プリキュアDOOMSDAY   作:宇宙とまと

34 / 76
見て頂いている方ありがとうございました。第一章は完結です。


第33話【平和製造機】

 【招かれざる客】

 

 ~同時刻 中西部~

 

 無事着陸した、《XB-36》(1)は無事に滑走路で停止し、牽引車が誘導路まで引っ張って行き停止する。初飛行なので、未だガソリンは半分だけ、爆弾も搭載していないし、機銃は弾どころか機銃そのものが未だ搭載されていない。

 停止した機体から、機長のローレンス・ ブラナー中佐が滑走路に下りると、満面の笑みを浮かべながらアーノルド大将が近づいて来る。軍の撮影班が映像や写真を撮影している。

 

 アーノルド大将は、まず《XB-36》の感想を聞いて来た。

「《B-29》より、一回り以上も大きいので操縦が不安でしたが、想像していたより良いです。ただし、かなり全長が長い機体なので、乱気流に遭遇した時が不安ですね。今後、重要な改善項目になると考えます」

「この爆撃機だが、当初、実戦投入は早くても来年の初夏頃だと考えていた。しかし、半年は無理でも最低、三カ月程度は早まる可能性が高い」

「緒戦で敗退したという噂は本当ですか?」

「残念ながら事実だ。今日の夜に公表される予定だ」

 アーノルド大将は、敗北の事実は認めたが詳細は機密だから、ここでは言えないと語った。

「6年前のあれは、笑い話で済んだのだがね」

 《XB-36》の搭乗員達は、アーノルド大将が何の事を言っているのか、よく判らなかった。

「《B-29》は既に実戦配備されているが、あれはマリアナ諸島を占領しないと使用する事は出来ない」

 アーノルド大将の発言を聞いていた乗員達の間に、緊張が走った。マリアナ諸島の制圧が困難だと言っているのに等しいからだ。

「だからこそ、アラスカ辺りから日本本土を、空爆できる爆撃機が、今後、必要になるのだ」

 さらに多少訓示し、互いに敬礼し、大将が帰りかけた時だった。

「先ほど試験飛行の際に、無線の異常は無かったかな?」

 いきなりアーノルド大将が、再び質問して来たので機長は慌てた。

「特に異常はありませんでした」

 機長が視線を向けた通信士のヴァルター・フォルツ軍曹も、即座に否定をした。

「いや、何も無かったのなら問題は無いんだ。実は、今日に日付が変わった頃、突如、オクラホマシティ近辺で10分くらい無線が繋がらなくなった。夜間飛行していた民間機と、飛行場との通信も途絶した。直ぐに回復したので、恐らく自然現象だろう」

「昨日の夜、ネブラスカ州方面からカンザス州、オクラホマ州方面に向かって火球の目撃情報が、多数あったとニュースでやってました。時間的に考えると、通信に異常を来した時間と同じです」

 そのニュースは朝、アーノルド大将もホテルのロビーで聞いた。実は、その時間に衝撃音が窓の外から響いて、アーノルド大将も飛び起きていた。隕石が上空で爆散して、その影響で通信が一時的途絶したのだろう。

 

 いったん解散となり、飛行場の建物に移動する。試験飛行成功を祝って細やかなパーティの準備がしてあった。

 大将が言っていた『6年前のあれ』とは、H・G・ウェルズが、1898年に発売したSFを、1938年10月のハロウィン特別番組として、ラジオ放映した時の事だ。

 音楽番組の中で突如、宇宙人が地球を侵略しに来て、その事件が臨時ニュースとして流れる。という形態をとっていた。

 

 この時、ニュースキャスター役は、完璧に演技を行った。いや、完璧にやり過ぎてしまった。

 多くのリスナーが、このフェイク・ニュースを事実だと誤解してしまい、東海岸を中心にして大パニックになってしまった。

 実際は、それほどの騒ぎは無かったという説もあるが……

 原作やリメイク映画では、宇宙人は10日後には、地球の風邪ウィルスで全滅してしまうという賛否両論のオチで終わるが、今度の敵はタコ型宇宙人では無さそうなので、その様な幸運は無いとアーノルド大将も諦めている。(2)

 ちなみに乗員達が宇宙戦争のラジオ事件を思い出したのは、かなり後になってからの事だ。

 

 【招かれざる客】

 

 

 搭乗員達が細やかな祝宴を楽しんでいる頃、空軍基地から15キロほど離れた場所にある、肉牛牧場の中にあるサイロ(牛のエサ用飼料)で、警察署長が絶句していた。

 中に誰かの遺体があったとか、この牧場の牛が謎の大量死をしたとかでは無い。

 後者の場合、警察では無く、まず保健所を呼ぶだろう。しかし、事態はより深刻で謎めいている。本来、そこに転がっている筈が無い物が転がっている。

 

 オクラホマ・シティ警察署長サムソン・オースティンに、幼馴染で親友で牧場主のオーレリー・タレーランから通報があったのは今日の朝だ。緊急通報には外から大きな衝撃音がした、という内容だった。偶然部屋に入って来た、署長が電話を変わった。

 親友からの通報でなければ、「朝から、つまらない、いたずら通報をするな」とでも言って、電話を切っただろう。オーレリーは、そんな人物でない事を理解している署長は、運転手の若い警官と共に自ら牧場を訪れた。

 

「念の為に確認するが、これをここに置いたのはオーレリー君じゃないんだね?」

「俺がこんなすごいのを発明出来ていたら、カーネギーじゃ無く、俺が鉄鋼王と呼ばれていたさ」

「確かにこの代物は、カーネギーにもトーマス・エジソンにも作れないだろう。無論ハワード・ヒューズにも」

 ハワード・ヒューズ氏がこれを聞いていたら、よし俺が同じものを作って見せるとか言い出しただろう。その光景を想像した署長は、ついクスリと笑ってしまう。(3)

「それ、危険物では無さそうですね」

 サイロに人を近づけない役回りをしていた、運転手のアルベルト巡査が、興味深そうに見ている。

「これが危険物だったら、全米中いや世界中の子供が泣くぞ」

「サムソン、これを製造したのはジャパンの企業みたいだぞ」

 オーレリーがどうやら、製造企業を示すプレートを見つけたらしい。そこには会社名らしい名称があったが、三人とも日本語は読めない。

「日本人に、こんな凄そうなのが作れるんですか? つい数か月前まで屑鉄とか、解体したビルの廃材とかを、我が国から輸入している様な国が?」

 それに対しては全員異論は無かった。日本人に対して差別感情が皆無なアメリカ人でも、同じ感想を抱くだろう。

 

「おい、それよりこれが製造された年月表示もおかしいぞ。日本の暦は未だ20年に達していないんじゃないか?」

 確かにプレートには〇〇25年と記されている。

 そして、オーレリーの言う通り、確かネンゴウとかいう暦が新しくなってから、まだ20年も経過していない筈だ。

 前のエンペラー崩御のニュースを聞いた時、年末だったので印象に残っていた。

(実は、その後ろに、2013とあったのだがその部分は傷が付いていて判読不能だった)

「とりあえず、当面はここにいる3人の秘密にしておくべきだな。家族には今日の夕食時に口外しないように注意しておく。それと報告書はどうするね? 一応作成しないとならんだろ?」

 

 オーレリーがにやにやしながら聞いて来る。確かに報告書は作成しないといけない。

「それは助かるよ。それと、この代物を永久にここに保管するのも難しいだろう。政府か軍の高官にコネは無いかい?」

「妻の親友の親戚が、海軍中央にいるらしい。確か大西洋艦隊の参謀で階級は、大佐か少将の筈だ。何とかその人に連絡を取ってみよう」

「エリート参謀さんかな、それだったら、この代物にも興味を持ってくれるかもな」

 署長は、報告書をどうするか考えていると、トムソン巡査が、署長に語りかけた。

「サイロの外に、報告書の大義名分が転がってますよ」

 

 署長が、サイロの外に出ると一個の石が転がっていた。

 触ろうとすると、トムソン巡査が制止した。

「直接、手を触れない方が良いかもしれません。これで突いてみてください」

 署長は棒きれを受け取り、突いてみた。その石は、棒で突いたくらいでは微動だにせず、見た目とは比較にならないほど重いようだった。

「これはもしや隕石か?」

「その可能性が高いのでは」

 署長は、若い巡査が10年前に自宅庭で、隕石を発見し新聞記事になったのを覚えていた。トムソンは石を見て隕石ではないかと思ったのだ。通報担当者は、「夜中自宅外で、大きな音と衝撃音がした」としか聞いていない。

 

大きな音の原因は、隕石だと報告書に記載すれば良いだろう。実は朝から同様の通報が複数、警察に掛っていた。その報告を聞いた署長は、確認の為に通信室に向かったのだ。署長は例の招かれざる客が来てしまったのは、隕石の爆発が偶発的に引き起こした、天文学的奇跡なのかと思った。

「署長、本当に隕石が低空で爆発したのなら、死傷者が出ているかもしれません」

「それが良さそうだ」

 

 

『報告書』

  作成者  オクラホマ・シティ市警察署署長

  通報日時 1943年12月20日 午前7時

  通報者  オーレリー・タレーラン(50歳)

  職業   畜産業・牧場主

  住所   オクラホマ州〇郡

  通報内容 未明に、突然衝撃音と共に大きな音がしたとの通報。同様の通報多数

  原因   来年解体予定の飼料サイトの横で、隕石(直径10センチ)を発見。

       衝撃波と衝突音は、この隕石の音と考えられる。

  被害   特に無いが、広い牧場なので他の落下隕石がある可能性もあり

 

 『別紙 隕石被害報告書』

  発見された隕石片 55個

  人的被害     0人

  住宅の被害    半壊1 一部損壊12

           半壊した住宅は、手抜き工事の可能性で調査を指示

  車両被害     15台 (普通車9、大型トラック3、バス2、原付バイク1)

  店舗への被害   5件(レストラン2、個人商店2、自動車販売会社建物1)

           被害額は算定中

           ライフラインへの被害は報告無し

 追記

   隕石で怪我をしたと、病院に虚偽の申告をした詐欺の前科者がいた。

   同様の保険金詐欺行為が行われる可能性大。注意を要する。

   建築物や、車両に対しても同様の詐欺行為が懸念される。

 

  隕石の保管

   警察署で保管し、博物館と共に学術的な価値を調査し、希望者に売却もしくは寄付。

   その際は希望者と隕石発見個所の地権者で、金額等を相談させ警察は関知しない。

 

 

12月20日未明に、ネブラスカ州からオクラホマ州方面にかけ、火球が目撃された。 火球はオクラホマ州上空で爆発した模様。

 その後、数日間に数十個の隕石や破片が発見された。幸い、死傷者は出なかったが、隕石で自宅の窓ガラスが割れたり、買ったばかりの新車が破損してしまったりなどの被害が出た。(数日後の新聞記事)

 

 その数時間後、日没が迫る首都ワシントンでも、一つの騒動が発生していた。

 連邦議会議事堂近くを、一人の東洋人らしい女性が走って逃げている。その背後を数名の警官が追いかけて行く。

「ひぇー、なんで追いかけて来るんですか! っていうかここ何処ですか? あの建物は……ワシントンの連邦議事堂じゃないですか? じゃここはアメリカ合衆国?」

 

 その背後から、警官ジムと相棒のトニーが追いかけるが、なかなか追いつけない。爆破ドッキリから全力疾走した、某梨型妖精みたいに速い。

「あの東洋人の女、なかなか足が速いぞ」

 追いかけられた女は、鬼気迫った声を上げて、逃走の速度をさらにあげた。

「あの女、何者だ」

「言葉を聞く限り、日本人のようだが……」

「ならば、隔離されていたホテルから逃げ出したのか?」

「いや、そんな通報は無いぞ」

 

 合衆国に滞在していた枢軸国(日独伊とルーマニア人等)の留学生や、外交官とその家族や、ビジネスで滞在していて開戦前に帰国できなかった人等は、収容施設や合衆国が借り上げたホテルに軟禁されている。いずれ中立国の客船を使い、米日交換船が計画されている。

 

 女は、道路を横断して逃げようとしている。大型のトラックが、近くの交差点から道路に入って来るのが見えた。

「おい、危ないぞ!」

 警官トムが大声で、女に危険を知らせたが時すでに遅く、女は……

「死んじまったのか?」

 追いついて来たジムが、トラック運転手に詰め寄る。

「事故を起こしちゃいませんよ!」

 

 ジムが運転手に、何か言おうとしたが、

「いや、接触はしていない。衝突する前に自分で転んだんだろう。そして、トラックに衝突したと脳が錯覚し、ショックで気絶したんだな」

 トムが呼吸を確認するが、気絶しているだけで怪我などは無い。

 ジムはトラック運転手に、行って良いと合図を送りトラックは走り去った。

「取りあえず救急車を手配しよう」

 

 

イベントの報告

 

アメリカ合衆国のイベント

 

「オクラホマ州周辺で、隕石による軽微な被害が発生」

が近ごろ起こったとの事です

 

 

 ここからおまけ

 

軍事ネタフェイクニュース

 

1 合衆国海軍は、アリューシャン列島でほぼ無傷で捕獲した《零戦》を分析し、それを基に主力戦闘機《ヘルキャット》を開発した。これは嘘です。《ヘルキャット》戦闘機は開戦前から設計が始まっていました。

 

2 米海軍の主力雷撃機《TBFアベンジャー》(復讐者)の復讐は、パールハーバー攻撃に対する復讐という意味。これも嘘です。名称が決まったのは、1941年10月なので開戦前です。

 

3 朝鮮戦争で、米空軍を恐怖させたソ連空軍の最新鋭ジェット戦闘機《ミグ15》は、ナチス計画機《Ta-183》のコピー機。これも嘘? 昔はそう言われていましたが、近年ロシアの専門家が否定したとの事。偶然、機体形状がに少し似ているだけとの事。

 

4 第二次世界大戦が無かったら、ボー〇ング社は危なかった。どうもこれは本当らしいです。大型爆撃機《B-17》を制作したけど、金の無駄という世論で、39機しか採用されずに、危うく倒産寸前に。しかし戦争が始まり大量の発注が入り持ち直した。世界大戦が始まる前ライセンス権を海外に、ドイツや日本帝国にまで売り飛ばそうとしていたところまで危なかったそうな。某宮崎アニメは、「世界大戦が起きなかった世界]らしいので、某魔女映画ではボーイ〇グ社は無いのかも。




 
1 正式採用されるとXが取れる。
2 オヨルン風邪ひいたら生命の危機説。ちなみに「宇宙戦争」は、21世紀にトム・クルーズ主演でリメイクされました。
3 実際世界最大の飛行艇を作ってしまいました。

 最後のイベント報告、ハーツオブアイアン2で選択肢の無いイベントは、その様に表示されます。弱小国プレイも出来ます。(ルクセンブルクとかは、六花様でも無理ゲーなレベル)

 謎の人物のヒントは出てます。再度登場するのはかなり後?

 第2章は、艦これ令和初イベント終了後になるでしょう。中規模5面らしいけど、実質その倍はあると思います。そろそろ4ゲージ面出るのでは。


 
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。