プリキュアDOOMSDAY   作:宇宙とまと

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第12話【レインボー5号計画発動】

  【和解の意思なし】

 

 ~1943年11月26日、夕方~ 

 

 木島中尉は、海軍省がいちか達との連絡担当につけてくれた仕官だ。未だ20代で彼女達(50人くらい、いるが)の兄と言った感じだ。

 その木島から彼女達に驚愕の内容が伝えられた。

 

 木島

「その内容だけど他の子達も含めて、まだ秘密にしてほしい」

 ゆかり

「報道発表は、なさらないんですか?」

 木島

「明日の朝刊で、合衆国から最後通告が来た事は報じられる筈だ。でも詳細が出ると、全国で反米暴動が起きかねないから、新聞社と協議して詳細は記事にしない事にしたんだ」

 

 詳細が書かれた紙を読んだゆかりから、形容し難い怒気が湧きあがったように見えた。

 内容には日独伊三国同盟からの脱退――まあ、これは予想されていたが――、オーガスタ号事件の謝罪と賠償、及び責任者の米側への引き渡し、更に償いとして南洋諸島(マーシャル、マリアナ諸島、パラオ等)の米側への割譲。重巡、戦艦、空母艦の所有禁止と保有している全艦の米側へ引き渡し等の、到底受け入れられない内容が書かれていた。

 

 六花

「これでは日本に死ねと言ってい居るのに等しい。アメリカは……日本と和解する意志は、砂粒すらも持って無いわ」

 ゆかり

「未だエリシオの方がまともね」

 

 

  【レインボー5号計画発動】

 

 ~1943年12月3日、14:00。ハワイ真珠湾~

 

 真珠湾軍港に面した太平洋艦隊総司令部では、出撃前最後の作戦会議が開かれ、各司令官や太平洋艦隊司令部幕僚達が揃って出席していた。

「先ほど、ワシントンの海軍作戦本部から最終命令が届きました。本国は12月7日、東部標準時正午を期して、日本帝国に対し国交断絶、及び宣戦布告を行う事を決定しました」

 太平洋艦隊参謀長スミス少将の発言で、会議室内にざわめきや息を飲み音が聞こえた。

 

 急激な米日関係の悪化に開戦は、まず避けられないと考えていはいたが、改めて、それを知らされると衝撃は少なくない。

 太平洋艦隊司令長官にして、米海軍大将にあるハズバンド・キンメル提督が命令した。

 キンメル大将

「英国も数日以内には対日宣戦を行うとの事だ。我々は数年前に策定されたレインボー5号計画に沿って、まずはマーシャル諸島に侵攻する」

 

 日独伊三国同盟では、構成国が宣戦布告を受けた場合、他の2国もその国に宣戦布告しなくてはならないとある。合衆国が大日本帝国に宣戦布告した場合、第三帝国とイタリア王国は、合衆国に宣戦布告する事になり、合衆国は堂々と第二次世界大戦に参戦可能となる。

 

 レインボー5号計画では、米軍は太平洋においては守勢を保ち、対独勝利を優先する事になっていたが、それでも米軍はマーシャル諸島方面に進出し、迎撃に出て来るであろう聯合艦隊を撃破することを目指した。日本軍に勝利した場合は、マーシャル諸島に第一海兵師団20000名を上陸させ占拠し、前進拠点を設ける予定だった。

 

 その後、新型空母と新鋭高速戦艦が一定程度、揃うのを待ってから攻勢を開始する。

 トラック諸島→マリアナ諸島→硫黄島+沖縄と前進し、日本の海上輸送線を寸断し、大日本帝国を降伏に追い込む。

 

 参謀長

「明日午前8時に、まず空母機動艦隊が出撃」

 ヘンリー・ニューマン少将と、フランク・ジャック・フレッチャー少将が頷く。

 参謀長

「同日正午を期して、キンメル提督率いる戦艦部隊が出撃し、数時間後に敵地に上陸する海兵隊を乗せた輸送船団や給油艦が出撃します」

 フレッチャー少将

「しかし、この大作戦に参加できないとは、ハルゼー中将も運が無い」

 ニューマン少将

「少し早いクリスマス休暇という事ですね」

 

 レキシントン級2番艦の『サラトガ』は、本来なら既に真珠湾に到着している筈だったが、ドックを出る直前、隣で修理していた駆逐艦が作業員の過失で火災事故を起こし、『サラトガ』も被害を受け、10日ほど出港が遅れてしまった。

 強硬派で知られるウィリアム・フレデリック・ハルゼー中将も視察に行っていて巻き込まれ、火傷で入院する事になった。

 

 キンメル大将

「『サラトガ』の到着を待っている訳にはいかん。サラトガ部隊は真珠湾到着後、開戦冒頭の真珠湾攻撃(可能性は高くは無いが)に備えて貰う」

 フレッチャー少将

「聯合艦隊の動きはどうかな参謀長」

 参謀長

「《デイス》と《ダーター》が通報して来た艦隊は、トラック諸島で補給を行っている最中でしょう。正規空母4、客船改造の中型2、小型3から4。戦艦はコンゴウ型高速戦艦2の他に、《ナガト》《ムツ》と《イセ》型戦艦2……それに噂の新戦艦2隻」

 キンメル大将

「日本帝国が軍縮条約無効後に建造して来た新鋭戦艦か。本国は45000トン前後で、16インチ(40センチ)砲9門を搭載した高速戦艦と見ている」

 実際は65000トンで主砲は46センチ砲9門なのだが、米海軍は、それを知る術を持たなかった。

 参謀長

「台湾北部には大型空母2、小型数隻とコンゴウ級戦艦2隻、重巡5から6隻が集結している模様です。更に陸軍師団を搭載した輸送艦隊も台湾北部に集結中」

 ニューマン少将

「英極東艦隊に対抗する為ですな。敵は主力空母を分散せざるを得ないでしょう」

 

 中部太平洋に展開する正規空母は4対4だが、搭載機の数は米側が3割多い。よって4対5で米側有利と言える。

 米国はフィリピンにアジア艦隊を配備しているが、重巡《ヒューストン》以下、軽巡2、駆逐艦10程度なので、被害を避ける為にオーストラリア北部ダーウィンへの退避命令が出ている。現在は、蘭領インドネシア東部のモルッカ諸島沖を南下している。

 

 キンメル大将

「では解散とする。今日は休んで出撃に備えてくれ。なお開戦は既に決定してはいるが、未だ議会の承認は下りてはいない。それまではあくまでも平時だ。途中、敵と遭遇しても、こちらからの攻撃は控えてくれ。我々は100年前まで鎖国の惰眠を貪っていた田舎国とは違う。文明国家だと言う事を忘れるな」

 

 キンメルはハルゼーがここに居ない事は、むしろ幸いだと思った。ハルゼーの反日感情は尋常ではないからだ。開戦期日前から日本の航空機や潜水艦を彼が目にした場合、容赦なく攻撃せよと命令を出す危険性が高かった。(1)

 

 

艦隊編成表

 

 

第一艦隊 山本五十六大将(連合艦隊司令長官)

呉軍港からミクロネシア・トラック島へ移動中

 

第一戦隊

『大和』『武蔵』『長門』『陸奥』『日向』『伊勢』」

第六戦隊 五藤存知少将

『青葉』『衣笠』『加古』「古鷹」

第十一戦隊 原口恭一少将

 防空巡『吉野』『四万十』

 

第三水雷戦隊 橋本信太郎少将

軽巡『能代』+駆逐艦9隻

第六航空艦隊 桑原虎雄少将

軽空母 『雷祥』『祥鳳』

 

第四航空戦隊 角田中将

 

中型空母『隼鷹』『飛鷹』

駆逐艦6

 

 

第二艦隊 近藤信竹中将 

 

在高雄港(台湾南部)

 

第三戦隊 近藤中将

戦艦『金剛』『榛名』

第四戦隊 阿部弘毅少将

重巡『愛宕』『鳥海』

第七戦隊 栗田健男少将

軽巡『最上』『鈴谷』『三隅』『熊野』

 

第二水雷戦隊 田中頼三少将

 

旗艦 『神通』 駆逐艦9隻

 

 

第五航空戦隊 原忠一少将

空母『瑞鶴』『翔鶴』軽空母『瑞鳳』

第十二戦隊 下山少将

防空巡『手取』『黒部』

駆逐艦6隻

 

 

 

 

第一航空艦隊 小沢治三郎中将

 

呉軍港からトラック島へ移動中

第一航空戦隊

空母『赤城』『加賀』

第二航空戦隊 山口多門少将

空母『蒼龍』『飛龍』軽空母『千代田』

第八戦隊 三川軍一中将

戦艦『比叡』『榛名』

第十戦隊 城島高次少将

重巡『利根』『筑摩』

 

第一水雷戦隊 大森仙太郎少将

旗艦軽巡『阿賀野』+駆逐艦8隻

 

本土で待機

 

戦艦『山城』『扶桑』重巡『妙高』『那智』

 

 

英極東艦隊 トーマス・フィリップス大将

 

 

戦艦『プリンス・オブ・ウェールズ』巡洋戦艦『レパルス』

 

航空艦隊 クラッチレー少将

空母『インドミダブル』『アークロイヤル』

重巡『エクゼター』

防空巡洋艦『ナイアド』『デリー』

軽巡『ドラゴン』『ダーバン』『ダナエ』

駆逐艦10隻

 

オランダとオーストラリア海軍は省略




1 史実では実際にそのような命令を、許可も無く出していた。

米艦隊の編成はまた後日
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