グランブルーファンタジー 〜伝説の蛇〜 作:JOKER1011
渡された紙は地図ではなかった。
計画書だった。そこにはこう書かれていた。
(ディアンサの卒業を延期する。)と。
「どういうことだ?カンナから聞いたが巫女は16歳で卒業。ディアンサは次の巡業先が最後だと聞いたが?」
「確かにその通りです。しかし私は伝統を重んじる事も大切ですが、新たな進化の為に伝統を壊します。」
「ディアンサには自分のタイミングで卒業をする。そうしてもらうつもりです。」
「ディアンサは、それを知っているのか?」
「知りません。」
知らないのか。だが何故秘密にするんだ?
「ディアンサには、この事は他言無用でお願いします。」
「分かった。」
それだけ言い、自分の部屋に入りベットに横になる。
そして次の日
次の巡業先に向けて一行は出発した。
「おい!魔物はいたか?」
「いや、異常なしだ。」
「ああ、こちらも異常なしだ。」
周りのイクニア兼警護が剣を構えて前方と後方を挟んでいる。
スネークは一番後ろで殿を務めていた。
しかし他の警護達からは、やる気があるのか、あいつは。と思われていた。
それもそのはずスネークはナイフも抜かずに素手で後ろからついてきているだけだったからだ。
しかし素人目にはそう見えるかもしれないが、スネークは周りに気を配っていた。
襲撃者は魔物だけとは限らない。だから悟られないように首だけ動かしている。
そして残り距離が半分になった頃で休憩となった。
近くの岩に座ってマテ茶とレーションを食べていた。
レーションは本来はカロリーと栄養の補給重視の為にマズイものだ。しかし俺が糧食班に注文を入れた事で研究開発班と合同で作ったMSF印のレーションは従来のカロリーと栄養に加えて味も良くなった。
それを食べながら周りを見ると一箇所に固まりを見つけ、中に巫女がいるのが確認できた。
「ほう‥やりすぎな程の密集隊形だな。あれだと有事の際には中央の者‥巫女か。攻撃から守れるかもしれんが逃げ遅れるな。」
「あはは、スネークさんって、もしかして軍人さんなの?」と笑いながらカンナともう1人の巫女が歩いてくる。
「まあディアンサは一番人気だからね。一番警護の志願が多いんだよね。」
「君は‥赤い宝石か。ハリエだな。」
「そうです。覚えてくださったんですか?」
「ああ、護衛対象は覚えるべきだからな。」
そう言うと、カンナのように一度期待した顔が元の笑顔に戻る。
カンナは他のイクニアに呼ばれ席を立つ。
「それにしてもだが‥」
イクニア達に囲まれたディアンサを見る。
休憩時間だと言うのに休むことなく、話を続けている。
「おい、ハリエ。」
「どうしたんですか?」
「いつになったら、あの護衛はどこかに行くんだ?あれでは疲れがとれないと思うが?」
「スネークさんはよく見てるんですね。ディアンサは今も笑顔で答えてますけど、本当はかなり疲れてると思います。」
「いや、あれくらい誰にでも分かると思うが?」
スネークは300人以上の兵士を抱える組織のトップだ。医療班に任せているとはいえ、スネークが気づいて休ませることだってある。
皆スネークに憧れ、スネークの為に戦いたいと思っている。それ故に無茶をする。
その無茶を見抜き、強制的に休ませるのも仕事の一つになった。
それにディアンサくらいの歳の女性スタッフも中にはいる。
「いやいや‥あの子は一番人気があるって自覚があるからなのかは分かりませんが、中々疲れを顔に出さないんですよね。それにスネークさんみたいに昨日今日出会った人には、そうそう分かりませんよ。」
そう愛想笑いを浮かべているハリエもディアンサを心配しているようだ。
全く‥しょうがないな。
「ハリエ。一芝居付き合え。」
「え?」
そう言い立ち上がると、ディアンサに近づく。
「ディアンサ。」
「は、はい!どうしたんですか?スネークさん。」
「祭司に頼まれてな。ハリエと一緒に来て欲しいらしい。」
そう言うとそのまま立ち上がろうとした為、慌てて弁当も一緒に持っていくように伝える。
「お、おい。お前そう言ってディアンサ様を独り占めする気だな?」
「そんな訳ないだろう。」
「だが!」
するとハリエが後ろから近づく。
「あれ?ディアンサ。スネークさんに呼んできてもらったのに。」
そのハリエの言葉を聞き、疑っていた男が座った。
そのまま祭司の元へ連れて行く‥と見せかけて岩の後ろに連れて行く。
「あれ?祭司様に話があったんじゃ?」
「いや、疲れてるだろうなと思ってな?ハリエに協力してもらって嘘をつかせてもらった。それにしてもあれくらいの嘘を見抜けないとはな。うちの新米隊員の方が優秀だな。」
「新米隊員?スネークさんって上官か何かなの?」
「まあ、そんな所だ。」