グランブルーファンタジー 〜伝説の蛇〜 作:JOKER1011
「黒竜騎士団?知らないな。」
ディアンサも同じようにうなづく。
「俺は追われてる身でな。悪いが、この仮面は外せないな。」
「それでその騎士団長とやらが何の用だ?」とM16をしまい、代わりにハンドガンとナイフを構える。
「俺は、この街から出られないのなら、ここで起きている事件の解決に手を貸そうと思った。・・・そしてお前達は魔物の巣に向かっていた。ならばこの騒動の解決方法を知っていると考え監視していただけだ。」
スネークはこの男の発言に嘘がない事を確信し、銃とナイフを降ろした。
ジークフリートは握手を求め、スネークとガッチリと握手をした。
「しかしお前の銃だが‥見たことない形をしているな。」
その時ディアンサは自分に巫女の力が少量だが戻っている事に気がついた。
「スネークさん、祭壇に行きましょう。知らない間に巫女の力が少量ですが戻っています」
「俺はこの島に詳しくない。行動はお前たちに任せる・・・・・魔物は任せろ」
スネークとディアンサ、そしてジークフリートを加え3人は大祭壇に向けて魔物を蹴散らし進んでいく。
「大祭壇はもうすぐ・・・大丈夫、勇気をだせ、わたし!・・・・」
スネークは発砲とナイフファイトを切り替えながらディアンサを守りながら祭壇に向かって歩き出した。
「スネーク。やはりただ者ではないな」
「当たり前だ。」
目的地にはあっさり辿り着いた。
もともとここまでスネークは一人で魔物を倒して来ているのだ。そこにもう一人戦える人物がいたら、護衛する人物がいたとしても過剰戦力であろう。
すでに、ディアンサの目に恐怖はない。
それはここまで次々と一行の最前列でジークフリートと共に魔物を倒し続けている男の後ろ姿を見ていた影響なのかもしれない。
ディアンサは弱々しい輝きを身にまといながら、舞台に上がる。自信に満ちあふれた声で高らかに呪文を唱える。
5人に比べれば、その声はあまりにも小さい・・・しかし。
――どこからともなく姿を現す星晶獣、そしておびただしい数の魔物。
「スネーク!雑魚の相手は俺がする!星晶獣は――」
スネークはハンドガンとナイフをしまい、M16を抜いてディアンサが立つ舞台を守るよう立ちはだかる。
「任せろ・・・・ディアンサ!お前はとりあえず頑張って歌い続けろ。さてそれじゃあ戦うとするか。」
星晶獣に向かい銃を向け、引き金に指をかけた。
ジークフリートは走りだし、魔物の大軍に向けて大剣を軽々と振るう。
己の行く手を阻むスネークに星晶獣は牙を剥く。
自分の二倍以上の大きさを持った星晶獣の鼻頭にスネークは銃弾を放った。
放たれた銃弾は直撃し星晶獣を後方に吹き飛ばす。しかし、ダメージは与えたものの倒す事は出来なかったようだ。
星晶獣は立ち上がり再びスネークに迫る。もう一度銃を撃とうとしたスネークだが・・・。
「な!?」
因果を曲げる力で訳も分からずスネークは転倒した。その後何度も立ち上がろうとするが、スネークはそのたびに尻餅をつく。
「スネーク!何をしている」
魔物を殲滅しているジークフリートから声がかかる。
「俺が聞きたいくらいだ!おかしいんだ、立とうと思っても立てないんだ!」
今もディアンサの声は舞台から聞こえてくる。彼女は必死に歌っている。
そんなスネークを気に止める様子もなく、星晶獣はスネークの横を通り過ぎ祭壇に近づいていく。
それを止めようとスネークが星晶獣に投げる為グレネードのピンを抜こうとし、ジークフリートがディアンサを守ろうと舞台に向かって走り出した時。
よぉぉーッソイ! よぉぉ―ッソイ! よぉぉ―ッソイ!アソレソレソレソレソレ!
突如男達の声が響き渡った。
男達の声に弾かれるように星晶獣は祭壇を離れた。すると、そのタイミングでディアンサの体が輝きだした。
星晶獣の動きが止まる。
突然力が戻ったことに驚くディアンサ、そんな彼女に近づいてくる人物達がいる。
「もう、リナリア早く~」
「はぁ、はぁ・・・間に合った・・・」
「・・・・・・疲れた」
舞台に最初に現れたのはカンナ、次に息をきらしたリナリア、その後をハリエ、ジオラが続いて舞台に現れる。
「みんな・・・・どうして」
そして彼女達の後を追うように現れるたくさんのイクニア達。
ハリエは表情を変える事無く、ディアンサに近づいていく。
「ディアンサ!!」
「な、何?ハリエ」
突然現れたハリエに唐突に呼びかけられ事困惑するディアンサ。
「私達も一緒だから。もう一人で抱え込まなくていいよ。」
「え・・・・」
そんなディアンサにハリエは優しく話しかける・・・そして謝った。
ディアンサが怖がっている事を、気づかないふりをしていたと。
リナリアは伝える。星晶獣・・ショロトルは巫女とイクニア達が多も友達だった事を忘れてしまって悲しんでいると。
突如ディアンサの頭にリナリアの聞いてきた事、
星晶獣ショロトルの記憶が流れ込んでくる。
一頭の犬が星晶獣に改造され、親友を失い、彷徨った果てにこの島に辿り着いたのだと。
「今のは・・・?」
「ショロトル様、寂しくて怒ってたんだって・・・イクニアさん同士で喧嘩してティクニウトリなんて言われてもね」
ジオラが流れ込んできた記憶を説明する。
するとハリエが舞台の先端に走っていき、ショロトルと戦っているスネークに声をかける。
「一体どうなってるんだ?魔法にでもかかったみたいだが?」
スネークはゆっくり立ち上がる。動かなくなったショロトルを見つつ、今回は問題なく立ち上がれた事に首を傾げた。
「スネークさん!!」
背後からハリエがスネークを呼ぶ声が響く。
攻撃を再開したショロトルの前足の攻撃を前転で躱しながら応える。
「どうした!?」
「私達がこの会場を盛り上げるまで、ショロトル様を食い止めてください!」
「なんだと!?・・・分かった!・・任せろ!」
スネークがショロトルの攻撃を躱し、舞台の方に目を向けた。
そこには元気そうな笑顔を見せるディアンサと力を取り戻した巫女達の姿がある。
スネークは彼女達が解決策を見つけたと信じ、ショロトルを睨み新しいマガジンを交換する。
そして銃をショロトルに向ける。
「スネークさん!攻撃は禁止です。」
こんどはディアンサの声が響く。
「な!?」
もう一度巫女達の方を向き直るスネーク。そこにはこちらを見てウィンクをしながら親指を立てるディアンサがいた。
「‥!危うく三枚におろされるとこだったな。」
間一髪、頭をそらすことで攻撃を避ける。
「しょうがない。やってやる。」
スネークはショロトルの攻撃を躱し続ける。
スネークは緊急回避をし続けて避ける。
ショロトルの前脚の横薙ぎに巻き込まれた魔物が制圧された。
これで、ジークフリートの活躍により祭壇付近の敵は一掃された。
ジークフリートがスネークの元に向かい、スネークに迫っていた爪を大剣で受け止める。
「ジークフリート助かったぞ。」
「別に構わん。要するにこの犬との追いかけっこだな。受けて立とう!」
その後巫女達の歌は無事ショロトルに届き、悲しさは薄れ消えていった。そしてその姿は島の空気にゆっくりと溶けていくのだった。
ショチトル島の瘴気はふき払われ、島は元の平穏を取り戻す。
それから二日後――――――
「ディアンサ・・あなたがもしこれからも公演に関わろうという気持ちがあるなら楽士という道もありますよ?」
祭司の提案にディアンサは首を横にふる。
「私、まだ将来のことはよく考えていません。・・・ですが、やりたい事ならあります」
力強くディアンサは応える。
祭司の顔に驚きは無い・・・答えは分かっていたようだ。
「そうですか、いつでもこの島に戻ってきていいですからね・・・それとこれとこれを渡して置きます。」
そう言って頭部に金色の台座が据えられた一本の短杖と一振りのナイフを取り出した。
「祭司様・・私は島を出るとはまだ、言っていませんが・・それにこれは・・・・」
祭司はこの杖を使えばどこでも巫女の力が使えると説明する。ナイフは護身用だそうだ。
「さて、挨拶はこの程度にしておきましょう・・・ディアンサ急ぎなさい。彼はもう時期この島を出て行くそうですよ」
「え・・・嘘!!・・・・祭司様知ってたんですね!!・・・・・・急がなきゃ、祭司様二年間ありがとうございました」
一度頭を下げ慌てて走っていくディアンサを暖かい目で祭司は見送った。
(どうしよう!・・・どこにいるんだろう・・・それに荷物も何も準備していないし‥)
心配事を考え間に合わないんじゃないかと涙を少し滲ませながら懸命に艇の発着場に向かって走る。
その時、ふとディアンサの視界に4人の人影が映る。
「ディアンサ!!急いでこの先よ!!」
声の主は巫女達のまとめ役のハリエ、彼女の手には大きなトランクがある。
「ど、どうしてここに!!それに、それは私のトランク・・・」
突然自分のトランクを渡され驚くディアンサ。ハリエの後ろではカンナとリナリアがしてやったりと笑顔を見せていた。
「て、手紙頂戴ね!絶対だよ!」
「わ、わかった」
リナリアに返事をしてトランクを引きディアンサは走りだそうとした時。
「スネークさんはモテそうだからねぇ~敵は多いぞぉ~」
カンナがディアンサの耳元で呟いた。
「な!!!」
途端に顔が赤くなるディアンサを見てハリエ達は笑顔を見せる。反論しようとディアンサが口を開くこうとする。
「ほ~らいったいった!!早くしないとディアンサの初恋終わっちゃうよ~」
カンナがディアンサを艇の発着場の方向に押し出す。
なにやら言いたそうな顔をするディアンサだったが、ひとまず堪え、発着場に向かって走り出す。
「「「「またね!!ディアンサ!!」」」」
背後からディアンサを応援する声がかかる。
応援を受けディアンサは懸命に走る。
息はとっくに乱れているが彼女は走るのをやめない。
男は小型の艇に荷物を入れるのを手伝っていた。乗せてもらう代わりに手伝っているのだろう。
ディアンサは間に合ったことに安堵し一度止まると大きく息を吸って・・・。
「スネークさん!!!・・・・・私も連れて行ってください!!」
大きな声で叫んだ。
それは長い旅路・・彼女が眼帯の男と共に空の果てを目指す旅が始まった瞬間だった。
(舞い歌う五花編 終了)
はい!舞い歌う五花編終わりました!これからスネークはディアンサと二人旅ですね。おそらく。
次は‥どうしましょうかね?
ヒントは‥‥騎士かな?