プリキュアDOOMSDAY   作:宇宙とまと

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第11話【接触】

  【接触】

 

 ~1943年11月28日、15:00。足摺岬南西120キロ~

 

 米軍潜水艦『デイス』は日本近海にまで潜航していた。

 

「艦長、敵の主力艦隊がブンゴ(豊後)水道を出て来るのは、今日だと思われますか?」

 先任仕官ヨーゼフ大尉の質問に対し、潜水艦『デイス』艦長ジョセフ・エンライト少佐は答えた。

「恐らく数時間以内だ。遅くても明日朝までにはブンゴ(豊後)水道を出て、恐らくは重要拠点トラック諸島に向かうだろう」(1)

 

 潜水艦『デイス』はガトー級潜水艦の32番艦で、完成してから、まだ半年しか経過していない。(ちなみにガトー級70隻+準同型艦のバラオ級101隻=171隻)(2)

 訓練を終えた『デイス』は、10月末に日本近海での隠密偵察を行う様に命令を受けており、『デイス』は3日前に命令されていた偵察場所に到着していた。

 

 その翌日(11月26日)の昼に、ハワイの潜水艦隊司令部より、

「本日、駐米日本大使に最後通告が交付された。エンライト艦長は日本海軍出撃の有無を確認せよ」

 との命令が届いた。

 艦長

「日本海軍も開戦は避けられぬと判断して、出撃準備に入るだろう。準備に24時間掛り、昨日午後にクレ(呉)軍港を出たと仮定すると、ブンゴ(豊後)水道を抜けて来るのは今日の日没前後だろう」

 既に午前中から、何度も対潜哨戒と思われる小型艦艇や水上機を探知していて、その度に潜航して回避していた。現時点では未だ平時なので、いきなり攻撃される事は考えにくいが……

 

 

 ~同日、15:20~

  潜水艦『デイス』

 

 目的地に到達していた『デイス』内部に、緊張が走った。

「艦長! 推進音探知!」

「方向は?」

「ブンゴ(豊後)水道北から南下中、先頭は対潜艦隊の海防艦と思われます」

 潜望鏡を上げると、10隻前後の小型対潜艦が確認された。一旦、潜望鏡を降ろし海中に身を隠す。程なく大型艦を含む多数の推進音を確認した。

「よしそろそろだ。潜望鏡上げろ」

「アイアイサー」

 エンライト艦長が潜望鏡を覗くと、予測通り豊後水道を出て南下する敵主力空母機動艦隊が見える。

 艦長

「小沢提督の主力空母艦隊だ。大型4小型2……」

 

 艦橋が進行方向左側に見えるのは『赤城』、それに匹敵する大きさの『加賀』、やや中型なのは『蒼龍』と『飛龍』だろう。その他に小型空母や、空母の前後に1隻ずつ、金剛型高速戦艦や護衛艦多数が確認できる。

 

 艦長

「30分後に通信! 敵空母艦隊発見、位置、アシズリ(足摺)岬南西120キロ、大型4、小型空母2もしくは3、戦艦2、速力20ノット……敵は南東に進路を変えつつあり」

 潜望鏡を降ろそうとした艦長は、敵艦隊の上空を舞う10羽前後の《鳥》を目撃した。

 艦長

(渡り鳥か? いや何か鳥にしてはおかしいが……)

 艦長は、よく確認しようとするが西日が差し込んでよく見えない。白い羽根は見えるのだが。その時、一瞬桃色の頭部らしきものが見えた。

「艦長どうしました?」

「いや、敵艦隊の近くを何か変な鳥が飛んでいるんだ。む、何羽かこちらに来るぞ。10時の方向に水上偵察機! 急速潜航!」

 

 水上機は『デイス』を発見できなかったらしく、駆逐艦が向かって来る事も無く、30分後に無事通信を完了した。

 艦長

(先ほど見えたピンク色の鳥は日本固有の鳥だろう)

 エンライト少佐は、言わば連合国側で《最初にプリキュアを目撃した人物》になるのだが、本人が、それを知るのは、まだ先の話だった。

 




 1 現在はミクロネシア共和国領土。チューク諸島と呼ばれる。19世紀末から、30年ほどドイツ帝国領土だったが、ベルサイユ講和条約で日本領となった。
SLGゲームでは最重要拠点。相棒劇場版Ⅳで、空襲を受けている島はこのトラック島(昭和19年2月)
 2 戦後海上自衛隊に1隻貸し出された。


 ウェインライト艦長は、実在の人物であるギネス記録を所持しています。興味がある人は調べてみよう。
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