プリキュアDOOMSDAY   作:宇宙とまと

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 サブタイトルが思いつかないのでw


第53話

「クソッ! 何としてもあの巨艦を仕留めるんだ!」

我を取り戻した、キンメルは怒鳴る様に砲撃指示を出す。既に距離も30キロを割り、

《長門》《陸奥》も、轟沈した《メリーランド》に代わり先頭に出た《ウェストバージニア》に16インチ砲を撃って来ている。

《伊勢》《日向》は、《オクラホマ》《ネヴァダ》に向け合計24門の

14インチ砲弾を発射している。

 

 

 《ウェストバージニア》の放った、砲弾が《武蔵》の対空砲に命中して黒煙が上がる。しかし、対空砲の真下にある装甲を貫通する事は出来ず、周囲に軽微な損害を与えただけだった。

 

 30秒後、反撃の18インチ砲弾が《ウェストバージニア》に殺到し、3発が命中した。一発は、甲板を貫き前部兵員室を破壊。

別の砲弾は、40ミリ対空機関砲に命中し周囲の機関砲を破壊。残り1弾は第一主砲付近に命中。破壊はならなかったが、衝撃で主砲塔の電路が破壊され、旋回不能になった。

 

 

 「まだだ! まだ終わらんぞ!」

キンメルが何処かの赤い彗星みたいな台詞を放った直後、《陸奥》の16インチ砲弾数発が、至近距離の海面に着水した。

キンメル達が安堵した瞬間、《ウェストバージニア》は海面下から、強力な突き上げを喰らって激しく振動した。

「どうした! 敵の魚雷か!」

 

「右舷タービン室浸水!」

 

 

 それはコンバインド・フリートの秘密兵器九一式徹甲弾だ(1)。至近距離の海面に一定の角度で、砲弾が着水した時

直ぐに海中に沈まないで、数秒間砲弾は魚雷の様に海中を突進する。

およそ20年前、ワシントン軍縮会議で廃棄処分になった、建造中の戦艦《土佐》と除籍処分となった《安芸》

を砲撃で沈めた際に、帝国海軍はこの水中弾の特性に気付いた。

合衆国海軍は1935年に同じ様に気付くが、水中弾の対応工事がなされたのは、それ以降に完成した新型戦艦だけだった。

 

 詳しい被害情報が入る暇も無く、今度は《武蔵》の主砲弾が艦尾を直撃し、舵を破壊した。戦闘中に舵が破壊される事は最悪の悪夢だ。舵が破壊された事で、《ウェストバージニア》は敵艦隊に向け直進する事しかできなくなった。

 

 

 「直ちに第5巡洋艦隊司令に繋げ」

キンメルは、重巡《ノーザンプトン》を旗艦とする、第5巡洋艦隊司令を無線で呼び出す様に命じた。

 

 第5巡洋艦隊司令は、冷静沈着な指揮で上層部の受けも良い、レイモンド・スプルーアンス少将だ。スプルーアンスは、1886年7月生まれで史実でミッドウェー海戦で戦った南雲忠一提督より、8カ月早く生まれている。

 

緒戦では、プリキュアと日本海軍機の攻撃で重巡《ソルト・レイク・シティー》が沈没し、旗艦《ノーザンプトン》も中破するが無事生還している。

 

 

 20年前、ある駆逐艦の艦長に就任するが、その時の上官がハルゼーだった。性格的には180度違う二人だったが意気投合し、親友となり家族ぐるみの交流が続いている。

 

 

 

 「旗艦は操舵不能に陥った。最早撃沈は免れまい。指揮権を委譲する。直ちに残存艦を率いて離脱するのだ。旗艦が殿を務める」

スプルーアンスは反論しようとしたが、キンメルが遮る。

「冷静な貴官なら判るはずだ。このまま最後まで戦って多少勇戦した所で、勝算は無い。敵には恐るべき新型戦艦に加え、プリキュアもいる。直ちに、戦場から離脱して再起を図るべきだ。これは、太平洋艦隊総司令官としての正式な命令である」

「アイアイサー」

 

「《ネヴァダ》《オクラホマ》は、離脱が不可能と判断した場合は、放置して構わん」

 

 

 スプールアンスは、直ちにキンメルから指揮権を委譲された事を全艦に伝達し、動ける艦は全て離脱する様に命じた。

「提督、どっちの方角に逃げます?」

《ノーザンプトン》艦長ラルフ ・ クロズリー大佐の言う通り、どっちでも良いから逃げれば良いという事は無い。

「敵艦隊やプリキュアがいる、北や北西は論外だ。敵艦隊がパールハーバーを目指している以上、そっちに逃げるのも危険だ。東しかない」

 

 幸い東には、大きな積乱雲がありその下まで逃げ延びれば、生還できる確率も高くなりそうだ。だが、

「あの不気味雲の下にはいって大丈夫ですかね? 何か嫌な予感もします」

「しかし、スコール(FF主人公名では無く、熱帯の雷雨)が降っているのは、そっちだけだ」

 

 

 亜熱帯のハワイ沖で、雷雨が発生するのは不自然では無い。海面近くの温度と、上空の気温差が大きくなる午後に発生する事が多い。

だが、通常なら積乱雲も、その下で起きている雷雨も時間経過と共に、風の影響で動いたり形が崩れたりするのが普通だ。だがその不気味な積乱雲は

全く動きもせず、形も変わらない。ちなみに、その奥の積乱雲は全て普通に風の影響で動いている。

 

「この現象は何処かで目にした記憶があるのだが……」

スプールアンスは、記憶を辿る様な無益な事はやらなかった。この危機を切り抜けてから、いくらでも考えればよい。

「手前の積乱雲まで3000メートルです」

「雷雨の下に潜り込むまで、戦艦と巡洋艦は砲撃で牽制! 駆逐艦は戦艦の周囲に煙幕を放出せよ

 

 

 

 旧式戦艦《ネヴァダ》《オクラホマ》を含む、残存艦が一斉に90度(東)に針路を変えたが、重巡《アストリア》だけは、敵艦隊に向かって行く。

「《アストリア》艦長より入電、機関部への被弾多数により、最大速力10ノットに低下、自由行動の許可を求める。以上であります」

スプルーアンスは一瞬絶句したが、冷静に許可すると伝えさせた。

 

 《アストリア》は、機関部だけでは無く敵巡洋艦隊の主砲弾で、艦後部の第三砲塔も破壊されていたが、射撃可能な前部6門の

8インチ砲を撃ちまくりながら、味方艦隊が逃げる時間を稼ぐ為に、敵巡洋艦隊に向け向かって行く。

 

 

 「向かって来る《アストリア》級重巡に砲撃を集中せよ」

第六戦隊司令五藤少将(2)の命令で、重巡《青葉》《古鷹》《衣笠》《加古》は、突進して来る《ミネアポリス》に向け、合計24門の20センチ砲の砲撃が開始された。

 

 しかし、初弾は4隻とも大きく外してしまう。米重巡が大幅に速度が低下している事を、計算に入れ忘れたのだ。現代的な表現を使えば、戦闘の興奮でアドレナリンが過剰に分泌されて、冷静さを失っていたのだ。

 

 第六戦隊が、敵に向け砲弾を放つのは今日が二回目だ。(対空戦闘は含まず)一回目は、開戦から二週間後の合衆国領ウェーク島占領作戦の時だった。

本来、参加する予定は無かった。

 

 キンメル大将率いる合衆国太平洋艦隊主力が、空母機動艦隊とプリキュアの連合軍に大敗を喫して、ハワイに逃げ帰った翌日、第四艦隊に所属する

ウェーク島占領隊が、到着した。戦力は梶岡定道少将率いる第六水雷戦隊で、旗艦は旧式軽巡洋艦《夕張》以下、軽巡2、駆逐艦6、上陸する陸戦隊は約700名。ウェーク島は空襲で、航空機も砲台も全て破壊されていると判断されていた。

 

 陸戦隊が上陸を開始しようとした瞬間、生き残っていた砲台が反撃を開始。4機残っていた戦闘機も、小型爆弾を搭載し艦隊を空爆。

駆逐艦《疾風》《如月》が、魚雷管に爆弾が直撃し全乗員諸共轟沈。輸送船1隻が、搭載していたガソリンに機銃を受けて炎上。他の艦も、損害を受けた。梶岡少将は仰天して、退却命令を出した。

 

 予想外の敗北に仰天した連合艦隊司令部は、次はガチでウェーク島占領を命じた。五藤少将の第六戦隊の他に、第八戦隊の重巡《利根》《筑摩》、山口少将の第三航空戦隊の空母《蒼龍》《飛龍》を、僅か六平方キロメートルしかない小島を占領する為に、派遣した。12月22日、ウェーク島への二次攻撃が実行され、抵抗はあっけなく粉砕され、上陸後3時間で守備隊は降伏した。

 

 

 回想終了

「何をやってるんだ。しっかり狙え!」

《青葉》艦長久宗米次郎大佐の怒号が飛び、砲術員は慌てて主砲の角度を調整する。

 

 

 

 60秒後に、全艦砲撃を再会する。今度は何発かが米重巡に直撃する。しかし、《ミネアポリス》は尚も、前部6門の8インチ砲を猛烈に撃ち返してくる。

「どうなっているんだ! 何故奴は沈まん!」

「艦長、味方の砲撃は命中は確実にしている。更に砲撃を続ければ必ず撃沈できる」

 

 米艦隊の主砲弾は、味方に命中しそうな砲弾はプリキュアが破壊していた。が……

「的が小さすぎるよ」

「魚雷や爆弾より速いから、狙いが付けるのが大変ですわ」

「味方艦に当たらない様に、注意しないと」

彼女達が嘆くように的が小さく、速度も速い中口径主砲砲弾を破壊するのは、プリキュアの能力を用いても骨の折れる作業だった。砲撃は、《ミネアポリス》だけでは無く、雲の下に逃げ込もうとしている、スプールアンス少将指揮下の

巡洋艦も、節分の豆まきみたいにバンバン砲弾を撃ち込んで来る。

 

 

 その時《青葉》に《ミネアポリス》の8インチ砲弾が、連続して3発命中した。一発は、魚雷発射管をぎりぎりで外れ夜戦用の探照灯を破壊し、破片が周囲の乗員を

殺傷した。一発は、海図室に命中するが炸裂はしなかった。だが、室内にいた全員が戦死した。最後の一弾は、艦橋下部に命中し乗員や、参謀数名が負傷した。

五藤少将も、足を壁にぶつけてしまい足首の骨を骨折してしまった。

「軍医は至急艦橋に、司令官負傷!」

 

 

 これ以上は危ないと感じた、プリキュア達は《アストリア》に向け攻撃を放った。だが、命中はしなかった。命中する直前に《アストリア》が、プリキュアに

止めを刺されるのを拒む様に、突如大爆発を起こし轟沈した。恐らくは被弾により発生した火災が遂に、弾薬庫に延焼したのだろう。

爆発により、軌道を逸らされた必殺技は米重巡がいた海面より、20メートルほど離れた海面に着弾した。

 

 《ネヴァダ》《オクラホマ》は、《日向》《伊勢》の2隻と交戦していた。既に、互いに何発か被弾している。《ネヴァダ》は、2番主砲が被弾により使用不能、《オクラホマ》は、対水上レーダーが破壊され、射撃精度が低下していた。

 

 《ネヴァダ》の14インチ砲弾が、プリキュアの迎撃を抜け《日向》艦首付近に命中。更に、一弾が士官食堂を破壊。3発目は煙突に命中し、黒煙がボイラー室に流れ込んだために、作業員は一時退避しなければならなかった。

 

 《伊勢》は、装甲を貫通した砲弾が重油庫に亀裂を生じ、海面に燃料の重油が漏れ出ていた。亀裂の拡大を防ぐ為に艦長は、減速指示を出していた。更に、後部にある第5砲塔に数発が着弾し破壊された。

 

 更に砲撃を行おうとした直前、プリキュアが味方を援護する為に、攻撃を放って来た。攻撃が2戦艦に到達する寸前に、偶然《ネヴァダ》《オクラホマ》

も主砲弾を敵に向け放った。必然的に米戦艦とプリキュアの攻撃は、至近距離で交差する事になる。

互いの攻撃が空中で衝突し14インチ砲弾は炸裂。プリキュアの攻撃も、その影響を受けたのだが、神仏はそれぞれ別の結果を用意していた。

 

 《オクラホマ》を狙った攻撃は、浮力を失い至近弾となって着水爆発した。不運な乗員数名が転落し、若干の浸水や水漏れが生じたが戦艦の強固な船体が、

それ以上の被害を防いだ。

 

《ネヴァダ》は、逆に本来なら船体の側面辺りに向けて放たれた筈が、14インチ砲弾と接触した事で軌道が変化して、第一砲塔を斜め上から直撃した。

攻撃は、406ミリの上面装甲を貫通し内部で爆発。

「《ネヴァダ》轟沈!」

 

 

オマケコーナー

 艦これに出ているアメリカ生まれの艦娘(アメリ艦娘)で、真珠湾組(昭和十六年十二月八日の真珠湾奇襲時に、真珠湾に停泊していたアメリカ艦娘)って、梅雨イベで新規追加の《ブルックリン》級軽巡《ヘレナ》で初めて追加。(作者入手できず)

 

 

駆逐艦

《フレッチャー》《ジョンストン》《サミュエル・B・ロバーツ》(護衛駆逐艦)

3隻とも未完成 《フレッチャー》以外の2隻は、工事すら開始されて無かったり。

重巡

《ヒューストン》

アジア艦隊旗艦として、フィリピンから豪州北部に移動中

対空巡洋艦

《アトランタ》

完成は真珠湾奇襲の半月後

護衛空母

《ガンビア・ベイ》

建造開始前

正規空母

《ホーネット》(《ヨークタウン級》)

完成直後なので、アメリカ東海岸沖で訓練中

《サラトガ》(《レキシントン》級)

サンディエゴで整備中

《イントレビッド》(《エセックス級》)

建造中

戦艦

《コロラド》(《メリーランド級》)

シアトルで整備中

《サウスダコタ》

完成は3か月後

《アイオワ》

建造中

 

 

 真珠湾組の戦艦は一隻も実装されて無い。これは運営の政治的な判断説。かの国では、未だにアメリカでは「原爆投下はパールハーバーの、正当な報復」

との意見があるので。

 

日本側は、潜水艦と補給用のタンカー以外の全艦が実装済み。ちなみに航空母艦《ヨークタウン》は、史実では海戦当日は米東部に停泊中だった。

アズールレーンや、少女艦隊R(3)

 

ちなみに、潜水艦はそもそも米英の潜水艦は未だ一隻も登場していないですよ。

キョエちゃん

「最初に、英海軍の《M級潜水艦》だとキョエは思う。バカー」

チコちゃん

「それ完全な欠陥品だって」

 






1 艦これにも登場
2 史実では「ワレアオバ」で少し有名
3 艦これパクリ」の中国製ゲーム。しかし、艦これにはないユニークな装備品や軍艦も多く、意外にファンは多いみたい。

《如月》の沈没は史実通り。
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