グランブルーファンタジー 〜伝説の蛇〜   作:JOKER1011

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第28話

「だが、その前にこいつらの尋問だな。おい、起きろ!」ドガっ!

 

俺は倒れている中で一番装備が良い奴を蹴り起こす。

 

「ウギャ!」

 

「そのまま両手を頭の上に置け。いいな?寝ながら俺の質問に答えろ。」

 

「まず。この誘拐は誰の命令だ?ただの人攫い‥って訳ではないだろう?」と銃を突きつけながら聞く。

 

「知らんな。貴様などに言うことは何もない。」

 

まあ、こうなるのは分かってる。

 

だが、俺はここで見逃すほど甘くないぞ。

 

俺はすぐに男の頭の近くを撃つ。

 

「ヒィッ!」

 

「忘れていたが、俺の質問に嘘をついたり、黙秘をしてみろ。お前の指を一本ずつ折る事になるぞ。どうだ?全部で5回までチャンスがあるぞ?」

 

「それに指の次は歯だ。32本あるぞ。」

 

「‥分かった!分かったから!」

 

「なら、最初の質問に答えろ。」

 

「下っ端だから詳しい事は知らないが、上が錬金術師を大量に集めているんだ。何か‥大きな事をやるらしい。」

 

「それはなんだ?」

 

「それは知らない!本当だ!」

 

ふむ、嘘はついていないようだな。

 

因みにこれは念の為にオセロットも通信で聞いている。

 

オセロットも嘘はついていないと判断しているようだな。

 

「後はお前が知っている情報を全て吐け。残さずだ。」

 

そこからその男は全て吐いた。後半は泣きながらだ。少し小便の臭いもしたな。

 

「もう‥ありません‥許してください‥」

 

俺はそれを聞いてもう一度男に蹴りを入れ気絶させる。

 

「オセロット。男の話は全て本当か?」

 

「ああ、口調などから嘘は感じられなかったな。それにしても‥すまん。」

 

「何を謝ってるんだ?オセロット。」

 

「ボスが一人で苦しんでいるのに俺たちは何もできない事だ。」

 

「そのことか。大丈夫だ。お前たちの声を聞くことが俺の力になる。」

 

「ボス‥分かった。こちらでも何故そちらの世界に飛ばされたのか調査してみる。アウト。」ブツっ!

 

スネークは艇に先に帰していたディアンサにクラリスを預け自室で眠りについた。

 

 

次の日

 

目を覚ましたディアンサは今も気持ちよさそうに寝ているクラリスを起こさないように部屋を抜けだし、ロビーに向かう。

 

昨日の夜中に突然起こされたと思えば、昨日分かれたはずのクラリスを任され、その後クラリスに何があったのか事情を聞いていたため、昨日は余り眠れていないのが現状である。

軽く欠伸をしながら階段を降りロビーに辿り着いたディアンサは目的とする人物を見つけた。

 

「スネークさん、おはようございます」

 

「ああ、おはようさん」

 

スネークはサンドイッチと珈琲の朝食を美味しそうに食べている。その光景にそれにつられたのか、ディアンサも同じものを注文しスネークが座る4人掛けの席に腰掛けた。

 

「それで、なんで突然クラリスさんを連れてきたんですか?」

 

「ああ、昨日帝国兵に拉致されそうになっていたところを助けた。」

 

「・・・そうですか」

 

その後、スネークはディアンサに経緯を詳しく説明し、ディアンサは彼の話に相槌をうちながら聞いていた。

 

スネークが本当にその場に偶然居合わせたかは分からないが、話している内容はディアンサが昨日クラリスに聞いていたものと合致していた。

 

さらにスネークは続ける。

 

「それで、帝国軍と結託している錬金術師の親玉はパラケルススって奴で、今はこの書類に書かれている奴の研究施設がある島で開祖を襲う予定らしい」

 

そう言って、スネークは話しながら何処から数枚の書類を取り出しディアンサに差し出す。

 

差し出された書類をとりあえず受け取り、ディアンサは疑問を口にする。

 

「これ・・・どうしたんですか?」

 

「ん?ああ、昨日潜入して盗んできた。意外とザルな警備だったぞ。俺がそこの教官なら全員訓練のし直しだな。」

 

スネークは当たり前にように話す。

 

昨日、ディアンサにクラリスを頼んだあと、この島にある帝国の施設に単身乗り込み、バレる事無く、必用な書類を頂いてきたらしい。

 

突然聞かされたことの大きさに驚きながら、ディアンサは書類に目を通す。

 

しかし、とにかく字が小さく、賢者の石や開祖だの所々の単語は分かったのだが、書いている内容は全く理解出来ずにディアンサはしばらく書類と睨めっこをしていたが、諦めて澄まし顔で書類をスネークに返したのだった。

 

「まあ、俺もこんな書類は読むのがめんどくさいが、要するにグラン達が危ないって事だ。」

 

書類を受け取ったスネークはそう言い終えると、話すことは終わったとばかりに、食事を再開した。

 

団長が危険だと言うが、スネークが落ち着いているため、ディアンサもスネークに続くように注文した自分のサンドイッチに手を付けたのだった。

 

「ごっめーん!!寝坊しちゃった」

それからしばらくして、クラリスがロビーに顔をだし、3人とも朝食をすませたのだった。

 

 

「スネークさん、昨日は本当にありがとうございました」

 

食事が終わったタイミングでクラリスが姿勢を正し、スネークに感謝の意を伝える。

 

「別にかまわん。俺も奴らに接触しないとと思っていた所だ。それよりクラリス・・そんなことより今後の話しをしようか。」

 

クラリスの礼を受け流すようにして今の現状を説明し始めた。

 

クラリスに一通りの事情を説明し、グランとカリオストロそして捕まっている可能性が高いクラリスの両親を助けるため、3人はパラケルススがいるであろう、とある島に向かって移動を開始した。

 

 

 


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