プリキュアDOOMSDAY   作:宇宙とまと

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原作タグをプリキュアに変更しました。


第15話【奇襲】

  【奇襲】

 

 ~1943年12月8日、午後0時。米極東空軍、マニラ、クラークフィールド基地~

 

 トーマス・ブレリートン少将(米極東空軍司令)

「午前中には結局、空襲は無かったな」

 参謀(米陸軍中佐)

「偵察機搭乗員によると、台湾の大部分が深い霧や雲に覆われているみたいですね」

 

 夜明けと同時に米極東空軍は戦闘機の大半を発進させ、台湾や台湾近海に居るはずの敵空母からの空襲に備えた。しかし、何時間経過しても敵機は姿を見せない。かなりの悪天候で、今日の空襲は断念した可能性もある。

 

 午後になれば流石に霧も晴れるだろう。午後に空爆隊を出す事を決め、現在は準備中だ。それまでに、朝から迎撃に発進した戦闘機に燃料給油を終えなければならない。搭乗員に昼食を採らせる必要もある。

 ブレリートン少将

(今、空襲を受けたら大変な事になるが、いかんいかん縁起でもない)

 兵士

「アパリのレーダー基地より至急電! 敵機、大編隊探知! バシー海峡上空を南下中!」

 アパリはマニラの在るルソン島北岸の町で、バシー海峡に面している。

 

 

 ~同日、午後0時45分。クラークフィールド基地上空~

 

 堺次郎

「上空の敵機は少ないぞ。敵さん燃料補給の途中だな」

 午前9時に漸く濃霧が晴れて、攻撃隊を発進させたが、結果的に最良のタイミングとなった。堺は慌てて上昇する敵戦闘機を発見した。

 その中にイワシを天日干しにして塩漬けし、数尾ごと藁で貫いた伝統料理、メザシに似た形の大型戦闘機を発見。慌てて操縦桿を倒し機関砲を避ける。

 堺

(あれが噂の《P-38》か? 変な形だが時速600キロは出ているな)

 

 同盟国ドイツ経由で入手した情報だと、《P-38ライトニング》は中東などでは、重戦闘機や戦闘爆撃機として活躍しているらしい。

 堺は続いて上昇して来る《ライトニング》を発見して、後ろ上空に回り込み、20ミリ機関砲を発射する。狙い通り左エンジンに命中し、敵機は破片をばらまきながら墜落して行った。

 堺

(あの図体だから機動戦は苦手そうだな。しかも練度も高くない)

 更に、もう1機撃墜した時には、上空を飛んでいるのは味方機ばかりで、撃墜された米戦闘機の黒煙が多数、たなびいている。その時、小隊長の笹山中尉から無線が入る。

 

 笹山

「今から滑走路の爆撃機を銃撃する。お前も来い」

 堺

「了解!」

 

 滑走路には、多数の爆撃機《B-17フライングフォートレス》が並んでいる。

 《B-17フォートレス》はアメリカ初の大型爆撃機で、最大速力はおよそ時速530キロ、航続距離は2000キロで爆弾は大体5トン前後搭載できる。後期生産型は非常に撃墜しにくく《空飛ぶ要塞》の異名で知られる。

 欧州では連日、英国の基地から発進し、ドイツ工業地帯や交通インフラを爆撃している。

 

 笹山小隊長機と2番機に続き、堺の《零式艦上戦闘機》も滑走路に向け降下を開始する。急降下だと空中分解するので浅い角度で降下する。

 空中戦なら《B-17フォートレス》に多数配備されたブローニング・12.7ミリ機銃が一斉に発砲されるが、空港に駐機している状態では反撃も出来ない。

 高度200メートルまで降下して、20ミリ機関砲を発砲する。

 

 堺

(空飛ぶ要塞と言われるほど頑丈な機体だ。反撃が無い状態でも破壊できるだろうか)

 しかし、それは杞憂だったようで、エンジンから出た火が補給されたばかりのガソリンに引火し、右主翼が吹き飛んだ。

 笹山中尉はエンジンだけでは無く爆弾庫にも機関砲をぶち込んで、搭載準備中の爆弾を誘爆させ大爆発を起こさせた。

 堺が3機目の《フォートレス》を銃撃し始めた時、弾切れになり20ミリ機関砲は停止した。

 7.7ミリ機銃は未だ弾があるが、7.7ミリ機銃では《B-17フォートレス》を破壊する事は困難だった。

 笹山

「そろそろ爆撃隊の爆撃が開始されるから撤収するぞ」

 

 高度を上げる寸前、目の前にいた燃料給油車に7.7ミリ機銃をついでに撃ち込んでおく。が、期待していた大爆発は起きない。

 堺

(残念、既に給油した後で、空のタンクローリーだったか。後は、爆撃隊に任せるぞ)

 数分後、大混乱に陥っているクラーク・フィールド基地上空に、乱れなく飛行していた高雄航空隊、《一式陸上攻撃機》40機が整然と突入を開始した。

 

 

 ~同日、14:00~

 

 第一次爆撃隊が離脱を開始するのと入れ違いに、戦闘機30、爆撃機35からなる第二次爆撃隊が襲来し、クラークフィールド基地やマニラ近郊にあるイヴァ飛行場に爆弾の雨を降らせた。

 

 木村幸太郎(爆撃担当)

「機長、黒煙で敵飛行場、視認困難です」

 機長(海軍大尉)

「クラークフィールド基地は滑走路も破壊されている様だ。格納庫らしき建物は激しい黒煙の中に、辛うじて輪郭が見える程度だ」

 機長が爆撃担当の乗員に指示を伝える。

 機長

「小隊長、宮田少佐より命令だ。敵飛行場、視認困難につき、第二小隊6機はキャビテ軍港に向かい、在泊艦船もしくは港湾施設を攻撃する」

 

 出撃前に、敵飛行場に甚大な被害を与えた場合や、黒煙などで視認困難な場合は軍港を爆撃しても良い。という許可は出ている。マニラ湾には巡洋艦のような大物は、やはり居ない様だ。

 篠田(尾部機銃担当)

「大型艦は居ませんね」

 機長

「事前の情報通り、豪州北部に一時退避したのだろう」

 

 湾内には5000トン級輸送船1、かなり旧式の駆逐艦2、潜水艦3~4隻が停泊しているのが確認できた。輸送船はボイラーが故障でもしているのか動きは無い。しかし、他の艦は急いで逃走しようとしていた。

 《一式陸攻》6機が港に近付くと、駆逐艦が対空砲と機関銃を撃って来たが、装備が古すぎるのか乗員の腕が悪いのか、砲弾は全て見当違いの方向へ飛んで行った。

 宮田少佐機と2番機は、駆逐艦を無視して中型輸送船に爆弾を投下。250キロ爆弾4発から5発が命中し、炎上し大きく傾いた。

 3、4番機は旧式駆逐艦《ピアリー》《ヒルズバリー》を上空500メートルから爆撃し、それぞれ2発ずつ250キロ爆弾を直撃させた。20年前に完成した旧式の老朽駆逐艦には完全に致命傷で、爆発炎上しマニラ湾に消えた。

 

 




霧のおかげで奇襲になったのは史実通り。

 小話

 1940年5月10日、ナチス第三帝国軍はベルギー・オランダ・ルクセンブルクに侵攻を開始し、瞬く間に占領しフランス軍の防錆ラインも突破し、6月にはパリを陥落させました。その時未だ、イタリア王国は未だ参戦していなかったのですが……



 「総統閣下! イタリアが参戦しました」
ヒトラーは全く慌てず、
 「3個師団も派遣して防衛すればよい」

 「違います、イタリアは我らの味方として参戦したのです!」
ヒトラーは仰天して、椅子から立ち上がり、
 「それでは、10個師団を派遣してイタリアを救援しなくてはならない!」

 有名な戦争ジョークなので、何処かで見た事がある人も居るかも。
 
続きは明日投稿します。
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