グランブルーファンタジー 〜伝説の蛇〜   作:JOKER1011

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第42話

シルフは持ってた杖を構えてスネーク達と対峙する。

 

その後ろではイザベラがニヤニヤしながら、こちらを見る。

 

先に動いたのはこっちだった。

 

前衛にスネーク、ヴェイン、シャルロッテ、ナルメア、ジークフリート、ランスロット。

 

後衛にディアンサ、ソフィア。

 

まず、ヴェインが槍斧で斬りかかる。そしてナルメアが陽動をし、シャルロッテが身軽に攻撃を加える。

 

そこにジークフリートとランスロットがダメージを入れる。

 

その時、シルフの持つ杖が光り、レーザーを撃ち出す。

 

「うぎゃ!」

 

ヴェインの肩に炸裂し、動きが止まる。

 

そこを見逃さず、もう一度杖の先にレーザーがたまる。

 

撃ち出される瞬間を狙いスネークはM16に切り替え、杖を撃ち、レーザーの軌道を変えた。

 

「へへっ!助かったぜ!」

 

「ヴェイン!まだいけるか!」

 

「ああ!このくらい何ともないぜ!」

 

「ハイルミッテル!」

 

ソフィアがアビリティでヴェインを回復させ、ニコッと笑う。

 

その後、着々とダメージを与えていくが、急にシルフが桃色の膜に包まれたかと思うと急に攻撃が中々入らなくなってきた。

 

「防御力も上げてくるのか!」

 

ディアンサも後半からは歌っていたのだが、それでもほとんどダメージが入らなくなってきた。

 

「シルフ!!!!!さっきから耳障りな歌を歌っている小娘を殺せ!!!」

 

その声に応えてシルフはレーザーを撃つ。

 

スネークはディアンサを庇おうと走る。

 

死を覚悟し、ゆっくりと向かってくるレーザーを見るしか出来ないディアンサの頭の中に突如声が響いた。

 

(ディアンサ)

 

「!? だ、誰!?」

 

(私はお前の頭の中で話している。私の名はショロトル。)

 

(我が力を貸してやろう。目の前の哀れな同志を救ってやってくれ。)

 

その声が止んだ瞬間、ディアンサにレーザーが直撃し、爆発による煙が上がる。

 

「そ、そんな‥」

 

「はっはっはっはっはっ!!!!小娘をぶっ殺してやった!!!!!」

 

その時、シルフがまた杖を構える。煙の中に狙いを定めて。

 

煙が晴れると‥‥ディアンサが立っていた。

 

しかし、様子がおかしい。

 

ディアンサの右目が緑色に変わり、緑色のオーラが 出ていた。

 

「無事なのか!ディアンサ!」とスネークがか叫ぶ。

 

「はい!大丈夫です!」と言いながら杖を振るう。

 

するとショロトルの前脚を模したオーラがシルフに襲いかかる。

 

初めてシルフの桃色の膜にヒビが入る。

 

そして!とうとうシルフのガードを崩す事に成功した。

 

「みんな!決めるぞ!」とジークフリートの声に皆が答える。

 

「レーヴェ・バイン!!!」

 

「胡蝶刃・神楽舞!!!」

 

「ノーブル・エクスキューション!!!」

 

「レーベン・シュトラール!!!」

 

「今だ!!!行くぞ!!!ランスロット!!!」

 

「はい!」

 

ジークフリートとランスロットが走る。それを迎撃せんとシルフは杖を構えてレーザーを撃とうとする。

 

しかし、スネークが杖を持つ手を撃ち抜き、杖を落とさせる。

 

もうシルフには攻撃を防ぐ術はなかった。

 

「「はあアァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」」

 

「シュバルツ・ファング!!!」

 

「ヴァイス・フリューゲル!!!」

 

シルフは地面に叩きつけられ動けなくなった。

 

ディアンサは倒したシルフに近づく。

 

「すまない、イザベラ。」

 

「シルフ様‥」

 

「ディアンサ‥」

 

「ごめんね、貴女の力を分けてもらいます。」

 

「ごめんね‥ありがとう‥ディアンサ‥」

 

ディアンサに自分の力を分け与えたシルフは、静かに消えていった。

 

「くそおおぉぉぉ!!!私の!私のシルフが!」

 

「イザベラ、観念しろ。もう終わりだ。」

 

「イザベラよ。俄かには信じがたいが、今ワシが見た事でそなたの罪は明白だ。」

 

ジークフリートとカール国王の言葉にイザベラは怒りと悔しさで震えた。

 

その後、イザベラと、その関係者は皮肉にも自分たちが邪魔者を幽閉していた地下牢に幽閉される事となった。

 

 

数日後、スネーク達はカール国王から礼をしたいと玉座に呼び出されていた。

 

「此度はそなたらの力でイザベラを倒す事ができた。礼を言いたい。」とカール国王は頭を下げる。

 

「いや、俺たちはただランスロット達と戦っただけだ。」

 

「それでもそなたらは国を救ったのだ。本来ならワシがイザベラの悪事に気がついていなければならなかったものだ。全く自分が恥ずかしい。それとだ。川の汚染で甚大な被害を被ったルフルス村の病人達には霊薬アルマを送る事とした。」

 

「でも、アルマはもう作れないんじゃ‥」

 

「良いのだ。これは民を苦しみから救えなかったワシの責任でもある。このくらいの事はさせてほしい。」

 

「それにあのような霊薬に頼るようでは、この国は、いずれ滅んでしまう。これからは民衆達と共に生きよう。」

 

「はい!この身に変えましても尽力いたします!」とランスロットは答える。

 

「ソフィアよ、そなたはどうするのじゃ?」

 

「はい!私は‥もしお邪魔ではなければ、この国の復興をもう少し手伝わせてください。」

 

「もちろんと言いたいところではあるが、それではワシがペテロ導師に申し訳ない。」

 

「そしてナルメア殿。そなたにも感謝しよう。」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

「シャルロッテ殿もじゃ。偶然とはいえ、リュミエール騎士団長の力を借りる事ができるとは思わなんだ。これからもリュミエール聖国とは密接な関係を続けたいと聖王にお伝え願いたい。」

 

「はい!心得えたであります。」

 

「失礼します!」

 

玉座の扉が開き、ジークフリートが入ってきた。

 

「色々と準備に手間取り、遅れた事をお許しください。」

 

「よいよい、そなたは英雄じゃ。このくらい許そう。」

 

「いえ、お言葉を返すようで恐縮ですが真の忠騎士は、遅刻は致しません。」

 

「はっはっは、そうじゃな。ワシもしっかりせんとな。これでは先代のヨゼフ王に怒られてしまうわい。」

 

「それでじゃ。白竜騎士団の団長になる話は考えてくれたかの?」

 

「その話ですが、辞退させていただきたい。」

 

「な!?ジークフリートさん!どうして!」

 

「ランスロット。お前は本気で俺に団長になってほしいのか?お前は俺に易々と団長の座を明け渡す程の覚悟で団員を率いていたのか?」

 

「それは違います!俺は英雄と呼ばれたアンタを越えるために、国を守る為に戦ってきた。」

 

「そうだ。それでいい。この国に英雄は二人もいらない。俺はもう少し旅に出るよ。次に会った時はもっと立派になってることを願うぞ。」

 

「はい!」

 

二人はガッチリと握手をした。

 

「グスッ‥よかったなぁ、ランちゃん。」

 

「おいおい、泣くなよ。ヴェイン。」

 

「ジークフリートよ、そなたの心よく分かった。これからは何かあったらすぐに戻ってくるのじゃぞ?」

 

「お心遣い、感謝致します。」

 

「さて、ディアンサ。ジークフリートも旅立つようだからな。俺たちも行くぞ。」

 

「はい!」

 

こうしてフェードラッヘに巣食う悪を退治する事に成功したスネークとディアンサ。

 

次の旅は果たしてどこに向かうのか。それは神しか分からない。




さて救国の忠騎士編はこれにて終了です。
今回ディアンサが発動したショロトルの力ですが、これは杖の能力です。
設定では杖はルリアのように星晶獣の力の一部を使役する力を持ちます。
そして使役すると片目がその星晶獣のカラーになります。
つまり同時に使役できるのは2体までです。

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