僕の亀仙流アカデミア   作:怪獣馬鹿

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遅れて申し訳ありません!
ですが、皆様の評価が高く、嬉しいです。それでは、どうぞ






個性の呪い!?上鳴電気の稲妻!

気の修行を始めてから、3ヶ月。

出久と電気は、中学生になり、それぞれ修行も学校生活も頑張っていた。

 

そんな彼らが今、何をしているかと言うと、二人とも出久の部屋で勉強をしていた。

亀仙人は、そんな二人を見守っていた。

 

事の発端は3日前。

気の修行をする前の今までの修行をしていた時の事だ。

出久と電気は、中学生になってから毎日、帰宅をせずに修行場に直行する。勿論、親の了承は取ってあるが、亀仙人としては、修行に専念できる事のメリットもあるがデメリットも勿論ある。

 

それは、二人の勉強である。

 

亀仙流はよく動き、よく学び、よく遊び、よく食べて、よく休むがモットー。故に悟空やクリリンの時もある程度の読み書きや算術、金銭面の価値などを行った。

クリリンは元々そこら辺も鍛えられていたから良かったが、亀仙人は今でも悟空を勉強させといて良かったと思っている。でないと悟空の嫁のチチが大変だったと感じている。

金関係はチチが全面的に手を握っているが、例えば野菜の売り買いの時に八百屋から金を受け取ってくるのは基本的に悟空だ、金の価値を知らないと今頃チチが泣いていたと思う、まぁ、他の人も人柄が良いのも理由ではある。

しかし、この世界は違う。

 

完全に頭も良くないと苦労する世界だ。

だから、二人の勉強の具合が心配なのである。

 

●●●

二人の勉学関係の状況が気になり、わしはそれとなく、二人に聞いてみた。

 

「二人とも、少し聞きたい事があるんじゃが・・・」

 

二人はわしの声を聞くと修行を止め、こっちに顔や体を向ける。

 

「二人とも勉学の方は大丈夫なのか?何しろ勉学に関しては、簡単な事しか教えられんのでのう」

 

出久も電気もわしの言葉に思う所があったのか、顔を下に向ける。

 

「実を言うと、少し悪くて・・・」

 

「修行がきつかったし・・・」

 

「馬鹿者!!修行を勉学の妨げと言うんじゃない、それは自分の管理が出来ていない主らのせいじゃ」

 

わしが二人を睨むと二人は更に静かになった。

全く、勉学が励まない理由に修行を使うとは・・・

 

「出久に電気をこの前、テストがあったと聞いたぞ」

 

「「はい~」」

 

「今日の修行はこれまでじゃ!!今すぐ、そのテストを持ってきなさい!!もしも、勉学が必要と判断したら、それも今後の修行に組むからの!!」

 

「「は、はい!!」」

 

この世界は、完全に教育熱心と知っておったから、大丈夫かと思ったが、やっぱりか・・・・・

 

明日からは勉学の時間も考えねば

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

僕と上鳴君は、師匠に言われた通りにすぐに家に帰り、テストを持ってきて、修行場に行く途中に合流した。

 

修行場の気の修行は今は裏山でやっている。

 

人目につきにくいからね。

 

「しっかし、じっちゃんも急に酷えよな?急にテストを持ってこいだなんて」

 

「しょうがないよ、学生の本分は勉強なんだし・・・」

 

「でもよ、勉強はその気になればすぐに出来んじゃん」

 

「勉強も時間をかけないと、頭に入らないよ?」

 

上鳴君は嫌な顔をしながら、耳をふさぐ。

どうやら、耳に痛いようだ。

 

まぁ、僕もだいぶ耳が痛いんだけど、しょうがないか・・・

 

 

そんなこんなで・・・・

 

僕たちは、互いのテストを師匠に見せていた。

師匠は、詳しい事がわからないからと言って、平均点と赤点のラインを知りたいと言い、今は僕のテストを見ている。

 

因みに僕の所はかっちゃんが毎度お馴染みの全教科95以上でぶっちぎり。

僕は修行も忙しかったから5位だ。

小学生の時は2位だったんだけどな。

平均は総合で388点。

一応、平均点以上で問題なかったけど、落ちたんだよな~

 

赤点のラインは1教科30点。

 

そんなこんなで師匠が僕のテストを見終わったのか?

纏めていた。

 

「出久は問題なさそうじゃな」

 

「ありがとうございます」

 

「この調子で、無理をせずに焦らずに頑張るが良い」

 

「はい!」

 

「さてと、次は電気か?」

 

上鳴君は、なんだか顔面が青白くなっていた。

もしかして相当ダメだったのかな?

 

●●●

俺は、じっちゃんに自分のテストを見せてたけど、実を言うと、本当に悪いんだ。

 

まじで総合点は平均点まんまの350点で、赤点の40点ギリギリの教科もある。

 

じっちゃんのウナリ声が聴こえてくるぜ。

 

「電気よ、一先ず赤点がないことは嬉しく思うが、これでは主の夢は遠くなるぞ」

 

 

グサ!

 

気にしてる事を・・・

 

「電気に、出久よ。一言言っておくが、ワシはあくまでも手助けしか出来ぬが、全力で手助けをするのがポリシーじゃ、故に修行も厳しい」

 

当たり前じゃねーか、だから必死で・・・

 

「電気よ、当たり前じゃが、勉学を疎かにしろとは言っておらぬぞ」

 

「心を読むんじゃねぇ」

 

「主らには今日から毎日二時間の勉学の修行もつける!勿論、ワシはわからぬから見るだけになるが、全ての修行の終わりに勉学をせねば今の主たちの根性では、とても夢の入り口にも行けぬわ!」

 

勉強なんて、3年から始めてもどうとでも・・・

 

「どのみち、主らが3年の時は総仕上げの段階に無理矢理でも入るからの、勉学の時間はほとんど無い」

 

ズーン

 

とてつもなく重てぇ絶望が俺の精神に来る!

 

一体どんな地獄を!?

 

「今日の修行はこれまでじゃ!!今すぐ勉学をして互いをサポートし合うように!」

 

じっちゃんの一言で強制的に勉強になった。

 

それよりも気について教えて欲しいのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

冒頭に戻り、出久と電気は共に勉強をしていたのだ。

そんな中、電気は背を思いっきり伸ばし、ペンを置く。

 

「ちょっと疲れたな緑谷」

 

「もう二時間はやってるからね」

 

出久もペンを置く。

亀仙人も首をコキコキ鳴らしながら二人に近づく。

 

「二人とも今日の勉学はこれまで、電気も帰ってゆっくりしなさい。わしが送っていこう」

 

「おっ?じっちゃんサンキュー」

 

電気は直ぐに帰りの支度をして、出久の家を亀仙人と共に出る。

 

 

夜の道でまだ肌寒い風が流れる。

 

「じっちゃん、聞いてもいいか?」

 

「なんじゃ?電気?」

 

「明日の修行ってまたいつも通りか?」

 

亀仙人は髭を触る。

 

「いや、明日は気の修行だけでやるつもりじゃ。二人とも体はだいぶ付いてきたからの、明日は朝昼晩全て気の修行にあてがうつもりじゃ、亀仙豆は無しでの、体力と回復力を更に上げなければ成らぬからの」

 

そう、二人とも亀仙豆のお陰で筋肉や体つきは無駄がなく、超人的になってきたが、体力が上がったのかと聴かれれば少し答えが困ると言った所だ。

 

勿論上がってるし、回復力も今までに比べたら桁違いに上がってはいる。しかし、亀仙豆を使いすぎで、少し比例が取れていないのが正直な所だ。

 

こういう比例はきちんと取れていないと後々苦労する。

実際に簡単な例えを出すと、悟空やベジータ、トランクスがセルの時にやった極限的なパワーの底上げがこの問題の果ての結果である。

故に亀仙人も気の反復の修行で体力と回復力を底上げしようと言うのが魂胆だ。

 

「よし!」

 

喜ぶ電気に、亀仙人は笑みを浮かべる。

 

知らない第三者から見たら、きっと祖父と孫を答えるであろう。

 

こうして、二人は夜の道を歩いていく。

 

しかし、その先は深い崖があることも知らずに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

日曜の早朝4時。

まだ、薄暗い朝の浜辺。

 

今日も厳しい修行を越えていくため、僕と上鳴君は、師匠の前に体育座りしていた。

 

「よし、二人とも今日の修行は全て気の反復の修行とする。電気は光を出すように、出久は今日は光を五時間は出し続けるように、始め!」

 

よし!やってやる。

 

●●●

気の修行を始めてから、3ヶ月。

大体の二人の近況は、

 

緑谷出久・・・・・光を出せるようになり、徐々に時間を延ばせるようになってる

 

 

上鳴電気・・・・・気の修行を始めているのにどういう理由か、稲妻が光る。

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

くそ!どうなってんだよ!

 

何で全く、光が出ねぇんだよ!!

 

くそっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんなに必死で修行してるのにどうして!?

 

そんな事を考えてる。

 

だって同じ時期に始めた緑谷はもうすでに五時間以上続けるところまで言ってて、俺は全くの駄目だ。

 

何でなんだよ!!

 

どうして!?

 

何で!?

 

今、人生で一番暗いことを考えてんなぁ。

 

俺の心を詠んだのかどうかはわからないが、俺は内心焦りまくっていたから、じっちゃんが近づいている事にすら気づかなかった。

 

「電気よ、どうしたのじゃ?」

 

「じっちゃん・・・」

 

「焦らずにじっくりすれば良い」

 

「でもよ・・・」

 

「大丈夫じゃ、主なら出来る」

 

そんな事言ったってよ、結果が出ねぇと信じられねぇよ。

 

俺は、一先ず水を飲みにその場を離れた。

近くのトイレの水道で、頭を冷やしてたら、緑谷が来た。

 

「上鳴君、大丈夫?」

 

「大丈夫だぜ、緑谷・・・俺は・・・」

 

「それなら、良かった」

 

緑谷の野郎、何だよ?その余裕は?

 

あー、駄目だ。ヒーローになるのにこんなくだらない八つ当たりは駄目だ!

 

話を切り出して、冷静にならないと・・・・

 

「なぁ、緑谷。気の持続ってやっぱり疲れるか?」

 

「うん、結構・・・」

 

「俺も早く出してぇよ」

 

「大丈夫だよ!上鳴君なら出来るよ」

 

何だよ、その根拠のねぇ言葉は・・・

 

「だって、僕よりも凄いんだから・・・」

 

ブチッ!!

 

何かがキレた。

 

今思えば、色々とストレスが自分の知らない内に溜まってたんだと思う。

 

だから、俺は冷静になってない頭で動いて、緑谷の胸ぐらを掴んだ。

 

「僕よりも凄いって!?本気で言ってんのかよ!!こんなにバカにされたら、誰だって怒るぞ!!」

 

「そんな、僕は純粋に・・・」

 

「ふざけんな!俺よりも・・・・俺よりも・・・・」

 

頭にきたから、俺自身何を考えてたのかよく分からない。

でも、これがなかったら、今はこうならなかったと心から思う。

 

「俺よりも才能が有るくせに勝手なこと言うな!!お前に何も出来ない俺の何がわかる!!?」

 

緑谷は、この時始めて俺に対してキレた。

 

「ふざけんなよ!何も出来ないだって!?君こそ勝手なこと言うな!!」

 

「んだと!?」

 

緑谷と俺は取っ組み合いをする。

互いに力が強くなったが、武術なんてまだ教えて貰ってねぇから、互いに掴み合って押すぐらいしか出来ない。

 

でも俺たちの体は思ってる以上に強くなってた。

 

壁に相手をぶつけたら、壁が少し崩れるんだから、かなりの物だよ。

 

俺も緑谷も互いにこんな風に力を使うのは始めてだったけど、俺達は冷静になれなかった。

だから、思いっきりやってた。

 

「何をしておるのじゃ!!!」

 

じっちゃんが、俺達をぶん殴って止めた。

俺はまだやろうとしてた。緑谷もだ。

でもじっちゃんが間に入り、止めた。

 

「武術を喧嘩なんぞに使うんじゃない!お主たちの力は、こんなことの為にあるのか!?」

 

その言葉を聞き、俺達は修行場に戻った。

 

●●●

思いっきり、喧嘩をした。

僕の人生で始めてだ。

 

師匠に止められて、僕たちは修行場に戻って今、師匠の説教を受けてる。

だが

 

「お主たちは、それが人を導く人間になろうとする者のあり方か!?」

 

「うるせぇよ!じっちゃんは黙ってろ!!」

 

「お主が黙れ!」

 

上鳴君は、師匠と思いっきり喧嘩をしている。

 

「大体、お主の問題を出久に八つ当たりしたのがそもそもの問題じゃ!!」

 

「こっちだって一杯一杯なんだよ!!何で?こいつは出来て俺は一向に光の欠片すら出ねぇんだよ!?個性はずっと出るのに!!?教えてくれよ!?」

 

師匠は顔を下に向けて髭を触る。

上鳴君は、よっぽど焦ってるのか、師匠に近づく。

 

「頼むよ。じっちゃん・・・」

 

師匠はその言葉を聞いて、上鳴君の方を見る。

 

「お主の個性じゃ・・・・」

 

「えっ?」

 

「お主の個性が、気の流れを邪魔しておるのじゃ・・・どうやら、個性を持つ者は気の発現や大きさが小さいらしい」

 

「そんな・・・じゃ、緑谷は・・・」

 

「お主に言っていないが、出久は無個性じゃ・・・」

 

そう、僕は上鳴君に無個性だと言うのを言っていなかった。何故かって今までの経験が全てだ。

この世は、無個性だと差別をされる。

教えたくはなかったんだ。

 

上鳴君は僕の方を一度見て、また戻る。

 

「じっちゃん・・・」

 

「じゃが、お主の個性を上手く使いこなせれば、良いのじゃ!ワシの亀仙流が全てではない!」

 

「で、でもじっちゃん。俺はじっちゃんに憧れて来てるんだよ・・・じっちゃんみたいになりてぇから・・・」

 

「・・・電気・・・」

 

「・・こんな自由に操れねぇ個性なんていらない・・・こんなんだったら、俺は無個性が良かった!!!」

 

ブチッ!!

 

その言葉を聞いた瞬間、僕は頭が真っ白になり、気がついたら、上鳴君をぶん殴ってた。

 

上鳴君が、宙を舞い、倒れて、頬を手で押さえて僕を睨む。

 

けど、僕だって、頭にキテるんだ!!

 

「君に無個性の苦しみの何がわかる!!?・・・そんな力を持ってるのに何で!?」

 

上鳴君は呆然としている。

 

師匠は僕の前に来て、僕にビンタをした。

 

「怒りに任せて力を使うなと言ったばかりじゃろうが!!」

 

「すみません・・・」

 

「電気も、出久も、互いの問題を互いに押し付けてばかりじゃ!!そんなんでヒーローになれるのか!?」

 

僕たちは互いに何も声を出せない。

 

「お主達にある課題を出そう」

 

「課題ですか?」

 

「一週間後、ワシとお主達で勝負をする・・・ルールは五時間以内にワシの物を取れば良い・・・もしも取れなければお主達は破門じゃ」

 

「「そんな!?」」

 

師匠はそう言うと、消えた。

 

僕たちは、朝の陽射しの明るい景色の中で暗く沈んだ。




という訳で、上鳴編が始まりました!
皆様に謝罪を言います。
この話、自分でも強引と思ってはいるのですが、なにぶんプロの小説家でもないので、暖かく観てくだされば幸いにございます。

個性があると気が上手く出来ないというのは、そうしないと出久と上鳴の比例が取れないからです。

この設定はこれからも使います。

あと、個性があるとドラゴンボールのかめはめ波が撃てないとかはありません。あくまでも出すのと量が少ないだけですし、個性と合わせれば更に強力な物も普通にできます。
要はただのケースバイケースです。
まぁ、細かい技は流石にきついですが。



最後に、皆様の熱い批評や感想に感謝を込めて
ありがとうございます!!

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