平成も、残り期間大相撲1回分を切りました。
【お仕置き】
12月13日に、いちか達と連合艦隊は中部太平洋の最重要拠点トラック諸島(チューク諸島 相棒劇場版Ⅳに登場)に入港した。
その数日前の12月10日に、第十四軍(本間雅晴中将)の一部がルソン島北部のアパリとビガンに上陸。
12日にはルソン島南端のレガスピーに上陸し、現地の飛行場を占領していた。
米領グアムは、12月10日には第五十五師団の南海支隊が、ほぼ犠牲無しに占領していた。
中部太平洋の孤島ウェーキ(ウェーク)島は、第一回の攻略作戦は、猛反撃を喰らい撃退されてしまった。別の艦隊が空母数隻と巡洋艦の支援の下に向かい、2週間以内に占領する予定だ。
いちか達は、数日間、南国の島で休養した後、海軍が手配した輸送用飛行艇で本土に戻った。
ひめ
「長官! 半分くらいは、こっちに残った方が良いんじゃないですか? アメリカ軍が反撃して来るかも知れません」
(ぬふふ、この時代の東京は温暖化してないから寒そう。こっちは温かいから、こっちに残ろう)
しかし、小沢中将に「しばらくは米軍の反攻も無いだろうから、皆でゆっくり休んでおいで」、と言われては、ひめも断念せざるを得なかった。
ひめ
(みんな揃って、本土でお正月を過ごしておいでって事だよね。アメリカの反撃が始まったら、全員で休養するわけにはいかないだろうし。それに飛行艇に乗る経験は、多分、現代の日本じゃできないだろうな。豚が空を飛ぶ映画みたいだ)
~数日後~
飛行艇は、羽田沖(1)に到着した。
いちか
「お尻が痛いですぞ」
疲れていたが、いちか達は、ある事を確認する必要があった。
通称『プリキュア宿屋』に戻ると、あの憲兵隊長が待っていた。いちかに息子を助けて貰った人だ。
憲兵隊長
「あの孤児院では、我々の予想通り、人身売買が行われていました」
いちか達が、この世界に来る以前より、警視庁と憲兵が内偵を進めていたそうだ。
どうも一部、軍の下士官や兵士が、この組織に協力しているらしい。憲兵の仕事は、軍内部の不祥事の取り締まりだ。
ちなみにスパイを拘束するのは、特別高等警察の仕事だ。有名なソ連スパイのゾルゲを逮捕したのも、特別高等警察と警視庁の外事課だ。
史実では、憲兵は東条英機首相兼、陸軍大臣の私兵と化して、東条に対する批判的な政治家や文化人、更に報道関係者の監視を行っていた。
ありす
「次の取引はいつなんですか?」
隊長
「それが、今夜……」
マナ
「行くよ!」
マナは疲れなんか気にせずに、飛び出していった。
~東京都麻布区(戦前は35区。現在の港区)~
悪徳孤児院運営者
「今日も儲けさせて貰いますか。アメリカと戦争になったから、ますます儲かるかもな。戦争で子供を失う夫婦に、器量の良い孤児を売る。万一、戦況が悪化したら、田舎にでも逃げるか……」
その男は客を待たせている離れに向かう。
運営者
「金蔵さん、お待たせしました……」
男は金蔵(仲買人)に挨拶するが、返答が無い。妙なので中に入ってみる。
金蔵は縛られて転がされていた。むぐーと情けない声を上げる。男は、持っていた杖を構えるも、その杖を、あっという間に叩き落された。マナ達は変身しなくても十分に強い。
運営者
「は……離せ……」
ありす
「子供たちは無事ですか?」
マナ
「もし、一人でも無事でなかったら……」
運営者
「……」
マナ
「その時は、貴方の命を貰うね」
運営者
(アカン、この目はガチだ……)
幸い、子供達は全員無事で、悪徳運営者はマナに命を貰われず済んだが、同行していた憲兵に逮捕された。
他の子は里親を探すか、新たな孤児院を行政が探す事になった。里美は一先ず、軍が保護した。
マナ
「よしよし、もう大丈夫だよ」
数分後、マナとありすが話し込んでいる。過去の平行世界に来てからの話や、里美の話をしている。
「どうかしましたかマナちゃん?」
突然話を止め、辺りを覗うマナ。暗がりに向け鋭い視線を向ける。
マナ
「誰か居るの!?」
ありすも、犯罪組織の残党かと思い、戦闘態勢を取る。だが……
猫が、のんきにニャーンと鳴きながら歩いてくる。どうやら近くの飼い猫が、気ままに夜の散歩をしていたらしい。
猫は悠然と、二人の前を通り過ぎる。マナとありすは、また話を再開した。
マナ達と共に孤児の救助に出向き、孤児院からプリキュア宿屋に戻って来たシエルは、花海ことはが祈りを捧げている姿を目にした。
シエル
「ことはは、精神統一でもしてるの? それとも、犠牲になった両軍の兵士の為に、お祈りしてるの?」
ビブリー
「それはさっき終わった。お茶どうぞ」
シエル
「ありがとうビブリー」
やがてお祈り? が終わり、ことはが出て来る。
ことは
「はあーダメだったよ。この世界に魔法界は無いみたい」
ことはは、この世界に魔法界があれば、そこで元の世界に戻る方法が見つかるかもしれない。と考え、この世界での魔法界を探していた。
この世界に、もし魔法界が在ったら、こちらでのリコが、そこに居るかもしれないので、会ってみたかったらしい。
魔法界を見い出すことができなかったため、次元の壁を越えて、魔法界に向かうテレパシーを送ろうとしたが、それもダメだったそうだ。魔法界は、世界Aには存在しないのだろう。
だが、それ以外の魔法に異常は無かった。ことはは、軍艦の中に場所を取らない四次元空間に、シャワー室を作ってしまった。(ちなみに湯も魔法で無制限に出るようだ)
プリキュアが乗っている船だけでは無く、全ての軍艦と輸送船に作り上げた。流石に海中の潜水艦には無理だったが。
それと、プリキュア寝室は魔法バリアでプリキュア以外は勝手に入る事は出来ないようにしてある。
安全の為には必要な措置だ。チートか? と思われるかもしれないが……(ことはこと、はーちゃんはガチの公式チートだから)
更に、設定上、飛べないプリキュアも魔法で飛行可能にした。
はーちゃんは魔法を用い、一瞬で女子大生を女子中学生に戻す。と言う、ガチの公式チートだから、あり得る話だ。
アメリカ合衆国という強大な国力、物的資源、人的資源、技術力を兼ね備えたリアルチート――20世紀のローマ帝国――に対抗する為には、更なるチートが必要なのだろう。
多分……
この世界の戦後では、「欧州戦線は、ナチズムと自由主義の戦いだが、太平洋戦争はチートとチートの戦い」だと、一部歴史学者やネット掲示板で、記されることになるかもしれない。
シエル
「ビブリーなんでここに!」
ビブリー
「気付くの遅すぎー、私は3日前に現れたの」
そこに居たのは、消息不明だったビブリーだ。
いつまでも見つからないので、ビブリーは巻き込まれずに済んだと思われていた。
番外編 いちか謎の黒いナマモノ(江戸川方面から飛んで来たらしい)と遭遇するの巻
羽田飛行場付近に、飛行艇が着水しいちか達は、数時間ぶりに硬い地面の上を歩く。《九七式飛行艇》は、その優雅な外見を愛され民間旅客機としても使用された。主に、本土とマリアナ諸島や南洋諸島との航空路に使用されている。でも、悲しいかな現代の飛行機と比べ速度は極めて遅く、乗り心地も劣る。(新幹線と同じくらいの最高速度)
「疲れましたぞ」
飛行艇桟橋から、陸地に上がり歩いていると北東の方角から、一羽のカラスが舞い降りて、生ごみを漁っている。それを見たいちかはがっかりしてしまった。童謡にもなるくらいだから、昔のカラスはもっと可愛いのかと思っていたが、どうやらそんな事は全く無かった様だ。田舎のカラスならまだしも、都会のカラスが生きて行くのは大変なのだろう。
疲れていたいちかが、横を通り過ぎようとするが、カラスは全く動じず生ごみを漁っている。いちかは一瞬カラスを見るが、再び歩き出した。だが、直ぐに立ち止まって今度はじっくりとカラスを見る。
カラスは何故か目つきが悪い。更に外見が完全にぬいぐるみに見える。
「戦争が始まってから、生ごみの質が落ちてきた気がする。アメリカ人はホットドックとか食ってるそうだけど、キ○エも食べてみたいなー」
「しゃ、喋ってますぞー!!」
いちかの絶叫を聞いた謎の喋るカラスが、いちかの方を向く。
「おい、何勝手に見てるんだよ。見世物じゃねえぞ。金払えバカー!」
「カラスが恐喝!」
「お金払って。あ、日本円やドイツマルクの様な枢軸国の通貨はお断りです。戦争に負けたら紙切れになっちゃうじゃん。だからアメリカドルか、スイスフランでお支払いください」
「これが噂の意識高い系? でも、アメリカドルは無いですぞ」
「一文無しかよ。という訳でバカー!」
謎の黒いカラスは、北東の方角に飛んで行った。
「いちか、どうしたの疲れちゃった?」
気付くと、シエルがいちかを心配そうにのぞき込んでいる。
「シエル、今変なカラスが!」
「カラス?」
説明したら皆が生暖かい目で、いちかを見る。
「いちかちゃん、疲れてしまったんですね」
「いちかは、疲れているのよ」
「誰も信じてくれない!」
謎の黒い生物の正体は、金曜夜7時57分から始まるNHKの番組の終わりの方に搭乗します。とうとう歌手デビューしてしまいました。公式では女の子らしいです。アメリカドルでの支払いを求めるシーンは、横山信義氏の架空戦記「修羅の波濤」外伝「黒海の渡し守」のオマージュ。キョ〇ちゃんの次の出番はあるんでしょうかw?
1 新東京国際空港ができるのは昭和53年5月