グランブルーファンタジー 〜伝説の蛇〜 作:JOKER1011
「彼らに罪は無いが、やむを得ん!応戦するぞ!」
武器を抜き、近衛兵達と渡り合う。
スネークは自分に斬りかかってきた兵士の腕を取り、投げ飛ばす。
こうして近衛兵達を全滅させ、イザベラに向き合う。
「ランスロット‥お前も師のように、この国に牙を剥くというのか。」
「最後の命令だ‥逆賊ジークフリートを殺せぇ!!!!」
「待ってください!それでは‥この者達はどう説明するのですか!」
その声と共に捕らえられていた村人達がシャルロッテと共に前に出る。
「おおう、そなたはリュミエール騎士団団長のシャルロッテ・フェニヤ殿。そなたもランスロット達と一緒であったか。」
「はい。まずは彼らの声を聞いてあげて頂けないでしょうか。」
陛下がうなづいたのを確認して村人達はしゃべりだす。
「イザベラ!!我らの顔を忘れたとは言わせないぞ!」
「な!?貴様らは!?」
「そうだ!俺たちはお前が川に垂れ流した毒物カルマのせいで死の淵にある事を伝えに行くところでお前に捕らえられた村の人間だ!」
「毒物‥カルマ‥なんのことだ?イザベラよ、これはどういうことだ!」
「か、カール王、これは‥違うのです!あやつらはジークフリートによって謀られているのです!」
「謀りだと!ふざけんな!」
「黙れ!!!そんなに言うのならば証拠を見せろ!!!」
「証拠ならあるぞ。」
そう言い、ジークフリートは懐から出した包みを開き、王に見せる。
「陛下ご覧ください。こちらが土壌を汚し、人々を奇病にするカルマでございます。」
「そしてこちらのカルマについて書かれた真書を一緒にご覧になれば自ずとイザベラが起こしたものだと分かると思います。」
それに対してイザベラは鼻で笑う。
「そんな真書に見せかけた小細工など騎士上がりの無能が考えつくことだ!」
「陛下、この真書は医者ボリスが書き上げたものです。」
そのボリスという人物の名を聞き、王は身を乗り出す。
「ボリス‥彼は先代よりも前から我が王家に仕えてきた医師だ。」
「ならボリスを呼んでまいれ。彼に今ここで真書について説明させれば分かる事であろう。」
「ボリスは死んでしまいました‥もう14ヶ月も前です。」
「彼がこの真書を書き上げた後、賊に襲われ‥真書だけは私が何とか死守いたしましたが。」と彼の死を悔やみながら陛下に伝えた。
「な!?貴様があの時の‥」とイザベラはボロを出してしまった。
そこを見逃すはずもなく、スネークは口を挟む。
「あの時の‥?」
「ぐっ‥」
「イザベラよ、何故ボリスの死を1年経った今もワシに知らせなんだ!申してみよ!」
「そ、それは‥その‥」
「全空に誇りし竜の騎士団を持つ大国、フェードラッヘの王、カールよ」
「先王、ヨゼフ様と交わした約束を果たすため、御前にて争う無礼をお許しください。」
「うぅ‥ぐすっ‥」とイザベラが急に泣き出した。
しかし、スネークはそれを冷静に見ていた。あれはどう見ても嘘泣きだと。
「何のことだか分からないまま、寄ってたかって私を悪者に仕立て上げるなんて‥」
「往生際が悪いぞ!イザベラ!もう諦めろ!」とスネークが言う。
しかし、イザベラはランスロットに擦り寄る。
「ランスロット‥」
「はい。」
「お前は‥私を‥信じてくれるよな?」
「‥‥」
自分の中で真実が分からなくなってしまったランスロットが黙ってしまった。
するとディアンサがスネークに声をかける。
「スネーク。私も正直どうしたらいいかなんて分からないよ。ジークフリートかイザベラ、どっちを信じたらいいの?」
「もし間違った選択をしちゃったら‥それこそ歴史が捻じ曲げられちゃいます‥」
「スネーク、あなたはどちらを信じるの?」
「‥もちろんジークフリートだ。」
「だあああ!!!もう分かんねえ!!!」
そう答えた瞬間、ヴェインが頭を抱えて叫ぶ。
「俺バカだからさ、もう何がなんだか分からねえ。だから‥」
「ランちゃんの選択を俺は信じる。例えその選択で国を追われたとしても俺は一生側にいるし、ずっと親友だ!」
「ありがとう、ヴェイン‥そうか、俺は決めたぞ。」
「イザベラ様、今の私はあなたを信用する事ができません。」
「イザベラよ、ワシもじゃ。ワシは一刻も早くそなたの口から真実が聞きたい。」
「分かりました‥大人しく従います‥」
「と言うとでも思ったか!!!どいつもこいつもピーピー騒ぎやがってよ!!」
イザベラは豹変し、更に言葉を続ける。
「こうなったらお前ら全員地獄に送って、私の手で新たにこの国を作り直してくれるわ!!!」
「どうやらランスロットちゃんの選択は正しかったようね。やっぱりあの執政官最低だったわ。」とナルメアが吐き捨てる。
「シルフ様!どこにおられるのですか!」
その声に呼応してシルフが現れる。
「イザベラ?みんな?そんな怖い顔してどうした?」
「シルフ様!お願いです!このボンクラ共を痛めつけてやってください!」
「ぼん‥くら‥?」
「うるせえんだよ!つまりこいつらは寄ってたかってお前を殺そうとしてんだよ!」
「な!?あの人!嘘をついてまで!」とソフィアが怒る。
「しまった!シルフが普段一番接しているのはイザベラだ!」
「シルフ様!お願いです!私の声を聞いてください!」とディアンサが悲痛の声で叫ぶ。
「ムダだ。善悪の判断がつかないシルフにとって一番の優先はイザベラだ。」
「諦めろ!イザベラ!」
「黙れぇぇえ!!!貴様らは黙って霊薬の恩恵に縋りついていればよかったんだよ!!!これさえあれば皆が救われる!!!多少の犠牲などあってないものだ!!」
「うるさいです!確かに私も身長がほしくて霊薬が欲しかったですが、そんな犠牲の上の薬なんていらない!!」
「そうか!もういい!!星晶獣シルフよ!こいつらをぶっ殺せ!!!」
「可愛い顔してこいつもいっちょまえに星晶獣だからな!!!惨めにぶっ殺されろ!!!」
「やるしかないんだな。」
「ああ、俺たちしか止められないぞ。」
落胆するヴェインの肩に手を置き、ランスロットが勇気づける。
「スネーク!もうすこし力を借りるぞ!」
「ああ、任せろ。」
「ジークフリートさん‥」
「俺‥ジークフリートさんの事、疑ってました‥本当にすいませんでした。」
「ランスロット!何をしている。教えた筈だぞ。戦場では敵から目をそらすなと。謝るなら後にしろ。」
「はい!白竜騎士団団長ランスロット!フェードラッヘの歴史を正すため、参る!」
「同じく団員のヴェイン!親友や仲間たちと共に闇を打ち砕く!」
「元黒竜騎士団団長ジークフリート!今こそ!遺された任務を果たす!」
「くだらん。さあ!シルフ!!!この愚か者どもをぶち殺せ!!!!!」