プリキュアDOOMSDAY   作:宇宙とまと

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 艦これ造船神様へ、そろそろ《大和》《武蔵》《大鳳》を出してください。


第18話【南シナ海航空戦後編】

~同日、午前9時30分~

 英空母艦隊 旗艦《インドミダブル》

 

 インドミダブル乗員や空母部隊司令クラッチレー豪州海軍少将は、帰還機の少なさに愕然とした。

 クラッチレー少将

「日本機の能力は、イタリア機を遥かに凌駕している様だ」

 参謀

「報告によると極めて格闘戦に強いそうです。かなり機体重量を削っていると考えられます」

 クラッチレー少将

「私達にも新型戦闘機が有れば……」

 もっと性能の良い艦上戦闘機も有るが、本国艦隊の空母に優先配備されてしまっている。

 残存機の収容が半ばまで終わった時、

「航空機らしい編隊を探知!」

 参謀

「味方機を尾行しやがったな」

 

 敵の攻撃を撃退した後、空中退避していた攻撃隊は、敵機を尾行して英艦隊に辿り着いた。

 村田重治(攻撃隊指揮官 少佐)

「ジョンブル(英国)は意外に近い所に居たな? マニラの米軍が大損害を受けたから、一旦後退するかと思ったが」

 未明から出していた偵察機には、英艦隊は遠距離に居ると考えていたので、発見できなかったのだろう。

 第一次攻撃隊は《零式》艦上戦闘機が各18機、艦上爆撃機《彗星》各20機、艦上雷撃機《天山》が各18機、合計すると113機となる。

 英空母は収容作業を中断し、戦闘機を発進させたが、その数は少ない。

 米極東空軍にも支援を要請したが、この日も朝から台湾より発進した、第十一航空艦隊の攻撃を受けており、支援は不可能だった。

 

 村田

「瑞鶴隊は戦艦をやれ。翔鶴隊は空母をやれ」

 村田は翔鶴隊《天山》18機を率いて、空母《インドミダブル》に向かう。

 天山乗員

「敵の巡洋艦の対空射撃が激しいですね。あれが英国自慢の防空巡洋艦《ダイドー》級ですか」

 

 《ダイドー級》巡洋艦は排水量6000トン、全長156メートル、速力32ノットの軽巡だが、特筆すべきは、史上初の対空戦闘を主任務にした巡洋艦として知られる。主砲は5.5インチ対空砲8門と、多数の対空機関砲を装備している。

 

 乗員

「隊長、他の軽巡……20年前の旧式艦ですが、あいつらも防空巡洋艦に改造されていますね」

 村田が確認すると、第一次世界大戦の末期に建造された旧式巡洋艦も、主砲が5.5インチ対空砲に交換され、更に対空機関砲が多数増設されているのが確認できた。

 村田

「全機、海面近くまで降りろ。高度10メートル以下だ。そこに天井があると思え!」

 天山隊18機は対空射撃を避ける為に、高度10メートルまで降下する。僅かでも操縦を誤れば墜落は免れなく、高度な技術が必要とされる。

 まず、中島大尉率いる《彗星》による急降下爆撃が開始される。

 《インドミダブル》と護衛艦の対空射撃で、3機が撃墜されるが、高度500から必殺の500キロ爆弾を投下し、2発直撃する。

 しかし、格納庫天井が装甲化されていたので、貫通できず命中した直後に黒煙が上がった。

 

 村田

「500キロ爆弾の直撃に、耐えられると豪語しているそうだが真実だったか」

 平山清志一飛曹(無線担当)  

「魚雷をぶち込んでやりましょう。魚雷に対しての装甲は無いのでは」

 村田

「そこまでやったら、とても30ノット以上は出せない。魚雷に対する防御は他の空母と同じだろう」

 

 天山隊18機に対し、英艦隊は対空射撃を開始するが命中しない。高射砲も何故か天山隊のはるか後方で爆発している。

 星野要二飛曹長(操縦士)

「敵さん、天山の最高速度を自分達の雷撃機と同じくらいだと思いこんでいるんですね」

 空母《インドミダブル》まで距離1200……1000……800と近づいていく天山隊。 

「距離600!」

 村田

「魚雷投下」

 

 操縦士が魚雷投下レバーを下げて、九一式航空魚雷が《天山》を離れて着水する。

 同時に《天山》は反動で、一瞬ふわりと浮き上がる。雷撃機にとって非常に危険な瞬間だ。

 3番機が魚雷を投下しようとした瞬間、村田機をかすめた機関銃弾で、3番機から霧状にガソリンが噴き出す。

 3番機の黒木曹長は軍令部総長の遠縁に当たり、当人も、それを鼻にかけ自慢するので周囲からは浮いていた。

 

 村田

「黒木、早まるな!」

 黒木は、いつも通りふざけた感じで敬礼をすると、そのまま《インドミダブル》に突入して行く。

 それを目撃した英空母や護衛艦の乗員が壮絶な自爆に怯んで、数秒間、対空射撃が止んだ。その隙に残りの《天山》は、急いで急上昇して逃れる。

 村田

「魚雷は命中したか?」

 清水

「水柱2……2本命中! 魚雷ごと突入した黒木曹長の分を入れると、魚雷3本命中です」

 艦体中央に都合3本の魚雷を喰らった《インドミダブル》は、つんのめった様に停止し、左舷に大きく傾いた。特に魚雷ごと突入した青木機の魚雷で、発電機室が浸水し電力の半分が落ちたのが致命的だった。

 村田

「黒木……《インドミダブル》は沈むぞ……」

 

 翔鶴隊に、戦艦を攻撃していた瑞鶴隊が合流して来る。

 フィリップス提督の旗艦《プリンス・オブ・ウェールズ》には、500キロ爆弾3、魚雷2が命中。艦橋の後ろに在る特徴ある14インチ四連装砲塔は、破壊され炎上している。

 しかし、機関部は無事の様で、未だ全速で退避しようとしているのが見える。

 巡洋戦艦《レパルス》にも、偶然、同じ爆弾3に加え魚雷2が命中していた。

 しかし、こちらは魚雷の内、1本が艦尾にある舵を破壊してしまい、ちょうど回避行動中だった《レパルス》は、そのまま左旋回を続けるしかなくなった。

 第二次攻撃を受ければ、まともに回避できない《レパルス》の命運は既に尽きていた。

 

 ~同日、午後1時50分~

 

 第五航空戦隊は、もっと早い時間に第二次攻撃隊を出すつもりで、敵の空襲を撃退してから、直ぐに準備を開始していた。

 しかし、10時ごろから艦隊は、断続的に米軍機の爆撃を受けた。

 極東空軍司令プレリートン少将は、昨日の戦闘で破壊を免れた戦闘機や、爆撃機をかき集めて五空戦に爆撃を命じた。もっとも、ルソン島北部の飛行場は大半が破壊されていた。

 そのため、攻撃に加わったのはルソン島中部と、南部の飛行場から、かき集めた航空隊である。

 極東空軍の主力は、マニラ近くの基地に集中していたので、ルソン島中部や南部の航空隊は大半が旧式機だった。

 戦闘機も《P-38ライトニング》の様な新型機は無く、《P-40ウォーホーク》ならまだましで、もう10年近く前に完成した《P-36ホーク》や《P-35》等の、現在では練習機くらいにしか使えない戦闘機も攻撃に参加した。

 搭乗員の技量も極めて低く、そもそも機数も少なかった。攻撃も少数機での爆撃が断続的に行われただけだった。

 無論、10年前の戦闘機や爆撃機で戦果が挙がるはずも無く、大半が撃墜され、撃墜マークを配給するだけだった。しかし、少数機の攻撃が数時間続き、攻撃隊発進が遅れてしまったのは事実だった。

 

 漸く空襲が一段落した12:45に、第二次攻撃隊(戦闘機28、《彗星》艦爆34、《天山》32)が発進し、英極東艦隊攻撃に向かった。

 英艦隊上空に辿り着くと、戦艦《プリンス・オブ・ウェールズ》は、南海名物のスコールの下にでも隠れたのか、姿が見えなかった。

 《レパルス》は浸水が限界に達したのか、完全に停止していた。

 半身不随の《レパルス》は回避もままならず、瑞鶴攻撃隊の爆弾と魚雷を喰らって、《レパルス》艦長テナント大佐以下多数の乗員諸共、南シナ海の藻屑と化した。

 

 一方、翔鶴攻撃隊は《アークロイヤル》の攻撃に向かう。

 江草隆繁少佐(攻撃隊指揮官)

「航空機の大半を失って置物と化している空母より防空巡洋艦の方が厄介だな。彗星隊は防空巡洋艦をやるぞ」

 《アークロイヤル》よりも激しく対空射撃をしている防空巡洋艦を爆撃した方が、天山隊による空母攻撃が成功する確率を高くできると江草は考え、半数はダイドー級防空巡《ナイアド》を。

 残りの半数は、その後方にいる旧式巡洋艦を防空巡に改造した艦艇を、爆撃するように指示を出した。

 江草少佐の《彗星》を先頭に、8機が《ナイアド》に向け急降下を開始した。

 《ナイアド》も真上の《彗星》に向け、20ミリ対空機関砲と5.5インチ対空砲を撃ってきた。

 周囲は直ぐに炸裂する対空砲の至近弾による黒煙と、対空機関銃の弾で満たされた。

 

 江草

(下から上がって来る対空機関銃の弾道は、確かに駄菓子屋で売ってる氷菓子に見える)

 機銃手

「5番機被弾! 6番機もです!」

 不運にも、『氷菓子』にエンジンや主翼をやられた《彗星》が、破片をまき散らしながら墜落して行く。

 高度計が600を切った瞬間、江草は爆弾を投下し、操縦桿を引く。目の前に迫っていた敵艦の船体と海面が機体の下に消えて行く。

 江草の投下した500キロ爆弾は《ナイアド》の艦橋を直撃し、艦長以下の艦橋要員を纏めてなぎ倒した。

 2発目は第一主砲を直撃。3発目は煙突に命中し、そのまま機関室まで貫通した。4発目は左舷後方の対空機関銃に命中し、周囲の機銃を破壊した。

 直前まで激しく射撃していた《ナイアド》は黒煙に包まれ、被害を免れた対空砲が、散発的に射撃しているだけだ。

 

 別隊も旧式巡洋艦《デリー》に爆弾3発を直撃させていた。

 命中弾は《ナイアド》より1発少ないが、旧式巡洋艦にとって耐え難い打撃だった様で、3発目の命中弾が装甲を貫通し主砲弾薬庫で爆発。《デリー》は海底火山の様に爆発し、中央で二つに折れて轟沈してしまった。

 対空攻撃が大きく弱まった所で、天山が《アークロイヤル》に接近し魚雷を投下した。

 が、《アークロイヤル》もベテラン艦長の操艦で回避を続けた。

 それでも遂に魚雷が左舷前部に命中し、他に2本の魚雷が命中コースに乗っているのを目撃した天山隊乗員は、撃沈を確信した。

 しかし、2本目の魚雷は1本目の15秒後に命中したが、命中角度が悪かったのか、信管が作動しなかったため、魚雷は爆発せず、直ぐに波の力で外れて海中に沈んで行った。

 3本目の魚雷も僅かに艦首を逸れてしまい、目撃した天山隊搭乗員は全員、諦めの溜息を吐いた。

 《アークロイヤル》は魚雷命中の影響から速度が落ちているが、停止せずにスコールの下に逃げて行った。どうやら撃沈させることは、諦めなければならないだろう。

 スコールの範囲はかなり広く、日没までに再度攻撃を行うのは難しいだろう。

 結局、世界初の航空母艦同士の戦闘《南シナ海航空戦》は、一応、日本側の勝利と言える形で終わった。

 

 巡洋戦艦《レパルス》と正規空母《インドミダブル》が沈没。

 戦艦に命中しそこなった魚雷が駆逐艦《ヴァンパイア》に命中し、同艦は轟沈。

 《彗星》の急降下爆撃で4発の直撃を受けた《ナイアド》は、乗員を救助し味方駆逐艦の魚雷で処分された。

 旗艦《プリンス・オブ・ウェールズ》は大破、《アークロイヤル》は魚雷命中で速度が20ノットしか出なくなったが、沈没は免れた。

 最後に《アークロイヤル》を外れた魚雷は、重巡《エクゼター》に命中し、同艦を中破させた。

 一方、日本側は艦艇の被害はほぼ無かったが、戦闘機と爆撃機合計して25機を喪失した。アメリカ合衆国(1)と比較して予備搭乗員の数に限界がある日本にとって、無視できぬ被害だ。

 

 

 ~同日、2時50分~

 

 赤井直人中尉(天山機長)

「2発目の魚雷が不発とか、そんな事も起きるんだな? 何が原因だろう?」

 青田銀二上等兵曹(操縦)

「1発目の直後だったから、衝撃波とか空母の振動が悪く働いたんじゃないですか?」

 赤井

「衝撃波で信管が壊れたんかもしれんな。あっ、俺達の魚雷もそれが原因で外れたのか?」

 白田陽介上等兵(無線担当)

「場所がかなり離れていますから違うでしょう」

 

 彼らの魚雷は、あとわずかで艦首に命中しそうだったが僅かにずれ、《アークロイヤル》の反対側に消えていた。

 白田

「でも外れた魚雷は、反対側にいた重巡に命中したからよかったじゃないですか」

 赤井

「うーん、でも重巡は魚雷1本じゃ沈まんだろうなあ」

 赤井の愚痴に呼応する様に《天山》も重苦しく高度が下がって……

 赤井

「エンジンの調子がおかしいぞ! 攻撃とか受けてない筈だが」

 白田

「離脱する際に敵駆逐艦の対空砲が至近距離で爆発しましたが」

 青田

「あの時、破片がエンジンに当たったのかも」

 そうしている内にエンジンはプスンプスンと情けない音になって、やがて止まってしまった。

 やむを得ず、赤井は《天山》を不時着水させた。既に視界に味方の空母や駆逐艦が見える距離なので、直ぐに助けが来るだろう。

 

 赤井

「二人とも無事か?」

「大丈夫です」

「ちょっとぬるい温泉だと考えましょう」

 赤井

「いや完全に水風呂だろこれ」

 三人が漂っていると、ふわりと直ぐ近くに救命いかだが降ろされた。

 赤井

「早いな、ありが……」

 目の前に美少女が二人立っていた。ポカンとなる3人。

 キュアトウィンクル

「そのいかだの上で助けを待っていて。水に漬かっていたら風邪ひくよ」

 キュアスカーレット

「お怪我はございませんか? 僅かな血の匂いでもサメさんに気付かれるそうですよ」

 白田

「3人とも多分、大丈夫です」

 二人の美少女は、ごきげんようと優雅にあいさつし飛び去った。

 赤井

「これは夢か? イテテテ」

 青田

「いや現実です」

 赤井

「自分の顔でやってくれ」

 

 

 ~同時刻~

 空母《瑞鶴》

 

 貝塚大佐

「二人が新たに不時着機を見つけたみたいですね」

 原少将

「今回は彼女達を直接戦闘に巻き込まずに済んだか」

 貝塚

「それは幸いでした。後数日以内にフィリピンの制空権は、我々の物になるでしょう」

 原少将

「こちらには現状、彼女達を参加させなくてはならない強敵はいない。が……」

 貝塚

「あちらは、そうはいかんでしょう」

 

 二人は艦橋の反対側に歩き、東の空を指さす。その地より東へ8000キロ彼方より、強大な敵がマーシャル諸島に向け近付いている。

 

 数時間前から、やや遠距離との無線交信がノイズで混線し入り辛くなっている。

意図的なものでは無く、どうやら自然的なものらしい。通信長曰く今年は太陽活動が活発になっており、それが原因かもしれないとの進言は受けていた。

 

 フィリピンを300年支配したスペインが誇った『無敵艦隊』を遥かに凌駕する、『新・無敵艦隊』が日本本土への第一歩として、まずマーシャル諸島を占領し、日本の超重要拠点トラック諸島や、マリアナ諸島を攻略する前進拠点を作る為に。

 

 

 しかし、古来より「無敵」だの「不沈」だと言われたものがあっけなく、敗れ去った事例は多い。スペイン帝国の『無敵艦隊』もおよそ350年前、フランスカレー沖で

フランシス・ドレーク提督率いるイングランド海軍に大敗を喫した。キンメルも、ノックス海軍長官もルーズベルト大統領も、アロンソ・ペレス・デ・グスマン提督(2)以上の悪夢を味わう事になるとは想像すらしていなかった。

 





1 ガチのチートとか、リアルチート国家等と言われる。車の免許を持っている若者が多かったので、航空機搭乗員の予備は大量に居た。シュミレーションゲームでは、故意に合衆国の国力を抑え気味にしてあるそうな。

2 アルマダ海戦のスペイン側海軍司令官 海戦の経験皆無



来週に続く・・・
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