グランブルーファンタジー 〜伝説の蛇〜   作:JOKER1011

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第29話

島に向かう定期便の大型の騎空艇に乗り込んだ3人だったが、意外にも定期便の利用者は多く、スネーク達の他にもかなりの人数が乗り込んでいた。目的の島には五時間ほどかかるらしく3人は艇の甲板で作戦会議を行っていた。

 

 

「それじゃあウチとディアンサちゃんでグランくん・・・団長くんの援護に向かえばいいのね?」

 

「ああ任せろ、もしもまだ捕まってたらお前の親を俺が助けてくるこよう。」

 

最初クラリスが親を助けに行くと言っていたのだが、スネークの説得によりグランの援護に行くことになった。

 

理由としては、クラリスの攻撃手段は潜入には向いておらず、人質含めて塵にしてしまう可能性があるからだ。

 

そして、クラリス一人ではグランだと分からない可能性があるため、ディアンサも同行することになった。

 

 

「それで、ディアンサちゃん・・・その団長さんはどんな姿なの?」

 

少し考えるディアンサ。

 

「そうですね・・・凄いお人好しですね」

 

 

その会話を聞きスネークは葉巻を咥え、船内に向かって消えていった。

 

取り残されたディアンサとクラリスは小さくため息をついたあと、鞄から何も書かれていない紙を取り出すとリナリア宛てに手紙を書き始めたのだった。

 

「あれ?ディアンサちゃん。そのリナリアって?」

 

そこからディアンサはクラリスに自分が巫女だった事を言い、興味を持ったクラリスが質問しながら話を聞くといった感じになった。

 

ディアンサとクラリスが楽しそうに会話をしているのを物陰に隠れるながら見てスネークは通路に戻る。

 

 

 

葉巻を吸いながら通路を歩くスネーク。これから島に付くまで何をしようか考えて、通路の曲がり角を曲がったところで何者かとぶつかってしまった。

 

「おっと、すまん。」

 

「こちらこそ、すまない。」

 

スネークの声に返事をするように聞こえてきたのは男の声。

 

スネークは自分よりも上から聞こえた声に反応し顔を上げ、ぶつかった相手を見て驚く。

 

「デカイな・・・いや、すまない。ここまでの奴をあまり見た事がなくてな。」

 

スネークが驚いたのは男の体格とその姿にだった。スネークの身長は180センチあるのだが、目の前の大男は2mを優に超えていた。

 

そして何より、大男がもつ、布にまかれた何かが強烈な威圧感を漂わせていた。

 

こいつ‥どこかの傭兵か‥?ただそこらへんの奴とは違う。この佇まいは歴戦のものだ。

 

「いや、気にするな・・・この体は特別製だからな、」

 

 

「ちょっと、バザラガ!!いきなり止まんないでよ!」

大男・・・バザラガの背後から女性の声が聞こえバザラガの背後から一人の女性が顔をのぞかせた。

 

「ああ、彼女連れか。」

スネークの勘違いに狼狽する女性。バザラガは何も語らずスネークを見続けている。

 

 

「すまなかった。俺の名はスネークだ。」

 

ここまでの奴はMSFにもいないな。

 

「って!違うわよ!なんでこんなやつと‥」

 

「同感だな。」

 

「なんだ。違うのか。」

 

「ま、まあ誤解が解けたならいいわ。私の名前はゼタ、よろしく!」

 

女性・・・ゼタと握手をするスネーク。

 

「しかし君は‥いや。君達は傭兵か?しかもそこら辺の奴とは違うな。」

 

そのスネークの言葉を聞いて二人の空気が変わる。

 

ゼタは槍を‥大男は手の中の獲物を持ち直す。

 

しかし‥

 

「え!?そ、そう?アンタ良いこと言うじゃない、そういうアンタも只者に見えないわよ。」

 

「まあ、そうだな。」

 

 

お互いの自己紹介が終わり、スネークが次の言葉を言おうと口を開いた時――。

 

「ゼタ、喋りすぎだ」

 

突如制止の声をかけるバザラガ。その声に反発するようにゼタが噛みつく。

 

「まだ、挨拶しかしてないんだけど!」

 

突如喧嘩を始める2人、このままでは艇内でそれぞれがもつ武器で戦闘になるのではないかという危険な雰囲気が漂い始める。

 

 

「おい、待て。艇の乗客を危険n‥」

 

「黙ってて!」

仲裁に入ろうとするスネークだが、門前払いを受ける。彼らの喧嘩はヒートアップしていくが、突如、バザラガがその場を離れるように歩いて行ったことで突然の終了となった。

 

必然的にその場に残ったのはゼタとスネークになる。

 

「・・・・・・それで? 貴方・・・スネークだったかしら?私に何のよう?」

 

苛ついているのが目に見えるゼタに対しスネークは―――。

 

「最近の帝国について情報が聞きたい。お茶でもどうだ?」

 

 

船内には喫茶店などはなく、飲み物程度しか売っておらず、スネークはそれを2つ買って一つをゼタに差し出す。

ゼタはそれを受け取り、スネークと他愛のない話しをする。

 

 

 

「―――それで、私達はアウギュウステの暴走した星晶獣を倒したっていう人物を探しにわざわざ向かってる訳よ。」

 

「なるほど‥ってことはお前達とはこの艇でお別れか」

 

ゼタがイライラを解消するかのように目的を説明しそれに相槌をうつスネーク

 

 

「それで、スネークは何のためにあの島に向かうの?」

 

「俺か?まあ、知り合いの家族を助けにな」

 

スネークは事情をやんわりと説明する。その後グランの話しや、最近眼帯の男が帝国から重要指名手配にされている話などゆっくり時間が流れていった。

 

「あとこんな事は聞いた事はないか?最近錬金術師達が世界各地で行方不明になっているとかだ。」

 

「うん?ああ、それなら私の仲間が‥って!それ言っちゃいけないんだ。今の忘れて。」とジュースを飲む。

 

そして艇が到着する頃

 

「そろそろお別れね。あの子達?あなたのツレは‥って!なんであいつがいるの?」

 

そちらを見るとディアンサとクラリスが先ほどの大男と一緒にいた。

 

「ああ、あいつらだ。それじゃまたな。」

 

ゼタと別れてディアンサとクラリスと合流する。

 

「スネークさん!探しましたよ!」

 

「ああ、ディアンサ。すまない。」

 

ディアンサの後ろを歩いていたバザラガはスネークに何も言わず横を通り抜け、ゼタの元に歩いていく。

 

「ところで、ディアンサ。あの大男とは知り合いか」

 

スネークは振り向きバザラガに視線を向けながらディアンサに質問を投げかける。

 

「ああ! バザラガさんですか?先ほど書いていた手紙が風で飛んでいきかけた所をとって頂いたんです。話してみたら優しい方でしたよ」

 

楽しそうに出来事を話すディアンサ。

 

「そうか。」

 

その後、3人は甲板で話した通り各々の行動を開始したのだった。


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