プリキュアDOOMSDAY   作:宇宙とまと

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 今年は梅雨入りが速かったです。平年より一週間以上早い。


第35話【破竹の勢い】

 

 

 ウェーク島は、第一次の占領失敗の敗因を分析し、今度は機動艦隊から山口多門少将の第二航空戦隊(空母《蒼龍》、《飛龍》と、阿部弘毅少将の第八戦隊(《利根》型重巡2)及び、五藤少将の第六戦隊(重巡4)を増援に廻した。小島一つを占領するに対し、かなり過剰戦力とも言えた。陸戦隊が上陸し激闘の末、4時間後に守備隊は降伏した。

 

同日、本間中将率いる第一四軍(第四八師団および第一六師団の一部)はマニラ北西のリンガエン湾に上陸し、第一六師団主力も24日に東側のラモン湾に上陸を果たした。

極東方面軍総司令官ダグラス・マッカーサー大将は、市街戦を回避する為にマニラ放棄を決定し、米比軍主力はバターン半島とコレヒドール島に、後退する許可を本国に求めた。

 

1月2日、マニラはほぼ無血で占領された。本間中将は犠牲が大きい力攻めを避けて、相手の消耗を待つ持久戦を選択し、バターン半島で膠着状態に陥っていた。が、米軍はすでに食料不足に陥り出していた。アメリカ人用の小麦の備蓄は余裕があったが、フィリピン軍兵士の主食のお米の備蓄が不十分だった。

 

1月10日、ボルネオ島北部の英領ボルネオに陸軍部隊が上陸し、10日後にはほぼ完全に制圧した。

 

1月11日 ボルネオ島北東タラカン占領

      セレベス島北東のメナド占領

1月24日 セレベス島南東部のケンダリー降伏

      ボルネオ島南東の油田都市バリクパパン降伏

1月30日 アンボイナ降伏

2月10日 ボルネオ島南部のバンジェルマシン降伏

 

インドネシアを支配していた、オランダ王国は1940年5月の第三帝国軍の侵攻で、占領されていた。しかも、ウィルヘルミナ女王陛下等の政府要人が脱出に失敗し、ドイツ本国に軟禁されていた為に、オランダ軍は抵抗すらできずに降伏・武装解除せざるを得なかった。

 

2月1日、フランス領インドシナ(現在のベトナムとカンボジアに)に、武力進駐を開始した。ヴィシーフランス政府は、既に第三帝国により解体されフランス全土が、占領されていた為に、現地軍は全く戦意喪失しており、こちらもほぼ戦闘無しで占領された。

 

 

 

いちか達は、お正月をのんびり過ごした後、数チーム毎に重要拠点を警備する事になった。プリキュア同士で模擬訓練したり、敵機や敵軍艦の見分け方を勉強していた。

 ひまりん

「私達は、マレー半島方面に支援に行かなくて良いのでしょうか?」

連合艦隊の一部航空母艦と、戦艦の一部は仏印上陸と同時に、マレー半島の英空軍基地攻撃を行っている。マレー半島の英空軍を壊滅させ、その隙に占領した仏印の空軍基地に、陸海軍の基地航空隊が進出する予定だ。

 

 れいか

「マレー半島や、シンガポールの英国軍ですが最新鋭の航空機や、戦車とかは少数で大半は旧式の兵器ばかりらしいです」

 あかね

「セイロン島(1)って島に、英海軍の基地があるって聞いたんやけど、旧式の戦艦2隻と旧式の小型空母数隻しか無いから、動く気配が無いんやってさ」

あおい

「精鋭や新型機は北アフリカや、英本土が最優先じゃないかな。それとインドやビルマに火が付きだしたみたいだし」

 

 みゆき

「山火事でも起きてるの?」

ゆかり

「山火事じゃ無く、独立運動よ。もっともその原因の一部は私達にもあるわね」

いちか

「どういう事ですか?」

 

あきら

「私達と帝国海軍が、米海軍に大打撃を与えて撃退し、英極東艦隊も撃破してから、インドやビルマの独立派が、勢い盛んになっているみたいなんだ。インドの大都市でも暴動や、労働者のストライキが頻発して、治安が悪化しているみたい。シンガポールを支援するどころではないという事かな」(2)

 

 

 北アフリカ戦線では、『トーチ作戦』は順調に進展し、連合軍はモロッコとアルジェリアの大半を制圧し、残るチュニジアに迫っている。東からも、エル・アラメインでロンメル元帥の独アフリカ軍団を撃破した、英第8軍の追撃を受けリビアの大半が占領され、残存戦力はチュニジアに集結している。

 

 やよい

「でも、最近ドイツ空軍も次々と新型戦闘機を開発して、連合軍の爆撃機に大損害を与えていて、かなり犠牲者がでているみたいだね」

メカ好きのやよいは目を輝かせているが、シエルはグヌヌヌと悔しそうにしている。

 やよい

「あっ、ごめんねシエルちゃん」

 

 シエルにとってフランスは、スイーツ修行をした第二の故郷だ。そのフランス全土がナチス第三帝国の軍靴で踏みにじられているのは、シエルには耐えがたい事だろう。

史実では、ヒトラーはパリにアイゼンハワーの連合軍が迫った時に、パリを完全に破壊せよと命令した。しかし、パリ防衛司令官のフォン・コルティッツ将軍が命令を無視して、連合軍に降伏した為に、破壊を免れているが、この世界でもそうなるとは限らない。(3)

 

 仮にも大日本帝国と、第三帝国とは同盟関係なので攻撃したり、あまり悪く言いたくはない。でも、第三帝国が連合国に勝つのも避けたい。そうなったら超独裁国家が誕生してしまうかもしれない。

 

 プリキュアや日本政府上層部はまだ知らない事だが、プリキュアの存在と戦闘能力に驚倒したチャーチルとルーズベルトは、インド洋や東太平洋に多数の哨戒部隊を配備する事を決めていた。必然的に大西洋を往復する輸送船団の護衛戦力が、削減されてしまい今後

独潜水艦Uボートによる船舶撃沈が増える事になるのは避けられないだろう。

 

 ゆかり

「ヒトラー総統には冷静な判断を何とか期待したいわね。もしパリが総統の命令で破壊される事になったら……」

その時は、ヒトラーを暗殺した人物として、キラ星シエルの名前が永遠に刻まれる事になるだろう;;

 

 いちか

「あっ、里美ちゃんだいぶ元気になったそうですぞ」

暗い雰囲気になって来たので、いちかが話題を変えた。

里美は、次第に元気を取り戻しているが、喘息の持病があるみたいなので通院している。

 

 

 リコ

「今は未だ安全だけど、本当に《B-36ピースメーカー》が出て来そうになったら、地方に避難させないとならないわね」

昨年12月の試験飛行は成功したらしい事が、駐独日本大使館からもたらされていた。

ちなみに里美は、いちかを少し幼くした感じなので、いちかにとっては妹が出来た気がしていた。だから危険な目に遭ってほしくない。

 

 

 

 

 1944年2月11日トラック諸島

 

 

 あきら

「いちかちゃん、ハルゼー提督率いる米空母艦隊が真珠湾を出港したみたいなんだ」

 いちか

「何と素早い。まるで疾風……」

いちかは、自由惑星同盟軍第九艦隊司令官の台詞をぱくって、米海軍の動きの速さを誉めた。(4)

 あおい

「問題はどっちに向かったかなんだよね。ハワイ周辺は警戒が厳しくなって、潜水艦が近付いて監視するのは危険なんだって」

 

 

米空母艦隊は、通信解析の結果大型空母《サラトガ》と新型空母と中型空母各1隻から編成されていて、1月上旬に一度ハワイ真珠湾を出て西海岸に向かい、3週間ほど訓練を行っていた後、2月初めに真珠湾に戻って来ていた。

 

 

 

 

 ことは

「またマーシャル諸島に来るのかな?」

 みらい

「はーちゃん、マーシャル諸島にはハトプリチームと、スイプリチームが居るから大丈夫だよ」

 リコ

「でも、全ての島を警戒するのは無理よ。プリキュアが居なさそうな島を空襲して、プリキュアが来る前に撤収するかもしれない」

所謂一撃離脱(ヒット・エンド・ラン)戦方で、史実でも何度か米空母が離島に攻撃を加えている。

 

 

 

 

 

2月12日 午前8時(ハワイ時間)

 

北緯23度19分 西経152度13分 

 

 

 

 《伊―165》は、《海大5型》潜水艦の一隻で昭和7年に完成している。魚雷は前方に4門、後方に2門で魚雷は14本搭載されている。

《伊-165》は、2月初めからハワイ北東沖で偵察任務に従事している。3日前には、中型輸送船を1隻撃沈していた。

 

 

その日、日の出と同時に潜水した《伊-165》は、午前7時に南西から接近する複数の推進音を探知した。

艦長原田少佐は、最初ハワイから本土に戻る輸送船団かと思ったが、敵艦は20ノットという輸送船団では考えにくい高速で移動している。

 

 

「空母の内1隻は《レキシントン》級……《サラトガ》だ。もう一隻は新型だ、噂の《エセックス》だろう。戦艦は、居ない様だな」

 

 

原田少佐は直ちに追跡を命じたが、当時の潜水艦は水中では8~10ノットしか出ない。少佐は30分後には追跡を断念した。

 

 

 

《伊-165》から《サラトガ》と《エセックス》中型空母1巡洋艦4隻を含む艦隊が、オアフ島北東500キロを北東に向け航行中との一報は、早朝5時過ぎで、未だ夜が明けたばかりであるトラック島の小沢連合艦隊司令部に届いた。

 

 

年明け後、海軍軍令部総長の永野大将が病気の為退役する事になり、後任には山本五十六連合艦隊司令長官が就任した。後任の司令長官には、小沢治三郎中将が選出され、同時に海軍大将に昇進した。

《伊-165》からの通信は、小沢司令部を困惑させた。再び西海岸に向かっている真意が良く分からなかった。

 

 

 

 4時間後

 

 

 ひまり

「昨日の午後に、パナマ運河を米艦隊が通過したそうですよ」

本土から入った情報だと、正規空母と高速戦艦数隻がパナマ運河をカリブ海から、太平洋に抜けたらしい。

 

 いちか

「むむ、ハルゼー提督は、増援艦隊と合同するつもりかもしれませんぞ」

 ゆかり

「西海岸に輸送船が集結している可能性があるそうね。本土からハワイ方面に増援部隊や、航空機を輸送するつもりかもね」

 

 あきら

「空母《サラトガ》も、その輸送任務支援の為に駆り出されたのかも知れない。大規模輸送任務だと、潜水艦に発見される危険が大きいからね」

そこに、伝令がやって来て艦隊の出動は、とりあえず一旦中止になった事を告げられた。

 





1 現スリランカ共和国
2 ここら辺はやや史実
3 映画パリは燃えているかで有名
4 銀河英雄伝説ネタ


日本の潜水艦 艦名が「伊」=大型潜水艦「呂」=中型潜水艦


 破竹の勢いの由来を知りたい人は


1 自分で調べる
2 知っていそうな人に聞く
3 林修氏の「ことば検定」で取り上げられるのを待つ
4 「チコちゃんに怒られる」でクイズになるのを待つ

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