうとしていたが出来ない。幾らヒーローとしてアメリカで活躍しても航一の元来の性質である自信過少な部分、そしてニューヨークで子供との約束すら守れずにいた無力な自分の2つの要素が苦しめる。
(そうだ・・・俺はいつもそうだ・・・考え無しで勝手やって人を困らせるだけの・・・)
「ふざけるな!!」
そんな航一の思考を止めたのは天晴の怒号だった。
航一やステインは声を荒げた天晴の方を向く。
「あの時の俺は無力だった!彼の力を貸して貰わないと助けられなかった。あの時、俺と一緒に居たのは大切な人を守る為に“空を飛んだ”ヒーローだ!!」
「口にするな・・・貴様らがその
「さっきから聴いていればなんだ!?ただ自分の思想を相手に押し付けてるだけじゃないか!お前のやってることは正しい事でもましてやヒーロー社会の為でもない・・・単なる自分の理想にならないから暴れて構ってほしい“承認欲求”だ・・・」
「・・・口からのうのうと・・・この偽物どもがぁ!!」
「お前の言う“本物のヒーロー”なんてこっちから願い下げだ」
天晴はそう云うとステインに突っ込んで蹴りに行く。それを避けて左腕を短剣で刺そうとするが天晴は体を横にして避けつつ、ステインの顔面に拳をめり込ませた。ステインは体を回転させて威力を半減させてそのまま長剣を天晴の目に向かって指しに行く。
体を仰け反らせて避ける天晴。
ステインはがら空きの胴体を短剣で斬りに行くも硬いアーマーに防がれた。
そのまま接近戦で互角の戦いを繰り広げる2人。航一はそれを見てるだけだった。動けなかった。幾ら天晴が擁護してくれても頭の中にあるのは無力な自分。
(俺は・・・やっぱり飛ぶんじゃ・・・)
「クロウラー!!昔、IDATENについて話たな?適材適所、チームの総合力で勝負って!!今は俺とチームだ!!1人じゃ無理でも2人なら出来る!だから、“飛べ”!!!」
叫ぶ天晴。
ステインは太腿などアーマーのない部分を狙い、遂に長剣で太腿を斬った。
(しまっ!?)
(偽物共が、これでおしまいだ・・・)
長剣に付いた血を舐めようとするステイン。しかし、それをさせまいと突進してきた航一が腕を抑えた。
「流石、クロウラー!!」
「そこまで言われて頑張らないのは違うよね!」
「この社会の害悪がぁ!!!」
ステインは短剣を片手に持って航一を刺そうとするがそれを天晴に抑えられた。しかし、それでもなお垂れてくる血液を舐めようとステインは長剣へ舌を伸ばす。
「レシブロバースト!!」
だがステインの個性から解放された天哉が血の付いた長剣を蹴りでへし折り、吹き飛ばした。
(なっ!?)
「「これで終わりだ!!」」
その隙きを付いて天晴と航一の拳がステインの顔面にめり込み、ステインはそのまま気絶した。
〇〇〇
エンデヴァーはティラノ姿のゼロエンドに向かって赫灼を出していたが全く効いてなかった。それどころかエンデヴァーを食おうと噛み付いてくる。なんとかジェット噴射で飛んで避けてるが決定打に欠けていた。
「赫灼熱拳ヘルスパイダー!!」
五指から炎を糸のように細く放射して細切れにしようとしたがフリーザの細胞の影響かゼロエンドには全く効果が無く、軽く火傷をしていたくらいだった。
「厄介だな」
体からプスプスと煙を出しながらも突っ込んでくるゼロエンドにエンデヴァーは避けた。このままさらなる高火力で攻めようとするがそろそろ火が燻り始め、このままでは自分の炎で焼け死ぬ可能性も出てきた。
(なんとかしてそろそろ終わらせないと危険だ!)
エンデヴァーは決めようと火力を更に上げる。ゼロエンドはまた容赦なく突っ込んで来る。しかし、ゼロエンドは突然氷に包まれて止まった。
「焦凍!?」
それは職業体験で避難誘導を手伝っていた焦凍の氷だった。右脚から最大出力の氷がドンドンとゼロエンドを凍らせていくがゼロエンドもすぐに氷を割りながら突き進んでいく。
「プロミネンスバーン!!」
体を大の字にして全身から放つ超熱線をゼロエンドに浴びせるエンデヴァー。体育祭での急激な温度変化にエンデヴァーの高火力が加えられた事で大爆発が起きてゼロエンドは吹き飛ばされた。
「何故来た!?避難誘導をしろと言った筈だ!」
「苦戦してたからに決まってんだろうが・・・」
本来(原作)だと色々あっても手助けしないもしくはする必要が無いほどエンデヴァーは強いし、焦凍もやる気はあまり無かったのだが、桃白白での死闘の経験とゼロエンド襲来によって良くも悪くも焦凍は助ける事と全力を出すことに躊躇しなくなっていた。
(くっ、まさかコイツを助ける羽目になるとは・・・悔しい!!)
そして焦凍は嫌いなエンデヴァーを助けた事に自己嫌悪を感じていた。
「まぁいい・・・助かった・・・」
エンデヴァーは何気なしに焦凍の頭を撫でた。撫でられた焦凍は全身に鳥肌を立たせながらすぐに払った。しかも頭をまるで削り落とすかの勢いで欠いていた。
息子からの割とキツい仕打ちにエンデヴァーはショックを受けつつもゼロエンドへの警戒を止めなかった。
吹き飛ばされたゼロエンドは立ち上がり叫んだ。
「まだやる気か」
焦凍が立ち上がってきたゼロエンドに苛立ちつつも構えてエンデヴァーはいつでも赫灼が撃てる準備を完了していた。
ゼロエンドはティラノの姿で全身から触手を出した。複数の個性を出してきた事にエンデヴァーと焦凍は警戒を強めるが、ゼロエンドはその瞬間、血を吐いた。
「ガァァァァァァァ!!!」
そして悲鳴を上げながら、ゼロエンドは倒れた。フリーザの細胞によって無理矢理元の宿主の個性を活発化させてる関係上、触手の個性に対して拒絶反応が出て倒れたのだった。
唖然となるエンデヴァーと焦凍は動かなくなった息が弱くなったゼロエンドを拘束し、エンデヴァーは指示に従わなかった焦凍に説教をしていた。焦凍はそれを完全に無視していた。
そんな様子を離れたビルの上から遠目で見てる“火傷の男”がいた。男はそれを見た瞬間に青い炎を揺らめかせながら、仲良さそうにしてる2人に憎悪の視線を向けていた。
〇〇〇
ミルコはもう一体のゴムのゼロエンドと戦っていた。ゴムの体ゆえにミルコの攻撃が効かなかった。
「面白え、けどそんなんで私に勝てると思うなよ!」
ゴムで腕を伸ばし、その反動で拳をブツケてくるゼロエンドの攻撃をミルコは避けていた。普段から強い敵相手をしてるミルコにとってこれくらいは朝飯前だった。ミルコはそのまま避け続けて懐に入り、ゼロエンドの顎を蹴り上げた。ゴムの体なのでゼロエンドは首を10メートルくらい伸ばして、反動で頭をミルコに叩きつけるがそんな分かりやすい攻撃を受ける気もなく楽々と避けた。
「どうした?ゴムの体を持っても攻撃が弱けりゃ意味ねぇぞ」
ミルコはゼロエンドを挑発した。フリーザの細胞の影響なのかそれとも宿主の影響なのかはわからないがゼロエンドは手先を金属にした。
するとこのゼロエンドも血を吐き出して倒れた。
「はぁっ!?フザケンナ!!」
ミルコは急に倒れた、というか自滅したゼロエンドに対して非常に消化不良を味わい、ブツクサ言いながらも拘束していた。
〇〇〇
「意外とゴミ捨て場って縄とかあるんだね!」
近くに落ちてあった縄で武装を解除させたステインをぐるぐる巻きにして引きずる航一。
「本当にすみませんでした。何もお役に立てず」
1人やられて気絶していたネイティブが天晴達に頭を下げるが気にしてなかった。会議で一対一で戦うのは危険というのは全員知っていた上に脳無の騒ぎでマニュアルと離れて行動した時に狙われたのだから何も言えない。寧ろ良く死なずに戦っていた事を称賛するくらいだった。
「いや、俺も1回目で危うく再起不能にされそうだったので一人でここまでって凄いですよ」
「ネイティブさん、助けに行くのが遅れてすみませんでした」
天晴の言葉の後で天哉が遅れて来た事を頭を下げた。
「いやいやいや、無免許の学生がそこまでやらなくていいよ!情けない所を見せて申し訳ない。2号の行動には怒るのがプロとして正しいかもしれないし、褒められないから1人の救助された者として言うよ。助けてくれてありがとうございます!」
ネイティブはそう云うと天哉に頭を下げた。下げられた天哉は先に申し訳無さを感じていた。折角、助けに来たのに自分は早くにステインに負けて倒れていて本当の意味で助けてくれたのは兄である天晴や航一なのに下げてくれたネイティブに申し訳無さを感じて、天哉は涙を流した。
「あ、ありがとうございます!けど、僕は何もしていません。兄であるインゲニウムやクロウラーさんが助けてくれたので・・・僕には勿体ない言葉です・・・」
「天哉、悔しいか?」
「・・・はい!無力だった自分が悔しいです」
「なら、それをバネにするんだ。ヒーローってやつはそれをバネにして頑張らないといけないからな」
「・・・はい!」
天晴の優しい言葉に天哉は涙を拭いて大声で返事した。
天晴はそんな天哉を見て、頭を撫でた。撫でられた天哉は突然の行動に固まった。
「ヒーローとしてじゃなくて兄としてだけどお前が弟で俺は誇りに思う!今日のお前は最高にヒーローだった!!」
天晴は照れくさいのかメットは外さずに天哉の
頭をガシガシと撫でた。天哉は昨日の申し訳無さを省みて笑顔を天晴には向けなかった。あまりにも頬が緩みすぎて恥ずかしいのもあった。
「いやぁ、良かった良かった!まさに雨降って地固まるってやつだね!」
「それって言わないほうが良いやつじゃ?」
良くなった天哉と天晴を見て航一が素で余韻を台無しにするような台詞を言い、ネイティブがそれにツッコんでると出久、電気、グラントリノの3人がやってきた。
「遅くれて悪い、援軍に来たぞ!」
グラントリノがそう言うがぐるぐる巻になったステインを見て、やって来た3人はそれを見て顔を見合わせた。
「無事にステインを捕獲しました」
天晴が笑顔でそれを言い、その場にいた全員が脳無もあらかた捕まえたのもあって安堵し始めていた。
「おやおや、まだ安心するには早いですよ」
その声を聴くまでは。
艶のかかった気味が悪い声にその場の全員が声のした方を向くと自分のサイコキネシスで今回の騒動で拘束された脳無を全て周りに浮かばせてるフリーザ(第一形態)がいた。
皆、白い完全形態は知っていたが第一形態は見るのが初めてで困惑したが声を知っている出久、電気、天哉、天晴はフリーザだと直感した。
「お前・・・フリーザか?」
「おや、以前蹴飛ばした小物が良く分かりましたね」
「声紋は前の時に取ってるんでな」
様々な機能を搭載させてる自分のメットをトントンと指で叩く天晴。フリーザの登場に天晴は臨戦態勢になった。それを見て、全員がフリーザに対して構えた。
「小物がよくもまぁ、虚勢を張りますね」
フリーザはただただ笑みを浮かべながらも殺気を放った。気楽そうに軽く放っただけだったが、それは出久達には凄く恐ろしく感じるほどだった。
警戒を最大に強めるヒーロー達だったがフリーザにとってそれは虚勢をはる子犬のようにしか見えなかった。
虚勢をはる子犬達からフリーザはサイコキネシスでステインを自分の足元へ引っ張る。
「なっ!?この!!」
縄を持っている航一が抵抗するが虚しく、ステインはフリーザの足元まで飛んでいった。
「ステインをどうするつもりだ?」
「殺すんですよ・・・それが何か?」
あっけらかんに答えるフリーザ。インゲニウムは捕まえたステインに法の裁きを受けさせようと走る姿勢になった瞬間、足元の地面にデスビームを受けた。
「おやおや、ヒーローとやら悪人を助けますか?」
「あぁ、目の前で人が死にそうなのをほっとけないお人好しのバカでね」
「居るんですよねぇ・・・反吐が出るんですよね」
フリーザは指を天晴に向けた。指先に紫色の光が集まる。それも巨大だった。向けられた方が一瞬で絶望するほどだった。
フリーザがそれを放とうとした瞬間、ステインが縄を隠し持ってたナイフで斬って、フリーザの目を刺しに来る。フリーザの巨大な気弾が消えて成功したかに見えたが、ナイフはフリーザの目に当たった瞬間にへし折れた。気で守ったのだ。
「フフフ、随分と無駄な事をなぜやるのです?」
「いたずらに蔓延る悪も殺す!全ては正しき世界の為に!!」
「そういう青臭いの嫌いなんですよね」
フリーザはステインを蹴飛ばした。肋骨が折れて呼吸困難になり、のたうち回るステイン。フリーザは容赦なく脳天目掛けてデスビームを放つ。猛スピードで来る紫の光にステインは死を覚悟した。
しかし、航一が“飛んで”ステインを救った。ニューヨークの1件以来、全くできなくなった“飛ぶ”。それは今、人を救う為に再び蘇った。
「で、出来た!!」
再び“飛べた”ことに驚きつつもすぐにフリーザを警戒する航一。助けられたステインは航一に叫んだ。
「なぜだ、なぜ助けた!?なぜ、ヒーローが敵を助ける!?それがヒーローのやることか!」
「だって困ってる人みたら助けるのは当たり前だろ?ヒーロー大好きなのに分かんなくなっちゃった?」
あっけらかんに答える航一はフリーザに対してKGDを撃つ体制になる。ステインはそんな航一の背中を見ていた。フリーザは実に不機嫌そうにもう一度気弾を作って放った。
巨大な気弾に航一は最大火力のKGDをぶつけるが全く効果がなく、ドンドンと航一やステインの方に向かっていく。天晴達が止めようとフリーザに駆けていくがフリーザは尻尾に気を溜めて軽く薙ぎ払って彼らを吹き飛ばした。
「諦めたらどうです?」
「ヒーローが諦めたら、誰も守れなくなるでしょうが!!」
「そういうのを往生際が悪いと言うのですよ」
気弾が2人を呑みこもうとした瞬間、航一の前に大きな男が現れた。金髪でカラフルなスーツを身に纏ったヒーローであり、平和の象徴オールマイトだった。
「ヒーローってのは“往生際悪く”“余計なお節介”をするのが本質でね・・・・TEXAS SMASH!!!」
オールマイトの全力の拳が気弾を吹き飛ばした。
吹き飛ばされたフリーザは“笑い”ながらオールマイトを見ていた。
「お久しぶりですね、オールマイトさん。力は上がってるようで」
「お陰様でな・・・お前を捕まえる」
オールマイトがそう言いながら構えた。フリーザは脳無を空中に飛ばして黒霧に回収させると首を軽く回した。
「殺すのはAFOさんの仕事ですので、貴方は殺さずに楽しませて貰いますよ。散々、楽しんでからステインさんや他のヒーローとかを殺させていただきます」
「誰も殺させはしない」
「それは無理だと思いますよ?」
「無理じゃない。そういう不可能かも知れないことをヒーローはやるんだ。そして守るべき者の為に戦う自分を震え立たせる為にこういうのさ、“私が来た”!!」
オールマイトは拳を思いっきり引いて、笑っているフリーザに向かっていった。
というわけで次回はフリーザVSオールマイトです。
頑張ります!!
先日、ワンピースFilmレッドを見てきて凄く興奮して、ちょっと想像力というか妄想力が止められない!!
マジで最高だった!