プリキュアDOOMSDAY   作:宇宙とまと

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 少し場面転換 ルーズベルト大統領が会議の最後に言っていた、例の計画とは?


第54話 【例の計画】

 

 

「お帰りなさい准将」

「向こうは暑くて叶わんね」

 レスリー・グローブス准将は、コートを脱ぎながら向こうとの寒暖差を思い出し、不快な表情を一瞬浮かべる。

准将は2日ほど、乾燥地帯のニューメキシコ州に出張に行っていた。ニューメキシコ州は25℃を超える熱さだったが、ワシントンは反対にこの日真冬並みの寒気が入り、准将を辟易させた。

 

 

 

 マンハッタン計画は、1939年8月に第三帝国の核兵器所有を恐れたユダヤ人科学者レオ・シラードが、相対性理論で有名なアインシュタイン博士の協力を得て、ルーズベルト大統領に核開発を促した事から始まった。程なく第二次世界大戦が始まり、第三帝国の快進撃を目にしたルーズベルト大統領は、核兵器開発計画を了承した。1941年9月にマンハッタン計画というコードネームも決まり、レズリー・グローブス准将が任命された。

 

 

 計画には民間企業や大学も参加し、研究施設も全米に分散していた。しかし、最終的な組み立て工場兼研究所は一か所に作る必要があった。更にその研究所は人目に付かない僻地である事が望ましい。

 

 

 検討の結果、ニューメキシコ州北部のロスアラモスに建設する事が決定。工事はおよそ2か月で完成した。

 

「最初の実験用原子爆弾の完成まで後8カ月ですか」

「早ければ年にも完成するらしい。実験は2月か3月だな」

グローブス准将はカレンダーを指さし説明する。既に実験場所も検討されている。

最初の核実験『トリニティ計画」。実験場所はニューメキシコ州ソコロ東44kmにある、アラゴモード砂漠のホワイトサンズ演習場が有力候補だ。

次回の視察では、実際に現地を訪れる予定だ。実験場所が人家よりどれくらい離れているか、実験施設に必要な資材運搬に必要な道路に問題は無いかなど色々実際に調べるつもりだ。

 

 

 原子爆弾計画は、元々は第三帝国に先んじて完成させる事を目標にして来たが、どうやら第三帝国の原爆開発はあまり進んでいない事が判明した。ヒトラ―総統自身もあまり乗り気では無いらしい。必要な重水工場が英国の特殊部隊に爆破されてしまい、完成は非常に困難となっている。(1)

 

 合衆国としても同じ白人に対し原爆を使用する事は迷いがあった。政府高官の中にもドイツ系移民は少なくない。

代わりに、浮上して来たのが日本帝国だ。プリキュアの戦闘能力を知ったルーズベルト大統領は、対プリキュア必殺兵器として使用する事も止む無しと考えている様だ。

 

 

 問題となるのは原子爆弾の重量だ。恐らく5トン程度にはなると考えられているので、空母艦載機や中型爆撃機への搭載は無理だ。

大型爆撃機に搭載し投下する事になるだろう。現状《B-29》に搭載可能だが、《B-29》を使用するには最低でも、マリアナ諸島の制圧が不可欠だ。(2)

 

 

 本命は昨年12月に初飛行に成功した、コ○ベア社の《XB-36ピースメーカー》だ。作戦距離は12000キロを予定しているので、アラスカから発進できる。

実戦投入は来年3月以降となっていたが、プリキュアの出現と戦況の悪化で早ければ来年年明けにも投入される予定だ。

 

 残念ながら、冬はアラスカの天候を考えると原爆搭載機を発進させるのはリスクが高いだろう。気象学者の意見を考慮し、

原爆搭載機の投入は3月以降すべきとの上申書を大統領に提出している。

 

 原子爆弾の輸送に関しては、西海岸までは貨物列車で極秘輸送し、その後は高速巡洋艦か中型空母に搭載し最大速力でアンカレッジに輸送する事が検討されている。

 

 

 

 

 

「後一年我慢すれば、我が国の勝利ですか。原爆は、敵艦隊とプリキュアの頭上に落としてやるのですか?」

 

 

「いや、プリキュアや連合艦隊が一か所に纏まっているか判らん。搭載機が彼女達に、撃墜される危険もあるから直接は使わんだろう。やはり、都市攻撃だな」

 

 

 

 

史実での太平洋戦争末期の年表

 

1945年(昭和20年)

3月24日 慶良間諸島沖で、重巡《インディアナポリス》神風特攻隊の攻撃により、艦尾損傷スクリュー破損により、第5艦隊旗艦任務解除。修理の為に本土に戻る 

4月1日   米軍沖縄本島に上陸開始

4月7日   坊の岬沖海戦で、《大和》沈没

4月16日 ソ連軍ベルリンに向け進撃開始

4月22日 ソ連軍部隊がベルリン市内に突入

4月30日 ヒトラー総統自決

 

5月2日  ベルリンソ連軍により占領

5月7日  ナチス第三帝国無条件降伏

 

6月14日 原爆投下目標が、広島 小倉 長崎 新潟に絞られる

6月23日 沖縄摩文仁で、第三二軍牛島司令官、長参謀長ら自決。組織的な戦闘終了

 

7月16日 ニューメキシコ州 アラゴモード砂漠で最初の核実験 同日原爆本体を、《インディアナポリス》搭載。

同船は、サンフランシスコより真珠湾経由でテニアン島に。

7月17日 ベルリン郊外のポツダムで、ポツダム会談始まる

7月23日 グローブス准将より「8月3日以降の晴天時に、広島・小倉・長崎・新潟に対し特殊爆弾での攻撃司令」が、テニアン島に

7月26日 トルーマン、チャーチル、蒋介石の連名で対日降伏勧告(ポツダム宣言)《インディアナポリス》テニアン島着(3)

7月28日 鈴木貫太郎首相 ポツダム宣言黙殺を発表(無視)《インディアナポリス》単独でレイテ島に向かう

7月30日 《インディアナポリス》 《伊-58》の攻撃を受け沈没。無線室破壊された為に、SOSが送れず。救助が大幅に遅れて、多数の乗員がサメの餌食に。(4)

 

8月6日  広島に原爆投下

8月9日  長崎に原爆投下 同日ソ連対日参戦

8月15日 玉音放送

8月30日 GHQ総司令官マッカーサー 厚木飛行場に到着

9月2日  日本側降伏文章に調印

 

 






1 原爆はユダヤ人的な研究で嫌いだったとの事
2 四川省辺りに基地を造る事も可能だけど、せいぜい北九州くらいしか爆撃できない。
3 日ソ中立条約が未だあったので、スターリンでは無く中華民国総統蒋介石の名前で発表。
4 有名な某映画が生まれる事に繋がります。「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」の2015年では、シリーズ19作目が上映予定

科捜研の女に出てきた風船爆弾が、原爆計画を一日遅らせたそうです。高圧線に衝突し、変電所が停止し、原爆関連工場が停電になった。
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