プリキュアDOOMSDAY   作:宇宙とまと

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 地震だー。昨日投稿しようとしていたら震度4の地震が起きて忘れた。
福井県で震度5を超えたのは、戦後3回目らしいです。

 2回目は、1960年代に若狭湾震源の地震。三回目は昨日の地震
阪神大震災と、能登地震の時は震度4。初回は、1948年6月の福井大震災で、この時初めて震度7が追加。福井大震災はもしかしたら少し作中に……


第52話【怪物はプリキュアのみにあらず】

 

 

 

 

 カウアイ海峡北西沖  15:00(ハワイ時間)

 

 

 

 戦艦《ウェストバージニア》のハズバンド・キンメル太平洋艦隊司令部には、断片的に西海岸の戦況が無線で入っていた。

 

《サラトガ》《ワスプ》と高速戦艦《ノースカロライナ》が沈没し、《エセックス》も沈没の可能性が高い。シアトルもプリキュアと航空隊の空襲を受けて、港湾施設と在泊していた軍艦・輸送艦が多数破壊された。

更に、タコマ市のボーイ○グ社の主力工場が爆撃され多数の行員や技術者が死亡した。更に、オレゴン州やワシントン州東部の飛行場も爆撃を受けたらしい。

 

 

 だが、味方も敵に一矢を報いた。大型空母と小型空母各1隻を撃沈し、更に重巡2を撃沈高速戦艦1隻を中破させたとの報告を受けた、司令部要員は歓声を上げた。開戦以来コンバインド・フリートと、プリキュアの連合軍に負けっぱなしの味方にとって、初の敵主力艦撃沈という事になる。日米の国力差と、プリキュアを除いた戦力比は未だ合衆国が有利だ。(1)

 

 

 更に、「プリキュアは、ある日突然消えてしまうかも知れない」との説も一部で流れている。これは、根拠なき楽観論だけど、プリキュアが突然現れたのだとすると、突然消えてしまう可能性も皆無とは言えない。

 

 

 

 午後1時30分に、潜水艦《トートグ》から、

「戦艦6を含む艦隊が接近中!」

との通報が入った。位置はキンメル艦隊から北西に60キロだ。

 

キンメル提督は、スミス参謀長に敵の狙いについて意見を求めた。

「敵は艦砲射撃で、パールハーバーに止めを刺そうとしているのでしょう」

 

「一部研究者によると、陸上目標に対する破壊力は航空機の空襲より、戦艦の艦砲射撃の方が破壊力の面で上だという事だ」

更に再度の空襲と、プリキュアの攻撃もありえる。

 

 

 敵艦隊は、艦名不詳の45000トン級の新型高速戦艦2と、《長門》《陸奥》《日向》《伊勢》の4隻だ。中華民国との泥沼の戦争をせずに済んだ大日本帝国は、余力を使い陸軍の装備の近代化を行うと同時に、旧式戦艦の近代化改造を行っている。

 

 

 《長門》型戦艦は、新型機関に交換され、《サウダコタ》級戦艦と同程度の28ノットに性能が上昇しているとの情報が、情報部から届いている。更に、主砲も16インチ砲連装4基から、《サウスダコタ》級同様の3連装3基9門に変更された。

《伊勢》型戦艦も、同様の改造を受けている可能性が高い。

 

 

 合衆国側は、技術的・国力的に旧式戦艦を高速化改造したり、18インチ砲や20インチ砲搭載の巨大戦艦を建造する事は可能だ。だがそれらは、ペーパープランとしては存在したが実行はされなかった。コストや建造期間の面もあるが、最大の理由は

『パナマ運河』だろう。

 

 

 『パナマ運河』で一番狭い個所は、横幅が32.3メートルしかない。それを超えてしまうと、太平洋と大西洋の移動には、航海の難所として有名なホーン岬(アルゼンチン)を経由するしか無く、3週間は余計にかかり運用が困難になってしまう。

 

 

 《ウェストバージニア》《メリーランド》は、《コロラド》級戦艦の姉妹艦として1921年~23年にかけて完成した。

 

 最大速力以外は、《長門》級戦艦に匹敵する。《ネバダ》《オクラホマ》は、1916年と3月と5月に完成した。14インチ砲各12門は、未だに侮り難い威力を持っているが、既に完成して30年近い旧式艦で、老朽化による故障も多い。《伊勢》級戦艦と違い、最大速力も建造時と変わらない、21.5ノットのままだ。ただし4隻とも開戦前に、新型対空・対水上レーダーを搭載し、対空砲を増設

している。

 

 

「上層部に、高速戦艦と正規空母は全て太平洋に増援を要請したのだが」

 

 

 空母はキンメルの要請が通った。英国海軍は、正規空母は海戦翌日に南シナ海で沈んだ《インドミダブル》と、一昨年8月にマルタ島に向かう

輸送船団を護衛していた《アーガス》が、アイルランド沖で独潜水艦の雷撃を受けて沈没した以外は、全艦健在だ。大西洋等を往復する輸送船の護衛は、低速の護衛空母を派遣すれば十分だ。(2)

 

 

 戦艦は、《サウスダコタ》級4隻の内増援を認められたのは、《サウスダコタ》と《インディアナ》だけだった。しかも、前者は3月にカリブ海で移動しながら太平洋に移動していた途中、突如主砲暴発事故が起き現在も、大西洋岸のドッグで修理中だ。後者も10時間前に潜水艦の魚雷を被弾してサンフランシスコに引き返した。(3)

 

「《マサチューセッツ》と《アラバマ》の増援は認められませんでした」

「ワシントンの政治的な判断だよ、参謀長。今後戦争の主役は、戦艦から空母と航空機に移るだろう。悲しい事だがそれは避けられない。だが、港に寄港した時市民は空母よりも、戦艦の姿により大きい歓声を上げている」

「なるほど、新型戦艦を英国増援に多少なりとも派遣する事は、米英両国の絆と為には致し方ないという事ですか」

 

 

 参謀長が憮然とした表情でそう述べた時、警戒の駆逐艦から敵艦隊発見の急報が入った。キンメルは30分前にマウイ島の小型航空基地から発進した《TBFアベンジャー》の報告を無線で受けている。報告の途中で通信が途絶したが、その直前に妙な通信が入っていた。

「《ナガト》が巡洋艦に見える……どういう意味だ?」

 

 

 

 午後3時20分に、敵主力艦隊を肉眼で捕えた。軽巡洋艦を先払いにして、悠然と近づいて来る。キンメルは直ちに、敵一番艦……艦名不詳の新型戦艦を狙う様に、全艦に命令を出した。敵戦艦からは、弾着観測用の水上偵察機が発進して向かって来る。周囲には数機の護衛戦闘機が囲む様に飛行している。更に、やや離れた上空にはプリキュア数名を確認した。迎撃しようにももう米側には一機の戦闘機も無い。

 

 

15分後に、敵戦艦との距離が40キロに近付いた時、キンメルは敵戦艦の巨大さに気付いた。

 

「敵戦艦1番艦と、2番艦は5万トン……いや6万……7万トンあるかもしれない。全長は300メートルはありそうだ! 確かにあの艦と《ナガト》を並べてみたら、未熟な乗員には《ナガト》が巡洋艦に見えるかもしれない」

 

 

 新型戦艦は、合衆国新型戦艦同様に3連装主砲3基9門だという事が、確認できた。主砲がゆっくりと旋回しこっちに向いている。

「あの巨大戦艦の主砲が、16インチ砲であるとは思えません」

 

参謀長の言う通り、戦艦が巨大ならそれに正比例して搭載主砲も大口径になる。それを見た、司令部要員の誰かがこうつぶやいた。

「まるでギリシャ神話の、ティターンだ」

 

 

 

 

 「射程に入り次第、発射しろ」

艦隊の戦闘にいる戦艦《メリーランド》艦長、ルーサー ・ ヘイズ大佐は砲術長、ハーキュリーズ・ ヒューズ少佐に砲撃準備命令を出した。その時およそ35キロに接近した巨大戦艦が、砲撃を開始した。本来は、巨大戦艦こと《大和》型戦艦が搭載する45口径46センチ砲の最大射程は、40キロ以上ある。だが、最大射程で撃っても命中は困難なので、命中が狙える距離まで日本側は砲撃を我慢していた。

 

 

 30秒後巨大な水柱が、200メートルほど離れた地点に立つ。

「やはり敵戦艦の主砲は、18インチ砲以上です!」

ヒューズ少佐は、水柱の大きさから敵巨大戦艦の主砲が、18インチ砲以上だと判断した。ヒューズ少佐の目の前にある指示盤にある各主砲の緑ランプが全て、赤色になる。4つ全て変われば全砲塔準備良しという事になる。

 

 

 

 

「距離30キロです!」

「反撃だ! 発射せよ!」

ヘイズ大佐がヒューズ少佐には砲撃命令を出し、16インチ砲8門が反撃の砲弾を放つ。

 

 

 30秒後奇跡的にも、その中の一弾が《大和》の主砲塔に命中した。一瞬歓声が上がったが、直ぐに消えてしまった。砲弾は呆気なく650ミリの主砲装甲に弾き飛ばされて、近くの海中に消えた。

 

 

 《メリーランド》は、第2射を放った。如何に重装甲の戦艦と言えども、完全な不沈戦艦などありえない。命中弾を増やせば、何れは装甲を貫通する事も可能になる。

発射した砲弾が、着弾まで残り15秒となった時、《メリーランド》乗員達は異音に気付いた。

 

 それは奇跡的に故郷の土を生きて踏めた、数名の

乗員の証言によると、「長距離夜行特急や、長大編成の貨物列車が轟音を上げて、近付いて来る音」に似ていたらしい。そして、それらの音は《メリーランド》乗員の99.9%が人生で最後に聞いた音となった。

 

《大和》の46センチ砲弾は、《メリーランド》の第2主砲に命中し艦底まで貫通し爆発した。主砲弾薬庫が誘爆し第2主砲真下で、艦隊は二つに分断されそのまま海面下に消えた。

 

 

 離れた所でプリキュア達が、旧式とはいえ32600トン、全長190.2メートルの巨大な船が、一発の命中弾で轟沈してしまう光景を、茫然と眺めていた。

「はわわ、戦艦が一撃で沈んだ」

「《大和》って、本当に世界最強の戦艦だったんだ」

マナは動揺しながらだが、六花は冷静に《大和》型戦艦の力を評価している。

 

「《大和》は世界三大無用の長物等とバカにする人もいますが、その造船に使われた技術は、戦後の大型タンカー造船や回転するレストランの建設に、大いに役立ったのです」

ありすは、冷静に(?)豆知識を披露している。戦艦なんか見た事も無い、異世界の剣士プリキュアは言葉も出ない。(4)

 

 

 太平洋艦隊の将兵も、凄まじい戦艦の轟沈の光景を眺めている。30秒前まで主砲を撃っていた戦艦が、海に消えて行く。既に完成して20年近い旧式艦だが、乗員の手入れはよく行き届いており、新型高速戦艦の完成まで、15年以上『合衆国海軍の顔』として市民に親しまれた艦が、

呆気なく海の藻屑と化して行く……

 

 

誰かが呟いた。

「怪物はプリキュアだけでは無かったんだ」

 





1 国力差は1対30とも。ガンダムのジオン1対地球連邦30と言う比較は、この日米国力がモデルと言う説もあるそうな。
2 英海軍最古参空母 1918年(大正7年)完成 14450トン 全長172.5メートル 最大速力20.5ノット。搭載機数最大20 古すぎて低速なのでほぼ輸送船団の護衛にしか使えない。元はイタリアの客船
3 戦艦主砲が訓練中に事故って爆発は日本でも発生。(例《日向》)
4 世界三大無用の長物 一般的に言われるのは、《大和》以外はエジプトのピラミッドと、中国の万里の長城


 戦艦《大和》はロマン! 《大和》が存在しなかったら、戦後の造船大国日本も無かったかも。後「宇宙戦艦ヤマト」は確実に存在しなかったでしょう。
戦艦《大和》の隠蔽は徹底されていて、アメリカ側も開戦当初は自分達と同じ45000トンで、28ノット級の中速戦艦。主砲は16インチ砲(40.6センチ)程度と勘違い。

 呉市でも、造船所が見える海側の窓は開ける事が禁止だったそうです。呉線も、造船所が見える区間では、乗客に海側の鎧戸みたいなのを全て降ろさせました。

 映画「この世界の片隅で」でもそのシーンは描かれていました。流石に運転席と車掌室にはその鎧戸は無いみたい。
キョエちゃん
 「事故るわ! バカー」
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