プリキュアDOOMSDAY   作:宇宙とまと

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艦これ夏イベ前半終了

《バラクーダ》は駄作だから要らないよ。《ボーファイター》(中型爆撃機 魚雷も装備可能)か、《モスキート》(万能機)よこせー。

キョエちゃん
「最近ワクチン接種予約代行詐欺ってのが、時々あるらしいよ」
ひかる
「他に、優先して接種できます詐欺も増えているらしいね」
山本五十六
「山本です。どんな時代にも悪い連中がいるもんですなあ」
まどか
「作者は新型コロナで、特殊詐欺は……犯行グループが感染を恐れ、減少すると思っていたそうです」
えれな
「数年前、とある詐欺電話に母親が『息子はプリキュアの大ファンだから、息子ならプリキュアの名前を全員言え』と言って、詐欺を阻止したらしいよ」
山本、
「それは良かった。でももし犯人もプリキュアの大ファンだったら、拙かったかもしれない」
まどか
「噂では、この電話の際に息子さんも家にいて、最初から詐欺だと確信していたそうです」
ユニ
「この全員に、キュアエコー、本名坂上あゆみもちゃんと含まれているニャン?」
山本
「坂上あゆみ? その名前は彼女達から聞いていませんが(本編登場中のプリキュア)」
オヨ
「ひかるは知っているルン?」
ひかる
「もちろん知っているよ。 いっぺん、死んでみる? が口癖で、突然カンテレを片手に妙な語り始める人だよ」
キョエ
「どっちも違います。バカー! でも中の人は同じ」


オヨルン
「80年位前に、水から石油を取り出す機械を売り付けに来た人がいて、ある軍人さんが騙されそうになったとAIが言っているルン!」
まどか
「水から石油が精製できる筈もありません。完全に詐欺ですよ」
ひかる
「そんな話を信じそうになるなんて、きらやばーだね」
山本
「顔を見てみたいですねえ」
キョエ
「お前だお前、バカー!」

嘘のような本当の話w 


第69話【独本土上空戦】

 

 

 

「違います! 噂のロケット戦闘機かも知れません!」

 

 

同日  東京

 

 

なお

「ロケット戦闘機、そんなのもあるんだ」

やよい

「《Me-163コメート》戦闘機。ドイツ語で彗星の意味だよ」

あかね

「ロケット戦闘機……なんか爆発事故でも起こしそうな」

みゆき

「ジェット機って、自衛隊とかで活躍しているけど、ロケット戦闘機は聞いた事も無いよ」

れいか

「でもやよいさんはよくご存じでしたね」

 

やよい

「ロボットアニメとか、ロボットが出るマンガとか大好きなんだけど、作品によってだけどそれ以外の普通の兵器も出る作品もあるの」

なお

「○オン軍の、主砲部だけ分離して飛んでいく戦車は、ビックリドッキリメカだね」

あかね

「知らない人がいきなり見たら、腰抜かすで」

みゆき

「全周囲に、レーザー砲撃っていた宇宙戦艦もあるね。連邦軍のレビル将軍を撃ち取った後、アムロって人が体当たりして、最後は『やらせはせん、やらせはせんぞぉ―』とマシンガン撃ってた人が戦死しちゃうんだよね」

やよい

「いろいろ間違っているよそれ」(1)

なお

「あの、ごつい人だね。あの人の娘さんが出るアニメもあるんだけど、全然似てないんだよね。お父さんのDNAは何処に行ったんだよって」

やよい

「お母さんの遺伝子だよ。ちなみにオリジン版は、某あんこうチームの通信手の人と中の人が同じだよ」

れいか

「ちなみに、みゆきさんが今言った兵器は、モビルアーマーという種類で、船ではありません。宇宙戦艦は確か、連邦軍はええと……《コロンブス級》じゃなかったですか」

 

 

やよい

「それで少し兵器にも興味があるんだ。第一世界中が大きな戦いが無い、鎖国していた江戸時代みたいに平和だったら、兵器も生まれずロボットアニメも存在しなかったと思うよ」

あかね

「確かにそうかも」

やよい

「それで市立図書館で兵器の本を借りた事もあるよ」

れいか

「昔の軍艦のイラストと解説が乗った名鑑でしょうか?」

みゆき

「戦車や、航空機の名鑑もありそうだね」

あかね

「完成しなかった兵器だけをまとめた図鑑ってのもありそうやな」

なお

「何にでも使える万能な航空機を、載せた本っても有り……かも」

 

やよい

「最悪な兵器を集めた本と、駄作機を乗せた本だよ」

あかね

「そ、そんな本需要有るんかいな?」

やよい

「駄作機のシリーズは確か10冊ほど出てたよ」

なお

「かなり売れてるんだね」

 

やよいによると、駄作機(失敗機)と言えども、そこそこ活躍した機もあるらしい。無論戦場では全く使い物にならなかった兵器や、テスト飛行だけで終わった駄作機の方が遥かに多いとの事。

無論それらを設計した人達は、大恥をかいたのだが……

やよい

「ソ連は、酷い失敗作を設計した人は消息不明に……」

「ソ連怖い!!」

 

 

 

《Me-163の弱点》

 

1  敵味方の速度差が大きすぎて、射撃のタイミングが難しい

れいか

「速度差が、時速400キロ以上あったら確かに難しいですね。誘導ミサイル……ってこの時代にそんなもの無いと思います」

第三帝国は、大型爆撃機から発射する対艦誘導爆弾は完成させていたが、戦闘機から発射する誘導対空ミサイルは未だ所持していなかった。一部の新型戦闘機は、対空ロケット弾を装備していたが、誘導機能は無く発射はパイロットの勘頼みだ。史実でも一部戦争末期に使用されたが、目標の爆撃機から外れたロケット弾が、地上に命中して犠牲者が出ている。

 

2 車輪は離陸直後に切り離し 着陸時はグライダーのように滑空し、機体の下に装備されたソリの様な物で着陸。滑空中は一切の回避行動不可能。

なお

「それじゃ着陸する時に簡単撃墜されるよ」

あかね

「着陸できても、自分で動かれへんのやったら簡単に戦闘機に撃たれて爆発やね」

 

無事着陸しても、けん引するトレーラーを待っている間に、米軍戦闘機の銃撃でお陀仏の事例も。

 

3 ロケット燃料はとても危険な物質で、漏れ出したら搭乗員は文字通り溶ける。また、銃撃でロケット燃料が引火して爆発の恐れも。

れいか

「ババロアやゼリーが食べられなくなりそうな話ですね」

 

離陸する時に、ものすごい炎を噴射する。普通の滑走路では耐えられない。特別なコンクリートでの加工を要する。

みゆき

「費用がかかりそうだね」

作戦可能時間はわずか8分

やよい

「これが一番駄目だね。一回攻撃したらもう危険な着陸に入らないとならないし」

 

 

なお

「こんな欠陥機じゃ、まともな戦果上がらないんじゃないかな?」

やよい

「ええと、10機……12機ほどは撃墜したと言う説もあるみたいだど、実は全く皆無だった可能性もあるって書いてあったよ」

みゆき

「その《コメート》戦闘機が配備された空港迂回されたら、どうにもならないね」

 

 

 

 再びデュッセルドルフ上空

 

 

 1月頃、《コメート戦闘機》が出現し、10日ほどの間に12機の爆撃機が撃墜され、一度はかなり焦らされた。が、程なく多すぎる欠点が判明し、星空みゆきが言う様に、配備基地を迂回させる指示を出したらそれ以降ピタリと被害は途絶えた。

 

が、4月以降敵は早くも改良型を投入して来た。第一に専用の車輪が装備され、サーカスの曲芸のような危険な着陸をする必要が無くなった。

燃費効率が上昇したか、新しいロケット燃料が開発されたのか、30~35分程度の作戦が可能になった。これにより、《コメート》による被撃墜機が増えてきている。相変わらず、射撃のタイミングが難しい様で相手が下手な搭乗員なら、生還できる可能性も多少はある様だ。更に、燃料の暴発危険性は相変わらずあるみたいで、突然空中爆発して消し飛んだのを搭乗員が目撃していた。

 

 

 

「敵のロケット戦闘機は何機見える!?」

「4機確認! うちの小隊には半数が向かって来ます!」

無論視界の外で別のロケット戦闘機が、味方と戦っている可能性もある。

 

「カルロス少尉機撃墜されました」

 

スペイン系アメリカ人のカルロス少尉は、歌が上手くて基地で演奏会を開いていた。更に集まったお金は全てイギリスの戦災孤児救済基金に寄付していた。

この前、長女が生まれたと喜んでいた……(2)

 

「敵機反転します。カルロス少尉機搭乗員は脱出」

《コメート》は、燃料か弾丸が不足したのか、反転して去って行った。幸い、当たり所が良かったのか(?)カルロス少尉機は、多少の猶予があったのか次々と搭乗員が脱出する。尤も次に彼の歌を聞けるのは戦後、捕虜収容所から解放された跡という事に……

 

(はぁ……)

だが、それも「生還できて、戦後まで生存したら」である。もしかしたら、5分後に撃墜され一週間後に、ドイツの捕虜収容所で再会する……可能性もある。

 

「別の新型機が来ます! 距離2000」

 

報告している間にも、急速に距離を詰めて来る。1機の護衛戦闘機が、割って入ろうとしたが呆気なく撃墜される。

(奴は、かなりのベテランだ)

速度差があり過ぎると、射撃のタイミングが難しい事は何度か書いた。図体がでかい大型爆撃機にも難しいのに、目標が小さい小型戦闘機を数秒にも満たない射撃で

撃墜できるのは、相当のベテランでも難しい。恐らく米英もしくは、ソ連のパイロット……おそらく数十人以上が、人生を中断させられたのは疑いない。

 

 

 ロケット戦闘機が、発砲して来る。が、幸い初撃は命中しなかった。無論ジミーが撃った12.7ミリ弾はかすりもしない。

 

 

「助かったのか?」

だが、《コメート」は巧みに機体を操り、手足の如く動かし再び後ろに付けて来る。

(あいつは俺達をなぶり殺しにしようとしている。戦闘をゲームのように楽しんでやがる。終わりだ)

ジミーは無意識の内に機銃弾の引き金を引いた。

 

 

それから10秒ほどの間にいろんな事が起きた。まず目の前が一瞬明るくなった。左足に激痛が走り、数秒後2度の爆発を感じた。

「ぐあっ!! 痛い!」

やられた、戦死したんだ! 

(……何故痛いんだ? おかしいぞ)

なぜ生きているんだ? もし、30ミリ機関砲をまともに喰らっていたら即死以外はあり得ない。

 

 気付くと、冷気を感じる。左を見ると機銃座の風防ガラスに小さなひびが入り、そこから冷気が入ってきている。

(敵の機関砲弾が、機銃座を掠めガラス片が足に当たったのだ)

ジミーは何とか、脇にあった救急用キットで止血する。気付くと《コメート》は消え去っていた。

「おい、ジミー無事か!」

「何とか生きてます。敵機は何処かに行ってしまいました。あと2度の爆発を……」

「無理にしゃべらん方が良い。敵のロケット戦闘機は消し飛んだ。多分暴発だろう」

恐らくは燃料か、機関砲弾が暴発して消し飛んだのだろう。

 

 

ベテランが呆気無く自滅するのを目にした、他の独軍戦闘機搭乗員は浮足立ったのか、戦闘を中断し離脱を開始した様だ。

 

 

 

「間もなくアムステルダム北沖です」

 

 1時間後《B-17》隊は、散発的な独軍戦闘機隊や、対空砲の攻撃の攻撃を掻い潜り、エムデンし上空から北海に抜け、西に針路を転じた。

「ジミーもうここまで来たら敵機は来ない! あと少しだぞ」

「機長、本土に付いたら、最寄りの基地に緊急着陸すべきです」

「無論そのつもりだ。ジミーを一刻も早く病院に搬送しないと」

クランプ少尉の意見に、ラル大尉は即座に同意した。

「じゃあ、グレート・ヤーマスですかい?」

「いや、ヤーマスは漁業中心の田舎町だ。それほど大きな病院は無い可能性が高い」

コズン曹長は、最東端のヤーマスに着陸する案を主張したが、タチ少尉はヤーマスには大きな病院が無い可能性を考え、反論する。

「ノリッジにしよう。少し内陸だがあそこは交通の要所だ。人口もヤーマスの3倍以上あった筈だ。大きい病院もあるだろう」

ラル大尉の判断で、人口が多いノリッジの基地を目指す事にした。

 

 

「前方より戦闘機接近! 10機前後です!」

コズン曹長が、前方から接近する戦闘機を発見する。

「敵か?」

「いえ、《マスタング》6機に、《P4Oウォーホーク》6機。味方機です」

弾切れや燃料切れで、早い内に帰還した護衛隊が補給を受け再出撃したのだろう。《ウォーホーク》は英空軍所属を示す、蛇の目と呼ばれる識別標を付けていた。

イングランド東部の英軍飛行場が、同盟国爆撃隊の支援の為に派遣してくれたのだろう。

 

「左舷より戦闘機接近! 敵機と思われます」

確認すると、10機前後の戦闘機が接近して来る。オランダの方角から来ているので、敵機に違いない。

「《BF-109》か……K型じゃ無く一つ前のG型か」

《BF-109G型》は、大戦中期に、北アフリカや、東部戦線で活躍した。速度は時速610キロで、武装は20ミリ及び、12.7ミリ機銃各2丁だ。

《ウォーホーク》よりは性能的に上だが、《マスタングD》には劣る。

 

 

「機銃手は、味方戦闘機を撃たんように注意しながら……」

ラル大尉は、アムステルダムの方角から、さらに3機の戦闘機が接近して来るのが見えた。

「《フォッケウルフD》か、全員注意しろ!」

しかし、

「大尉!……微妙に機体の形状が違う様に見えます」

 

クランプ少尉の指摘通り、微妙に機体の形状が違う。

 

 

 数か月前、2月頃の話だがある噂が流れた。発端は2機の《マスタングD型》がドイツ辺境を偵察飛行していた時、一機の新型戦闘機を目撃した。早速撃墜してやろうと襲い掛かるも、気付いた新型機は急加速して、楽々と《マスタング》を引き離し飛び去った。

「敵新型機は時速750キロは出ていた」

と、その《マスタング》搭乗員は報告した。しかし上層部はその報告を信じなかった。2機の内一機は、近くにあった対空機関砲の銃撃を受け、カメラのレンズを破損。もう一機は、撮影はしたがシャッターチャンスが外れ、空しか映っていなかった。

 

 

 それ以降謎の新型機の目撃情報も無く、

「搭乗員の勘違い」

「大げさに報告しただけ」

等という噂が流れた。

 

「仮に時速750キロ出る新型戦闘機が仮に存在するとする。その様な恐るべき新型戦闘機の情報をなるべく連合軍に知られるのを、遅くしたいと考えるのが普通だ。

《マスタングD型》を容易に振り切る性能なら、簡単に撃墜して口封じ出来る。しかし、敵は攻撃はしてこなかった。戦闘機では無く高速偵察機なのではないかな?

日本海軍が、空母搭載可能な高速偵察機を開発しているという情報がある。ナチも同様な高速偵察機を開発しても、不思議では無い」

 

上官達の多くは、その様に判断していた。訓辞に来たまだ30代の参謀だけは、油断せず情報収集を強化すべきだと反対していたのだが。(3)

 

 

「敵機速度……720……740……750キロ以上だ! クソッ現実に存在してやがった!」

尾部機銃のジミーからも、急速に接近して来る戦闘機が見えた。《Bf‐109G》を、味方戦闘機隊に牽制させ、新型戦闘機は《B-17》に迫って来る。

その敵機は《Taー152H型》、《Fw‐190D》を発展させた、本格的高高度戦闘機で、最高速度は高度12500メートルで、時速755キロに達し、

正に「究極のレシプロ戦闘機」と呼ばれるのに相応しい性能を持つ。武装も30ミリ機関砲1門、20ミリ機銃2丁と強力だ。

 

 

 尾部機銃は弾詰まりでも起こしたのか、全く反応しない。3機の新型戦闘機の一機が、ジミー達の機の後方にいたサンダース少尉機を銃撃。少尉機はエンジンから火を噴きながら雲の中に落ちて行った。続いて隊長機なのか、先頭の敵機が近付いて来る。

 

 

(一時間ほど死ぬのが延びただけだったなあ)

敵機の距離が400メートルほどに縮まる。無論この距離からは敵の顔は見えない。が、ジミーにはにやりと笑いながら、機関砲の安全装置を外す独軍パイロットの顔が見えた気がした。

 

 

 

 

「ヤンキーめ、幼馴染の仇撃ちだ」

 そう呟きながら《Ta-152H》を操縦するのは、ドイツ空軍のフォン・リューネブルク少佐だ。彼は昨年まで、北アフリカ戦線で有名なハンス・マルセイユ

と共に米英軍戦闘機隊と戦い114機を撃墜したベテランパイロットだ。(4)

「砂漠の狐」と称される、エルヴィン・ロンメル元帥から直接称賛されたことも何度かある。ロンメルが、持病の治療の為に本国に帰還したのと同時期に、本国の実験飛行機部隊に転属となり、新型戦闘機のテストパイロットに従事していた。

 

一昨日朝、いよいよ実戦テストの為に、バイエルン州の基地から9機が、アムステルダム飛行場に移動する手筈になっていた。まずリューネブルク少佐が3機で、移動し

翌日6機が移動する。だが、悪天候で残りの6機の移動は延期となった。

 

 

 

リューネブルク少佐は、3機だけでも実戦テストを行う事を求め、上層部の許可を受けた。当初は米軍爆撃隊往路の、最後尾の集団を狙う予定だった。だが、アクシデントで3機だけになったので、爆撃隊の帰路を狙う事にした。帰路の方が戦闘機の援護も少なく、敵も危機を脱して油断しているだろう。

 

 

少佐は、10機の《Bf-109G》に、敵戦闘機隊を牽制させ、自分は部下2人を引き連れ、《B-17》を狙う。部下のヘルソン中尉が、最後尾の《B-17》を手も無く撃墜する。

 

(ヘルソン、やるな。次は俺の番だ。さてどいつから始末してやるかな?」

リューネブルクは、ある《B-17》の尾部機銃が、全く撃って来ない事に気付く。

「弾切れか、機銃員が戦死たんだろう。あのアメリカ野郎を始末して、幼馴染にヴァルハラで詫びさせてやる」

 

幼馴染は、病気がちだったので徴兵はされなかった。彼は、10日ほど前のドルトムント爆撃で、市民の避難誘導に従事していた。しかし、そこに運悪く爆弾が投下され死亡した。

 

実は、目の前の爆撃機はエンジン故障で、爆撃に参加していない。だがそんな事を知る筈も無いし、仮に知っていても攻撃を回避する事は無かっただろう。

 

 その時、一機の《マスタング》が味方を救おうとしたのか、こちらを攻撃しようとした。だが、横合いから《Bf‐109》の攻撃を受け炎上するのが見えた。

(側面への警戒も出来ない無能パイロットの分際で、味方を助けようとするからだ)

そして、ジミーの乗る《B-17》に機首を向け、にやりと笑いながら……

 

その時僅かな殺気を感じ、右上空を一瞬見る。炎を纏った飛行機の形状をした物体が彼の視界全体を覆った。

「!!」

絶叫を上げようとした刹那、リューネブルク少佐の《Ta-152》に、《マスタングD》の機隊が激突した。

瞬時に操縦席が押し潰され、半瞬だけ激痛を感じ少佐の意識は永遠に暗転し、一塊の焔となり2機の機体の残骸は、北海に落ちて行った。

 

 

 

 ジミーはその後の事はよく覚えていない。朦朧とする中敵機が撃って来ないので、

(なんで撃って来ないんだ。そういえば炎みたいなのが見えたから、味方が撃墜したのかな)

と思っていた。銃撃の音も聞こえない。戦闘も終わった様だ。その後何度か機長が、ジミーを励ます声が聞こえた気がした。

 

 

 ジミーが意識を回復したのは、翌日の夜だった。ノリッジ飛行場に着陸後即座に軍病院に搬送され、一命をとりとめた。

「後数ミリずれていたら助からなかったぞ」

とは、軍医の先生の言葉だ。だが、全治3か月の重傷で、退院後も1月以上リハビリの必要ありとの事だ。

 

 

「大尉、最後何が有ったんですか? 何かが爆発した気配は感じたんですが」

「やはり覚えていないか。エマーソン少尉……《マスタング》の乗員だが、敵の戦闘機により、被弾炎上した直後、俺達を助ける為に敵新型機の小隊長機に突入したんだ」

「そうだったんですか。他の敵新型機は恐怖を感じて逃げたんでしょうか?」

「そうかもしれんし、2機が空中衝突した時かなり派手に破片が飛び散ったそうだから、燃料タンクに亀裂でも入ったのかも知れんな」

「機会が有ったら、エマーソン少尉の墓参りをしたいですね」

「そうだな、そうすべきだろう。少尉の故郷は……」

「それ同じ州ですよ。いや隣の郡です。バスで片道30分です。昔何度か行った事がありますよ」

「そうなのか、いや世の中広い様で狭いなあ。じゃ代表して墓参りはお前に任せるよ」

 

 

翌日

 

 

 病院の廊下の方から、男女の声が聞こえる。

(一人はコズン曹長と、もう一人は看護師のマリーさんだ。

「差し入れですか? 念の為に確認します」

「酒瓶なんか隠してないって」

「時々そういうことをする人がいるんですよ。けが人にはダメです。あっ、これお酒入りチョコレートじゃないですか」

「これに入っている程度なら問題ないって、軍医の先生が言ってたぜ」

「まあそうですが、でもこれ凄い高級品ですよ」

「基地司令からの差し入れ。少尉さんは連合軍で初めて敵の新兵器を撃墜したんだ。勲章の一枚くらい授与されるかも」

「ええっ、そうなんですか」

 

 

 敵の新型ロケット戦闘機は、自爆では無く自分が撃った弾が偶然敵機を掠め、それで火花が散って爆発した様だ。その現場を別の爆撃機機長が目撃していた。それで敵機撃墜と認定されたとの事だ。

 

 

「少尉さんも、俺達も悪運が強いなあ」

「そうですね。あのロケット戦闘機が即座に大爆発していたら、巻き添えでやられたと思いますし」

「ちなみに北海上空で敵の新型戦闘機に撃墜された、サンダース少尉機だけど全員無事だったですぜ」

「本当ですか、それは良かったです」

「何とか無事に海面に不時着して、近くにいた英海軍の潜水艦に救助されたそうですぜ。数日は全員入院の必要ありとの事ですが」

 

「それと。入院のお見舞いと言えばやはりこれが定番」

コズンは、テーブルに果物の盛り合わせを載せる。

「これはラル大尉からですか?」

「そのつもりだったんだが、先にゴードン大尉が名乗りを上げた」

「何故ゴードン大尉が?」

ゴードン大尉は、別の小隊長だ。

「少尉さんが、撃墜したドイツ野郎は、ヴァルハラに行くとき別のドイツ野郎のお供が居たんですよ」

同じ時間、ゴードン大尉の《B-17》を下から別の独軍ジェット戦闘機が、攻撃をしようとしていた。

「少尉さんが、銃撃して炎上したロケット戦闘機が、そのドイツ野郎の至近距離で大爆発。そのドイツ野郎巻き添えで、ゴードン大尉は命拾い。命の恩人って事ですぜ」

「確かに」

「美人の娘さんを紹介してくれるかも」

「はははまさか」

「実家は軍人一家って聞きましたが、もしかして既に婚約者が?」

「いやあ、未だそういう人は」

ジミーの言えば所謂名家の一つで、代々何人かの軍人や政治家を輩出している。父親も陸軍次官まで栄達していた。

 

 

翌日

 

 

 また廊下が騒がしい。今度は複数の声が聞こえて来た。どうやら新聞やラジオ記者を病院関係者が押し止めている様だ。

「マリーさん、何かあったんですか」

「何だと思います」

マリーさんは笑顔で、質問返しして来た。

「あの人達は取材に来ているんですよね?」

「大正解」

「病院で事件と言えば、ミステリー小説のど定番! 殺人もしくは不審死ですね」

それを聞いたマリーはおもわずよろめいた。

「怖いこと言わないでよ、怒るわよ!……去年起きたんだけどね」

(あったんですか)

「記者さん達は、貴方を取材に来たのよ」

「はい?」

ジミーは、某特命係の変人警部みたいに返してしまう。

 

 

「少尉さんは英雄になってしまったの。少尉さんが撃墜した戦闘機のパイロットは、ソ連との戦闘で200機以上を撃墜した凄い相手だったそうよ」

 

 まさかそれほど凄い相手だったとは。いやかなりのベテランだとは思っていたが……マリーさんによると、ジミーの状態が良くなるまでは未だ取材は控えて欲しいと説明しているとの事。

「そういえば、間接的にもう一機撃墜したんでしょ?」

「はい」

「それも個人戦果の中に、入れて貰えるの?」

「いや、流石にそっちは認められないと思います」

 

 

 8月に入り、ジミーが退院した直後に勲章の授与及び、一階級昇進及び、9月末付で、本国の陸軍参謀本部広報部付けの辞令を受けた。

 

「ま。英雄を迂闊に死なせたら困る人達がいるって事さ」

とラル大尉。確かにそういう事もあるかもしれない。

「ヒトラー総統は、大量の兵員を一度に運べる大型客船の撃沈に懸賞金を付けたそうですよ。逆にソ連は戦車を破壊しまくっているドイツパイロットの首に、多額の賞金

を付けたそうです」

タチ少尉は、こちらをからかって楽しんでいる様だ。

「リハビリが終了しても、最前線に戻れるかどうかは診断を受ける必要もある。気に止む必要はないよ」

とはクランプ少尉だ。

「となればお祝いの飲み会ですぜ」

とはコズン曹長だ。飲み会は無事開かれ、退院したジミーは久しぶりにお酒を口にした。

 

 

 

 

長い回想が終わり再び9月

 

 

 

ぴかっと雷鳴が見え、数秒後に地震のような揺れを感じた。

(約2キロくらいか)

ジミーは稲光と、その後の雷鳴の時間差から落雷した場所との距離を導き出す。

この日、ジミー達手の空いている物は清掃作業をしていた。雨と未だ続く名前が長いアイスランドの火山灰の影響で、搭乗員は暇なので運動代わりに基地司令が提案した。

 

 

あの爆撃で、出撃した180機の内32機が未帰還となった。更に5機が帰還後修理不能とされ廃棄された。生還した機体からも何人かの死傷者が出た。

入院している間に、生還した人の中からも新たな犠牲者が出た。差し入れを頂いたゴードン大尉も、7月末にドイツ西部上空で消息不明となり、戦死と判断され

中佐に特進した。

 

 

(雨の日は古傷が痛むって本当だったな)

 

(ん、古傷って4カ月しか経過していないが、古傷と呼ぶのは正しいのか? 映画とかだと10年前の古傷がどうとか言うが……)

「そうだな、最低でも2年位昔でないと、適切では無いかもしれんなあ」

「ホワッ」

同じく掃除をしていたラル大尉が、ニヤニヤ笑いながら話しかけて来た。どうやら声に出ていた様だ。

「そろそろ12時か、昼飯の時間だなあ」

直後午前の作業終了の放送が有り、兵士たちは作業を終え食堂に向かう。

 

 

食堂で昼食を食べていると、他のラル機メンバー達も食堂にやって来た。そういえば彼らが食堂に入る前後から、

「またやられたのか?」

「海軍さんもだらしないなあ」

「どうしたんだ。英海軍がドイツ潜水艦にでもやられたのか?」

 

「いいえ、やられたのは米海軍の様です。大尉殿」

「大西洋じゃ無く、太平洋の話みたいです」

ジミーの補充員として、尾部機銃員に配属されたバーニィ兵曹と、クランプ小尉が説明する。

「またハワイか本土がやられたのか?」

「それが、何処か判りませんが北クリル諸島だそうです」

 

「ふむ」

ラル大尉は、メモ用紙の簡単な地図を描く。

「北海道……これは日本本土だ。その北東にあるソ連のでかい半島がカムチャツカ半島だ。その間にある諸島がロシア語でクリル諸島。かなり前からすべてが日本領の筈だ。名前は確かチシマ列島。で、そこで何が有ったんだ」

「海軍の……巡洋艦艦隊が、プリキュアに痛い目に遭わされたそうです」

 

 

 

 

 

 

 




1 死んだ人 レビル→ティアンム 特攻した人 アムロ→スレッガー 宇宙戦艦では無く、MA(モビルアーマー)コロンブス級は補給艦で戦闘能力は皆無。マゼランかサラミス級が主力軍艦。
2 えれなのお父さんではありません。
3 この時、操縦していたドイツ人は設計主任の、クルト・タンク博士。自分は軍人では無いので、敵兵の殺傷はしないと言う考えで、攻撃しなかった。
4 ストライクウィッチーズのハンナ・ユスティーナ・マルセイユの名前の由来

ジミーが乗っていた《B-17》の搭乗員の多くは、元ネタが機動戦士ガンダムのランバ・ラル隊から。今後も出ます。
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