グランブルーファンタジー 〜伝説の蛇〜 作:JOKER1011
第15話
「それにしても文句は言いたくないが、ザンクティンゼルが、ここまで田舎だったとはな。」
スネークは艇の発着所に降り立つ。
ザンクティンゼルからバルツまでの直行便は存在せず、代わりに偶然行商に来ていた商人の個人艇に乗せてもらった。
どうやらショチトル島というらしい。
ふむ。活気づいてるな。何かあるのか?
とりあえず聞いてみるか。
「なあ、すまない。いったいこれは何があるんだ?祭りか?」と目の前のエルーンの男に話しかける。
「あれ?知らないの?巫女様だよ!」
「巫女?」
「ああ、本当に知らないんだな。良いぜ、教えるぜ。」
スネークはその男から色々と聞いた。
巫女と呼ばれる5人組が島の繁栄の為に、この島の各地で舞い踊る巡業をしている事。
イクニアと呼ばれる信奉者が、それぞれ5人の内の一人を信奉し、その信仰心を競い合うという事。
14歳になると、この島の中から選ばれ今回その中の一人が16歳になった為、卒業すること。
「なるほどな。」
「あんた予定は?」
「特に無いな。」
そういうとパァッと顔に笑顔が浮かぶ。
「じゃあさ!これやるよ。」と水色のサイリウムをもらう。
「なんだ、これは?」
「トレピリだ。これを持って応援する。まあ時間がある時に見に来たら良いよ。」と去っていった。
まあ、少し見るくらいいいだろう。
会場にたどり着く。
沢山人がいるな。ヒューマンにドラフにエルーンにハーヴィンまで色々いるな。
ジュースを飲みながら見ていると歓声があがる。
「みんな!お待たせ!」と巫女の5人が現れる。
「ティクニウトリ・ショロトル!」
始まったようだな。
予想以上に盛り上がってるな。
遠くから眺めてると挙動不審な男を見つけた。
異様にキョロキョロと周りを確認し、ステージの裏へ歩いていった。
俺の勘が追いかけろという為、ジュースを急いで飲み干して追いかける。
「ヘッヘッヘ!ディアンサちゃんは今回で卒業だ。だったら最後くらいいいだろう‥」とゆらゆらと歩いていく。
それをスネークは物陰から確認し確信を得る。
止めるぞ。だが現行犯で行こう。今捕まえてもシラを切り通されたら意味がない。最悪俺が捕まる。
もう一度歓声があがった。
どうやら終わったようだな。
あれはテントか。おそらくあそこが待機場所か。
お、入っていったな。
俺はすぐ外で待つ。
「キャアァァァ!」
スネークが急いでテントに入ると、まさに事件が起きていた。
先ほどの男がナイフを抜き、先程ステージにいた5人の前に彼女達より年を取っているが、美しい女性が立って庇っているという状況だった。
「ディアンサちゃん、最後なんだからさー!いいじゃんかよー!」とナイフをチラつかせながら言う。
「だからこそダメです!あなたの相手なら‥分かりました‥私がします。それで我慢してください。」
「うるせえ!俺はディアンサちゃんがいいんだよ!」とナイフを振り上げる。
ガシッ
ナイフを振り上げた瞬間、俺が手首を掴む。
「な!?貴様は!?」
「おいたがすぎるぞ。こっちへ来い。俺が遊んでやる。」と手首を極めながら連行する。
それを見ていた6人。
「大丈夫かな?あの人。」
「心配なら見に行ってみる?」
と、6人が見にいくと、ちょうど向かい合ってるだった。
「どうした!俺は素手だぞ。」
「貴様!邪魔しやがって!」とナイフを舐める。
普通の相手ならそれだけで少しは威嚇になる。だが相手が悪かった。
スネークはただ構えを解かずに見ていた。だが少し笑っている。