グランブルーファンタジー 〜伝説の蛇〜   作:JOKER1011

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第19話

ディアンサはいつまでも襲ってこない痛みに疑問を感じ目を開ける。

 

そこにはナイフをウルフの下あごに突き刺し動きを止めているスネークがいた。

 

「え‥どうして‥」

 

ディアンサは思考が追いついていなかった。

 

スネークはここから離れた後ろで戦っていた筈だ。

 

「当然だ。俺は任務は遂行する男だ。」

 

確かに普通ならスネークにも追いつく事は出来なかった。

 

しかしノクトシアニンをスネークは服用していた。

 

ノクトシアニンは何秒か周りがスローに見える程に感覚が鋭敏となり早く行動ができるようになる薬だ。

 

それを使ってディアンサを守ったのだ。

 

下あごを貫いた事でウルフは力つきる。

 

それをナイフを振って地面に落とす。

 

その後は応戦しなんとか追い払う事に成功した。

 

助かった事への安心感とウルフへの恐怖感でペタッと地面に座り込んでしまった。

 

 

「おい、大丈夫か?立てるか?」と手を伸ばす。

 

それに応えて手を握ろうとすると‥

 

「ディアンサ!!!」とハリエ達が走ってきてもみくちゃにされた。

 

スネークはフッと笑い出した手を引っ込めた。

 

そして騒ぎが落ち着くまでその場で休憩となる。

 

スネークはその場で他の護衛達に囲まれる。

 

「あんたやるじゃねえか!ナイフとそんな小さな銃だけなんてナメてると思ってたんだが見直したよ。」

 

「武器は必要最低限の物を携行するようにしているだけだ。装備が重くては思うように動く事はできん。」

 

その囲まれているスネークをディアンサは見ていた。他の巫女達に囲まれながら。

 

あんな事があったのだ。もしスネークが間に合わなかったらと考えると‥

 

「でもさ、よくスネークさん間に合ったよねー」とハリエが言う。

 

「うん、あたしディアンサが死んじゃったって‥泣いちゃったもん‥」と今でも泣きそうな顔をするリナリア。

 

「ははは‥心配してくれてありがとう。」

 

「実はスネークさんって超能力者とかなんじゃない?」とカンナは自分でもありえない事を言っている事に笑いながら言う。

 

しかしイクニア達や巫女達は気がついていなかった。スネークを見つめるディアンサの頬が少し赤く染まっていた事を。

 

そしてディアンサが襲われかけた事以外は何も起きず街に到着した。

 

「それでは私はこの街の統治者と話してきますので。ハリエ、あとは任せたわ。」と祭司は去っていった。

 

自分にトレピリをくれたエルーンの青年と祭壇の設営を行う。

 

「それにしてもハリエはかなり信頼されてるんだな。」

 

「当たり前ですよ。ハリエ様は巫女達の実質リーダー的存在なんですから。」

 

トンカントンカン

 

スネークは一度設計図を見てから、すぐ構造を理解したのか大ベテランのイクニア達も息を飲むほどのスピードと精密さで組み上げていく。

 

するとハリエが近づいてくる。

 

「スネークさん、頑張ってくださるのはいいんですが、大丈夫ですか?疲れるんじゃ?」

 

「いや、大丈夫だ。これくらいなら休憩はいらん。」

 

するといつのまにか近寄って来てたカンナが口を開く。

 

「何かスネークさんならものすごくデカイ魔物でも一人で倒せそう。」

 

「ああ、倒したことあるぞ。」

 

「え!?あはは、まあスネークさんなら本当にやっちゃいそうだね。」と言うと呼ばれたのか他の所へ走っていった。

 

その後、順調に作業が進み、日が暮れた所で今日の作業は終了となった。

 

スネークは用意された宿舎に戻ろうとする。

 

が、ディアンサが複雑な顔をしながらどこかへ歩いて行くのを見て追いかけた。

 

「‥‥‥」

 

「どうした?そんなところに一人で。」

 

「え!?うわっ!?スネークさん!?」

 

驚き転びそうになったところを踏みとどまり自分の胸の内を語った。

 

「私‥この公演が終わったら巫女じゃなくなるんです。これで終わりか‥って思って‥」

 

「なんだ?巫女は嫌か?」

 

「い、いえ‥そういう事では‥実は私人前に出るのが得意じゃないんです。今まで誰にも言ってませんけど‥スネークさんには言いますね。」

 

「私聞いた事あるんです。公演が失敗したら良くない事が起きるって。それもありますけど失敗したくないんです!失敗しちゃったら、更に人前に出るのが怖くなると思うんです。」と笑う。

 

「お前は考えすぎだ。失敗した所で今までの努力が無駄になる訳じゃない。それに失敗するからこそ人は強くなる。」

 

「スネークさんにも失敗はあるんですか?」

 

「あるな。沢山な。」

 

「ふふっ、それ聞いて私落ち着きました!今回で‥最後ですけど頑張ります!あっ!それと‥」

 

改めてスネークの方を向き口を開く。

 

「遅くなりましたけど、今日は助けていただいてありがとうございました。」

 

「別にいいさ。俺は頼まれた事をしただけだ。それよりも頑張れよ。」

 

「はい!あ、それと不思議だったんですけど、どうしてあの時スネークさんは間に合ったんですか?距離離れてたのに。」

 

「まあ、それは‥俺の身体能力だな。訓練の賜物だ。」

 

本当は薬のおかげだが、そこは伏せておこう。

 

「訓練でそうなるんですか!?すごいなぁ。」

 

そして二人して笑う。

 

「そういや、ディアンサは巫女卒業したらどうするんだ?」

 

本当はまだ卒業は先なのは知っているが、まだ言うわけにはいかないな。

 

「まだ‥何も決まってませんけど‥スネークさんはこのお仕事が終わったら‥その‥団長さんのもとに戻るんですか?」

 

「まあ、そうだな。約束の日時はとうに過ぎてるからな。」

 

「そうなんですね‥」と落ち込んだ顔を見せたが、すぐに立ち直った。

 

「私!祭壇のほうで踊りの練習してきますね。」と歩き出す。

 

「一人では危険だな。俺も行こう。」

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